SSブログ

「パシフィック・リム」 [上映中飲食禁止じゃ!]

 
[ぴかぴか(新しい)]理屈抜きに童心に戻れる映画だ[ぴかぴか(新しい)]
 
Pacific_Rim_slider_AGeek.jpg
 
2013年、太平洋の深海から突如、巨大生命体が出現し、世界中の大都市が次々と破壊される。絶滅の危機に直面し、人類は人型の巨大戦闘兵器“イェーガー“を開発。操縦者の動きとシンクロして動く画期的な巨大メカは破壊的な生命体に、どう立ち向かうのか!?(ぴあ映画生活より)
 
監督
ギレルモ・デル・トロ
 
脚本
トウヴィス・ピーチャム 
 
キャスト
チャーリー・ハナム 菊地凛子 イドリス・エルバ
チャーリー・デイ ロブ・カジンスキー マックス・マーティーニー
ロン・パールマン クリフトン・コリンズJr. 芦田愛菜
 
 
『円谷特撮映画』の復活か?『エヴァンゲリオン』へのオマージュか?
最初に2D作を観た翌週に3D鑑賞してしまったぁ[ぴかぴか(新しい)] 
 
映像の魔術師・ギレルモ監督が造り上げた「怪獣映画」は、ハリウッドが最先端映像技術で生み出すSFアメコミ系のヒーロー映画とは一線を画した、日本男児垂涎のエンターテイメント作だ。
 
海底から次々と現れる巨大生物体を、この作品では「モンスター」とも「エイリアン」とも呼ばず「カイジュー」と名付けている。ギレルモ氏がエンドクレジットで、円谷英二の盟友であり「ゴジラ(1954年)」の監督である『本多猪四郎』に対し敬意を表しており、氏の日本の怪獣映画に対する深い造詣と愛情を感じさせる。
 
登場する「カイジュー」は、とてつもない巨大生物であり、そして、ただ無軌道に世界中の都市を破壊するのみで、彼らの目的は解らない。この冷酷無比な行動と不気味な存在感から我々が襲われる不安感は、まさに「ゴジラ」第一作から受ける感覚と同じである。 
 
 kaiju2.jpg
 
そのカイジューに立ち向かうべく、人類の叡智を結集して開発した人型迎撃ロボット『イエーガー』は、ふたりの操縦士の神経とマシンを接続する〜「ドリフト」〜と呼ばれる操作によって戦闘力を得る。これは、「エヴァンゲリオン」の「シンクロ」を否応なしに彷彿させる。そして主役の二人が操縦するメイン・ロボット「ジプシー・レンジャー」の姿からは、どことなく「鉄人28号」の香りがするのである。
 
ダウンロード.jpeg
 
 img_1488854_61783798_1.jpeg
 
幼児期から青年期に至るまでに刷り込まれた、これら日本伝統の「人間VS怪獣」作品群への憧憬は、私達世代の男性陣が共通して持つモノである。
その想いを凝縮したような最新の特撮映像と“日本的”ストーリー展開により、オッチャンは我を忘れて「男の子」に戻るのであった。
 
配役にも日本人女優を抜擢。オスカーノミネートも記憶の片隅になりつつあった「菊地凛子」が、ローリー(チャーリー・ハナム)と共に「ジプシー・レンジャー」に乗り込む森マコを演じる。
 
38ecc78fa56303a426839c6b45658661.jpeg
 
流暢な英語とたどたどしい日本語が印象的なミステリーな女性役。仮にヒロインがスリムなブロンド女優だったら、この作品が少々違う印象になったろうが、今回に関しては彼女はハマり役だ、大いに許す[わーい(嬉しい顔)]
 
息もつかせぬスピーディーな展開、圧倒的な戦闘シーン。
この純粋なまでのワクワク感はホンモノであり、これは私が「ゴジラ・シリーズ」に胸躍らせ、「モロボシダン」に感情移入し、「綾波レイ」に恋い焦がれた頃にタイムスリップしたからに他ならない。
  
大金を賭けた割には、ツッコミ処は満載である。
俳優陣の細かい演技、強引過ぎる設定、辻褄の会わない展開など、挙げたらキリがない。
しかし、それをもって有り余る「映画の力」〜人類を守る・怪獣を倒すという直線的なパワー〜が、私を飲み込んだ。
 
終盤は、ハリウッドお得意である「最小限の愛する者達の犠牲で、全人類が救われる」という『アルマケドン』的な展開な上に「ヒーロー、ヒロインは生き残り、ラブラブ[黒ハート]」の『インディペンデンスデイ』風の結末に至るありきたりなモノだ。しかし、2度の観賞の後でも、この作品にハリウッド臭さを私は感じないのだ。
 
人型ロボットで未知の巨大怪獣と戦う基本的設定と、CGのみに頼らない特撮技術の迫力は、我々日本男児が、永年慣れ親しんだ怪獣映画&ロボットマンガの記憶と完全に『シンクロ』するからに他ならない。
日本伝統の特撮怪獣映画の遺伝子が、メキシコ人監督の手により突然変異し、このような形で華開いたのだ。  
 
女性陣が観ても、ほとんどの方は興味を示さないだろう。アベック鑑賞など、もってのほか[パンチ]
「男の子」だけが楽しめる(勿論、遥か昔に男の子だったオジサン達も)、男の子だけに観て欲しい純粋な怪獣映画の傑作である。
 
...「ジプシー・レンジャー」は、原子力によって稼働する。
第1世代機パイロットだったマコの師匠スタッカー司令官は、遥か昔に東京での長時間戦闘により被爆し、不治の病に侵されていた。そして、ラストシーンで敵を一網打尽にしたのは、まさしくジプシー・レンジャーのメルトダウンによる核爆発である。
 
ほとんど、政治的メッセージを感じさせない本作なのだが、「核の平和利用」だけは婉曲に観客に訴えている気がした。公海に放射濃漏れの水を垂れ流し続ける国民の感性は、世界で唯一の被爆国でありながら、世界標準の「核」の考えからズレ始めている気がする。東京オリンピック開催に浮かれる前に、世界に恥じない福島原発対策を施さねばならない。1954年、アメリカはビキニ環礁で水爆実験を行い、「第5福竜丸事件」を起こした。それを契機に製作された「ゴジラ」は、海底深くに眠っていた恐竜が、水爆実験で目を覚ます設定だった。
 
怪獣映画の原点には、被爆国・日本の平和への強き思いも秘められていたのを、この新作によって思い出すのであった[ひらめき][ひらめき][ひらめき]
 
 
 
 原典「ゴジラ(1954)」
 
 
 来年、ハリウッドからゴジラの新作が出るらしい[exclamation&question]
 
 

nice!(17)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 17

コメント 4

(。・_・。)2k

3丁目のなんちゃらを錦糸町で観て以来
なんねんかぶりに映画館で映画観たけど
良いもんですね(^^)

by (。・_・。)2k (2013-09-10 01:31) 

つむじかぜ

>(。・_・。)2k様
あの独特の空間が、私は病み付きなんです^^
私が幼少の頃、鳩の街商店街の入口に在った小さな映画館に、夏休み5本立て子供映画などを度々観に行きました。当然、その中に「ゴジラシリーズ」が含まれていましたね!

by つむじかぜ (2013-09-14 01:07) 

macinu

28号懐かし~!!ポチット応援~!!(^o^)v
by macinu (2013-09-26 10:00) 

つむじかぜ

>macinu様
やっぱり28号とアトムは、ロボットヒーローの元祖ですね!
by つむじかぜ (2013-09-27 03:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。