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謹賀新年 [超個人的溺愛の逸品]

 
 コロ年賀状2.jpg
 
新年あけましておめでとうございます
 
年末年始は公私ともにバタバタでして、更新が滞りましたが、本年もマイペースで
だらだらと綴りますので、お立ち寄り頂ければ幸甚に存じます。
 
酉年である本年のプライベート年賀状の主役は、我が家のペットにしました[ダッシュ(走り出すさま)]
 
実は一昨年、相次いで家族を失い、ようやく落ち着いた頃合いに
唐突に女房が「可愛い手乗りインコが欲しい」とつぶやき
連れ添った上野のインコ専門店で小生が見初めた鳥ちゃんなのです。
 
当初、女房はよく見かける小ぶりなインコを探していたのですが
小生は、店舗の奥の方で、カゴの中で華やかな躯体を見せる大型のインコに目を奪われたのでした。
 
生後6ヶ月ほどの「ダルマインコ」と呼ばれる国内ではあまり販売されていない種類とのこと...
そして値段が...た、高い...手乗りインコの10倍超なのだ[どんっ(衝撃)]
 
女房も法外な価格にビビっていたのだが
「せっかく買うなら我が家のアイドルになる位の個性があった方がいいぞ。
慣れたらおしゃべりもするらしいし、この毛並みの美しいこと[ひらめき][ひらめき][ひらめき]
 
生まれて初めて訪れたインコショップで、旦那の方が興奮してしまい
結局、大枚はたいてお買い上げ〜
 
「コロール」と、妻は名付けたが、結局、我が家では
『コロちゃん』と呼ばれています。
 
家族に仲間入りして1年が経過し、体調は30センチを超え、当時判別不能だった性別もオスと判明。
未だに言葉は覚えず、ただ「アー、アー」と町内に響き渡る声で啼きます[ふらふら]
噛み癖が半端なく、カゴに吊るしたオモチャは1日で破壊します。
懐いている感触は全く無いのだが、手を差し出すと反射的に乗ってくる不思議なインコだ。 
毎日の鳥かご掃除も面倒なのだが、間違いなく、
「我が家のアイドル」 にのし上がっております[ぴかぴか(新しい)]
 
1年前の子供時代は丸みを帯びて可愛いかった(年賀状の画像)のだが、最近はスリムになって
親の言うことを聞かない生意気な高校生みたいな感じなのだ。
 
 DSC04961.jpg
 
DSC04958.jpg
 
 DSC04968.jpg
 
 この不思議な色合いに、自然の織りなす神秘を感じてしまう親父なのです。
 
.....実は、我が家にはもう「ひとり」20年来のペットがいるのですが...
女房の変わった趣向に呆れて、他人には話しにくいので...
現在「冬眠中」につき、また改めて恥を忍んで紹介いたします。
 


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共通テーマ:ペット

『ATLAS』〜PSY・Sとイマサの邂逅〜 [超個人的溺愛の逸品]

名古屋からの引越時、あまりにも増えて帰って来たCDの山に対し、妻から処分命令が下り、100枚ほどがBOOKオフ送りとなりました。そのCD達を分別している時に、最近聴いていなかった思い出のアルバムが発掘されたりして、手を止めて久々に聴き直して物思いに耽ったりして、また妻に責められたり...[あせあせ(飛び散る汗)]
 
これも、そんな溺愛の1枚...
 

ATLAS

ATLAS

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 1998/05/21
  • メディア: CD

PSY・Sの最高傑作(...と、小生は主張する!)『ATLAS』(1989年)である。
 
発売当初は、こんなジャケットだったが、オリジナル盤も上記再発盤も廃盤だ。
残念ながら、現行発売中の彼らの音源は、ベスト盤と大枚はたかないと買えないBOXセットくらいなモノなのだ。
 
220008866.jpg
 
1曲目の静謐な調べと透き通る女性ヴォーカルに、いきなり引き込まれる[ぴかぴか(新しい)]
 
「Wondering Up and Down〜水のマージナル」
 
 
松浦雅也チャカ(安則まみ)のユニットであるPSY・S(サイズ)は、80年代中盤から約10年間、Jポップ界で異色の存在として活躍した。マルチプレイヤーである松浦氏が生み出す多彩な楽曲に、特異なハイトーンのチャカの歌声が絡み、不可思議かつアーチスティックな音空間は唯一無二だ。また、緻密なスタジオ録音での曲を、煌びやかなステージ上で完璧に再現するパフォーマンスに、ふたりのライブへの強い拘りと高い演奏技術を感じざるを得ない。
 
同時期に人気を博したピチカート・ファイブ(小西康陽と野宮真貴のユニット)とは音楽性の違いはあれど、同じ匂いを感じてしまう小生には、この二つのユニットがバブル期のJポップ界においての数少ないお気に入りなのだ。
 
「ATLAS」に出会った契機は、バービー・ボーイズのギタリスト「いまみちともたか」だ。 前述の通り、松浦雅也はスタジオアルバムの楽曲は原則すべて一人で演奏するのだが、このアルバムには唯一、ギタリストとして、私が神と崇める「イマサ」が参加しているのだ。実は、同じ1989年のバービー・ボーイズの5thアルバム『√5』では、バービー初のキーボードを導入しているが、プレイヤーは松浦雅也なのである。オリジナル演奏に拘る松浦とイマサが、この時期に深い音楽的絆で結ばれていたのが窺える。
 

√5

√5

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
  • 発売日: 1995/07/21
  • メディア: CD
バービーの6枚のオリジナルアルバムの中では、異色作であり大傑作である[パンチ]
 
「せまってday by day」
 
 松浦氏の隠し味的なシンセサイザーが効いてるね[ひらめき]
 
...話しを「ATLAS」に戻そう。
PSY・Sの9枚のアルバムの中でも、この作品は他とは異なる薫りがする。イマサがギター参加しただけで、アルバム全体の「ロック度」が桁違いに高いのである。かと言って、イマサがバービー並にガンガンに弾いている訳でもなく、裏方に徹したプレイぶりなのだが、随所に彼独特の「音」が仕込まれ、無機質なチャカの声質と見事に溶け込んでいくのである。
 
「ファジィな痛み」(スタジオ盤)
 
 出だしのハーモニクスからカッティングまで〜イマサだ[どんっ(衝撃)]
 
多彩な楽曲群...レゲエ・ヒップホップからプログレ、現在のポストモダンを彷彿させる曲調まで幅広いジャンルの音楽を取り込みながらも、アルバム全体に摩訶不可思議な統一感が滲み出ている。それは全編を通じて、チャカの高い歌唱力・・・ヴィブラートを効かせないハイトーンに、クールを装った激しい熱情を感じる・・・に拠る処大である。松浦氏は、キーボード演奏は言うに及ばず、ベース・ドラムスのリズムセクションにも非凡な才を見せる。
そして、イマサが、独特のギター・テクですべての曲を「カッコいいロック」に変える魔法をかける。
 
イマサの個性的なギタープレイはバービーの中でこそ活きるのであって、他バンドの1バックミュージシャンで収まり切れないと感じていたのだが、このPSY・Sとのマッチングは奇跡的なレベルに近い。バービー・フリークである小生の入れ込み過ぎを割り引いても、「ATLAS」は、80年代JAPANロックアルバムの最高峰のひとつだと信じる。
 
本アルバム収録曲ではないが、TV「シティ・ハンター2」の主題歌として珍しくヒット
LIVEにイマサがゲスト参加して弾きまくってます[パンチ]
 杏子も嫉妬するほどの息の良さを見せる[exclamation×2]
「Angel Night〜天使のいる場所〜」
 
 
ええなぁ1990年前後〜バブル絶頂期〜粗製濫造も多かったが、本物は歴史に残るのだ[パンチ]
 
 
◎おまけ
PSY・Sのヴォーカリスト・・・CHAKAこと安則まみは、1996年ユニット解散後、JAZZシンガーとしてソロ活動を開始。彼女が発表したアルバムは、JAZZ界でも絶賛を浴びる。天才歌姫は、何を歌っても「自分の詩」にしてしまうのだ[exclamation×2] PSY・S時代の不思議ちゃんキャラの雰囲気をそのままに、今や関西の変なオバちゃんスーパー・シンガー健在だ。
 
鳥肌モノの中島みゆき「時代」のカバー
 
 こんな解釈の歌い方もあるんだぁ〜[がく~(落胆した顔)]

CHAKA JAZZ

CHAKA JAZZ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジ・レコード
  • 発売日: 2002/10/23
  • メディア: CD



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佐々木昭一郎の世界 [超個人的溺愛の逸品]

 
 
NHK・BSプレミアムで11月3日から佐々木昭一郎監督の過去の作品群が放映されている。
 
 
佐々木昭一郎1.jpg
 
知る人ぞ知る伝説の映像作家の70,80年代の作品達が、デジタルリマスターで蘇るのだ[パンチ]
 
昨日放送された「四季・ユートピア(1980年)」への深き想いは、以前(http://tsumujikaze2.blog.so-net.ne.jp/2010-10-02)にも綴っているが、改めて佐々木監督の「映像と音の力」に圧倒されてしまった。
 
今回の名作群は、すべてNHKドラマとして放映され海外でも高い評価を得たが、VHS化された「四季・ユートピア」を除いて(既に廃盤だが)は全く市販されず、幻の作品と呼ばれたものばかりなのだ。 永らく、デジタル化、DVD発売がファンの間では望まれていたが、出し惜しみのNHK様は、突如、再放送という形で、30年以上の時を超えて現代に蘇らせたのだ。
 
今時の若者達の感性に、どうのように訴えるかはわからない。
ただ、この機会に多くの人々に、この「映像詩」の素晴しさを知ってもらいたい...と切に思うのであります。
 
 
 
そして、御歳78歳の佐々木氏が沈黙を破って新作を発表。
上映館は極めて限定されるが、これは個人的には必見なのです[exclamation×2]
 
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共通テーマ:テレビ

最強のロックアイドル〜Buono! [超個人的溺愛の逸品]

 
アイドルだって、なめてんじやねーぞ(≧∇≦)
 
 

まさか、この歳になってアイドル系にハマるとは思っていなかったのだが... 

Buono! 

嗣永桃子(22歳)・・・民放バラエティ番組を観ない小生は、最近彼女が有名なバラドルにまで成長しているのを全く知らなかった。私の知識では、彼女は、Berrys仮面(Berrys工房が主宰していたお笑い劇団)のメンバーの中の天然ボケを売りにするひとりのチビタレントの認識でしかなかったのだ。
おばあちゃんになってもアイドルでいたい」今や、同業者からも絶賛されるももちの芸人魂なのだが、それは彼女の10年に及ぶ芸歴と芸風の変遷を振り返れば、何と無く理解できる。そんな彼女のこれからも続くであろうアイドル人生の中で、ひときわ異色の輝きを放つのが、buono!での活動だ。歌唱力は、他の二人と異なり、いかにも努力の賜物という感じが窺える丁寧な歌いっぷり。一応、リーダーです[あせあせ(飛び散る汗)]

夏焼雅(21歳)・・・同じくBerrys仮面のオレンジ役の認識だったが、本業Berrys工房でのメインボーカルの大半を受け持っていた歌上手である。ロック調のbuonoの楽曲でも、余裕の歌唱力を聴かせてくれる。
ももちと同じくデビューは小学生時だが、当時から茶髪が似合う、妙に大人びた女の子だった。スッピンの美しさとファッションセンスも、メンバー随一、学力の無さも無敵[がく~(落胆した顔)] メンバー唯一のシャウト係。サブリーダー。

鈴木愛理(20歳)・・・℃-uteのメンバー。ハロプロ・キッズに八歳で合格し芸能生活は、上記の二人と同様の芸歴。但し15人のキッズ合格メンバーの上位者がBerrys工房へ、残りが℃-uteへグルービングされ、二人とは袂を分けた。実父はプロゴルファーの鈴木亨。舌足らずの滑舌の悪さは天下一品で、MC中のダジャレトークなどは聞くに耐えないのだが、いざ歌い始めると別人と化す女の子。天性のリズム感の良さが感じられると共に、彼女の声質はロックにベストマッチだ。

つんく」の発想かは知らぬが、アニメ作品の企画として、2007年にBerrys工房と℃-uteの中からシャッフル、選抜された三人のアイドルによるユニットがBuono!である。このユニットは、楽曲がロック中心であり、ライブは生バンドを起用する処が、既存のアイドルグループとは大きく異なるのであった。ユニットは単発で終了予定だったが、その後も活動を続け、3枚のオリジナルアルバムとシングル13枚を発表、定期的に大規模なコンサートも開催していたが、2014年現在は、ほぼ活動停止状態である。まずは、チョット彼女達の基本的な歌唱力を、メローな楽曲で検証。

君がいれば(2009年)〜ユニゾン綺麗です[揺れるハート]〜 

何気に眺めていたユーツベ〜小生がBuono!に惚れ込んだ理由は、彼女達の容姿にではなく、アイドルが本気でロックしている違和感がなんとも心地良かったからである。
特に、結成初期〜中期の生バンドとのライブ映像は衝撃的だった[exclamation&question]
楽曲は、みな何処かで聞いたことのあるようなかつての歌謡曲から洋楽ロックのパクリ中心なのだが、とにかくノリがよろしい。更にバックバンドのサウンドが結構本格的。そして彼女達3人のアイドルレベルを遥かに超越した歌唱力(決してプロ級とは云わないが)が重なり、いまだかつて体験した事の無いアイドル・パフォーマンスを披露してくれるのである。 

Dolce(ドルチェ)という女性バックバンドの「音」が70~80年代洋楽ロックを彷彿させる。
特にギタリストの「菅原潤子」は、私好みの「いい音」を弾くのである。曲に合わせてテレキャスターとレスポールを使い分け、カッティングなどは超絶だ。調べると宇多田ヒカルやドリカムのバックバンドでも活躍した経歴を持つ凄腕サポートミュージシャンで、先日の「ヤオンノナオン」でも、杏子のバックで弾いていたのを偶然に発見した。

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要するに真のBuono!とは...ももち・雅・愛理+Dolceの7人組のロック・アイドル・グループなのだ[パンチ] 

「じゃなきゃもったいない!(2009年)」なんかDeep Purpleの香り


ハイブリッド☆パンチ [DVD]

ハイブリッド☆パンチ [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD
  • 2009年〜結成1年半後の初々しい2枚組ライブDVD。廃盤です[あせあせ(飛び散る汗)]
  • 前半はカラオケだが、後半のDolceとの競演は迫力満点。
  • Dick2は、同じ演奏をももち・雅・愛理のひとりづつをズームアップ映像で収録。
  • 中古で2,000円〜ファン垂涎のお買い得DVD


We are Buono! Buono! LIVE TOUR 2010 [DVD]

We are Buono! Buono! LIVE TOUR 2010 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD
  • これも廃盤だが、中古市場でプレミア価格の代物。(小生は当然、大人買い)
  • ZePP Tokyoでの臨場感溢れる最高のパフォーマンスを披露!
  • 予定外のダブルアンコールを即興でこなせるアイドルなんて、彼女達だけだ。
カメラアングルも編集も荒削りな録音も見事。名盤[exclamation×2]
 

Blu-ray Disc.Buono!ライブ2011winter 〜Re;Buono!〜

Blu-ray Disc.Buono!ライブ2011winter 〜Re;Buono!〜

  • 出版社/メーカー: アップフロントワークス(ゼティマ)
  • メディア: Blu-ray
  • 1年毎に彼女達は成長しているんだなぁ〜と実感させられるライブ。
  • Dolceメンバーのうちギターとベースが交代。
  • バンドの音を抑えめに、ヴォーカル主体のPAは、好みの別れるところか...
  • やはりBlu-rayは綺麗だ。下半身のアップも多めで、アイドル3人目当てのファンにはオススメ。

ライブDVDは数多く販売されているが、私はギタリストとして菅原潤子が在籍していた2010年までが一番好きだ。

Cafe Buono!

Cafe Buono!

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: PONYCANYON INC.(PC)(M)
  • 発売日: 2008/02/20
  • メディア: CD


Buono! 2 (通常盤)

Buono! 2 (通常盤)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: PONYCANYON INC.(PC)(M)
  • 発売日: 2009/02/11
  • メディア: CD


We are Buono!

We are Buono!

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2010/02/10
  • メディア: CD

中古盤でオリジナルCDもすべて購入。前述の通り、パクリ技が多いが良曲満載だ。聴いていて楽しい気分になる[わーい(嬉しい顔)]
しかし、ライブの迫力に到底及ばないので、小生はライブDVDからMP3で抜き出してiPhoneでヘヴィロテ中[ぴかぴか(新しい)]

AKBやももクロを否定するつもりはないのだが、Buono!の生演奏を「映像無しで聴く」と、つんく主宰のハロー!プロジェクトの音楽への拘りが強く感じられて嬉しくなる。アイドル音楽も捨てたもんではないと・・・

ちょっと昔の映像を...(2004年) 

ももちの代わりに「田中れいな」だけど、「ハロー!プロジェクト・キッズ」って凄かったんだね。
小学生時分の茶髪・雅の異様な色気と背伸びする愛理のあどけなさの対比に頬が緩む[わーい(嬉しい顔)]
こんな頃から、アイドルの頂点を目指して歌とダンスに明け暮れる日々を過ごしてきた子供達を見ると、何となく切なくなるのだが、少女から大人への階段で何度も転ばさせながら芸を磨かせ、漸く真のタレントとして晴れ舞台に立たせるプロダクションの長期戦略に「アイドルの王道」を感じてしまう。

Independent Girl〜独立女子であるために〜(2011年) 


SHERBET

SHERBET

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: UP-FRONT WORKS
  • 発売日: 2012/08/22
  • メディア: CD

Buono!は、2012年8月発売のこのミニアルバムを最期に目立った活動を休止している。
事情は定かではないが、3人ともオリジナルグループ内での活動は継続されており、Buono!の解散宣言はされていないようなのだが...
近い将来、衝撃的な復活コンサートを待ち望むロック大好き親爺なのでした[かわいい]

お気に入りの1曲〜題名からしていいよね[わーい(嬉しい顔)]
「ロックの神様」(2010年)
 

 
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共通テーマ:音楽

『ミッシェル・ポルナレフ』はフランス人だった! [超個人的溺愛の逸品]

フランスかぶれが抜けきれないつむじ風です[あせあせ(飛び散る汗)]
 
元々は仏国苦手な小生なのだが、意外にも初めてハマった洋楽はフランス産であった事を、遥か昔の少年時代を思い起こしハッとしたのでした[ひらめき]
 
中学1年一学期、悪友宅での衝撃のハードロックと出会う半年前〜当然70年代前半です〜
当時の中一生達の身近な音楽といえば、やはり歌謡曲主体であり、男子生徒の多くは、山口百恵の「ひと夏の経験」の歌詞の謎解きに燃えていた訳であるが、一部のませた友人が徐々に未知の洋楽の魅力に惹かれ始めていた。
 
洋楽好きのジャンルを大別すると、兄・姉を持つ者はビートルズ、女性陣に人気のカーペンターズ、気取った奴らがサイモン&ガーファンクルという3系統がメジャー派であった。中学で初めて英語の授業を受け、Englishの語感に触発された連中から、いち早く歌謡曲を卒業していくのだ。
 
発育の遅い小生は、純和風の黒長髪アイドル好きで「南沙織」「麻丘めぐみ」に恋い焦がれる歌謡曲派だった。
 
そんな或る日の給食時間。 
我が学び舎では、昼休みに放送部主催によるDJ番組が日替わりで校内放送されていた。(今思えば和やかな校風であった)当時は「オールナイトニッポン」が黄金期を迎えつつあり、ラジオ・パーソナリティが脚光を浴び始めた頃で、それに影響された先輩達の真似事であったのだが、いつもの校内放送の他愛のないおしゃべりの後に流れた異国の曲に、つむじ風少年は牛乳を呑む手の震えを覚えるのだった。
 
 
 
美しきピアノの旋律に絡まる男性のハイトーン[るんるん] 
ル・ルゥ〜[グッド(上向き矢印)]』と裏声にひっくり返る処なんぞには、少年はかつて無い感動を覚えるのだった。
教室のボロボロのスピーカーから流れたこの1曲のみで、私はこの外国の歌手の虜になってしまった[黒ハート] 
 
『ミッシェル・ポルナレフ』という舌を噛みそうな外人さんの名前と、「ラブ・ミー・プリーズ・ラブ・ミー(邦題・の願い)」という英語覚えたて中学生でも分かりやすい題名を、私はしっかりとメモったのであった。
 
当時、自宅には、まだステレオ音響装置が存在せず、LPを買っても聴く術が無かった。少年の唯一の音楽再生システムは、モノラルのラジカセだけだった。それでも私は、FM雑誌の番組表から「ポルナレフ」の名前を探し出しては、いまでは死語である「エア・チェック」を繰り返し、彼の他の曲のコレクションを徐々に増やす涙ぐましい努力を重ねていた。
 
そして、愚かな事に、私は彼の曲を歌いたくて、歌詞を耳コピしてカタカナで書き綴っていたのです。更に、そのカタカナから推測して言葉の意味を知ろうと、英和辞典と格闘していたのだった[あせあせ(飛び散る汗)]
そう、語感の弱い小生は、彼の歌詞はすべてEnglishだと信じ込んでいたのでした[ふらふら]
 
その後、或る音楽雑誌から「ミッシェル・ポルナレフ」が、フランスを代表するシンガーソングライターである事、いくら努力しても解読不明だった彼の歌詞がフランス語である事が判明した時の衝撃と恥ずかしさ[どんっ(衝撃)]
(私はその後、日本のポップスでも英語を混ぜた歌詞を聴くと虫酸が走る体質になってしまったのだが...)
 
徐々に「彼」の情報は増え、デビュー当時の繊細な優男風が「トンボメガネ」の変態アーチストに変体している事実を知る。男のヌードまで披露していた事は、当時の少年にとって困惑以外の何物でもなかった。
 
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(後日談ではあるが、ミッシェルはひ弱な自分の体格に相当なコンプレックスを抱えていたらしく、デビュー後から熱心にボディビルに励んでいたそうだ。そして、筋肉質の体型を勝ち得て以降、それを露に晒すのに無上の喜びを感じる性格に変貌していったらしい・・・こんな話しは何処かで聞いた覚えがあった・・・そう、『三島由紀夫』と同じ道なのだ。)
 
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英語力は幼児以下のお粗末さでも、日本文学にはマセていた小生は、当時から「三島文学」にハマっており、「三島由紀夫」を敬服していたのである。
勝手なものでこんなヌード繋がりから、私はミッシェルへの親近感は更に深まっていく。
 
「ラース家の舞踏会」 
 
 (やっぱり、今聴けばフランス語だ[あせあせ(飛び散る汗)]
 
エアチェックのみで、ほぼ彼の代表曲を録音したカセットテープは、まだ音楽のなんたるかも解らん中学1年生が、初めて触れて好きになった洋楽への想いが詰まった私の宝物であり、それは今もタンスの奥に仕舞い込まれている。
 
中学2年になり、悪友の影響でロック小僧に変貌してしまった私は、知らぬうちにミッシェルから離れていく事になる。同時にミッシェルの人気も70年代後半を境に墜ち始め、80年代に入るや既に過去のスターになってしまった。
 
来日時の貴重映像
「シェリーに口づけ」 
 
 (南田洋子も綺麗だったなぁ)
 
先日のフランス旅行前に突然、「彼との思い出」が脳裏をよぎり、何枚かのCDを大人買い。
今改めて聴き直すと、当時のラジカセからは聞き取れなかった楽曲の緻密さ、洒落たアレンジメント、演奏技術の高さが浮かび上がる。(なんと、デビューアルバムにはジミー・ペイジが参加していたんですよぉ[がく~(落胆した顔)]
 
彼のヒット曲の邦題には愛の〜が多い。安易なネーミングセンスにはクスっなのだが、フランスからやってきた「愛の伝道師」風の売り方に、当時の日本のレコード会社は躍起になっていたようだ。 
 
私のお気に入りの1曲「愛の伝説」
 
 
初めて惚れた洋楽〜彼のヒット曲をiPhoneに一杯詰め込んで、パリの石畳の上で聴いて童心に帰るはずだったフランス旅行。そのiPhoneを観光初日に盗まれた悲劇[どんっ(衝撃)]
 
本当に、フランスって自分にとって縁があるのか無いのか、不可解で魅力たっぷりの国だ[ハートたち(複数ハート)]
長女がフランス留学を決断したのは、私の少年期のフランス語への大いなる誤想が刻まれたDNAの成せる技なのかもしれない。
 
 最後に
2007年奇跡の復活〜34年ぶりのコンサートの模様を
「愛の休日」
 
 


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共通テーマ:音楽

ジョー・ヘンリー〜染み渡る深き音色〜 [超個人的溺愛の逸品]

この10年で一番、繰り返し聴いたCDはなんだったろう?と、考えるとやはりこれなのである[るんるん][るんるん][るんるん][左斜め下]
 
Scar

Scar

  • アーティスト:Joe Henry
  • 出版社/メーカー: Fontana Mammoth
  • 発売日: 2001/05/30
  • メディア: CD
Joe Henry(ジョー・ヘンリー)・・・ノースカロライナ州生まれの51歳。日本版Wikiでは未掲載なほど国内では知られていないが、今や米国ではルーツ・ミュージックの担い手として、ミュージシャン並びにプロデューサーとして注目の男である。2002年ソウルの王様ソロモン・バーグの復帰作「Don't Give Up on Me」をプロデュース、グラミー賞受賞の快挙を成し、彼は、米音楽界で一躍脚光を浴びる事となる。因に彼の奥方はマドンナの妹。
 
上記「Scar」は、その前年の2001年、シンガーソングライターとして発表した8枚目のオリジナルアルバム。
 
音楽雑誌の「オルタナ・ロック」特集で小さく取り上げらていたこの作品を輸入盤で購入したのが、彼との最初の出会いだった。 
ほとんど予備知識ゼロの状態で、ジャケット内も読まず(読めず[あせあせ(飛び散る汗)])、とりあえず中身を聴いてみると・・・
 
これが...凄い[どんっ(衝撃)][どんっ(衝撃)][どんっ(衝撃)]
 
JAZZでもROCKでもない、しかしありきたりのオルタナ系には括れない音空間の深みに、瞬く間に引き込まれた[がく~(落胆した顔)]
 
絞り出した呟きの如くのジョーのヴォーカルは、深く哀愁が漂う。
そして、楽器のアンサンブルが見事。各楽器が自らを強烈に主張しながらも、溶け合い、深い音空間を作り上げる。
ピュア・オーディオ的に云う優秀録音とは違うのだが、楽器そのものの豊かな音と演奏者の息遣いが胸を打つ[ぴかぴか(新しい)]
 
1曲目の揺れるピアノ、痺れるサックス・ソロ。2曲目の絶妙なパーカッション、3曲目の柔らかなギターの響き。アルバム前半でイチコロ[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)]
 
「これは何だか凄い奴らだぁ[かわいい]」と、焦ってジャケット内のクレジットを探す。
 
オーネット・コールマン(フリージャズの神様だぁ) 
ブラッド・メルドー(現役では私が一番好きなJazzピアニスト)
マーク・リボー(元ラウンジリザースの変態ギタリスト)
ブライアン・ブレイド
エイブ・ラボリエルJr. 
...etc...
 
こんな凄い連中を引き連れての、この音作り。Joe Henry〜只者ではない...と男惚れ[黒ハート]

  アルバム中唯一のメロウなナンバー「Mean Flower
[もうやだ~(悲しい顔)]ギター、ピアノの混ざり具合、ドラムのキレ、渋いヴォーカル[もうやだ~(悲しい顔)] 
 
各演奏者は決して難しい事は何一つしてないのだが...なんて豊かな音楽なんだ[exclamation×2] 
 
アルバム後半も、カントリー・民族音楽の香りを漂せつつ、フリー・テクノ・ジャズ風ありの無国籍音楽の数々。
最終10曲目が終わったと思うと90秒後にHidden Trackが現れ、オーネットのサックスソロで幕を閉じる念の入れよう。 多種多様な楽曲を詰め込んだ統一感のない作品に思われかもしれないが、アルバム全体から受ける印象は、やはりジョーの歌心溢れる男のブルースなのだ。
こんなダークで洒落たブルース・ロックは初体験の小生は、一発でジョーの虜となった。
 
大半が廃盤になっている彼の過去アルバムを全作買い漁り、「Scar」以降ほぼ2年おきに発表する新作は、聞き漏らす事は無かった。(2012年時点で12枚のオリジナルアルバムを発表)
 
Trampoline

Trampoline

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner
  • 発売日: 1996/03/26
  • メディア: CD
 
 
 
 
 
 1996年発表の6枚目の「トランポリン」この辺りから「Scar」に繋がる音作りが感じられる。
 
 
「Scar」以降のアルバムは年を経るごとにアコースティック度が増して行く。
平行して、手腕を評価されたプロデューサー業も精力的にこなす。前述のソロモン・バークからアニ・ディフランコ、エイミー・マン、エルヴィス・コステロ、アラン・トゥーサンまで、多くのビッグネームが彼の音作りに魅せられ助けを求めた。独特の音像の奥行きと楽器のアンサンブルが、幸福に満ち溢れる音楽となって聴く者の心を離さない。音楽の「根っこ」の張り方と水の与え方を知り、その草本来の色の花を咲かせる事ができる天才庭師みたいな男だ。 
 
Tiny Voices

Tiny Voices

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Anti
  • 発売日: 2003/09/23
  • メディア: CD
Civilians (Dig)

Civilians (Dig)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Anti
  • 発売日: 2007/09/11
  • メディア: CD
Blood From Stars (Dig)

Blood From Stars (Dig)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Anti
  • 発売日: 2009/08/18
  • メディア: CD
Reverie

Reverie

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Anti
  • 発売日: 2011/10/11
  • メディア: CD
 
10枚目のアルバム『Civilians』より「Time Is a Lion」
 
 
音楽の一番深い芯の部分を削り出してくれているようで、彼の音楽を聴いていると、無性に穏やかな気分に陥り、自然と優しい気持ちになれるのである。これは、私の遺伝子レベルの音楽細胞が共鳴しているとしか考えられないのだが〜
星の数ほど存在するミュージシャンの中で、このマイナーなシンガーソングライターに、私は至福の一体感と共に至上の愛を感じるのである。 
 
そして、この男・Joeが来日するではないかぁ[ひらめき][ひらめき][ひらめき]
2010年の初来日は、情報不足の為、後の祭り。今回も危なく見逃す処だったが、何とかチケット購入に間に合った。
 
今回の帯同メンバーは、なんとアイルランド出身の歌姫Risa Hannigan(リサ・ハニガン)
いわゆる、コラボ・ツアーである。
両人とも、日本国内ではマニアなファンしか存在しないので、日本武道館や大阪城ホールは無理[バッド(下向き矢印)] 
 
10月12日・大阪・梅田 CLUB QUATTRO。久々の単騎ライブハウス参戦です[るんるん][るんるん][るんるん]
特異な声質と音楽感性を持つふたりが、一体どんなパフォーマンスが魅せてくれるのか、今から胸が高まる[揺れるハート] 
 
Passenger

Passenger

  • アーティスト:Lisa Hannigan
  • 出版社/メーカー: Ato Records / Red
  • 発売日: 2011/09/20
  • メディア: CD
 
 
 

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『初めてのギターと初めてのコンサートと初めてのバンド』 [超個人的溺愛の逸品]

ついに200本目の記事更新だぁ[パンチ] 
 
多趣味ながら何一つ極められない小生の戯れ言に、いつも暖かいコメントをくださる方々に感謝の気持ちで一杯です。
 
気楽な日記のつもりで始めたブログが、いつしか継続することにより若さを保つ力の源泉となり、また多くの方々の情報発信には新鮮な感動を覚え、また未知なるモノとの出会いを教えられています。これからも、ひとりよがりな拙文に気軽におつきあい戴ければ幸いです。 
記念の今回は、私の少年期の音楽との関わりを振り返ってみます。
 
 
中学3年の春。
2年分のお年玉と小遣いから必死に貯めたお金を握りしめ、私はお茶の水の楽器店へロックで取り持つ親友と向かったのだった。
 
「エレキ・ギターを買うぞぉ〜[むかっ(怒り)]少年の心はメラメラと燃え上がっていた[exclamation×2]
 
1年以上前に親友宅のコンポ・ステレオで、初めてLed ZepplinGenesisを聴き、ロックの虜となった私にも、ついにその日が訪れた。 
買うべきギターは決まっていた。ジェフ・ベックを神と崇める裕福な親友は、既に半年前に「黒のレスポール」をポンと知らぬ間に購入(親に買ってもらった)していた。男同士の対抗心とは、こういう時に現れる。当時ジェフ・ベックは過去のハードロックから一転してフュージョン路線に転向し、2枚のインストルメンタル・アルバムを発表、僕らロック小僧を驚かせると共に、憧れのギタリストの最右翼であった。
 
「ふ、ふ、ふ。お前がBlow By Blowなら俺はWiredでいくぜ[exclamation&question]」 
 
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「白のストラトキャスター」が欲しかった[黒ハート]
 
初めて訪れた楽器店は、大人の空気が漂っていた。整然と並ぶ多くのギターとイカした店員のお兄さん方に、少々気後れしながら狙いの一品を探す。
しばらく友人と店内を歩き回り、漸く意中の白ストラトを見つけ出す。しかし、実際に目にした実物は、私の想い描いていたイメージと少々違っていた。想い焦がれたアイドルの本物にいざ出会っても、心ときめかないように。
 
そんなどこからみても美形の彼女よりも、個性的でちょっとイカレタ感じの女性に触手が動く傾向は、この少年時代から芽生えていたようで、白ストラトの影に隠れていた一台の異形のギターに、私の眼は釘付けとなった。 
 
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 『グレコ製・フライングV
 
ほ、惚れた...一目惚れだった[揺れるハート]
生来のシャイな癖に目立ちたがりな性格が更に拍車をかけ、小さなアンプ共々ほとんど衝動買いと相成った。
友人の「本当にこの女でいいのかよ[exclamation&question]」みたいな忠告は、一切耳に入らず。
 
ここからは、多くのロック小僧が辿ったように、高校受験もなんのその。日々、教則カセットを聞き返しながらの練習の日々が続く。しかし、この彼女、実は抱き心地は最悪だった。練習は当然坐って演るのだが、V嬢の凹凸の無いボディが私の太腿にしっくりと固定できない。滑る滑る〜その後の私の人生での女性との出会いもこのパターンが永く続くのだが...[あせあせ(飛び散る汗)]それでも、徐々に左指の腹が固くなり、Fコードも難なく押さえられてくると、Led zepplinのバンド譜を買い込み、お気に入りのメロディへの挑戦が始まる。 
 
この時期から別の欲求が膨らみ始める・・・「バンドで演りたい」
 
同じ中3のクラスでは、例の親友を筆頭に徐々にロック好き友達が増えて来ていた。 「この友達でバンドが作れるかもしれない。」一人一人の友人を思い浮かべる・・・しかし、時はすでに遅かった。
 
クラプトン狂のY君はストラトキャスター。HM好きのT君はSG。クィーン命のTG君はブライアン・メイ・モデル。親友のレスポールと小生フライングV
 
ロック好き5人、全員ギター持ちじゃねぇか[がく~(落胆した顔)]
 
幻の中学生バンドは結成不可能となったが、受験勉強真っ盛りでも学校帰りにお互いの自宅へ通い合い、レコードの貸し借りを繰り返し、音楽を絆とした5人の友情は深まっていった。
 
そして5人の全員別々の高校進学が決定し、卒業式も終わった春休み。
みんなで初めてのロック・コンサートへ行く事にした。
 
1977年4月2日 日本武道館・KISS初来日コンサート
 
 
初めて生で聴く爆音に圧倒されながら、リーダー格のポール・スタンレーの弾くギターに私は狂喜乱舞した[むかっ(怒り)]
 
フライングVだぁ[パンチ][パンチ][パンチ][パンチ][パンチ]」 
 
初体験のロックの饗宴に興奮冷めやらぬ少年達は、翌週には別々の学校に通うにも関わらず、「またな[手(パー)]」と、いつものように浅草駅で解散し、各々の家路に向かうのであった。
 
懐かしい中学生活最後の思い出である。 
 

高校編へと続く...


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AJICO〜不変ベンジー&変幻UAの奇蹟の邂逅 [超個人的溺愛の逸品]

平成の幕開き〜新婚早々の札幌転勤時代の毎週土曜深夜のお愉しみと云えば「ムフフ」ではなくて「これ」だった。

「三宅裕司のいかすバンド天国」(通称「イカ天」)

毎週現れる多数のアマチュアバンドのフレッシュな演奏は、元ロック小僧の眠っていた青春時代の思い出とギター魂を呼び覚ました。キワモノ系からプロ顔負けの本格ロッカー、道楽と割り切った学芸会バンドからメジャーデビューを目指す純粋なセミプロ達。
新妻が隣室で爆睡しようが、この時間帯はTVにかじり付いていた。たまVSマルコシアス・バンプの伝説的な対決をピークに、社会現象とまで云われた異常なバンドブームを同番組はもたらした。しかし、放送も2年目に入るとその熱波も急激に収まりつつあった・・・そんな頃、このバンドが現れた・・・


ブランキー・ジェット・シティグゥシャキ[どんっ(衝撃)]というギター音一発に、元ギター小僧の鼓動がシンクロした。
「なんて気持ちいい音を出す奴だ〜」やたらと目が綺麗なギター兼ヴォーカルの青年の名は「浅井健一」といった。
出演バンドのレベル低下が囁かれ始めたこの時期、BJCは圧倒的な存在感でグランド・イカ天キング(5週勝ち抜き)となるや、その後メジャー・デビューを果たす。

Red Guitar and The Truth

Red Guitar and The Truth

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1991/04/12
  • メディア: CD




当然の如く購入したデビューアルバム。しかし、個人的には「イカ天」での荒削りな演奏が強烈に焼き付き過ぎており、スタジオ録音の整い過ぎた音像に違和感を感じざる得なかった。
ここからの彼らの伝説的な活躍は今では周知の通りだが、逆に私はこのデビューアルバムを最期に、BJCから遠ざかる事になる。浅井健一のギターに後ろ髪を引かれながら・・・

一方、日本ポピュラー界に異色の女性シンガーが現れる。
実は、彼女を初めて見たのは、TVドラマ「私立探偵 濱マイク」(2002年)の第2話での役者としての姿だった。
風変わりな歌姫役を演じたのはUAという、実際も風変わりで既に一部で熱狂的ファンを集めていた女性歌手だった。(私は歌手名の読み方も知らなかった〜「ユーア」と呼んでいた[あせあせ(飛び散る汗)]
そして、劇中で絶唱する彼女の独特の歌声を聴き、私は意味も無く感動してしまったのである。

90年代の名曲『甘い運命』

イカ天から約10年。時代はミレニアム〜私は大坂に転勤中。
BJC解散を風の噂で知り、時の移ろいを感じながら「あの浅井青年はどうしてるんか?」と彼の消息を調べた所、な・な・なんと、あのUAとのコラボが進行中との事。

バンド名は[ぴかぴか(新しい)]『AJICO アジコ』[ぴかぴか(新しい)]

ロック魂一直線の浅井と異系のニューウェーブ歌手UAとの合体は余りにも予想外の組み合わせで、私の狭量な音楽感性では、二人の作り出す音楽は想像もできなかった・・・

深緑

深緑

  • アーティスト: UA,浅井健一,TOKIE,椎野恭一
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2001/02/07
  • メディア: CD

まさに[exclamation×2]衝撃の作品[exclamation×2]
久しぶりに聴く浅井のギターは、10年前と変わらぬ熱き想いを秘めながら研き抜かれ、凶暴なコード・ストロークからもの哀しげなシングル・ノートまで静と動を表現する。
この圧倒的存在感のギターに対し、UAの歌声は「ヴォーカル」という範疇を超越し、魂の声を発する一つの楽器のごとく、浅井の造り出す音の波と、溶け合いまた反発しあいながら、いまだ誰も聴いた事が無い音宇宙を創成するのだった。リズム隊(bass、drums)も秀逸。BJCとは一線を画して、多彩な楽曲群を冷静・着実にサポートしているのだが、決して主役の二人の引き立て役だけに終わっていない。4人のプロの静かな火花が散っているのが目に浮かぶのである。(若干、bassのTOKIEはビジュアル優先か?)
即興演奏のJAZZ的要素も組み込みながら、バラードからプログレ風、王道R&Bと多彩な楽曲群。二人の過去の名曲のリテイクも全く別の命を吹き込まれたように蘇る。
当然、浅井のリードヴォーカルの曲は少ない。しかし、ギタープレイに専念した〜歌わないベンジー〜の存在感は、かえってBJC時代より凄みを増している。
このCDは、当時の私のNo.1ヘヴィー・ローテーション・アルバムとなり、AJICOは現存する国内最強のロック・バンドであると確信していた。

早く次のアルバムが聴きたいものだ・・・しかし、このアルバムに病み付きになっている頃には、既にAJICOは解散していたのであった。(この情報の遅さがオッサンの哀しさ[もうやだ~(悲しい顔)])浅井とUAの期間限定の実験的ユニットと云えばそれまでだが、それにしても潔過ぎるし、この孤高の音絵巻が1枚のアルバムのみしか聴けないのが惜しい。(BJCは10年も演ったのに・・・)
私は呆然とするのであった。

それから半年ほど経過し、AJICOの最初で最後のライブ・ツアーの様子を収めたCDとDVDが発売された。
当然、両方とも即購入である。

AJICO SHOW

AJICO SHOW

  • アーティスト: AJICO
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2001/07/25
  • メディア: CD




AJICO SHOW [DVD]

AJICO SHOW [DVD]

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • メディア: DVD

なぜ、このDVDが廃盤なんじゃ〜[ちっ(怒った顔)]

DVDの方は、現在入手困難。このライブを生で観れなかった事を一生後悔した。(神戸でも演っているではないか!)
CDはDVDの音源と全く同一であるが、楽曲すべてを完全収録。DVDではカットされている「深緑」のインプロゼーションなどは特に圧巻[パンチ]
改めて強烈に感じたのは、ベンジー・UAともライブになるとパフォーマンスが更に無限大になるという事だ。
浅井はイカ天やBJCの活躍で先刻承知、突っ走るギターにしっかり付いていくTOKIE、椎名のリズム隊が見事。
そしてなによりもUAのスタジオ録音以上に伸びる歌声と、妙に耳につく奇声(合いの手)は、国内ヴォーカリストの中でも希有の音域コントロール力と表現力を有している事を証明している。
BJCの名曲「ペピン」
[手(チョキ)]かっちょえ〜[手(チョキ)]

AJICOが音楽性のみならず、ビジュアル面でも意識的に構成されたユニットであるのが一目瞭然。
(それにしても、イカ天での紅顔の美少年の変貌ぶりはなかなかである。ギターを持たなければ、ただの薄汚いオッチャンやがな〜儂と同じじゃ[がく~(落胆した顔)]
『波動』(長い曲ですが、AJICOの魅力に溢れています)
UAの魂の叫び、ギタリスト浅井健一の孤高のプレイ〜邦楽界の金字塔

また、どっかで会おうぜ」と言い残してAJICOは永久に消滅した。

その後、また別の道を歩み始めた二人の活躍は知られる処である。
常に熱いハートをギターと歌詞に叩き付けるベンジー。20年間不変のロッカーだ。
一方、共演者を代えるごとに、常に新しいジャンルへの音楽に挑戦し続けるUA。

AJICOとは、トコトン一途なギター野郎と移り気な天才歌姫が出会った一瞬の奇蹟の恋、ほんの僅かな究極的な幸福の時間なのである。

そしてさらに10年月日が流れて・・・
美しいこと(UAの関西弁も好きやで[ハートたち(複数ハート)]
(AJICOの鬼気迫る演奏とは対極の同窓会風の微笑ましい再会プレイ)

活動期間わずか半年。遺したオリジナル・アルバムは1枚。あとは、彼らの少ない足跡を辿るライブCD・DVDが存在するだけ。私はその3枚の遺産を聴く(観る)たびに、AJICOがいまだ21世紀最強の国内ロックバンドであると信じて疑わないのである[パンチ]


おまけ
再び「ペピン」土屋昌巳師匠だぁ〜[むかっ(怒り)]
まさに、おとなのPepin。
土屋昌巳はBJCのプロューサーを永く務めたベンジーの後援者と云っても過言ではない伝説ギタリスト。
(以前彼を取り上げた記事はこちら→http://tsumujikaze2.blog.so-net.ne.jp/2010-11-21
ちなみに、ドラムスはAJICO同級の椎野恭一。

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『ガタカ Gattaca』〜マイケル・ナイマンの音楽と共に〜 [超個人的溺愛の逸品]

SFを超越した至高のヒューマン・ドラマである。

公開当時、この作品の存在すら知らず、劇場で観る事はできなかったが、とあるNET批評から興味を持ち、一昨年DVD観賞。私にとって「バニラスカイ」と並ぶ21世紀の最高傑作となった。
もう何度見返したか数えきれない作品である。

ガタカ [DVD]

ガタカ [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD
1997年作
監督:アンドリュー・ニコル
キャスト:イーサン・ホーク ジュード・ロウ ユマ・サーマン アラン・アーキン

音楽:マイケル・ナイマン



GATTACA〜ガタカ 現代で云う所のNASAであろうか、世界中の英才が集結する宇宙開発機関である。

近未来の話しである。遺伝子操作による産み分けが常識の時代となり、世界の差別の基準は、生まれながらにしての遺伝子の優劣によって決定された。

両親の“自然な愛の結晶”として産まれたビンセントは、「心臓疾患による早死の可能性大」とする遺伝子分析により、出産と同時に『不適正者』の烙印を押された。
遺伝子操作で産まれた弟・アントンに勝るものは何ひとつなく、大きな劣等感を抱えながら成長する。そんな彼には、「宇宙飛行士になりたい」という実現不可能な大きな夢があった。
或る日、幼少期から兄弟の度胸比べとして何度も遊んでいた遠泳に初めて勝ったビンセントは、家を出る決意をする。自分の力で「ガタカ」に入る希望を持って・・・
絶え間ない努力により、知力・体力共に、超人並みに鍛え上げたビンセント。しかし、一流会社には最後の血液検査(遺伝子検査)ですべて落とされ、ビルの清掃員として働く事しか、彼が生きる道はなかった。ガタカへの道は夢のまた夢。

ユニークな設定をごく自然に表現するオープニング。ビンセントの抱える大きな問題と果てない夢がクローズアップされていく。その彼の努力だけでは成し得ない儚い夢への想いを、優しい旋律がなぞっていく。このメロディーのなんと切なく美しきこと!

彼は一大決心する。遺伝子の闇取り引きによって、ガタカの採用試験に挑戦する事を。
そして、オリムピックの元銀メダリスト・ジェローム(ユージーン)の協力を得て、彼は無事、ガタカに入社する。
社内で頭角を現した彼は、木星の衛生・タイタン探査船の飛行士に抜擢されるが、打ち上げ1週間前にガタカ内部で殺人事件が起きる。
容疑者は部外者の「不適正者」と断定され、警察の捜査はビンセントの周囲に及んで来るのであった。


ジュード・ロウの登場シーンが素敵。墜ちたエリートの感じが伝わってくる。ここでも優しい旋律ながら、不安を忍ばせたような挿入音楽が見事。
ユマ・サーマン〜私は治癒不可能のブロンド病なのだが、金髪なら誰でも良いという訳ではない。スタイルがいくら良くても大柄はダメ。彫りの深い、特に鼻が大き過ぎるタイプもダメ。そういう観点から、この女優は私のタイプではない。(パルプ・フィクションのジャンキー女のイメージが強過ぎた影響かも)まして、せっかくの金髪をアップにするなどもったない!

イーサン・ホークとユマ・サーマンのデート場面。
やはり女の方が背が高いが、チークダンス時のみ逆転する苦しい演出^^;
12指本用のピアノ曲も凄いが、SAX奏者が、実は大御所スタン・ゲッツというのが隠し味。


うん。やはりブロンドは髪を降ろした方がよろしい[わーい(嬉しい顔)]

偽ジェロームに嫌疑をかけた捜査官が、ビンセント宅に乗り込む場面。私の好きなシーン。


このじわじわと緊迫感を煽る音楽! 俳優陣の静かな演技の火花が散る。
必死で“本物”を演じるユージーン(ジュード・ロウ)
そして戸惑い、狼狽えるアイリーン(ユマ・サーマン) 
「You're a God Child?」
「It is possible」
彼女の揺れる女心とビンセントの素直な気持ちを旋律が美しく表現する。
(「神の子」とは、遺伝子操作をしないで生まれた天才の事を呼ぶ。)

この優秀な捜査官が実はビンセントの弟・アントンだった。
何年かぶりに再会した兄弟は、「兄の奇蹟」を証明もしくは否定すべく再度“度胸比べ”をするのであった。


メイン・テーマがまた流れる。ジーンとくる場面だ。
「戻る事は考えず全力で泳いだ」

オープンカーでのうたた寝から目覚めるアイリーン。
えっ?こんなに可愛いかったっけ・・・私の今までのユマ像を一発で破壊したシーン。
氷のようにクールな女が融けた瞬間〜この美しさは尋常でない[ハートたち(複数ハート)] 前言撤回[パンチ]

そして宇宙船打ち上げの日。
ビンセント、ユージーンそれぞれの旅立ちは、涙なしでは語れない[もうやだ~(悲しい顔)]歴史に残るラストシーン
何度観ても胸が焦がれてしまう。

CGも特撮も無く低予算のB級SF映画が、制作者達の叡智が吹き込まれ、煌めく命の輝きをもった奇蹟的な作品となった。
細かく見直せば、本当にちんけなセットばかりだ。それを効果音と巧みなカメラ・アングルで、近未来のモノに変えてしまう魔法。
当時の売り出し中の俳優陣のピュアな演技。
そして、なによりもマイケル・ナイマンの音楽の素晴しさ。
フィルム・ミュージック~ベスト・オブ・マイケル・ナイマン

フィルム・ミュージック~ベスト・オブ・マイケル・ナイマン

  • アーティスト: マイケル・ナイマン
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/03/20
  • メディア: CD
1944年生まれ。ブライアン・イーノロバート・フリップとも交流のあった前衛音楽家らしいのだが、この20年は映画音楽作曲家として活躍。かつては欧州映画が多く、今作がハリウッド映画では初めての音楽監修らしい。私は恥ずかしながら今までは名前すら知らなかった。彼の音楽監修した映画は他には「髪結いの亭主」しか観ていないのだが、この作品も確かに映像に溶け込んだ美しい旋律であった。

本作のテーマ「It Is Possible」
当てつけがましい「成せば成る、成せねば成らぬ、何事も」的なスポ根モノではなく、サラリと「人間の可能性」を示唆する辺りが憎い。
親なら誰しも、自分の子供には幸せな人生を歩む事を望む。極力、負の要素は排除したい。よく云われる「親の悪い所ばかり似るのよねぇ〜」では困るのである。それが、科学の発展により人工的に操作できるとしたら・・・
しかし、そんな事は親の身勝手なのである。人生の幸福は、成功がすべてではない。
将来の遺伝子工学への警鐘も含めながら、「生を与えられた者のあるべき姿」を描いている。
素質がモノをいうのは事実だが、宝の持ち腐れの人間が多いのもまた事実。そして、素質に恵まれた者が仮に努力したとしても、すべてが幸福になれると決められている訳でもない。
常に夢に向かって努力する人間の姿は美しいし、可能性は無限なのである。しかし、それに神様が微笑むかどうかは、それこそ神のみぞ知るである。運命までは遺伝子では決められないのだ。
だから、世の中は面白い。

5分前のキスで僅かに残した男の唾液で、女は彼の資質を暴露できるという、男にとって末恐ろしい時代だ。

アイリーンの最後の言葉。
あなたの遺伝子に惚れた訳じゃないのよ〜The wind caught it 〜洒落ているなぁ〜[わーい(嬉しい顔)]

至高の名作である〜私にとって・・・

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満月の夕〜ソウル・フラワー・ユニオン〜 [超個人的溺愛の逸品]

阪神淡路大震災から16年。

12年前、関西転勤を命ぜられた私達家族が選んだ会社の借上げ住宅は、兵庫県芦屋だった。

高級住宅地のイメージが強い芦屋ではあるが、実は、山側から海に向かって順番に阪急線・JR・阪神線が東西に横切っており、この沿線別に住民層が海抜に比例していると云われていた。しかし、東京下町で育った私は、「チャリンコで買い物できない処は人間が住むべきでない」というのが持論で、阪急沿線の六麓荘近辺には見向きもせず、結局「浜芦屋」と呼ばれる阪神線より更に海側の浜芦屋〜芦屋の下町に住んだ。

目の前の国道43号線の上を高速道路が走っていた。聞けば震災時に落ちた高速道路が、まさしくその場所だったのである。すでに震災から4年、復興のスピードはめざましく、神戸駅周辺なども完全に整備され、あの大惨事の面影を感じさせなかった。しかし、浜芦屋の自宅近辺では、壁にひびが入った無人の家が散見され、当時の傷痕を偲ばせていた。子供の通う小学校の授業参観に行くと、校門脇に犠牲になった生徒達の慰霊碑が建てられていた。神戸の取引先の方々との雑談の中でも、被害が皆無であった山側に住む人を除いて、ほとんどの人は当時の思い出を語ろうとしなかった。私も微妙にその雰囲気を感じ、よそ者の興味本位と思われたくなく、震災の話題を避けた。

そんな時、カーラジオから流れる1曲に鳥肌が立った。


ソウル・フラワー・ユニオン「満月の夕(ゆうべ)」

三線とアコーディオンが奏でる沖縄民謡のリズムに乗せて、力強いヴォーカルが切々と歌う。
無性に物悲しい気分にさせながら同時に力が湧き出てくる不思議な曲だった。

後から、この曲が阪神大震災時の避難所の光景を歌ったものだと知った。

彼らのアルバムを購入してみた。

GHOST HITS 93~96

GHOST HITS 93~96

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キューンレコード
  • 発売日: 1996/06/01
  • メディア: CD
圧巻だった[exclamation×2]
こんな凄いバンドが日本にいたなんて[どんっ(衝撃)]

プロテスト・ブルース・ロックが基盤なのだが、このサウンドを何と呼べば良いのやら?
中川敬(ヴォーカル、ギター、三線他)が造り出すサウンドは天衣無縫、支離滅裂、原産地不明。
まさにキワモノ・ロックの範疇に入ってもおかしくないのだが、メッセージ性の強い歌詞と中川の強烈なヴォーカルが彼らの本気を伝える。
「まさにロック」しているのである。数ある日本のミクスチャー・ロック・バンドの中でも希有な存在であり、嘘偽りのない精神性を堅持したほんまもんロッカー達である。


ソウル・フラワー・ユニオンから電子楽器を取り除いた「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」と呼ばれるチンドン屋別働隊もあります。


このバンドのライブを観ると、「本当に音楽って楽しい」と心底、思える。

歌のちからを老若男女を問わず伝える唯一のニッポンのロックバンド〜ソウル・フラワー・ユニオン〜
疲れた時、落ち込んだ時、中川敬のヴォーカルと伊丹英子の合いの手が私にパワーをくれる。

ゴースト・ヒッツ 00~06
GHOST HITS 95~99
アジール・チンドン











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