『紅葉の平林寺』 with Sony α7 [ざれごと写真日記]
ぼちぼち遠出して紅葉狩りでもと思ったが、毎度ながらの朝寝坊にて、すでに女房様は外出ソファでTV鑑賞していた長女の横で、彼女が食い散らかしたパンの残りをブランチ状態の旦那様なのでした外は久しぶりの快晴
「う〜ん、どっかに行かねば」
高尾山は大混雑だろうし、以前感動した茨城県の西山御殿も片道最低90分だ。都内の名所は来週に取っておきたい。
...見つけましたよ、埼玉県新座市「平林寺」〜予定通り、車を飛ばして40分(駐車場探しに20分かかったけど)
『金鳳山 平林寺』・・・創建650年臨済宗の関東の名刹...新座近辺は仕事で昔は何度か訪れたが、全く知りませんでした。埼玉県の住宅地に、忽然と広大な松林が武蔵野の面影を残して拡がっていた。その一角に平林寺が佇む。彩りは、見頃一歩手前か。今にも燃え上がるような木の葉からようやく色づき始めたもの、すでに盛りを過ぎて朽ち果てる寸前まで、そしてまだまだ元気な緑を主張するもの...なんか人間みたいだ。この混ざり合った頃合いの彩が一番好き。
境内の裏には、大河内松平家代々の墓石が厳かに立ち並び、さらに奥には松林が延々と広がる。この緑地は昔時の武蔵野の風情を残したまま保全され、雑木林としては唯一の国の指定天然記念物だ。雑木林をそぞろ歩いていくと、小さな小高い丘に遭遇する。「野火止塚」という野山の火事を見張る土盛りの跡であり、新座市内の地名の由来にもなっている。まだ未開の地であった時代の関東平野の面影を感じることができる場所が、こんな近郊に在ったなんて、少々感無量の小生は、中途半端なブランチで空いた腹を帰り際の蕎麦屋で満たしたのでした。
『すがも中山道菊まつり』with α7 [ざれごと写真日記]
今月は、都内のいたるところで「菊祭り」が開催されている。
近場の浅草寺や亀戸天神は、勝手知ったる場所なので、先日、少々足を伸ばして「巣鴨」に向かった。
実は、東京に住みながら「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる巣鴨地蔵坂商店街には、一度も訪れた事が無かった。菊を愛でつつ、噂の商店街巡りに行って参りました、とりあえず女房も誘って。
結構な人通り〜まさに老若男女〜
商店街入口に在る「眞性寺」が菊祭りの会場
商店街もぶらぶらと・・・
有名な「とげぬき地蔵」〜正式には「高岩寺」
至る所にある甘味処はどこも大繁盛
名物は「塩大福」〜どの店も元祖・発祥をうたいます
巣鴨といえば「衝撃の赤」なのだ
お洒落なカフェに車椅子のおばあちゃん達〜なんか、いいなぁ〜
昼カラオケと赤パンツ=まさに「おばあちゃんの原宿」だ。
菊祭りの規模はさほど大きいものではなく、少々肩透かしを食った感だったが、街歩きが無性に楽しかった
「昭和の時代」にタイムスリップしたような商店街に、今風のショップやレストランも点在し、少々カオス的な雰囲気が胸を踊らせる。以前は老人達が集う場所の代名詞だったが、今や老若男女が入り混じり、活気溢れる商店街に変貌している。とはいっても、流行りの観光地のように土産物が立ち並ぶわけではなく、昔ながらの地元の商店が主体となって常連客に支えられているのが窺える。
はしゃいだ女房は、手ぶらで来たはずだったが、帰る頃には買い物を山のように抱えていた。
【本日の奥様お買い物リスト】
大福
くずせんべい
焼き海苔
とろろ昆布
秋咲き花のプランター6個
ガムテープ
セロハンテープ
テイッシュペーパー
里芋
椅子2脚(後日配送)
結局、亭主の両手もふさがり、後半は写真撮影どころではございませんでした。
まぁ、赤パンツだけは買わないで安心したのだが...
見納め秋桜〜あけぼの山公園とステーキ〜 [ざれごと写真日記]
先月は、夫婦揃っての休日は全て悪天候で、遠出をする事ができなかった。ゆえに、秋の花を愛でる機会も無く、ストレス充満中。11月に入り、寒気と共に、漸く晴天が続き、久しぶりに女房と外出と相成った。
とりあえず、近場でコスモスを愉しめる処を探し当てる。自宅から車で1時間弱、朝寝坊夫婦は昼過ぎから千葉県柏市の「あけぼの山公園」に向かう。来週にはコスモス畑の草花は全て刈り取られる予定らしい。まさにラストチャンスだった
入場無料の市民公園の一角に、広大なコスモス畑が広がる。オランダ風車を模した設定はコテコテなのだが、満開の色とりどりの秋桜とキバナコスモスが、涼風に吹かれて優しく踊っていた。「いやぁ、気分爽快」
我らスケッチ&カメラ夫婦が、久方ぶりの各々の仕事( ̄▽ ̄)をこなし終わった頃には、もう夕刻、腹ペコだ。
先週から少々風邪気味の女房が珍しく「肉食べたい〜」とのたまうので、思い切って連れて行きました。
我が墨田区下町が誇るステーキ屋『レストラン カタヤマ』だ
元々、リーズナブルな洋食屋さんであり、ステーキを腹一杯値段を気にせず食えると評判のレストランだ。昔から知る人ぞ知る銘店だが、予約不可の為、来店順に別棟の待合室で待機するシステムなのだ。小生は以前に、仕事で利用したが、当然、女房は初訪問である。17:30で既に店内・待合室ともごった煮状態だが、カウンター席2名なら30分待ちとの事。行列嫌いの小生の我慢のギリギリラインだが、心優しき亭主は、風邪気味女房にパワーをつけさせようと、静かに待つこととする。
値段を気にせず...としたが少々曲者なのは、肉のグレイドが細かく分かれていることだ。
1.1Kg=6,480円の豪州牛から100g=6,480円の国産A5牛まで5段階、うな重の松竹梅以上に迷う設定なのだ。
今回だけは、愛しき悪妻の為、自分は豪州牛250g、彼女には国産牛(だがA4なのが小市民)200gを牡蠣フライとセットで注文するのだった。
ジャーン
リーン牡蠣ステーキ250g=2,510円也(サラダ・味噌汁つき)
(ちなみに女房のマルキン牡蠣ステーキ200gは4,335円なのだ)
豪州牛とは思えない柔らかさと十分の旨み納得のボリューム
(後で、女房の肉片を少し恵んでもらったが、国産牛には、和牛独特の甘みが加わり、ジューシー感が倍増)
散財してしまったが、二人でステーキを食べたのは、思い出したら10年ぶりくらいだ。
長寿の秘訣は「週に一度は肉を食うこと」とよく聞くが、なんとなく実感した。
年を経るごとに、パワーの源を直接吸収するのが大切なんだなと・・・
「たまには、こういう食事もしなきゃダメね」と妻。
うん、これからは、スーパーで買った肉を、旦那様が家で焼いてやるからね〜
クラゲ達とバレエ [ざれごと写真日記]
休日のたびに雨、雨、雨
遠出の撮影旅行に行く気になれず、雨の休日の映画館は大混雑が常識...ストレスたまります
そうだ、『水族館に行こう!』
考えてみれば、スカイツリー内の「すみだ水族館」へ徒歩5分で行けるではないか。
土曜早朝に墓参りをし、午後にα7Ⅱと共にスカイツリーソラマチに向かう・・・入場料2,050円・・・ちと高いんでないかい...料金表を見ると年間パスポートが4,100円〜2回分の金額で1年間無制限入場可能だ〜思い切ってパスポート会員さんへ〜現在「お江戸の金魚ワンダーランド」を開催中でした。
水族館での写真撮影の難しさを実感しました。
ガラス越し、暗い照明、おまけに手持ちのマクロレンズは旧型の為、オートフォーカスが滅多に合焦せずマニュアル操作に頼らざる得ない。ゆえに泳ぎの早いサカナちゃんは厳しい。普段は、スナップや風景写真がほとんどなので、先月の花火とか特殊な環境下での撮影は、技術と経験が必要なのを再認識した。(センスはとりあえず置いといて...)せっかくのパスポート会員なので、鍛錬を積もうと思います
それにしても、クラゲの美しさに触れたのは、大いなる収穫であった
翌日曜日は、予定外の事態へ。
仕事の関係上、国外バレエ団の公演チケットが割安で手に入るというので、長くクラシックバレエを学んでいた長女の為に購入した。
「母さんと一緒に、一流のバレエを見てこい」と偉そうにしていたら、
「お父さん、私の予定も聞かないで勝手なことしないでよぉ〜その日は、友達と約束があるからダメ!留学中にロイヤルバレエ団も観たし、この演目も何度も観たし...何もわかってないんだから」
「・・・・・・」
「じゃ、あなた。私とご一緒しますか〜まさか私独りで行かせるおつもり?」
と、冷やかすように妻。
「げぇ〜」
当日。「おい、Gパンじゃ、まずいか?」
「ダメです」
...という事で、上野・東京文化会館へ。
ミラノ・スカラ座バレエ団「ドン・キホーテ」
長女の幼少期に、年間1回ペースでバレエ発表会に顔を出していた。高尚なる芸術に興味の無い父親は、長女の出番のみを見て、真っ先に帰宅組であった。プロのバレエ団の作品を通しで見るのは人生初であります。全3幕で3時間近いなんて、絶対無理じゃ
「寝ていても起こすなよ。」
「イビキかいていたら叩き起こします!周りに迷惑ですから。でも、この作品は解りやすくて、テンポも悪く無いから、あなたでも結構大丈夫だと思うわよ」と、見透かしたようにのたまう妻。
・・・・・・(3時間後)
女房の思う壺でございました。感動したぁ
幼児達のバレエ発表会と比較できる訳がないのだが、プロは凄い、高い金取るだけの事はある
舞台装飾、衣装の煌びやかさ。各演者のパフォーマンスの豊かさ。日替わりで主役級は交代制のようだが、最終日である本日のキトリとバジルのダンサーの踊りに目を奪われた。
マリア・コチェトコワとイワン・ワシーリエフ
当バレエ団のプリンシパルであるニコレッタ・マンニのドリアードの女王役も美しかった。
何故、わざわざ痛い思いをして爪先立ちで、目が回るほど回転しなければならんのか、バレエ無教養の小生には素朴な疑問なのだが、考えてみれば、ストリートダンスも阿波踊りも、音楽に合わせて楽しく美しく舞い踊るのは同じであり、ルールの厳格化の違いでしかないのだ。バレエを敬遠していた事を恥じた小生でありました。
人間という動物には「音楽と踊る」本性が誰にでも根付いている事を思い知らされた佳き日であった〜長女に感謝〜はしゃぐ旦那を見つめる妻の冷たい視線が痛かったが...
マリア・コチェトコワのソロを中心に...
小柄だがキレのあるニコレッタと対照的な柔らかさが魅力だ
『能登の旅 Part3』with Sony α7 [ざれごと写真日記]
最終章です...
朝から強い雨が降りしきる
宿泊地の穴水町では、昨日から地元の祭りが催されているらしい。
輪島町に直行してノンビリ過ごすか、悩んだ末に、祭り見学を強行する事にした。
海岸線を北に進んでいると雨が小降りに変わるが、車を進めるごとにどんどん辺鄙な雰囲気になり「本当に祭りなんてやってるんかい?」 と、不安な心持ちになる。すると、小さな海水浴場に向かって子供達が走っていくのが見えた。車を寄せると、砂浜に何基かの山車のようなものが並び、多くの人がそれを取り囲んでいる。
『沖波大漁祭り』・・・海の安全と大漁を祈って昔から続けられているこの地域のお祭りだ。「キリコ(切籠)」と呼ばれる巨大な灯籠を使うのが、能登地区の特徴だそうだ。
地元の子供達が乗っています
勇壮です
女房が知らぬ間にコンビニでビニール雨合羽を購入していてくれて感謝・感謝とりあえず持ってきた望遠ズームもようやく役に立ちました。
小さな漁師町で、脈々と続く伝統の祭り。老若男女が入り混じり、海に向かい、町の誇りを滔々と歌いあげる。過疎地と呼ばれる地域でも、祭りの時期だけは若者達が帰ってきて、町が燃える。文化伝承には、郷土愛しいては家族愛というものが、深く根ざしているのだ。
雨も上がり、太陽が顔を出し始めた頃合いに輪島町に向かう。能登半島を東から西に横切るわけだが、首の細い半島なうえに、ほとんど信号の無い道路なので、昼前には輪島市街に到着する。ここからは、奥様ご満悦企画を旦那が前夜に考えておいた。「輪島塗体験」をやっている工房を探し出し、女房を送り込む。手先の器用な彼女は、この手の工作モノが飯より好きで、私の見込み通り、工房に入るや否や目を輝かせた。一方、超不器用な小生は、昼飯がてら町の散策へと、得意の夫婦別行動パターンに持ち込んだ。
工房に戻れば、こんなん出来てました 一応、髪留めです。
「わ〜い、今度着物の時に付けるわよぉ〜」
「今度って、お前の着物姿は3年以上拝見しておりませんよ( ̄▽ ̄)」
昼飯抜きでもご機嫌な女房と共に海岸線沿いに車を走らせる。
観光写真に頻繁に登場する「白米千枚田」
稲は区画ごとにオーナー制度〜いわゆる「MY田んぼ」だ
揚げ浜塩田(昨年朝ドラ「まれ」で有名に)
出来れば夕陽が地平線に消えるまで粘りたかったが、最終日は民宿泊まりにつき、夕食時前にチェックインしなければならず、輪島市内に急いで戻る。金額的にはリーズナブルな民宿だが、食事はお袋の家庭料理感満載しかも能登の海の幸山盛りの十分納得のいくものだった。部屋に戻るや否や、例によって満腹=爆睡パターンに陥り、気がつけば快適な朝を迎えておりました。
「本当にあなたって、三日間とも妻を放っといてガァガァよくお休みなことで」
「・・・・・・・・・・すみません」
午前中は、有名な朝市をぶらりとひと歩き。
母への土産にと、輪島塗の箸を妻が選ぶ。
帰路は、「のと里山空港」にレンタカーを乗り捨て、飛行機利用で。
輪島から空港まで30分弱、飛行機に乗れば1時間で羽田空港だ。能登も近くなったものだ。新幹線も飛行場も無かった小生の子供時代と比べたら隔世の感ありだ。
「こんなに早く能登に行けるのね。本家のお墓も判ったし、これから毎年行きましょう。私は輪島塗を極めますので」
「はい、はい、ご自由に...」
向島に戻り、スカイツリー下のレストランでカレーライスを頬張る中年夫婦。 45年ぶりに自分のルーツの土地に触れた亭主は感慨に耽り、妻は明後日に届くであろう輪島塗の食器に胸を膨らませるのでした
お付き合いいただきありがとうございました。
『能登の旅 Part2』with Sony α7 [ざれごと写真日記]
「この季節に公園に行っても暑いだけだぞぉ、もうちょっとホテルでゆっくりしょうや」
「何言ってるのよ、日本なんとか庭園でしょ〜、行きますわよ」
日本三大庭園じゃぃ...という事で「兼六園」...暑いです
蒸し暑くて、妻の得意のスケッチもさすがに登場しません〜
「さぁ、墓参りに行くぞぉ。少し遠いからな。」
「ねぇ、ちょっとだけ寄りたい処があるんだけどぉ」
兼六園そばの「大國洞」という骨董品店を覗く事になる。
10年ほど前に、東京のデパートで開催された骨董バザーで、妻は古い重箱を購入したのだが、そこに出張出店していたのが「大國洞」さんらしい。
「お店の名刺をずっ〜と持っていて、金沢に行く事があったら、必ず立ち寄ろうと思っていたのよぉ」
なんという記憶力...なんというもの持ちの良さ...恐るべき執念...嫌な予感がする...
自然と店主と話がはずみ、銘品を拝見しながら輪島塗や加賀蒔絵の素晴らしさを拝聴する。簡単に手が出る金額の品物では無いので、かえって我々も店主さんも商売抜きの気軽な団欒だ。ボチボチお暇しようかという頃合いに、「昔、私が売ったんだけど、お客さんが高齢の為に手放したいというので買い戻した良い品物があるんだけど、見るだけでも見てみるかい?時間があるなら、倉庫に置いてあるから今から持ってくるよ」
「(時間はあまり無いけど)見せて下さい。待ちますよぉ」
「(おいおい、大丈夫かぁ)」
輪島塗の膳・椀3客×5に湯桶、飯びつ、盆の1式だ。作者の銘は無く、明治時代の嫁入り道具に使われたものらしい。模様が「松竹梅」や「鶴亀」では無く「桜」なのが珍しい。美術品では無く、大事な日に使う食器というのが我が夫婦の気持ちをくすぐる。1品ごとの金額なら驚く事は無いが、品数が多いのでそれなりにはなる。但し、現代の輪島塗で同等の品物なら三桁近い金額になってもおかしく無いのは素人の小生にでも解る。
「焼き物と違って、塗り物は中古の方が格段にお買い得なんですよ。作りは確かな上に、年月が経って漆のいい色が出てくるしね。わざわざ東京から来てくれたし、特別の金額にしますよ!」
「頂きます!!!」
珍しく、旦那様が叫んでしまった。無言の奥様の興奮が手に取るように感じる.......
「では、来週にはご自宅に送りますので、それからでも送金して下さい。」なんと寛大な、気持ちよいお取引!
思わぬ買い物をしてしまった。もしかすると、ベテラン店主さんに、会話の中で、私達夫婦の嗜好と懐具合を見透かされて、ギリギリ手が届きそうな商品を勧められたのかもしれない。 どちらにしても、夫婦揃って納得の買い物だ、一抹の迷いも悔いも無い。人間も品物も「出会い」を大事にしたいのが、我が夫婦の信条なのだ。
「それにしても、こんな大荷物を置く処が、うちにあるか?」
「物置にある、あなたの昔のパソコンとモニターを処分すれば、何とかなるわよ〜任せなさい」
一抹の疑いがあるとすれば、女房がここまでの展開を想定して、旦那をこの店に連れて来たのではないのか???我が妻は、そこまで先読みできる能力を持ち、他人を無自覚の内に気持ち良く陥れる手筈を知る魔性のオバ様なのだ
ルンルン魔女を乗せた軽のレンタカーは、一路、祖先の菩提寺を目指し、金沢市の北東を進む。母から、亡き父に届いた寺からの年賀状と、32年前の祖母の新盆時に親戚一同がこの寺の墓前に佇む写真を託されている。
左右に拡がる長閑な田園を見ながら暫く走ると、忽然と無機質な郊外店舗が立ち並ぶ幹線道路に出る。日本の典型的な田舎の風景が何度か繰り返され、漸くナビに設定した目的地に到着した。
『鹿島郡中能登町芹川 泉福寺』
前日に、墓参の趣旨を留守番の方に伝えていた為、住職と思しき年配の女性が笑顔で迎えてくれた。
「昨日も、東京から同性の若いご夫婦が来られて、また今日ですから、混乱してしまったんですが、息子さん夫婦だったんですね。◯◯さんのお孫さんと息子さんが連日お参りに来られるなんて、ビックリですわ。」
私達夫婦も仰天したが、お盆休みに金沢旅行に行くと言っていた長男夫婦が、このお寺にお参りに来ていたのだ。長男から見れば祖祖父の生家の話など私はした事をないのだが、私の母からの聞きかじりを元に、彼なりに調べて訪れたようだ。血の成せる技か亡き父の導きか、不思議なものだ。
「私は、お父様は存じているのですが、おじいさまは私が嫁に来る前ですからね。過去帳を引っ張り出して、お宅様の家系の事を昨晩に勉強しましたよ。」
三男だった祖父は、若くして故郷を離れ、東京下町の銭湯の下働きとなる。当時の彼の苦労は想像するしかないのだが、暖簾分けされた銭湯を皮切りに、昭和初期には、都内に5、6軒の風呂屋を持つ経営者になったそうだ。そして、故郷に錦を飾るではないが、父が生まれた昭和6年に、本家に新しいお墓を寄贈しているのだ。寺から少し離れた小山の中腹にある、そのお墓に案内していただく。
とんでもなく立派な墓だ。大きさだけなら大名クラスだ。見栄っ張りな性格は、祖父から3代続いて引き継がれているようだ^^; 苔むした墓標に花と線香を手向け、汗ばむ中、住職にお経を唱えて頂く。ご先祖様に、父の逝去を伝えると共に、今の家族が在る事の幸せに深く感謝し、手を合わせる。85年前、此処で祖父が、新しい墓のお披露目を盛大に催した光景が、目に浮かぶ。
本家筋の後継者は、現在は金沢市内にいるそうで、墓参もめっきり減っているそうだ。「北陸新幹線も開通し、東京と近くなりましたので、出来るだけ顔を出させて頂きます。」と、住職にお約束をし、お寺をあとにする。
暖かい心持ちで海岸線を走る。
先祖達が慣れ親しんだかもしれない七尾湾の静かな波濤と紺碧の空が胸に沁みる。
穴水町の「ぼら待ちやぐら」
本日の宿泊は、穴水町の国民保養センター。大浴場併設で、サービスは必要最低限ではあるが、とにかく食事が豪華能登の幸を夫婦で堪能しました
この時期は「岩牡蠣」だね
先付け
刺身はイシガキ鯛・サザエ・甘エビetc.
鮑のステーキだぁ
いしる鍋
能登牛じゃ
真鯛の吸物
天婦羅まで
完食〜白飯2杯も平らげる〜50歳過ぎてこの食欲の夫婦...
腹満腹にて、部屋に戻るや否や爆睡の旦那様
奥様の方は、輪島塗のお買い物が頭から離れず、なかなか寝付けなかったそうな...いやいや、我が術中に嵌った亭主の寝顔を見て、ほくそ笑んでいたに違いない
『能登の旅 Part1』with Sony α7 [ざれごと写真日記]
今年の盆休みは、ご先祖様への礼拝を主たる目的とした旅に費やした。
小生は、生まれ育ちも東京下町の江戸っ子ではあるが、父方の祖父母は石川県の出身なのだ。今春、父の一周忌、祖母の三十三回忌を終え、無性に見知らぬ先祖に対する思慕が強まり、三男であった祖父の本家の菩提寺にお参りする事にした。同行者は当然、奥様なので、結局、ご先祖墓参にかこつけたドタバタ夫婦3泊4日旅行になってしまったのであるが...
上野から新幹線「かがやき」に乗り、昼過ぎには金沢駅へ。私は仕事の関係で10年前に訪れているが、女房は生まれて初めてである。墓参りは翌日の予定なので、この日は市内観光をサラリと。
長町武家屋敷跡を散策する
ポストが九谷焼風だったり
加賀友禅工房(着物を女房にせびられなくてよかった)
SANAA設計による21世紀美術館
ひがし茶屋街か近江市場の鮨屋で夕食かと考えたが、「金沢ゆめ街道」というイベントにより、主要道路が全面歩行者天国となり、車移動が不能。明日以降は和食が増えるという想定により、通りかかった宿泊ホテル近くのビストロ風のレストランに飛び込む。
ここが大当たり
ベルギービールで奥様はご満悦
『隅田川花火大会2016』with Sony α7 [ざれごと写真日記]
この炎暑の中、社内のゴルフコンペに参加し、ブービー賞の名誉を引っさげ疲労困憊の小生が帰宅途中に車窓から見た景色は、堤防沿いに群がる人・人・人の大波。そう、今日は隅田川花火大会なのである。
交通規制直前に何とか自宅に辿り着くや、我が家は大わらわだ。娘の友人が7,8人、息子夫婦が狭いリビングを占領し、はだけた浴衣姿の妻が「早く行かないと、場所を取られるわよぉ〜」と、缶ビール満載のクーラーボックスを抱えて騒いでいる。
「あらぁ〜あなたお帰り〜。案外、早く帰れたわね。寿司弁当が冷蔵庫にあるからね。私達は、毎年の場所に行ってますから。今年は人数多いから大変よぉ。後から来るかしら?」
『さすがに今日は疲れたから、屋上でのんびり見てるわ。』
「あっそう、じゃ行ってきま〜す!」
と、いう訳で家に残った家主は、冷えた寿司を咥えながらカメラバックを持ち、筋肉痛に耐えながら独り屋上に登るのだった。屋上とはいっても、周りに高層マンションに囲まれた我が家からは、2カ所から打ち上げられる花火のうち一つが相当高く上げられないと雰囲気を味わえない。ゆえに女房軍団は、自宅近くの路上のビューポイントを占拠する為、段ボールの切れ端を持って出掛けたのだ。30年前なら、建て替える前の2階からも十分に花火を楽しめたのだが、こんな下町にも高層化の波が押し寄せてきたのだ。スカイツリーなんてモノまで目と鼻の先に建つ時代である。
おまけに今年は、建設中マンション屋上に置かれた巨大なクレーンが、更に視界を遮るのである...
女房が植えた植物の枝と共に、邪魔でしょうがない しょうがないからアップ中心で撮し、後はトリミングでごまかすが、花火写真は毎年チャレンジしても要領が掴めない。露出時間を変えながら暗中模索だ。
その後、疲れを知らない若者達は我が家に戻り、リビングでの酒盛りは女房も参戦し、終電近くまで続くのだった。満身創痍の旦那様は、翌日の筋肉痛に備え強力アミノ酸サプリを呑み、独り静かに横になるのでした...^^;
『山百合の里』with Sony α7 [ざれごと写真日記]
幼少期(半世紀近く昔になる訳だが...) 、我が家のベランダの小さな花壇は、母が無造作に植えた四季折々の花々が常に何かしら咲いていた。少年の心に刻み込まれたのは、盛夏にひときわ大きい白い花弁を付け、甘い香りを四方に漂わせる百合の花だった。背筋をすぅと伸ばし、首をかしげるように立つ姿は、清楚と威厳を合わせもち、他の花々には無い存在感を醸し出していた。「ヤマユリ」が、日本特有のユリ科の植物であり、育成が非常に難しい事を、後に知るのだが、当時、母が山から採ってきたらしい、このユリの女王は、ひと夏だけは威容を誇ったが、それ以降は、二度と我が家に顔を出さなかった。
この思い出深い『ヤマユリ』が、群生している所が在るという。三連休の最終日、茨城県行方市西蓮寺『井上山百合の里』に単騎、常磐道をぶっ飛ばして行って参りました。
育成協力金として300円
辺りは長閑な田園風景
スカシユリの一種は盛り過ぎか
早くも、あの強く甘い香りが漂う
小高い丘の斜面のいたるところに「女王様」達が...
運営をされている地元の方から蒸しジャガイモを戴く
汗まみれの体を休め、遥か昔の自分の記憶をまさぐると、『山百合』がベランダで花の世話をする若い母のうしろ姿と重なる事に気づく。年老いた彼女は、昨年夫に先立たれ無味乾燥な日々を送っているが、毎朝の鉢植えの水やりだけは今も欠かさない。私がこの歳になって、花を愛でるのが趣味になったのも、母から引き継いだ因子の賜物か。
西蓮寺山門の金剛力士像と山百合に別れを告げる
花の撮影にはマクロレンズが必携だが、最新レンズを持た無い小生は、α7Ⅱにミノルタ時代のオールドレンズ中心の組み合わせ。50㍉・100㍉マクロ、135㍉STF、そして何故だかContaxピオゴン28㍉。低解像度や逆光の弱さ、色かぶりなど問題はあるのだが、最新高級レンズには無い「味」を感じるのは、小生の思い込みだろう。所詮、撮る喜びとは、ひとりよがりでいいのさ
そしてまた、常磐道をぶっ飛ばして帰宅。
我が家の「ヤマユリ」ならぬ「オニユリ」の置き手紙が......
「行ってきま〜す。 花の水やり、ゴミ捨て、ペットの世話をよろしくお願い致します」
なんと、妻と長女は、この夜からハワイ旅行なのだ
二人は、お盆にしか休みが取れない家長を残し、母娘水入らずのリゾート三昧を楽しむらしい。
うぅぅぅ〜ぐれてやる
百合園 [ざれごと写真日記]
薄曇りの中、ドライブがてら妻と埼玉県の「所沢ゆり園」へ。
隣接した西武ドームでのイベントの大音量が此処まで響き渡り、少々興ざめの部分もあったが、多種多様の百合が咲き乱れ、甘い香りと共に、梅雨の蒸し暑さを暫く忘れられる時を過ごしてきました。
ただ、入場料@1,100円、駐車代金1,400円は、環境・施設の充実度を考えると、ちと高いかな
さて、外国産の百合は、『Lily』ですな......どうしても私は、ジェネシスのこの曲を思い出してしまう
Genesis「Lilywhite Lilith」(1974年)
やはり、ガブリエルのヴォーカルとハケットのギターは無敵じゃ
来月には、純国産「山百合」の自生地に行ってくるつもりです。