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『そして父になる』 [上映中飲食禁止じゃ!]

先行上映を妻と錦糸町の映画館で[目]
 
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監督・脚本・編集
是枝裕和
撮影
瀧本幹也 
 
出演
福山雅治 尾野真千子 リリー・フランキー 真木ようこ
樹木希林 夏八木勳 中村ゆり 風吹ジュン 高橋和也 國村隼
 
 
申し分のない学歴や仕事、良き家庭を、自分の力で勝ち取ってきた良多(福山雅治)。順風満帆な人生を歩んできたが、ある日、6年間大切に育ててきた息子が病院内で他人の子どもと取り違えられていたことが判明する。血縁か、これまで過ごしてきた時間かという葛藤の中で、それぞれの家族が苦悩し……。(シネマトゥデイより) 
 
グレン・グールドの爪弾くバッハの旋律は、締め付けられた気持ちを和らがせられる一方で、更に深い処の問いを叩き付けられたような痛みを伴うものであった。
 
カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞し、鳴り物入りで公開された作品は、噂に違わず「家族映画」の傑作である。
古今東西、この手の作品は、子役のピュアな演技に力点が置かれ、必要以上に涙を誘われる傾向のものが多い。
しかし、今作は、圧倒的に「おとなの視点」からの答えの出ない「普遍的な親子像」を問う問題作である。
 
主要人物のキャスティングの時点で、この作品の成功が約束されていた。 
二組の夫婦役に選ばれた俳優陣の陰影に富んだ演技の数々は、普段、彼らが出演するTVドラマからでは見られない真に迫るものであり、更に歴戦の是枝マジックにより、それはものの見事に親の思いと共にフィルムに熱く焼き写された。(映画初挑戦の瀧本氏の絵作りは非常に個性的かつ魅力的だ[exclamation×2]
 
福山雅治真木ようこと云えば、NHK大河ドラマ「龍馬伝」での夫婦役が記憶に新しいが、敢えてふたりに別の夫婦役を務めさせる洒落た配役。
エリート会社員の妻役に真木ようこは、確かに似合わない、やはり電気屋の女房だ。泥の中でキラリと凛とした美しさを醸し出せる女優は、今の彼女の右に出る者は居ないだろう。
そのエリート福山君の妻の座に着いたのが尾野真千子。芸達者な彼女が久しぶりに魅せる深い内面描写に、否応無く心打たれる。
電気屋のパパにリリー・フランキー。唯一、本業が俳優ではない彼の、彼でしか出来ない野生児的な演技が、他のプロ達の好演との対比で異彩を放つ魅力となっている。
そして、主演の福山雅治。坂本龍馬でもなく湯川学(ガリレオ)でもなく、等身大の一児の持つ父親役に成り切る。仕事第一のエリート・サラリーマンが初めて直面する家族の大問題。自分が信じ込んでいた父親像が崩壊し、自己の幼児体験から封印していた父性に目覚め、狼狽えながらも前に進む姿を真摯に演じた。
 
現場の雰囲気によって脚本を変えたり、アドリブを多用する是枝監督の面目躍如たるシーンが続出し、目が離せない。まさに感性のぶつかり合いと云うべきか。 彼ら俳優陣から「演技以上」の「心情」が溢れ出ている気がするのは私だけであろうか? 
 
 「ふたりで何処かに行っちゃおうか」・・・[もうやだ~(悲しい顔)]
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何も言わずに実の子を抱きしめる真木ようこ・・・[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)] 
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(写真無いけど)眠っている我が子の頭を撫でながら尾野真千子が「こうやっていると、あなたにそっくりなのよね」その姿を見つめて福山雅治が「俺も家出したんだ。母親を探しに...」このシーンなどは鳥肌モノ[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)]
 
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ストーリーは、赤ちゃん取違え事件に端を発した二家族の葛藤を描き、特に福山演じる仕事人間の父親としての成長と父性の復活に光を当てたものだ。
ラストシーンは、一見、非常に暖かいハッピーエンドのかたちを取っている。しかし、父・福山の最後の選択が正解であるとは、この映画は結論づけていない。逆に、これから訪れるであろう苦難の道さえ暗示しているように見える。「生みの親より育ての親」とは、使い古された言葉であるが、血の成せる技がどれほど重いかも、この作品は訴えているのである。是枝作品に一貫して感じられる「不確実さ」と「二面性」を見出しながらも、小津安二郎に次ぐ「日本の家族映画」の傑作の誕生を喜ばざるを得ない。
 
家に帰って女房様がおっしゃる。
「母親なら、育てていれば絶対に自分の子供かどうか解るよぉ〜。うちの子だって、アンタの変な所が少しづつ出て来たからねぇ〜」・・・うん、うん、母は強し、アナタは偉い[あせあせ(飛び散る汗)] 
 
最後に脇役として活躍した「中村ゆり」の美貌と、故「夏八木勲」の勇姿に拍手を...[ぴかぴか(新しい)] 
 
 
 
 
◎オマケ
今作の挿入音楽は、すべてソロピアノ演奏のみで構成されている。俳優陣の台詞のシーンでは、基本的にBGMは使わず、人間そのものをダイレクトに描き出すのを優先している。鍵盤の旋律は、シーンごとを繋ぐ背景描写時に、登場人物達の心情心理を俯瞰するように静かに流れるのだ。
そのピアノ曲の中で、一際耳に付くのが、グレン・グールドによるバッハ『ゴールドベルク変奏曲』だ[るんるん]
 
バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年録音)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
  • 発売日: 2008/11/19
  • メディア: CD
 
グレン・グールド(1932~1982)・・・クラシック界では知る人ぞ知るバッハの再来と呼ばれた天才ピアニスト。1956年に発表されたバッハ『ゴールドベルク変奏曲』は、世界中で衝撃とある種の畏敬の念を持って絶賛された。古典への人智を超えた解釈、奇々怪々な演奏スタイル、後に自閉症と揶揄された異様な性癖が、カリスマ化を促し、一躍時の人となった彼ではあるが、コンサートでの生演奏を一切否定し、ほぼ仙人のような隠遁生活を送りながら時折発表するスタジオ録音が、更に伝説を深める事となる。1981年、デビュー作の『ゴールドベルク変奏曲』を再録音。新旧作の比較が音楽界の大きな話題ともなった。翌、1982年逝去、享年50歳であった。
 
中学時代からの音楽仲間である親友から、2年前の大阪転勤の餞別代わりにもらった上記CDなのだが、一聴してぶっ飛んだ[exclamation&question] 30年前にGENESISを教えられた友人の審美眼は、音楽ジャンルと時代を超えて健在で、今でもお互いの感性を刺激しあう仲なのだが、この餞別には脱帽だった。「さすが、我が友[グッド(上向き矢印)]
 
近代西洋音楽の父と呼ばれたバッハではあるが、クラシック及び音楽理論に疎い小生にとっては、ベートーベンやモーツァルト以上に取っ付きにくく古くさいバロック音楽家の象徴であった。中学時代に音楽の授業で聴かされた彼のチェンバロ曲など、面白みに欠ける退屈極まりない禁欲的な楽曲だった。
 
しかし、グレン・グールドの弾くバッハは全く違ったのだ[パンチ] 一瞬、ジャズ・ピアノかと錯覚してしまった。
豊かなピアノの音色、美しいタッチ、彼の手から放たれた音符は煌めいているのだ。クラシック音楽では御法度であろう演奏者のハミング(鼻歌)のオマケ付き。古臭くかた苦しいバッハの音楽が、まるで新しい命を吹き込まれたように躍動している。人間が造り出す普遍的な音楽の源泉が、此処にある。
 
私が、ソロ・ピアノのアルバムで最後まで聴き通す事が出来るのは、この『ゴールドベルク変奏曲』とキース・ジャレットの『ケルン・コンサート』だけなのである。 
 
友に感謝しつつ、今宵もバッハの調べに身を委ねる[るんるん][るんるん][るんるん]
 
ほら、ピアノが謳っているよ[わーい(嬉しい顔)] 
 
  
 

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お彼岸 [ざれごと写真日記]

お彼岸につき里帰り〜久しぶりに東京宅で連泊です。
妻と谷中の菩提寺へ墓参りをし、午後から都内散策。
 
女房が「コスモスが見た〜い!」と騒ぐので、近場の名所を調べるが、流石に都内には見当たらない。
高速道路をぶっ飛ばせば、北関東方面にはあるのだが、連休をノンビリ過ごしたい亭主は手抜きを考える。
「おぉ〜良さげな処があるから、連れてってやるわい!」
今回は、名古屋からNEXを持ってきていないので、東京宅でじっと主の帰りを待っていたGR-DIGITALが2年ぶりの出番です。 
 
と、いう事で唐突に『京浜急行線・立会川駅』に来ました。
立会川河口から勝島運河に沿っての遊歩道に「コスモス」が咲いているらしい〜という僅かな情報を便りに。
江戸時代、この駅周辺に土佐藩下屋敷があり、若かりし頃の坂本龍馬が着任していたらしい〜と、これも単なる言い伝えなのかもしれないが...
 
駅からの鄙びた商店街の入口で「坂本龍馬」様のお出迎え 
 
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渋過ぎる商店街です[ダッシュ(走り出すさま)] 
「龍馬伝」放映時は、それなりに繁盛したらしいのだが... 
 
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 商店街を抜け、立会川沿いに歩くと目的の「しながわ花街道
『おぉ〜いちおう、咲いてる、咲いてる』 
 
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夏の余韻を残す向日葵との対比も乙 
 
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目の前には釣り舟が多く停泊し、船頭さん達が談笑してたりして
「花街道」の雰囲気は皆無[あせあせ(飛び散る汗)] 
 
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・・・と、商店街同様少々寂しい咲きっぷりではある。選択ミス、手抜きの罰か[がく~(落胆した顔)] 
 
妻「う〜ん、大草原に咲き乱れる秋桜のイメージだったんだけどぉ〜でも、なんか下町の憩いの場所って感じで悪くないわね[ぴかぴか(新しい)]でも、ここじゃ、スケッチできる対象は無いけど...[どんっ(衝撃)]
 
常にポジティブな奥様に救われた亭主は、罪滅ぼしに偶然見つけた老舗蕎麦屋(http://tabelog.com/tokyo/A1315/A131501/13003333/)でとろろ蕎麦を奢り、南青山に連れて行きウィンドウ・ショッピングを楽しませるのでした。
 
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最後に立ち寄った「伊勢半本店・紅ミュージアム
 
『奥様サービス』には全力を尽くすべし[exclamation×2]・・・を改めて痛感した一日でございました[あせあせ(飛び散る汗)] 
 
 

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「アップサイドダウン 重力の恋人」&「あの頃、君を追いかけた」 [上映中飲食禁止じゃ!]

対称的な恋愛ドラマを立て続けに... 

まずは 『アップサイドダウン 重力の恋人』

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監督・脚本:ファン・ソラナス
製作:ジェームズ・W・スコッチドポール
撮影:ピエール・ギル
 
キャスト:キルスティン・ダンスト
    ジム・スタージェス
     ティモシー・スポール
 
富裕層が暮らす星と貧困層が暮らす星が、上下で接近するように引き合っている世界。下の星で貧しい暮らしを送っていたアダム(ジム・スタージェス)は、とある山頂で上の星の住人であるエデン(キルステン・ダンスト)と出会って恋に落ちる。ロープを使って彼女を自分の世界に引き下ろそうとするアダムだったが、星の境を監視する警備隊に発見されてエデンは上の星へと落下してしまう。それから10年後、エデンは死んだと信じ込んでいたアダムだったが、彼女が生きていることを知って再会を誓う。(シネマトゥデイより) 
 
 
 
 
[かわいい]マッタリSFラブ・ファンタジー[かわいい]
 
[ぴかぴか(新しい)]絵が綺麗だなぁ[ぴかぴか(新しい)]
 
近未来的な設定に見えるが、中世の香りを残しつつ、まさしく「地球の階級社会」をそのまま、双子の惑星に置き換えた構成だ。
当然CG多用なのだが、精密というより手作り感を残した、よい意味で作り物プンプンの人間臭さが魅力の絵作りだ。
 
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双子の惑星が、手の届きそうな距離にあってお互いに引力で引かれ合っている。そして、この住人には惑星の行き来は禁じられており、仮に下の惑星の住人が上に行っても、住んでいた惑星の引力が本人に作用し、地上を歩くことさえままならないのである。
 
要するに同じ職場で働くとこうなるわけであって・・・
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同じ人間でありながら、ふたつの惑星の住民同士が暮らすのは物理的に不可能な上に、絶対的な貧富の格差・階層の壁が、この惑星間には存在するのである。
そして、上の星の女性と下の星の男性が恋に墜ちるという、それこそ絵に描いたようなファンタジー劇へと進展していくのである。
 
ヒロイン・エデン役はキルスティン・ダンスト
少女期の彼女の描写は、少々無理があるのだが、若き日の逢瀬の事故によりアダムの記憶を失ったセレブなビジネス・ウーマンを好演。実は、彼女は、私の美的感覚には珍しくマッチしないブロンド女優の一人である。されど、見慣れた彼女の表情が、極めて稀に「輝く美貌」を見せる瞬間があり(長い上映時間の中で、のべ30秒間位なのだが)、この僅かな場面を心待ちにさせてくれる珍しい女優さんでもあるのだ。
 
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手の届かない別世界の女性に恋い焦がれたアダムの決死のデート作戦は、スリリングな上に苦笑を伴うものだが、「一念岩をも通す」の格言通り、エデンの記憶を呼び起こし、二人の恋は大成就[かわいい]
しかし、互いの持つ引力の為、二人は同じ場所で暮らせないのである...果たして、この宇宙的難関を彼らは克服できるのであろうか[exclamation&question] 
 
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ニュートンやアインシュタイン並みに物理学的かつ生真面目にこの作品と向き合うと、一気に興味が薄れる虞れがある。アダムとエデンの純粋な気持ちに感情移入し、些細な辻褄違いは忘れて、この壮大かつ美しき映像に身を委ねるべき。ホットな恋人達のデート鑑賞にバッチリのメロメロ・SFファンタジーでございます[黒ハート]
 
物語は、このアダムとエデンの起こした奇跡により、双子惑星に新しい人間社会が生まれる事を示唆している・・・身分も貧富の差も無い平等な愛の世界を・・・まるで「創世記」にように。
 
 
 
 
 
◎もう一本は台湾映画の大ヒット作〜『あの頃、君を追いかけた』
 
これは大当たり[exclamation×2] オッチャン世代には、思わず涙腺ヒクヒク[もうやだ~(悲しい顔)]の青春恋愛劇の傑作[ぴかぴか(新しい)]
 
 
1994年、コートン(クー・チェンドン)は、台湾の地方都市の彰化で中高一貫の高校に通っていた。彼は同じクラスの親友ボーチ(イエン・ションユー)、アハ(スティーブン・ハオ)、グオション(ジュアン・ハオチュエン)、マタカキ(ツァイ・チャンシエン)らとつるんでふざけてばかり。五人は、クラスのマドンナ・チアイー(ミシェル・チェン)に夢中で……。(シネマトゥデイより 
 
 
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監督・脚本・原作
ギデンズ・コー
 
出演
クー・チェンドン ミシェル・チェン 
 
 
2011年の台湾映画であり、反目する中国本土の香港でも大ヒットした作品だ。
当時、東京国際映画祭で上映されたが、2年の歳月を経て、国内正式上映である。
 
内容は、極めて典型的な青春恋愛ドラマのパターンであるが、無性に胸を掻き乱されるような興奮と愛しさが沸き上がってくるのは何故?
主役のふたりが、仮に、日本の知る処の有名俳優であったり、ハリウッド製作のナイスガイとキューティ・ブロンドの組み合わせだとしたら、こんな感動は味わえなかっただろう。
多分それは、我々にとっては未知の台湾俳優だからこそ、観客はごく自然と主人公に自分の若かりし頃を投影できるからに他ならない。
 
魅力的な二人だ。
 クー・チェンドンとミシェル・チェン
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後から調べてビックリ[がく~(落胆した顔)] ヒロイン・チアイー役の彼女は実は御歳30歳[どんっ(衝撃)]
ピュア過ぎる女子高生の演技は、反則技を超越して奇跡だ[黒ハート]
 
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中高生時代を思い出す・・・嗚呼、居たね、必ずどのクラスにもひとりは見つけられる、ちょっぴり可愛い優等生だ。しかも、絶世の美人ではなく、「チョッと可愛い」であり、秀才タイプではなく努力型の真面目ちゃんなのがミソだ。
ゆえに、学年中のマドンナというより、クラスに何人かのマニアックな男子生徒にコアな人気を誇る。そして、そんな男子生徒のタイプは、不良か落ちこぼれに見られがちなピュアな野生児が多い。(私の中学時代の、喧嘩とシンナーをこよなく愛した親友は、ガリ勉優等生への片思いに苦しんでいた。)
その熱血高校生コートン役にクー・チェンドン。幼稚がそのまま学生服をきたような野生児は、高嶺の花の優等生に想いを寄せ、彼女に振り返ってもらいたい一心で、かつてした事の無い「勉強という努力」に立ち向かう。
その彼の真摯な姿を応援するチアイー。いつしか、二人の間に甘酸っぱい思いが取り巻いて行く。
 
この過程が、コートンの個性豊かな悪友達を絡めて、実に可笑しくまた懐かしさを呼び起こす仕上がりだ。
  
 青春って「友情と恋」があるから光輝く 
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別々の大学に進むも、ふたりの「友達以上恋人未満」の微妙な関係は続く。
今時では珍しいこの辺りのプラトニックな恋愛の姿が、オジサン世代には愛おしくて仕方ないのである。
 
 そしてチアイーがどんどん綺麗になっていくんだな[黒ハート]
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ゆっくりと二人は大人に向かって成長するのだが、常に先を見据えるチアイーと無邪気な幼稚さを持ち続けるコートンとの距離は縮まらない。結ばれそうで結ばれないふたり。 
 
もしあの時、「愛している」と言えたら...もっと大人になっていたら...
 
ラストシーンの10年後の二人の姿に、私は、暖かい拍手を送りながら、30年前の自分に重ね合わせ、情けなさと懐かしさがごった煮になった気分に陥るのだった。
 
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自叙伝的小説の映画化に自らメガホンを取ったギデンズ・コー。1994年から2005年の10年間の彼の想いを綴った映像は、初監督らしい瑞々しさとお下劣さ、そして新人らしからぬ登場人物の緻密な心情描写が際立った青春映画の傑作となった。 
私の世代より15年程若い年代だが、台湾の田舎町の時代背景は、日本の70年代後半の香りを漂わせ、台湾の青年達が、「スラムダンク」を読み耽り、日本のAVビデオに猿状態と化す姿に、そのまま「自分の時代」に投影できる。
 
遥か昔の初恋の女性と悪友達を想い浮かべながら、なんとも優しく晴やかな気分に浸れっ放しだった[ぴかぴか(新しい)] 
 
この場面は大好き[かわいい] 
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ゆえに、この作品は、前述の「〜重力の恋人」と違い、カップル鑑賞はオススメしない。特に男性の立場からは。
何故なら、隣のシートに座る彼女の初恋の男性の存在が否応なしに脳裏にちらつき、自分の知らないピュアな頃の彼女の彼氏に向ける笑顔を想像し、嫉妬でいたたまれなくなるからだ。
そう、オトコは女以上にヤキモチ焼きであり、更にそれを相手に見透かされる事を極端に恐れる動物なのである。 
 
そして、男はいつまでたっても『幼稚な動物』であるのを再認識するのである。
我家では、女房が先に行き過ぎて、今では私は彼女の影さえ踏めない。それでも何とか保っているのは、彼女の深き慈悲心のおかげか、諦めに近い悟りの境地の為か[あせあせ(飛び散る汗)]
 
 
 
 

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「トリクシー・ウィートリー」in Nagoya Club Quattro [〜私の歌姫〜]

以前、当ブログで紹介した私の歌姫・トリクシー・ウィートリー(Trixie Whiteley)http://tsumujikaze2.blog.so-net.ne.jp/2013-05-17)が初来日。ご当地名古屋にもやって来たのだ[exclamation×2] 当然、ライブ参戦です[パンチ]
 
9月11日〜開場19時・開演20時。
仕事を適当に切り上げ、会社から徒歩10分でクラブ・クアトロ〜この近さは奇跡的だ〜19時30分入場[グッド(上向き矢印)]
開演30分前でも人影がまばらで、ステージ右最前列のスタンディングテーブル席をゲット〜これも奇跡的だ〜
ワンドリンクのジンジャーエールをチビチビ立ち飲みしながら開演を待つが、観客が一向に増えない...
 
数えてみる...20名いない...[たらーっ(汗)][たらーっ(汗)][たらーっ(汗)] 

常にミニシアターが空いている、一流ミュージシャンが来日しても必ずチケットは取れるのが、名古屋の有難い処なのだが、それはご当地の人口密度の低さ・文化の未成熟度の裏返しを意味するのか?
それでも、いくら日本で無名に近いアーチストでも、これはないやろぉ〜東京では有り得ないぜ[ダッシュ(走り出すさま)] 名古屋のプロモーター、しっかりせぇ[ちっ(怒った顔)][ちっ(怒った顔)][ちっ(怒った顔)]
 
俺のイチオシ歌姫だぜぇ[むかっ(怒り)]ダニエル・ラノワの愛弟子だぜぇ[むかっ(怒り)][むかっ(怒り)]クリス・ウィートリーの愛娘だぜぇ[むかっ(怒り)][むかっ(怒り)][むかっ(怒り)]
 
そしてついに、栄町駅近辺でのアマチュア路上ライブに集る酔客より少ない観客の前で演奏は始まった[exclamation×2]
 
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黒のタイトパンツとTシャツに身を包んだトリクシーが、3人の男を引き連れて、骨太のサウンドとあの命漲るヴォーカルを本邦初公開だぜ[exclamation×2]
父親譲りかつダニエル師匠直伝のフィンガー・ピッキングによるギター音は、激しさと哀しさ双方を包み込んだような陰影の深い色を帯び、ハイトーンから掠れ声まで全く破綻せずコントロールされる彼女の歌声が胸に深く刺さる。
サポートメンバーの演奏技術も高く、さすが、彼女が選んだ強者共という感じだ。
 
そして美しい[揺れるハート]
スリムな肢体は私好み、北欧生まれだからこのブロンドは本物のはずだ[ぴかぴか(新しい)]
黒いブラジャーの肩紐が何度か、演奏中にずり落ちて来て、オッチャンはそれだけでドキドキ[キスマーク]
 
 
 
ライブ中盤。
演奏が終わる毎に「おおきに」「ありがとう」を繰り返していたトリクシーが突然、我々に話しかける。
こんなバラバラに立ってないで、みんな一番前に集ってきてよ〜
スタッフさんが、最前列の危険防止用の柵まで取り外したので、私はすかさず、ステージに走り寄り、かぶりつき状態となる。この辺りから、『少ないお客さんで寂しいけど、せっかく来てくれた皆さんの為に、最高の音楽やるわよぉ〜』みたいな開き直りが感じられ、僅か20名足らずの観客と渾然一体となった素晴しいライブ・パフォーマンスと化していった。
素足の歌姫 
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 今日の雰囲気に近かったパリ公演の模様を...
 
[るんるん]私もこんな至近距離で堪能[るんるん] 
 
少年期から何度もロック・コンサートに通った小生であるが、史上最小人数の観客での最高のライブを体験した。
こんな素晴らしいアーチストの生演奏を目の前で聴けた幸福[ぴかぴか(新しい)] 
 
やっぱり彼女はホンモノであった。 
 
ライブ終了後、喫煙室で独り余韻に浸りながら一服していたら、突然ベーシストとギタリストが入って来た。
私が「エクセレント[exclamation×2]」を何度も繰り返すと、「OH、アンタ、一番前にいた人ねぇ〜、サンキュー」と、彼ら二人と固い握手をかわすのだった。
と、トリクシーもCDの即売会の為に観客席に登場。もちろんCDを持っている小生は、わざわざ特製Tシャツを購入。そして彼女ににサインをおねだり[かわいい]
 
50過ぎのオッチャンご満悦の図
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Oh〜ネイティブ・ブロンド[exclamation×2] 
 
私のiPhoneの中のiTunesコレクションを彼女に覗かせ、
I Like Your Music!」と、デビュー作「Fours Corner」を指差し、更に
「And Your Father's」と、彼女の亡き父・Chris Whitleyのアルバムも見せる。
トリクシーは少々驚いたような顔つきになりながら、
「ありがとう。私にとって最高の父であり、最高の音楽の師です。」 みたいな言葉を返し、私に握手を求める。
私の気のせいだろうが、彼女の瞳は少し潤んでいた...そして小生もジーン[もうやだ~(悲しい顔)]
 
Chris & Trixie Whitley 
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 [ぴかぴか(新しい)]そして、こんな素晴らしアーチストに成長する[ぴかぴか(新しい)]
 
 
Black Dub時代の名曲
 
 
こんなに人気が無いなら私の独り占め状態でもいいのだが、やはりこの歌声を多くの方に聴いてもらいたいし、彼女の高い音楽性を理解して欲しい。そして、トリクシーのライブ・チケットがなかなか手に入らない日が何時か来るのを、心待ちにするのであった。
 
Fourth Corner

Fourth Corner

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Strong Blood Records
  • 発売日: 2013/01/29
  • メディア: CD
Black Dub

Black Dub

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Red Int / Red Ink
  • 発売日: 2010/11/12
  • メディア: CD
 
今回のライブでの最終曲の模様をヴォイスメモで雰囲気だけでも...
合いの手を入れているのは、私ともう一人のオッチャンでした[あせあせ(飛び散る汗)] 
 
 
 
 

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「パシフィック・リム」 [上映中飲食禁止じゃ!]

 
[ぴかぴか(新しい)]理屈抜きに童心に戻れる映画だ[ぴかぴか(新しい)]
 
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2013年、太平洋の深海から突如、巨大生命体が出現し、世界中の大都市が次々と破壊される。絶滅の危機に直面し、人類は人型の巨大戦闘兵器“イェーガー“を開発。操縦者の動きとシンクロして動く画期的な巨大メカは破壊的な生命体に、どう立ち向かうのか!?(ぴあ映画生活より)
 
監督
ギレルモ・デル・トロ
 
脚本
トウヴィス・ピーチャム 
 
キャスト
チャーリー・ハナム 菊地凛子 イドリス・エルバ
チャーリー・デイ ロブ・カジンスキー マックス・マーティーニー
ロン・パールマン クリフトン・コリンズJr. 芦田愛菜
 
 
『円谷特撮映画』の復活か?『エヴァンゲリオン』へのオマージュか?
最初に2D作を観た翌週に3D鑑賞してしまったぁ[ぴかぴか(新しい)] 
 
映像の魔術師・ギレルモ監督が造り上げた「怪獣映画」は、ハリウッドが最先端映像技術で生み出すSFアメコミ系のヒーロー映画とは一線を画した、日本男児垂涎のエンターテイメント作だ。
 
海底から次々と現れる巨大生物体を、この作品では「モンスター」とも「エイリアン」とも呼ばず「カイジュー」と名付けている。ギレルモ氏がエンドクレジットで、円谷英二の盟友であり「ゴジラ(1954年)」の監督である『本多猪四郎』に対し敬意を表しており、氏の日本の怪獣映画に対する深い造詣と愛情を感じさせる。
 
登場する「カイジュー」は、とてつもない巨大生物であり、そして、ただ無軌道に世界中の都市を破壊するのみで、彼らの目的は解らない。この冷酷無比な行動と不気味な存在感から我々が襲われる不安感は、まさに「ゴジラ」第一作から受ける感覚と同じである。 
 
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そのカイジューに立ち向かうべく、人類の叡智を結集して開発した人型迎撃ロボット『イエーガー』は、ふたりの操縦士の神経とマシンを接続する〜「ドリフト」〜と呼ばれる操作によって戦闘力を得る。これは、「エヴァンゲリオン」の「シンクロ」を否応なしに彷彿させる。そして主役の二人が操縦するメイン・ロボット「ジプシー・レンジャー」の姿からは、どことなく「鉄人28号」の香りがするのである。
 
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幼児期から青年期に至るまでに刷り込まれた、これら日本伝統の「人間VS怪獣」作品群への憧憬は、私達世代の男性陣が共通して持つモノである。
その想いを凝縮したような最新の特撮映像と“日本的”ストーリー展開により、オッチャンは我を忘れて「男の子」に戻るのであった。
 
配役にも日本人女優を抜擢。オスカーノミネートも記憶の片隅になりつつあった「菊地凛子」が、ローリー(チャーリー・ハナム)と共に「ジプシー・レンジャー」に乗り込む森マコを演じる。
 
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流暢な英語とたどたどしい日本語が印象的なミステリーな女性役。仮にヒロインがスリムなブロンド女優だったら、この作品が少々違う印象になったろうが、今回に関しては彼女はハマり役だ、大いに許す[わーい(嬉しい顔)]
 
息もつかせぬスピーディーな展開、圧倒的な戦闘シーン。
この純粋なまでのワクワク感はホンモノであり、これは私が「ゴジラ・シリーズ」に胸躍らせ、「モロボシダン」に感情移入し、「綾波レイ」に恋い焦がれた頃にタイムスリップしたからに他ならない。
  
大金を賭けた割には、ツッコミ処は満載である。
俳優陣の細かい演技、強引過ぎる設定、辻褄の会わない展開など、挙げたらキリがない。
しかし、それをもって有り余る「映画の力」〜人類を守る・怪獣を倒すという直線的なパワー〜が、私を飲み込んだ。
 
終盤は、ハリウッドお得意である「最小限の愛する者達の犠牲で、全人類が救われる」という『アルマケドン』的な展開な上に「ヒーロー、ヒロインは生き残り、ラブラブ[黒ハート]」の『インディペンデンスデイ』風の結末に至るありきたりなモノだ。しかし、2度の観賞の後でも、この作品にハリウッド臭さを私は感じないのだ。
 
人型ロボットで未知の巨大怪獣と戦う基本的設定と、CGのみに頼らない特撮技術の迫力は、我々日本男児が、永年慣れ親しんだ怪獣映画&ロボットマンガの記憶と完全に『シンクロ』するからに他ならない。
日本伝統の特撮怪獣映画の遺伝子が、メキシコ人監督の手により突然変異し、このような形で華開いたのだ。  
 
女性陣が観ても、ほとんどの方は興味を示さないだろう。アベック鑑賞など、もってのほか[パンチ]
「男の子」だけが楽しめる(勿論、遥か昔に男の子だったオジサン達も)、男の子だけに観て欲しい純粋な怪獣映画の傑作である。
 
...「ジプシー・レンジャー」は、原子力によって稼働する。
第1世代機パイロットだったマコの師匠スタッカー司令官は、遥か昔に東京での長時間戦闘により被爆し、不治の病に侵されていた。そして、ラストシーンで敵を一網打尽にしたのは、まさしくジプシー・レンジャーのメルトダウンによる核爆発である。
 
ほとんど、政治的メッセージを感じさせない本作なのだが、「核の平和利用」だけは婉曲に観客に訴えている気がした。公海に放射濃漏れの水を垂れ流し続ける国民の感性は、世界で唯一の被爆国でありながら、世界標準の「核」の考えからズレ始めている気がする。東京オリンピック開催に浮かれる前に、世界に恥じない福島原発対策を施さねばならない。1954年、アメリカはビキニ環礁で水爆実験を行い、「第5福竜丸事件」を起こした。それを契機に製作された「ゴジラ」は、海底深くに眠っていた恐竜が、水爆実験で目を覚ます設定だった。
 
怪獣映画の原点には、被爆国・日本の平和への強き思いも秘められていたのを、この新作によって思い出すのであった[ひらめき][ひらめき][ひらめき]
 
 
 
 原典「ゴジラ(1954)」
 
 
 来年、ハリウッドからゴジラの新作が出るらしい[exclamation&question]
 
 

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機内で観た映画いろいろ... [上映中飲食禁止じゃ!]

成田〜パリ 片道12時間=往復1日[ダッシュ(走り出すさま)]
よく我慢して乗れたものだと、今でも自分自身に感心しているのだが・・・
 
長距離フライトでは、機外は眩いばかりの太陽光に照らされているのに、時差を考慮し、機内を遮光して擬似夜を作り出し、無理矢理に乗客を眠らせようとするのが航空会社のマニュアルのようである。 
しかし、我々はモルモットではなく、無理にでも眠った方が、目的地に到着してから身体が楽のは頭では理解しても、 人間様の神経はそうは簡単には騙されない。かくなる小生も「日本時間の真っ昼間から熟睡できるかい[むかっ(怒り)]」と、逆に神経が高ぶり目が冴えてしまう。そんな時に有難いのが、大量の作品群から選択できる映画上映である。特に見逃していた最近の作品もラインナップされており、これを良い機会にたっぷりと鑑賞してしまった[目]
今年公開の映画がほとんどだが、既にすべてDVD化されております。
 
 
プラチナデータ Blu-ray  プラチナ・エディション

プラチナデータ

  • 監督:大友啓史 
  • 原作:東野圭吾
  • 脚本:浜田秀哉
  • 出演:二宮和也 豊川悦司 鈴木保奈美 生瀬勝久 杏 水原希子 萩原聖人
評判の良かった邦画サスペンス。
DNA解析調査が飛躍的に進化した近未来の設定がユニーク。
IT科学者・二宮とアナログ刑事・豊川の対立から結束に至る過程が丁寧に作られており、好感度。
そして、二宮和成が単なるアイドルグループの一員でなく、優れた俳優の一人であるのを再認識した。この難しい役柄を自然な演技でこなせる俳優は、そうはいない。
一方の女優陣が弱かったかな。いまさら鈴木保奈美でもないし、杏はまだモデル上がりの域を出ない。ほとんど台詞の無い水原希子のミステリアスな雰囲気のみが際立っていた感。
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全体的には、東野圭吾・原作の複雑な謎解きを解りやすく2時間の映像に封じ込めた演出は見事であり、全く飽きさせない展開であった。邦画のサスペンスも徐々にレベルの底上げがされている事を実感できた作品[グッド(上向き矢印)]
 
 
ヒッチコック [Blu-ray]

ヒッチコック

  • 監督:サーシャ・ガヴァシ
  • 原作‥スティーブン・レベロ
  • 脚本:ジョン・J・マクロクリン
  • キャスト:アンソニー・ホプキンス ヘレン・ミレン スカーレット・ヨハンソン 
  • ジェシカ・ピール ダニー・ヒューストン

最低でも「サイコ」を観ていなければ、この作品の面白さは半減する。
そもそも、ヒッチコック作品に興味が無い方が、この映画を観に行くこと自体がないはずだが...
アルフレッド・ヒッチコックそのものと錯覚するほどのアンソニー・ホプキンスの変身・変装ぶりには驚嘆。
その妻役にヘレン・ミラン。英国の至宝でもあるふたりのオスカー俳優の余裕の演技と言うべきか。
実物のヒッチコックのブロンド好きは有名な話しであるが、同じ癖を持つ小生としては、興味津々の展開だ。
 
オリジナル「サイコ」のヒロイン・ジャネット・リー
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今作でのジャネット・リー役はスカーレット・ヨハンソン
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う〜ん、よろしい・よろしい[揺れるハート]
そして、金髪にハマりながらも、妻への愛情は変わらないヒッチコック氏にさらに同感・同感[あせあせ(飛び散る汗)] 
 
 
ストロベリーナイト DVDスタンダード・エディション

ストロベリーナイト

  • 監督:佐藤裕市
  • 原作:誉田哲也
  • 脚本:龍居由佳里 林誠
  • 出演:竹内結子 西島秀俊 大沢たかお 小出圭介 宇梶剛 丸山隆平 津川雅彦 
  • 渡辺いっけい 遠藤憲一 高嶋政宏 生瀬勝久 武田鉄矢 染谷将太
竹内結子主演のテレビドラマ・ヒット作の映画化。
当然、テレビの方は未見である。ゆえに、姫川玲子及び姫川班のメンバーへの思い入れはゼロである。
男勝りのタフな精神力と異様なまでの正義感を持つ美人刑事・姫川が竹内結子で適役かは、少々悩む処であるが、同じタイプなら小生は「アンフェア」の篠原涼子の方が好みであるのは置いといて、西島秀俊がいいですねぇ。
年下の上司に強い想いを抱きながらも、男女の関係に踏み込まず、彼女を守る立場に徹する実直な男を好演。
 
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しかし、女警部補は彼の気持ちを知りながらも、自分と同じ薫りがするヤクザ(大沢たかお)に惹かれてしまう。
 
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ストーリー自体は練り込まれているのものの、目新しさはない。だが、俳優陣の演技のレベルが総じて高く、展開が非常にリアルに感じられる。特に「大沢たかお」と「染谷将太」は、やっぱり巧い[exclamation]
 
私は、サスペンス調にドギマギするよりも、西島演じる菊田の「見返りも求めない尽くす愛」に目が離せなかった。
 
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 姫川とヤクザの密会に出くわし、呆然とする菊田の図
 
ほぼ全編に亘って雨が降るなど、安っぽいTVドラマとは違う拘りの演出が感じられて、極めて好感度であった。 
 
 
オズ はじまりの戦い ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

オズ はじまりの戦い

  • 監督:サム・ライミ
  • 製作:ジョー・ロス
  • 音楽:ダニー・エルフマン
  • キャスト:ジェームズ・フランコ ミラ・クニス レイチェル・ワイズ 
  • ミシェル・ウィリアムズ ジョーイ・キング


これは、やっぱりシネマのスクリーン、出来れば3Dで鑑賞すべき作品なのでしょう。
しかし、昔ならぶったまげたCG映像が、最近では見慣れてしまったようで、特にディズニー系のこの手の作品に驚かされる事は無くなってしまった。
「オズの魔法使い」の若かりし頃の設定であるが、この歴史的大作を知らないお子様でも楽しめる内容になっている。
とにかく、小生は2人のキャラクターにゾッコン[黒ハート] これで十分でした[わーい(嬉しい顔)]
 
 西の魔女セオドラ役のミラ・クニス
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失恋に狂う姿も素晴しかった。 
 
陶器で出来た少女(名は無い)
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 決してフィギュア趣味は無いが、可憐な乙女姿にドキッ[exclamation&question]
 
 
L.A.ギャングストーリー ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産) [Blu-ray]

L.A.ギャングストーリー

  • 監督:ルーベン・フライシャー
  • 原作:ポール・リバーマン
  • 脚本:ウィル・ビール
  • キャスト:ジョシュ・ブローリン ライアン・ゴズリング ショーン・ペン 
  • ニック・ノルティ エマ・ストーン ロバート・パトリック マイケル・ペーニャ


  • 機内で観た作品では、一番のお気に入り。劇場で観られなかった事を悔やんだ作品だ。
  • 魅力溢れる出演者達。豪華なメンバーの上に、完全に全員が役柄に入り込んでいる。
 
落ちこぼれの荒くれ警官達 
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マフィアのボス・実在したミッキー・コーエンをショーン・ペン
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マフィアに仕切られてしまったロサンゼルスを、市民の手に取り戻すべく、汚職にも権力にも縁の無いロス市警の問題警官達が立ち上がる実話を元にした作品だ。
 
「七人の侍」を彷彿させる圧倒的勢力の敵に立ち向かう6人の警官。勧善懲悪〜こんな単純な設定に胸躍る[ぴかぴか(新しい)]
更に、戦いの中にラブロマンスを絡ませる、ありきたりの手法を用いるが、これがガチンコの抗争に華やかさを散りばめて、映画らしい構成になっている。
紅一点は、エマ・ストーン[揺れるハート]そのお相手がライアン・ゴズリングと来れば、絵に成り過ぎる。
 
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スパイダーマンの恋人役ではブロンドだが、こっちも素敵だ[キスマーク] 
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警官達がギャング以上にギャングらしい横暴さ。 
こんな王道アクション映画を、たまに観ると無性に嬉しくなってしまう[ぴかぴか(新しい)] 
 
 
 
 
なんだかんだで24時間ののべ飛行時間中に5本も観てしまった。普通の生活では有り得な〜い[ダッシュ(走り出すさま)]
 
ちなみに隣の奥様は、「枕が変わると熟睡出来ないのよねぇ〜」と言いつつ、ワインをがぶ飲みし、私が薦めた「もうひとつのプレイブック」を10分観ては口を開けて眠り込み、起きては巻き戻しを繰り返し、結局、内容を覚えていない剛の者でした[ふらふら]
 

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『ミッシェル・ポルナレフ』はフランス人だった! [超個人的溺愛の逸品]

フランスかぶれが抜けきれないつむじ風です[あせあせ(飛び散る汗)]
 
元々は仏国苦手な小生なのだが、意外にも初めてハマった洋楽はフランス産であった事を、遥か昔の少年時代を思い起こしハッとしたのでした[ひらめき]
 
中学1年一学期、悪友宅での衝撃のハードロックと出会う半年前〜当然70年代前半です〜
当時の中一生達の身近な音楽といえば、やはり歌謡曲主体であり、男子生徒の多くは、山口百恵の「ひと夏の経験」の歌詞の謎解きに燃えていた訳であるが、一部のませた友人が徐々に未知の洋楽の魅力に惹かれ始めていた。
 
洋楽好きのジャンルを大別すると、兄・姉を持つ者はビートルズ、女性陣に人気のカーペンターズ、気取った奴らがサイモン&ガーファンクルという3系統がメジャー派であった。中学で初めて英語の授業を受け、Englishの語感に触発された連中から、いち早く歌謡曲を卒業していくのだ。
 
発育の遅い小生は、純和風の黒長髪アイドル好きで「南沙織」「麻丘めぐみ」に恋い焦がれる歌謡曲派だった。
 
そんな或る日の給食時間。 
我が学び舎では、昼休みに放送部主催によるDJ番組が日替わりで校内放送されていた。(今思えば和やかな校風であった)当時は「オールナイトニッポン」が黄金期を迎えつつあり、ラジオ・パーソナリティが脚光を浴び始めた頃で、それに影響された先輩達の真似事であったのだが、いつもの校内放送の他愛のないおしゃべりの後に流れた異国の曲に、つむじ風少年は牛乳を呑む手の震えを覚えるのだった。
 
 
 
美しきピアノの旋律に絡まる男性のハイトーン[るんるん] 
ル・ルゥ〜[グッド(上向き矢印)]』と裏声にひっくり返る処なんぞには、少年はかつて無い感動を覚えるのだった。
教室のボロボロのスピーカーから流れたこの1曲のみで、私はこの外国の歌手の虜になってしまった[黒ハート] 
 
『ミッシェル・ポルナレフ』という舌を噛みそうな外人さんの名前と、「ラブ・ミー・プリーズ・ラブ・ミー(邦題・の願い)」という英語覚えたて中学生でも分かりやすい題名を、私はしっかりとメモったのであった。
 
当時、自宅には、まだステレオ音響装置が存在せず、LPを買っても聴く術が無かった。少年の唯一の音楽再生システムは、モノラルのラジカセだけだった。それでも私は、FM雑誌の番組表から「ポルナレフ」の名前を探し出しては、いまでは死語である「エア・チェック」を繰り返し、彼の他の曲のコレクションを徐々に増やす涙ぐましい努力を重ねていた。
 
そして、愚かな事に、私は彼の曲を歌いたくて、歌詞を耳コピしてカタカナで書き綴っていたのです。更に、そのカタカナから推測して言葉の意味を知ろうと、英和辞典と格闘していたのだった[あせあせ(飛び散る汗)]
そう、語感の弱い小生は、彼の歌詞はすべてEnglishだと信じ込んでいたのでした[ふらふら]
 
その後、或る音楽雑誌から「ミッシェル・ポルナレフ」が、フランスを代表するシンガーソングライターである事、いくら努力しても解読不明だった彼の歌詞がフランス語である事が判明した時の衝撃と恥ずかしさ[どんっ(衝撃)]
(私はその後、日本のポップスでも英語を混ぜた歌詞を聴くと虫酸が走る体質になってしまったのだが...)
 
徐々に「彼」の情報は増え、デビュー当時の繊細な優男風が「トンボメガネ」の変態アーチストに変体している事実を知る。男のヌードまで披露していた事は、当時の少年にとって困惑以外の何物でもなかった。
 
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(後日談ではあるが、ミッシェルはひ弱な自分の体格に相当なコンプレックスを抱えていたらしく、デビュー後から熱心にボディビルに励んでいたそうだ。そして、筋肉質の体型を勝ち得て以降、それを露に晒すのに無上の喜びを感じる性格に変貌していったらしい・・・こんな話しは何処かで聞いた覚えがあった・・・そう、『三島由紀夫』と同じ道なのだ。)
 
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英語力は幼児以下のお粗末さでも、日本文学にはマセていた小生は、当時から「三島文学」にハマっており、「三島由紀夫」を敬服していたのである。
勝手なものでこんなヌード繋がりから、私はミッシェルへの親近感は更に深まっていく。
 
「ラース家の舞踏会」 
 
 (やっぱり、今聴けばフランス語だ[あせあせ(飛び散る汗)]
 
エアチェックのみで、ほぼ彼の代表曲を録音したカセットテープは、まだ音楽のなんたるかも解らん中学1年生が、初めて触れて好きになった洋楽への想いが詰まった私の宝物であり、それは今もタンスの奥に仕舞い込まれている。
 
中学2年になり、悪友の影響でロック小僧に変貌してしまった私は、知らぬうちにミッシェルから離れていく事になる。同時にミッシェルの人気も70年代後半を境に墜ち始め、80年代に入るや既に過去のスターになってしまった。
 
来日時の貴重映像
「シェリーに口づけ」 
 
 (南田洋子も綺麗だったなぁ)
 
先日のフランス旅行前に突然、「彼との思い出」が脳裏をよぎり、何枚かのCDを大人買い。
今改めて聴き直すと、当時のラジカセからは聞き取れなかった楽曲の緻密さ、洒落たアレンジメント、演奏技術の高さが浮かび上がる。(なんと、デビューアルバムにはジミー・ペイジが参加していたんですよぉ[がく~(落胆した顔)]
 
彼のヒット曲の邦題には愛の〜が多い。安易なネーミングセンスにはクスっなのだが、フランスからやってきた「愛の伝道師」風の売り方に、当時の日本のレコード会社は躍起になっていたようだ。 
 
私のお気に入りの1曲「愛の伝説」
 
 
初めて惚れた洋楽〜彼のヒット曲をiPhoneに一杯詰め込んで、パリの石畳の上で聴いて童心に帰るはずだったフランス旅行。そのiPhoneを観光初日に盗まれた悲劇[どんっ(衝撃)]
 
本当に、フランスって自分にとって縁があるのか無いのか、不可解で魅力たっぷりの国だ[ハートたち(複数ハート)]
長女がフランス留学を決断したのは、私の少年期のフランス語への大いなる誤想が刻まれたDNAの成せる技なのかもしれない。
 
 最後に
2007年奇跡の復活〜34年ぶりのコンサートの模様を
「愛の休日」
 
 


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「アムール、仏蘭西!⑤」ラストナイト イン Paris [ざれごと写真日記]

 
◎6日目
 
留学中の娘と合流してのフランス国内旅行も残り1日
明日午前には、パリを発たねばならない。イコール来春まで娘と会う事はない。
今まで8ヶ月間、顔を合わせる事が無くても、さして寂しさを感じなかったが、不思議なもので4日間も行動を共にすると、親心がムクッと頭をもたげ、早くも明日の別れに向けて年甲斐も無くオセンチになるものだ。
 
妻も似た様な想いを抱いているだろうが、湿っぽいのが苦手な我が家族は、銀座に買物に出掛けるような軽いノリで、最後のパリ市内観光を楽しむのだった。
 
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アメリ [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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この映画の舞台でも有名な「サンマルタン運河」
 
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作品のイメージを持ったまま観ると、少々興醒めの部分もあるが、とにかく賑わっていました。
一応、水切りの真似事はしてみたけど...[わーい(嬉しい顔)] (それにしても、素敵な映画でしたよね[黒ハート]
 
その運河を臨むカフェで軽く朝食を採り、パリ初日の夜に外観だけ観たノートルダム大聖堂...は混み過ぎの為に寄らず、その近くにある「サント・シャペル寺院」に行く。(あまり有名ではない此処でさえ40分待ち[ダッシュ(走り出すさま)]
しかし、待った甲斐のあった眩いばかりのステンドグラスに心奪われる[ぴかぴか(新しい)]
 
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次に、妻がガイドブックから探した「カルナヴァレ美術館」に向かうが、残念ながら休館。
今日は木曜日で平日のはずなのに、おかしい?と皆で首を傾げていたら、いち早く娘がスマホで調べ上げ、本日はフランスの祝祭日である事が判明。
8月15日・・・無論、日本国では終戦記念日という歴史的な日だが、当国では「聖母被昇天祭」と呼ばれるキリスト教にまつわる祝日であった。
仕方なく、美術館近辺のマレ地区の商店街をそぞろ歩くのだが、洒落たブティックを見つける度に、母娘で店に飛び込み、父は外で暇を持て余す。
これまた仕方なく、ブロンド嬢をカメラで追ってしまう[あせあせ(飛び散る汗)]
 
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結局、二人はウィンドウショッピングのみで、何故かお父様が英国製のジャケットを買って頂く展開となり、少々恐縮。行きの機内が冷房が効き過ぎで非常に寒かったのだが、妻は旦那用の長袖の衣類を1枚も持って来ておらず、私が毛布にくるまって震えていたのを、気にしていたのだった。(うんうん、できた女房だ...俺の稼いだ金のはずだが)
 
カフェで昼食&おやつを摂り、移動。 
これ、喰いたかったんだ[かわいい]
フランスで食すフレンチ・トースト[わーい(嬉しい顔)]
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そして、オペラ座(ガルニエ宮)に到着。興行の関係で中に入れるのは運次第の歌劇の聖地であるが、逆に此処は、本日内覧OKの幸運の日に当たった。
 
天井画は一面シャガール[ぴかぴか(新しい)]
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 まさにパリ富裕層の社交場であった事が偲ばれる
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オペラ座のバルコニーから(たまにはミニチュア風にお遊びを)
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オペラ座から歩いて、欧州最大規模のデパートと言われる「ギャラリー・ラファイエット百貨店」に行く。
ついに、女性陣のブランド漁りが始まるかと思われたが、女房は絵本、娘はGパン用のベルト(彼女は旅行中ずっとノーベルトで、ズボンずり落ち寸前...このガサツな性格は、やはり父似だ[ダッシュ(走り出すさま)])のみを購入。
このデパートは、規模は当然の事ながら、内装の素晴らしさ、特に円形天井には圧倒される[がく~(落胆した顔)] 
 
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夕方になり、私個人としては一番の最終日のお楽しみ〜「オルセー美術館」に向かう。
観光シーズンの昼間の観覧は大混雑が明白。本日木曜日だけは、通常18時閉館が22時まで延長され、ゆっくり鑑賞できると、敢えてこの時間帯にやってきたのだ[exclamation×2] 
 
しかし
パォーン[バッド(下向き矢印)]
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一抹の不安はあったのだが、「本日だけは祝日の為に通常時間営業」と貼り紙...もう、終わっていた[ふらふら]
オルセー・ルーヴルは制覇している母娘は「残念だったわねぇ」と全く気持ちのこもっていない慰め方。ショックを隠せない父上をよそに、早くも次の移動場所に向け、地図を覗き込んでいる。
 
そして、女房の思い描く「エッフェル塔を見ながら夕食」パターンに付き合う事となる。
昨日の無謀なタクシー旅行により散財した我々は、ラストナイトの夕食も贅沢せず、エッフェル塔を臨む小高い丘にあるオープンカフェで手軽なコースを注文する。夜が更けて旨くも不味くもない料理を突いていると、突然、ライトアップが開始された。
 
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我が地元のスカイツリーもそうだが、タワーは間近で見るより、少し離れた距離から眺める方が美しい。
食事を済ませ展望台に向かうと、バカンス中の祭日という事もあり、多くの観光客でごった返していた。
 
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妻・娘との記念撮影も終え、フランス最後の夜の絶景に暫し耽っていると、時計を見ていた妻が騒ぐ[exclamation&question]
 
「次は、セーヌ川の遊覧船[どんっ(衝撃)]
「あの〜、もう夜の11時なんですけど...」
「つべこべ言わずにダッシュ[パンチ]
 
地下鉄で一駅、エッフェル塔の根本近くにある遊覧船乗場に到着。
娘を通訳に従え、チケット売場のお姉さんと話していた妻が私の元にやってくる。
 
「最後の出船が11時30分。約1時間の行程で、地下鉄の最終が午前1時。何とか間に合いそうよ[かわいい]
「よし、乗ろう[exclamation×2](これで、君の気が済むなら・・・)」
 
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「わ〜い、サイコー[グッド(上向き矢印)] 前回来た時に乗れなかったから、これで思い残す事無いわぁ〜[ぴかぴか(新しい)] 」
「・・・(本当に乗り物好きなオンナじゃ[あせあせ(飛び散る汗)]
 
結局、猛ダッシュにも関わらずホテル近くの駅に止まる路線の終電に間に合わず、別の路線に乗り換えて、取りあえずタクシー乗場がありそうな大きめの駅で降りる。しかし、1台も空車は無く、幹線道路まで歩き、流しのクルマに何とか乗り込んだ。
 
ホテル着、午前2時[あせあせ(飛び散る汗)]  我ら家族に相応しい最後までバタバタの旅行であった。
 
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翌朝。
ホテル近くのカフェで3人で朝食。
そして、私と妻は空港へ、長女はリヨンに向けて、地下鉄の構内で別れる。
また明日にでも会えるような気軽さで・・・
 
(父)「しっかり勉強しろよ!」
(娘)「お父さんも、お仕事頑張ってね。」 
(父)「あぁ([たらーっ(汗)][たらーっ(汗)][たらーっ(汗)][たらーっ(汗)][たらーっ(汗)][たらーっ(汗)])」
 
シャルル・ドゴール空港内。 
「なんかずっとバタバタしていて、ろくな買物が出来なかったわぁ〜」
「・・・(バタバタしたのは、ほとんどお前のおかげだけど)」 
彼女の目がキラリと光り、ピタリと足を止めたのは『エルメス』の免税店の前だった・・・[あせあせ(飛び散る汗)]
最後の最後までドキドキさせて頂ける充実した家族水入らずの旅行だった。無理して行った甲斐があったな[わーい(嬉しい顔)] 
 
[かわいい]長々とお付き合い戴き、ありがとうございました[かわいい]
 
 

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