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『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督:ルパート・ワイアット
製作:リック・ジャファ アマンダ・シルヴァー ピーター・チャーニン デイラン・クラーク
脚本:リック・ジャファ アマンダ・シルヴァー
撮影:アンドリュー・レスニー
 
キャスト:ジェームズ・フランコ フリーダ・ピント ジョン・リスゴー ブライアン・コックス トム・フェルトン
アンディ・サーキス デイヴィット・ヒューレット タイラー・ラビン ジェイミー・ハリス チェラー・ホースダル
 
現代のサンフランシスコ。若き科学者ウィルは、ある研究所でアルツハイマー病の治療薬の実験に没頭し、シーザーと名付けたチンパンジーを可愛がっていた。やがて知能が劇的に発達したシーザーは、地球を支配する人類を脅かす存在へと成長していき……。 (ぴあ映画生活より)
 
第一作が1968年。
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さすがにリアルタイムでの観賞は叶わなかったが、TV放送された時の斬新な設定と特殊メイク、そして衝撃のラスト・シーンは、子供心に強く焼き付いている。
 
1968年版のリメイク作としての2001年ティム・バートン監督製作「PLANET OF THE APES/猿の惑星」は、バートン氏の独自の感性と新しい発想・当時の撮影技術の進歩と併せて、オリジナルとはまた違った魅力を提供してくれたが、この2011年版には更に別次元の圧倒的な映像に興奮をさます事ができない。
 
今回の作品は、近未来に地球が人間に代わってサルに征服された端緒を描いた形式となっており、ほぼ現在に近い時代設定である。
何故、サルが高度な知能を身につけ、逆に人間が下等動物として失墜してしまったか・・・未来のサル社会からすればまさに、「サル繁栄の第一歩〜創世記」実写版だ。
アルツハイマー特効薬の実験用チンパンジーから生まれた”シーザー”が、それこそ”アダム”に相当し、「禁断の果実」が、この新薬なのだ。
 
奇想天外なストーリー設定を、最先端のCG映像と俳優陣の熱演により完璧なレベルまで昇華した映像は、驚愕と賞賛に値する
オリジナルから約半世紀を経ての映像技術の進化に、「ついにここまで来たか[exclamation×2][exclamation×2]」が正直な感想だ。
やっぱり、ハリウッドは凄ぇ[がく~(落胆した顔)]』 
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サルの表情の変化も微妙に表現できたオリジナル作での特殊メイクを初めて観た時は、 円谷怪獣映画のかぶり物で育った私には、当時十分過ぎる衝撃であった。
しかし、今作のチンパンジー達の動き、シーザーの喜怒哀楽の表現などは、 まさしく類人猿そのものなのである。単純なPC内での小手先の技術だけでは絶対に到達できないであろう神の領域だ。
 
一体、どうやって撮っているのか想像もつかなかったが、メイキング映像で改めてハリウッド映画の神髄を見た思いである。
 
  
 
 
主役は、人間様を抑えてシーザー役のアンディ・サーキスに間違いない。
類人猿を知り尽くしたような彼の動き・表情の演技に、CGを重ね合わせた神業が、極めて自然なチンパンジーの姿となって映像化されていく。
いつしか観客は、登場人物の誰よりも”シーザー”に感情移入してしまう。 
 
ウィル、チャールズと家族同然の生活をし、人間の優しさを身につけて行くシーザー。ウィルに恋人が出来て、いじらしく嫉妬する姿。初めて虐待され、人間の汚さと同胞達の境遇を知った時の衝撃と落胆。サルと人間の従属関係に失意に陥った彼であったが、いつしかそれは怒りと共に新たなる決意を抱く事になる。それは、ウィル達との別離であり、同胞の解放と自由の奪取だ。「自分が帰る処は、ウィルの家ではなく、森の中である」と。
シーザーが初めて人間の言葉を発するシーンは、ヘレン・ケラーの「WATER」並の感動を呼び起こす、鳥肌モノだ[どんっ(衝撃)]
 
人間様の俳優陣の自然な演技も素晴しい。ウィル役のジェームズ・フランコが、繊細な科学者を好演。認知症の父親役のジョン・リスゴーのいぶし銀の演技。「スラムドッグ$ミリオネア」以来のフリーダ・ピントが、紅一点、この作品に艶やかな色を添える。ハリー・ポッターのライバル・マルフォイ役が定着し過ぎたトム・フェルトン〜根性無しの極悪人は、やはりハマり役。
 
映像改革という意味では「アバター」の衝撃度は大きかったが、映画の完成度では遥かにそれを凌ぐ出来映えの作品だ。
 
平家物語「奢れる者は久しからず」の名句の通り「愚かな人間への風刺」と「人類への警告」を最新映像技術を駆使しつつ、デジタル色は排除し、あくまでもエモーショナルに描いた近年稀に見るハリウッドの傑作である[パンチ]
 
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享年63歳 
俺も泣かずにはいられない 

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