やっと解けた竜舌蘭の謎〜GO!GO!7188 [〜ロックの神さん〜]
6,7年前にCDショップで試聴したら余りにも気持ちのいい音なので、予備知識無しで衝動買いしたアルバムである。
一聴した感じで「デビューしたてのインディーズ系バンド」か、はたまた「椎名林檎が東京事変とは別のユニット結成か?」と勝手に決めつける小生だったが、自宅でジャケットを開き、このバンドが女性2名・男性1名のトリオ編成である事が判明した。
どうやら、どちらかの女性が「この気持ちいいギター」を弾いているようである。
適度に歪ませたギターサウンドはまさに私好み。そしてイタコの口寄せのような不思議な味の女性ヴォーカルが、甘っちょろいラブソングなど糞喰らえの叙情詩を歌う。往時のグループサウンドの香りを仄かにかぐわせながら、シンプルなスリーピース・バンド王道のストレートなビートが炸裂する。
ひとりよがりのオッサンは、「竜舌蘭」というバンドのデビューアルバムだと完全に信じ込むのであった。
さぁ、なんと読もうか〜「リューゼツラン」は私のお気に入りインディーズバンドのひとつとなった。
なんか、しっくりこなかったのは事実なのだが・・・
それから何年間も、たまにCD棚から引っ張り出しては、この小気味良いアルバムを聴いていたものだったのだが、先日たまたま老眼鏡をかけてジャケットを眺めていたら・・・『produced by go!go!7188』の文字を発見。
「げっ、まさかこれがバンド名」よ〜く表紙ジャケットも凝視すると、確かに崩し字で「GO!GO!7188」。
紛らわしいジャケット作るな〜
試しにググッてみると・・・出るわ、出るわ、本当は、こんな有名なバンドだったんか
しかし「GO!GO!7188」も、どう読むんじゃ〜紛らわしい名前付けんなぁ〜
されど、映像で見る彼らの演奏に釘付け〜アルバム「竜舌蘭」オープニング曲
このCD発売時には武道館ライブするほどメジャーだったのだ
ギターとリードヴォーカルの正体は彼女だった。やるじゃねぇか、このネェちゃん
中島優美〜1979年生まれ。このサウンドと演奏スタイルは、それこそ浅井健一「女ベンジー」ではないか
「竜舌蘭」のジャケット内の写真は、可愛いとは言えない写りなのだが、ひとたびステージに立つと別人の如く「いいオンナ」に変貌する。
これは名曲ですな〜『浮舟』
このコブシの効いたヴォーカルが堪らない
金髪の巫女かはたまたネコ娘のように無表情で歌う
ユウ(中島優美)が、ネズミ男かはたまたリングの貞子の如きアッコ(野間亜紀子)と、ドラムの児泣きじじい・ターキー(細川央行)を引き連れて織り成すゲゲゲ親衛隊が紡ぐ古典和製ロックじゃ
柔なガールズ・ロックとは一線を画した骨太サウンドと美しき日本語の融合は、中島優美のコケティッシュな一面と共に、多くの若者に支持されているようである。
シンガーソングライターとして希有な才能を発揮する中島優美は現在では、GO!GO!での活動の他にも別ユニット「チリヌルヲワカ」やTHE BOOMとのコラボなどで幅広いジャンルへの挑戦を続けている。
THE BOOMとユウの共演はGO!GO!のイメージからは想像できなかったのだが、宮沢と中島の共通点は、ROCKに日本語の詩を歌として見事に成立させる事だ。二人は、非常に肯定的な意味で「演歌ロック」を唄える数少ないロッカーだと思う。
70年代ロック親爺を悦ばせる「懐かしきロック魂」を持ったLady guitarist ユウに拍手を送りつつ、今後更に進化を続ける彼女の活動に目が離せない
おまけ
奥村チヨより巧いかも〜なかにし礼もビックリ
オジサン泣いて喜ぶ「恋の奴隷」(1969年)グラムロック編
「ア・ナ・タ好みのオンナになりた〜い」
「ソ・ン・ナ嘘デモ云われてみたぁ〜い」