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もう1人のテイラー『Taylor Momsen』 [キューティー・ブロンド病棟]

1年前に観た絶品映画『キック・アス』のエンドクレジット時に流れたヘヴィメタ曲「Make Me Wanna Die」に聴き惚れてミュージックビデオを探していたら出会ったブロンド歌姫。
 
[黒ハート]必殺!黒網タイツ[どんっ(衝撃)]この脚線美に悩殺されました[黒ハート]
 
 
Taylor Momsen(テイラー・モンセン)・・・セントルイス出身のな・なんと18歳[exclamation&question](我家の長女より若い[がく~(落胆した顔)]
3歳の頃から女優、モデル...そして今はThe Pretty Reckless(プリティ・レックレス)のヴォーカリスト。
 
モデル・俳優業の時は清楚なブロンド美少女
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しかし、Pretty recklessのメンバーになると・・・
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[キスマーク]淫靡なゾンビ顔のボンテージ美女に変身[キスマーク] 
 
同じテイラーでも真逆の個性を持つふたり。 
前回紹介した「テイラー・スウィフト」「太陽」ならモンセン『月』である。
 
元々、Pretty recklessのグラム風ヘヴィメタ・サウンドが壺に入った上に、彼女の妖艶な姿に身も心も蕩けたのであるが、彼女のヴォーカリストとしての実力もハンパではない事に気付かされる。彼女自身が話すように、元々から音楽を演りたかったそうで、実は女優業には興味が薄いらしい。すでに8歳の頃から曲を書いていたという。
 
女優業で鍛えたパフォーマンスがライブで活かされるのは当然ながら、声が素晴しいのだ。
女性ヴォーカリストには珍しく「中低音」のコントロールが見事。高音シャウトも決して耳に痛い叫び声にはならず、抑え込む歌唱法である。
彼女からイメージされる「死者(ゾンビ)の嘆き」をまさに体現しているといっても過言ではない。
 
熱狂のステージ[むかっ(怒り)]見よ、この脚線美[パンチ]
 
 うぅ、左脇のホクロがぁ〜[あせあせ(飛び散る汗)][揺れるハート][あせあせ(飛び散る汗)]
 
バンド自体の実力も高く、特にベン・フィリップスの造り出すギターのうねりが、Pretty recklessの暗く重いサウンドの中核を成している。その爆音に溶け込むモンセンのダーク・ハスキー・ヴォイス。彼女が、女優業の傍らの興味本位でバンド結成に至った訳でない事が、このステージを観れば納得できる。
 
モンセン&ベンのアコースティック・デュオも、趣は異なるが二人のポテンシャルの高さを物語る。
モンセンの抑え込む語尾の余韻の美しさ。的確なブレスと落ちない声量(若さだ!)そしてクールな表情。
[キスマーク]痺れます[キスマーク]
 
 
 
ライト・ミー・アップ

ライト・ミー・アップ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2011/03/02
  • メディア: CD
Pretty recklessのデビューアルバム。全曲、モンセンの書き下ろし。
国内版には3曲ボーナス・トラックが収められており、こちらがおすすめです[決定]
やはり、目でも愉しみたいのでライブDVDの発売を強く望む小生である[パンチ] 
 
私の幼少期の記憶に残る「チェリーボム」のランナウェイズの悩殺力を軽く凌駕した[むかっ(怒り)] 
若干18歳
 これからの変貌・活躍が大いに期待される
 [ぴかぴか(新しい)]異色のブロンド脚線美歌姫の登場である[ぴかぴか(新しい)]
 
◎おまけ
モンセンの女優としての出世作となったアメリカTVドラマ「ゴシップガール」から・・・
オッサンにはどうしてもステージ上の彼女と同一人物には見えないのである。オンナは恐い[がく~(落胆した顔)]
 
 
 
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「テイラー・スウィフト」 [キューティー・ブロンド病棟]

[ぴかぴか(新しい)]今年初のジャケ買い[ぴかぴか(新しい)]
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テイラー・スウィフト(Taylor Swift)〜米・ペンシルバニア州出身の22歳。
一昨年、史上最年少でグラミー賞4冠に輝いたシンデレラ・ガールである事は勿論承知していたのだが、当時はアメリカのアイドルタレントではないかと勝手に決め込み、ほとんど食指が動かなかった。
しかし、先日CDショップに並ぶこのジャケットを見るや「おぉ〜いい女。ギターも弾けるのかぁ〜」と軽い興奮を覚えて即、購入[ひらめき] 
 
昨年のワールドツアーを収めたライブ盤であり、DVDとセットの内容だった。
 
[揺れるハート]このDVDのステージが抜群に素晴しい〜[exclamation×2]一発で彼女の虜となりました[揺れるハート]
 
 
煌めくブロンド髪
真紅の唇
ターコイズの瞳 
細すぎず太すぎず〜美しい脚線 
 
カントリーを基調とした爽やかなロック・ナンバーの数々。ほとんどが彼女の手によるオリジナルだ。
全く嫌みを感じさせない柔らかくかつパワフルな美声が会場内をこだまする。とてつもなく音域が広い訳ではなく、人間が一番心地良いと感じるような中高音とクリアな発音が胸に沁みる。私の好きな声質[黒ハート]
 
何気にバンド・メンバーも巧い。ツィンギターが完全ロックしているし、ドラムも見事。バックコーラスの黒髪と赤毛美女(ヴァイオリン・アコギも)が、これまたテイラーと好対称を成して絵になっている。
 
特筆なのは、ステージ構成の演出の凄さ。「ヘアスプレー」を彷彿させる60年代ミュージカル仕立てを基本に、タップダンス・クラシックバレエ・シルクドソレイユ並の空中アトラクションの連続。テイラーは場面ごとに、衣装と髪型を替え、或る時は脚線を露にブロンドを振り乱し熱唱、或る時はバンジョー片手に陽気に歌い、また或る時はアコギをつま弾きながらしっとりと語る。この構成もすべて彼女のプロヂュースなのだから驚きである。
 
この天才ブロンド・プリンセスは、圧巻の2時間のパフォーマンスを一片の綻びもなく演じ切るのだ[パンチ]
 
ライブDVDで、ここまで感銘を受けたステージは正直、小生は初めてである[るんるん][るんるん][るんるん]
1年前に彼女を真剣に聴いていれば、昨年の来日コンサートも絶対に足を運んだに間違いないのが、悔やまれる。
 
20歳時の演奏「Fearless」(バンドメンバーも現在と同じようだ) 
 
 
夜中おっさん独りで、熱中かぶりつき状態でDVDを観ていたら、背中に殺気[がく~(落胆した顔)]
振り返ると、立ちすくんだ女房が云う「アンタ、この娘いいじゃない[exclamation] 日本に来たら一緒に行こうか[グッド(上向き矢印)]
 
嗚呼、クークスに次ぐ音楽趣味の一致[るんるん] 「お前にもこの良さが判るのかぁ〜」亭主、二重の感激の夜[もうやだ~(悲しい顔)]
 
何故か我が国が誇るSMAPとの共演
 
 (正直、格が違い過ぎるなぁ)
 
またひとりの愛しのブロンド歌姫誕生の幸福を噛み締め、真夜中に密林連続ポチリの親爺でした[あせあせ(飛び散る汗)]
 
Taylor Swift

Taylor Swift

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Big Machine Records
  • 発売日: 2008/03/18
  • メディア: CD
フィアレス

フィアレス

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
  • 発売日: 2009/06/24
  • メディア: CD
スピーク・ナウ

スピーク・ナウ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2010/11/10
  • メディア: CD
 
 

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『ヒミズ』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督・脚本:園子温
原作:古谷実
音楽:原田智英 
撮影:谷川創平
アクション監督:坂口拓
美術:松塚隆史
 
キャスト:染谷将大 二階堂ふみ
渡辺哲 吹越満 神楽坂恵 光石研 渡辺真紀子
黒沢あすか でんでん 村上淳 窪塚洋介 吉高由里子西島隆弘 鈴木杏 モト冬樹 堀部圭亮 諏訪太朗
 
15歳の住田祐一の願いは“普通“の大人になること。同じく15歳の茶沢景子の夢は、愛する人を守り、そして守られて生きることだった。そんなふたりの日常が、ある事件をきっかけに180度変わってしまう。罪を犯し、破滅へと向かう住田を茶沢は救おうとするが……。(ぴあ映画生活より)

 
「ヒミズ」・・・日不見〜モグラの意味である。
 
 園監督作は昨年の「冷たい熱帯魚」の衝撃かつ痛快さを超越した猛毒さにたじろぎ、新春からは刺激が強いモノは避けようと思っていたのだが、新聞批評の「過去作とは一線を画す...」に惹かれ、錦糸町楽天地でのロードショー鑑賞を決め込んだ。(この手の作品としては珍しい大スクリーン上映!さすが錦糸町、封切り初日からガラガラです[ふらふら]
 
2001〜2003年にヤングマガジンに連載された漫画「ヒミズ」の実写化ではあるが、近年の世情を大きく取り込んだ園監督の想いが脚本として新たな命を吹き込んだ「胸張り裂けんばかり」の感動作となっている[どんっ(衝撃)]
 
昨年、実際に自分の目で見た『南三陸町』の光景が蘇る。http://tsumujikaze2.blog.so-net.ne.jp/2011-07-24
悲しみや怒りを通り越して、私が一番に感じたのは「途方も無い虚無感」
・・・だってあまりにもすべてが失くなっているので、何も考える事が出来なかった・・・
 
あの震災により、直接被災しなかった多くの国民までもが、己の人生観・価値観を大きく揺さぶられたはずである。
原作での住田少年は、ある事件を契機に将来への希望を失い、「悪い奴」を殺す事を自分の使命とした。
新たに園監督は、震災によってすべてを失った非難生活者達を少年と絡めると共に、街のダークサイドで生きる所謂「悪い奴ら」と対比させる。
そして絶望の狭間で咲く一輪の可憐な花として、少年に一途な愛を貫く茶沢景子を置いた。
 
二人の若き俳優の熱演なくしてこの傑作は語れない。
 
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中学3年の同級生の設定としては、住田・染谷将大(19歳)は男臭いし、茶沢・二階堂ふみ(17歳)は肉感的過ぎるのはこの際、気にしないでよろしい[パンチ]
 
染谷将大。自分の将来に大きな目標も野望も持たないが、家業のボート屋を継ぐ「平凡な生活」を確固たる意志を持って夢見る住田少年役を、等身大で見事に演じた。今時の草食系男子が、決して熱いハートを持ち合わせていない訳ではなく、むしろ内面に潜む心の強さを表現していた。社会一般で云う「人間のクズ」の両親を持ちながらも、彼の正義感は優しい心根と共にギリギリのバランスで育まれていた。そんな純粋な少年の心も、実父との或る事件を境に脆くも砕け散る。なにせ中学3年生なのだ。壊れてからの彼の演技はまさに「壮絶」の一語に尽きる。
 
その住田少年に一方的に恋い焦がれる同級生・茶沢景子役に二階堂ふみ。一見裕福に見える茶沢家だが、実は環境は少年と同じく、魂の抜け殻となった母を持つ崩壊家庭なのである。当初は景子のストーカーまがいの求愛に辟易した住田であったが、親に棄てられた境遇の二人は徐々に心を通い合わせていく。この過程の描写が憎らしいほど美しい。同じ境遇ながら、住田は深く内面に閉じこもるが、景子は影ひとつ見せずに明朗闊達に振る舞う。甲斐甲斐しい程、明るく住田少年に尽くす二階堂のけれん味の無い演技は、驚嘆に値する。そして、壊れてしまった少年を、まるで聖母のような「愛」で包み込む迫真の芝居に及んでは、名女優誕生と云わざるを得ない[パンチ]
デビュー当時の「宮崎あおい」の天才肌を彷彿させるが、仄かな色気を持ち合わせている面で、二階堂は更に上をいく。今後の活躍が楽しみな女優の登場である。
 
若き二人を捉える手持ちカメラが、彼らの感情の起伏を澱みなく描き、鄙びたボート屋から臨む河川を優しく時に寂しく魅せる。挿入される管弦楽の調べも、目立たぬが心に響く。
 
この二人を取り囲む大人の脇役陣も個性派ぞろい。園監督作常連の俳優が目白押し。名言の数々[exclamation×2]
特に震災避難民の元社長役の渡辺哲が鬼気迫る演技。津波ですべてを失った彼が叫ぶ。
「俺は津波で一度死んじまった、いつくたばってもいいニッポンの過去だ。でも、あの子は違う。この金であの子に未来を託したいんだ!」
 
震災などお構い無し、飄々とヤクザな人生を歩むサラ金屋の社長・でんでん
「ボランティアとか政府の補助とかをあてにしてるお前らとは違うんだよ。俺は自分の力で稼いでるだよ!」
「お前には、腐るほど道があるんだ。それなのに勝手に自分を追い込んでる...」 
 
「冷たい〜」のような血しぶき舞い上がるグロな場面は皆無だが、暴力シーンでの園演出は更に凄みを増す。この辺りで観客の「好き嫌い」が別れてしまうのは少々残念であるが... 
「殴る、蹴る」の連続〜痛い、心が痛い。実の親に殴られる痛み。他人にナイフで切られるより痛い。 
 
「クズ」の父親(光石研)が実の息子に向かって云う。
お前なんかいらねぇんだよ。死んでくれれば良かったのによぉ」 
 
作中には、他にも多くの人々の隠れた生活を曝け出す。
被災地から車のホイールやATMの現金を盗み、「震災特需」と喜ぶ青年達。心を蝕まわれ、通り魔殺傷を起こす男達。情欲にすがるのみの女。スリで優雅に暮らす男。
 
震災により、生きる希望を失った人々。
絶望の中で、生きる力を見失わない若者達。
他人の痛みを糧に生き永らえる「奴ら」
何も変わらず、考えず、ただ生きてる人達。 
 
様々な人間の想いが蠢く地獄の淵を彷徨いながら、少年は景子のひたむきな愛の力を借りて遂に「光る未来」の入口に辿り着く。 
 
3.11の悲劇以降、もてはやされる人類の絆などという甘い感傷など一切排除し、真正面から現実に立ち向かった製作者の心の叫びの作品だ。 若者たちの心の闇を描いた異色漫画のエッセンスに、園監督は、震災以降の大人達の崩れた価値観と、全く変わらない現実をも取り込んでいく。そして、若い男女が未来に向かってもがきながら紡いでいく「」の形を通して、人間の「生きる意味」を問いた大恋愛劇に昇華させた。
 
震災以後の平成ニッポンの文芸界も大きく価値観を変わらざる得ないとするならば、この作品はその記念碑的傑作になるかもしれない。 2週続けて鑑賞した久しぶりの映画となった。ラストシーンに今でも胸が熱くなる[ぴかぴか(新しい)]
 
少年よ、しぶとく生きろ[exclamation]立派な大人になれ[exclamation×2] 
 
 
 
二階堂ふみ〜実力の片鱗 

 
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『風にそよぐ草』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督・脚本:アラン・レネ
脚本:ロラン・エルビエ
製作総指揮:ジュリー・サルヴァドル
製作:ヴァレリオ・デ・パオリス 
原作:クリスチャン・ガイイ
撮影:エリック・ゴーティエ
音楽:マーク・スノー
ナレーション:エドワール・バエル
 
キャスト:サビーヌ・アゼマ アンドレ・ヂュソリエ アンヌ・コンシニ エマニュエル・ドゥヴォス
マチュー・アマルリック ミシャエル・ヴュイエルモーズ
 
歯科医の中年女性マルグリットは道端でひったくりに遭う。老人ジョルジュはひったくり犯が捨てたマルグリットの財布を拾い、それをきっかけにふたりは顔を合わせることに。ふたりは好印象を抱きあうが、ジョルジュの想いはストーカーめいた行動に暴走し……。(ぴあ映画生活より)
 
[ぴかぴか(新しい)]
シュールな笑いが渦巻く詩情溢れる絶品だ[ぴかぴか(新しい)]
 
 
胸の奥からジンワリと暖かくなってくるこんな愉しい作品は、最近ではまずお目にかかれない。
 
フランス語を全く解さない私であるが、冒頭からのナレーションの味わい深い声質に引きよせられ、この彩り深い油画のような世界に嵌り込んでしまった。
 
サスペンス調を一瞬匂わせながら、熟年男女の淡い純愛ドラマを美しく描いたと思いきや、実は人間の悲喜交々の人生をシニカルに賛美した極上の喜劇なのだ。
 
アラン・レネ監督〜89歳。(写真中央)
米寿を超えて、この感性の発露は一体、何者?
絵心たっぷりの映像表現と抑揚のついた演出。随所に大人の遊びを散りばめ、観客を煙に巻く。
喜劇と表現したが、抱腹絶倒の場面はひとつもない。すべて「くすっ[わーい(嬉しい顔)]」という小さな笑いが積もり積もって、ラストシーンの思いもよらぬ展開に「え〜これには、やられたぁ〜」と最期に苦笑いを浮かべて拍手喝采するのある。
クリスチャン・ガイイ原作(未読)の秀逸さに拠る処大なのだろうが、この映像自体が優美な小説に思えてくる。
 
この大御所を支えるのは、フランス映画界のセザール賞常連の芸達者達である。
 
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妄想に取り憑かれる初老紳士・ジョルジュ役のアンドレ・ヂュソリエ(右)が抜群にいい[パンチ] 若干、神経症を患っている定年退職・悠々自適の彼は、拾った財布から「運命の出会い」を確信し、純愛に突っ走る。年老いてからの狂い咲きが、相手にとってどれほど迷惑な事か、そんな世間にありがちな、ひとりよがりの恋愛ジジイをリアルに演じた。
そんなやっかいな男につきまとわれたオールドミスの歯科医・マルグリット役のサビーヌ・アゼマ(左2人目)。ストーカーもどきの男性に徐々に好意を持ってしまう不思議な女心をリリカルかつスタイリッシュに好演。彼女の同僚のジョゼファ役エマニュエル・ドゥヴォス(左)が、婚期を逃したハイミス同士の美しき友情を際立たせる。
マチュー・アマルリック(「さすらいの女神たち」で好演)が警官役で出演。アンドレとの絡みは絶妙だ!
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そして当然私の目を釘付けにしたのは、右から二人目のアンヌ・コンシニ[ぴかぴか(新しい)]
ジョルジュの妻スザンヌは、夫の心の健康を案じ、よその女性に夢中になる旦那を陰ながら応援するのである。我が家庭では有り得ない異様にも見える妻の包容力を、極めて自然に演じた。
フランスの中堅女優であり、 実物は48歳〜わが愚妻と同年齢[ふらふら]
この清楚かつ熟れた色気に小生は息をのむばかり...
こんな女房を持ちながら浮気に走るジョルジュの精神構造を疑うばかりなのだが、この美しき貞淑な人妻が、初老の幸福な家庭を見事に演出させ、作品のバランスに大きく寄与している。
 
(或る朝起きたら、隣の女房がアンヌにすり替わっていたら...という妄想に取り憑かれたのはハイ私です^▽^; )
 
映像・演出・役者=三位一体の極上の小品。
張り詰め過ぎて心が痛む映画や大仕掛けのエンターテイメント作にちょっと疲れた時、こんなお洒落で味わい深い〜芳醇なボルドーの赤ワインのような作品に出会えると嬉しくなる。もちろん長老アラン・レネの手による熟成ワインは、噛み締める程、口中に広がる仄かな苦みが人々を魅了するのである。
 
 
 
 
完全に脱線[あせあせ(飛び散る汗)]〜おフランスと云えばお気に入りのフレンチ歌姫[揺れるハート]をご紹介[わーい(嬉しい顔)]
 
Alizée(アリゼ)・・・ フランス・コルシカ島出身の歌手。フランス版シャキーラと云えばそれまでだが、
  この清楚さとSEXY度のバランスが絶妙[グッド(上向き矢印)]3:00〜の揺れる腰つきに...オッサン一発にて悶絶[ハートたち(複数ハート)] 
 
             ([右斜め下]は、少々昔の映像〜最近は大人の歌とダンスに変貌中)
 
韓流系もAKBも悪くないけど、「ぴん」で戦うアイドルがオッサンは大好きだ[パンチ] 
 
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「The Kooks」IN 赤坂ブリッツ [〜ロックの神さん〜]

地下鉄赤坂駅のトイレでTシャツに着替え、コインロッカーにコートと鞄をぶち込んだアラ50夫婦は、開演19:00ギリギリに赤坂ブリッツに飛び込んだ[むかっ(怒り)]
昨晩は、待ちに待った「このバンドだけは素敵[黒ハート]」というロック苦手の女房が唯一支持する『THE KOOKS』の来日ライブへの夫婦参戦であった。
 
会場内はどうみても平均年齢20歳代。女性客が若干多めなのと早くも酔っぱらっている外人グループが目立つ。
当然、スタンディング(立ち見)なので、取りあえず中年夫婦は控えめに最後方に陣取る。
 
19:00キッカリ。
New Albumからノリノリのナンバー「Is It Me」でライブ・スタート[exclamation×2]
初めて観る生ルークは、いきなりからテンション高めでステージを駆け巡り、持ち前の鼻にかかったハイトーンで絶唱。ピンクジャケットのヒューがCDより遥かに分厚い音で、ギターをかき鳴らす。
隣の女房もいきなりから、両手をふり挙げ腰を振りながらモード全開[パンチ]
 
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(写真を撮りに行った訳ではないので、スマホ画像で雰囲気を...) 
 
2曲目「Always Where I Need To Be」が始まる頃には、「この辺りは少々ノリが悪〜い[ちっ(怒った顔)]」という事で、最後方から人をかき分け、ステージ前方まで乗り込む中年夫婦。
 
 
 当日の雰囲気に近いライブ(あえて映像は荒れてますが...)私のお気に入りの曲「See The Sun」
 
前方に移動した為、ルーク&ヒューのギタープレイが間近で見られる。「なんで、こんなに巧いんだ、なんで歌いながらこんなカッティングできるんだぁ[exclamation&question]」このリズム感は邦人には不可能な領域だ。
 
この辺りの聴衆は、流石にノリがよろしい、よろしすぎる[わーい(嬉しい顔)]
外人さんがビールを上空にぶちまけるわ、シャツをステージに投げつけるわ、の無法状態の中で中年奥様も負けじと踊り続ける[どんっ(衝撃)] 
 
当日のセットリストはこんな感じ[右斜め下](いち早くライブレポートされた方から拝借しました)
 
 1/12(木) 赤坂ブリッツ@SETLIST

IS IT ME
ALWAYS WHERE I NEED TO BE
SOFA SONG
DOWN TO THE MARKET
ROSIE
SHE MOVES IN HER OWN WAY
SWAY
RUNAWAY
ESKIMO KISS
IF ONLY
SEASIDE
TICK OF TIME
SEE THE SUN 
HOW'D YOU LIKE THAT
MR. NICE GUY
OOH LA
SHINE ON
DO YOU WANNA
-encore-
SABOTEUR
JUNK OF THE HEART (HAPPY)
NAIVE
 
New Albumからの選曲を中心に過去のヒット曲を織り交ぜたKooks Fan垂涎のナンバー達だ[exclamation×2] 
 
デビュー・セカンドアルバムからのストレートなロック・ナンバー、アコギを絡めた静と動。そしてkeyboadを多用したバラエティに富んだ曲調に変貌した最新作からのTune。アンコール1曲目だけは、新曲のようだったが、進化する彼らを如実に物語る素晴しいナンバーだった。
 
不肖私も、妻に負けじと跳ね続け、コーラス部分はカタカナ英語で絶唱[むかっ(怒り)]
そして、アンコール最終曲「Naive」でのギター・カッティングを生で聴き、涙するのであった[もうやだ~(悲しい顔)] 
 
 
 
あっという間の1時間半。
まだまだ日本ではコアなファンが少ないのか、既定のアンコールが終了するや帰り支度する聴衆が多かったのは少々残念[ふらふら]
みんなでもっと盛り上げれば、ここから本当のアンコールが始まるはずなのに...
妻は「もっと聴きたいよぉ〜明日の横浜で演るライブも行きた〜い」と騒ぐが、残念ながら二人とも仕事が入っているので諦めざるを得ない。
妻「じゃぁ、今度ロンドンに行って聴きに行こぉ〜[グッド(上向き矢印)]
「はいはい、頑張ってくださいね、奥さん[あせあせ(飛び散る汗)]」 妻の興奮をなだめる夫。
 
そして、サラリーマン達でごった返したBARにて、紅白のグラスワインでお互いの健闘を讃え合う中年夫婦の姿あり。 
[ぴかぴか(新しい)]本当に素晴しいライブバンドのパフォーマンスであった[ぴかぴか(新しい)] 
 
うっ、こ、腰が...今になってつらい[るんるん][るんるん][るんるん] 
 
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『CUT』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督・脚本:アミール・ナデリ
脚本:青山真治 田澤裕一 アボウ・ファルマン
撮影:橋本桂二
製作:ショーレ・ゴルパリアン 
  
キャスト:西島秀俊 常磐貴子
菅田俊 でんでん 鈴木卓爾 笹野高史 
 
映画監督の秀二(西島秀俊)は、いつも兄から金を借りて映画を撮っていたが、どの作品も商業映画として映画館でかけることさえできずにいた。そんなある日、秀二は兄が借金トラブルで死んだという知らせを受ける。兄はヤクザの世界で働いていて、そこから秀二のために借金をしていたのだった。秀二は何も知らずにいた自分を責め、兄のボスである正木(菅田俊)から、残った借金額を聞かされる。しかし、俊二には金を返す当てもない。彼は、殴られ屋をすることで返済することを決め、ヤクザの事務所内で働く陽子(常盤貴子)と組員のヒロシ(笹野高史)を巻き込みながら、殴られ屋を始める。殴られるたびに自分の愛する映画監督たちが撮った作品を思い浮かべる秀二。だが、借金返済はそれほど簡単なものではなかった……。(goo映画より)
 
「映画は売春じゃない、映画は芸術だ」
 

 
 昨今のバイオレンス映画とは一線を画した「芸術」作品なのだと思う。
 
イラン出身のアミール・ナデル監督と国内製作陣による狂気にも似た「映画への愛」を書き綴った激しい恋文。
しかし、この募る想いは、主人公が自己の肉体を極限まで傷つける事によって吐露されていくのだ。
 
兄の借金返済の為、殴られ屋となってヤクザの事務所に毎日通う秀二(西島秀俊)。兄の借金の原因が、自分の映画製作費だったと知り、兄が命を落とした事務所のトイレで、自ら進んで組員達のサンドバックとなる事を決める。
一発5千円。
映画狂を遥かに超越した異常レベルMAXの売れない映画監督役を、西島が熱演。殴られ続け意識が朦朧とする中で、頭をよぎるのは、巨匠達の名作の数々。結構筋肉質のイイ体をしている上に、神経は映画愛により麻痺しているので、痛みを感じない、倒れない〜不死身「明日のジョー」モード。鬼気迫る演技だ。
そして東映ヤクザ映画から抜け出して来たような菅田俊が、義理堅い弱小暴力団の組長を味わい深く演じ、往年の菅原文太を思い起させる。笹野高史はいつもの味でロートルやくざを演じ、角張った作品に丸みを持たせる。
さらに紅一点の常磐貴子が魅せる[ぴかぴか(新しい)] 
 
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ヤクザ事務所に働く組長の姪。死んだ秀二の兄に想いを寄せていたように想像され、無謀な秀二の借金返済に胸を痛めながらも力を貸していく。実の弟を慈しむような柔らかい包容力を情感たっぷりに演じた[exclamation×2]
元々は、狐系美女は苦手だった小生は、デビュー当時の彼女には全く食指が動かなかったのだが、結婚後の丸みをを帯びた美しさには眼を奪われる。 

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結婚してから輝きを増す女優さんって、素直に素敵だと思います[グッド(上向き矢印)]
40歳間際でこの可愛さは、特筆モノ[決定]
 
暴力シーンが頻繁に現れる割には、ストーリーは抑揚もなく淡々と進行していくように感じられる。まるで、小津安二郎へのオマージュ作品のように、静かな波に漂う枯葉の如く。世紀の名作シーンが随所に織り込まれ、特に日本映画監督、小津・黒澤明・今村昌平・成瀬巳喜男の名前も顔を出し、アミール監督の日本映画への愛情を感じると共に、彼らが世界に誇れる芸術家であった事が再認識される。
そしてラストの「パンチ100発を浴びながら映画100本を思い起すシーン」 これこそ、監督による不朽の名作100本紹介なのである。
因に、借金完済100発目のアミール・ナデル監督推薦のナンバーワン映画はオーソン・ウエルズ「市民ケーン」
映画への愛と怒りが交錯する巷のアクション映画とは全く異質の、映画好きならぐっと胸が熱くなる作品だった。 
現在の映画産業に対する深い憤りを、秀二の肉体を通して叩き付けた熱き映画人達による血まみれの連判状なのだ。
 
小生も共感する処、大である。
映画は娯楽の殿堂であり、作品の内容はエログロから文部省認定まで種々雑多バラエティに富むべきだ。ゆえに、個人的には評価できないような作品が宣伝効果により大ヒットしようが、私もそれを否定する事はしないし、かといって私自身も評論家を気取って文芸作品ばかりを観ている訳でもない。ジャンルに拘らずハチャメチャな嗜好で映画を選んでいるからこそ感動に出会えると思っている。問題は、今の映画界を支えるシネコンの多くが営利主義と製作会社との系列化に陥り、「売れるもしくは売りたい作品」しか上映しない事である。その為、多くの観客がこの時点で、作品を選ぶ選択肢の多くを奪われているのである。事実、近年の私の感動作の多くは全国ロードショーされないモノばかりだ。東京在住の為、都心のミニシアター通いが可能である私は幸運な事であるが、娯楽としての映画を復興するには、全国どこの街でも名作と出会える機会を増やさなくてはならないと信じる。
観賞料金よりもポップコーンの売上を気にするような腐った劇場は、眼を覚まさなければならない[パンチ]
 
当ブログカテゴリー名である「上映中飲食禁止じゃ!」は、元々そういう意味合いを含んでいるのである。
もっともっと映画を愛する人が増えるように・・・と、久々にこの映画に触発され怒るつむじかぜでした[ちっ(怒った顔)] 
 
 
 
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『サラの鍵』 [上映中飲食禁止じゃ!]


  
 
夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、45歳で待望の妊娠をはたす。が、報告した夫から返って来たのは、思いもよらぬ反対だった。そんな人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。夫の祖父母から譲り受けて住んでいるアパートは、かつて1942年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたというのだ。さらに、その一家の長女で10歳の少女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)が収容所から逃亡したことを知る。一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。すぐに戻れると信じて……。果たして、サラは弟を助けることができたのか?2人は今も生きているのか?事件を紐解き、サラの足跡を辿る中、次々と明かされてゆく秘密。そこに隠された事実がジュリアを揺さぶり、人生さえも変えていく。すべてが明かされた時、サラの痛切な悲しみを全身で受け止めた彼女が見出した一筋の光とは……?
(goo映画より) 
 
 
監督・脚本:ジル・バケ=ブレネール
脚本:セルジュ・ドンクール
撮影:パスカル・リダオ
音楽:マックス・リヒター 
原作:タチアナ・ド・ロネ
 
キャスト:クリスティン・スコット・トーマス メリュジーヌ・マヤンス ニエル・アレストリュプ 
フレデリック・ピエロ エイダン・クイン 
 
初春から感涙に咽ぶ作品に出会えた幸福
激しく哀しく、されど無性に愛する者を抱きしめたくなるような愛おしさに溢れる傑作である。
 
昨年観た予告編からは、第二次世界大戦から現代に繋がる壮大なミステリーのイメージであったが、そんな薄っぺらな内容ではなく、観る者の視点によっては大きく魂を揺さぶられる人間ドラマになっている。
 
主演はあの名作イングリッシュ・ペイシェント(1996年)の悲劇のヒロイン役を演じたクリスティン・スコット・トーマス。(15年前は色香漂うブロンド美人妻だったはずなのだが、今作では高齢出産を控える知的なジャーナリスト役〜しかも何故か黒茶髪なんですよぉ〜)と、個人的趣味は置いといて、彼女が引っ越したアパートに戦時中に住んでいたユダヤ人の少女の足取りを追う事からストーリーは展開する。
 
ナチスのドイツ国内及びポーランドのユダヤ人迫害は、世界中に知れ渡っているわけであるが、フランスのパリにおいても、その惨劇が繰り広げられていたのは、勉強不足の私には衝撃であった。しかも、フランス警察によるフランス人の手による同胞殺しを。
 
アウシュビッツに送られた両親と引き離された少女サラは、自宅の納戸に隠した弟の安否を悲痛なまでに危惧し、収容所を脱走する。ひたすら純真に弟を想い一心不乱に行動するサラ役のメリュジーヌ・マヤンスの演技が、いたいけな少女とは思えない迫真の表現力。そして、現代のジュリア(クリスティン)が、この1942年の悲劇を徐々に紐解き、いつしか赤の他人である二人が時代を超えて細い糸で繋がっている感覚にさせる絶妙の演出。
 
サラの人生は、両親とともにガス室に送られていた方が幸せだったのではないか、と感じさせる悲惨なものである。しかし、この作品が呼び起こす感動は、彼女への深い憐情からもたらされるのではない。
少女サラに関わり、彼女に救いの手を差し伸べる人達の神々しいまでの美しさ。この物語に「ナチス」という巨悪はあっても、個人としての悪人は登場しない。この脇役陣の人間味溢れる演技が、更にこの物語を重厚かつ忘れ難い印象を植込んでいく。そして、サラの行方を辿るジュリアが、中絶を勧める夫と戦時中の秘密を握る夫の家族と対峙しながらも、漸く答えに辿り着いた時、ジュリア自身の運命をも変えていく事となる。クリスティンが、人生の岐路で悩むアラ40女性を情感たっぷりに演じた。
 
血の繋ぐ奇跡、母と子、夫と妻、人と人との絆を見つめながら私が見つけた答えは
「絶対的な人間の良心」である。
ホロコーストの真実に迫りつつ、生きることの素晴しさと命を繋ぐことの尊さを描いた至上の詩[ぴかぴか(新しい)]
サラの残した「絶望の鍵」が、今を生きる人々へ大いなる希望の扉を開けた。 
ラストシーンの余韻で、今でも胸が熱くなる[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)] 
 
 
◎お決まりの余録[あせあせ(飛び散る汗)]
少女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)

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 が、成長すると・・・
 
Capture dcran 2011-05-23  16.03.11.jpg 
 
Charlotte Poutrel ・・・
モデルあがりのまだまだ無名の女優さんのようだが美し〜い[キスマーク]
成人しアメリカに渡ったサラは、結婚し子供にも恵まれるが、自分が幸せになる毎に弟への自責の念に駆られ、心の闇に囚われていく様を、「無言」のまま演じた。
 
IT'S COOL BEAUTY[揺れるハート] 
             
 Charlotte Poutrel.jpg
 
 この勝気そうな細い眉と薄い上唇がGood[揺れるハート]
 
 
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謹賀新年〜初詣&目黒雅叙園 [ざれごと写真日記]

新年 あけましておめでとうございます。
 
今年もひとりよがりの映画・音楽談義とつたない写真日記にお付き合い戴ければ幸いです^^;
 
 
我家は例年通りの正月の過ごし方なのである。 
今年も長男は大晦日から行方知れずの為、元旦は私の両親と妻・長女と初詣。
 
本来なら「浅草寺」か地元の鎮守である「牛島神社」に詣でるべきなのだが、毎年、親戚が神主をしている隣町の小さな神社にお参りするのが恒例となっている。
 
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(参拝客もまばらです)
 
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(身内なので神殿内でもパチリ[カメラ]) 
 
この叔父さんの神社。
昨年の震災で神殿内の天上が破損。昨秋に有り金はたいて(叔父さん曰く)大改装を行い、新たな天井画を描き上げたのであった。日光東照宮の天井画を描いた画家に頼んだそうで、繊細かつ華麗な筆さばきが見て取れる。
 
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下町の小さな神社であっても、地元民と共に美しい社として栄えていきたいという叔父の心意気に敬服する。
 
破魔矢と絵馬と長女のお年玉まで戴き、恐縮しながらここを後にし、谷中の墓参りに向かう。
ご先祖様に新年のご挨拶を済ませると(お墓ばかりなので写真は割愛)両親とは別れ、妻の実家(神奈川・綾瀬市)へ挨拶へ行く。
 
ここで義母・義理の姉夫婦達と酒を酌み交わしながら和やかに会食。とにかく妻と義姉の酒の強さはハンパではない[がく~(落胆した顔)] 妻の実家といえば亭主には居心地が悪いとよく聞くが、3年前亡くなった義父愛用のリクライニング・チェアに横たわり高鼾をかいて爆睡していたのは、何を隠そう私です。
 
こちらで一泊させてもらい、翌日都内に戻る。
上りの首都高速道が混んでいたので、途中一般道に降り、昼食場所を探す。
 
唐突に女房「目黒区にいるみたいだから一番近い目黒雅叙園に行きた〜い、早くトイレ行きたいし」 
 
キタ、キタァ〜新年早々バブル妻[むかっ(怒り)]
 
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なんとも不思議かつ豪華な「再現トイレ」に真っ先に飛び込む妻と娘[がく~(落胆した顔)]
 
「目黒雅叙園」は都心ではバブリーなホテルとして有名であるが、実は昭和初期から続く高級料亭の名残を残す国内最初の総合結婚式場なのである。
 
喫茶室でランチの予定だったが、調理場パニックにより食事メニューは相当時間がかかるとの事。
仕方なく3人ともケーキセットで我慢。
DSC04176.jpg
(後方でぼやけているのが長女)
 
今回のお供のカメラも当然NEX-5なのだが、レンズがいつもの常用ズームと違うのだ。
年末に買ってしまったのだ、カールツァイス・ゾナー・レンズ[exclamation×2]
M000095780510204.jpgソニーから発売されるα77NEX-7、そしてこのレンズ。
限られた予算から3者択一で悩みに悩んだ。
一眼レフは現有のα700で十分な気がするが、銀塩α9を売っぱらってしまった今、「最新カメラα77」を欲しいという所有欲をどうしても隠せない。
一方、NEX-7。NEXシリーズの最高位。NEX-5を遥かに凌ぐ性能が私を誘惑する。しかし漸く手に馴染んで来たNEX-5を僅か1年で手放すのも気が引ける。
デジタルカメラ本体が技術革新で常に進化するのにつきあっていたら破産する〜しかし高級レンズは一生使える〜という持論に立ち返り、NEX-5本体の倍以上の値段のレンズ購入に踏み切った。
24ミリは銀塩カメラ換算で約36ミリ。私の大好きな画角な上に、絞り開放が1.8でボケ写真も自由自在。最短撮影距離も16センチなのでマクロ・レンズとしても使える。これは願ったり叶ったりのレンズなのだ。
 
まだまだ使いこなすには時間がかかると思うが、やっぱり単焦点は楽しい。
ズーミングできないから自分で動かなければ構図が決まらない。絞りを開けるとピントが厳しいので神経を使う。
手のかかる処も写真の面白さだ。今の私のライフスタイルからすると、かさばる一眼レフより断然NEXの方が登場機会が多い。暫くはNEX-5+ゾナー24ミリが常用パターンになりそうだ。
 
DSC04161.jpg
 
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ケーキを食べ終わると、突如館内で「花魁道中」が始まるというアナウンスが...
 
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関西転勤時代のバブル接待で本物の「島原の花魁」を見て以来だ。 
 
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 正月企画とはいえ洒落た演出だ
 
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足フェチの本領発揮
 
トイレも軽食も花魁も堪能しても、まだ帰らない夫婦+娘。
 
雅叙園.jpg
 
そしてこんな企画展にも、いち早く引っかかります。
 
「百段階段」とは創建当初から残る園内唯一の木造建築部分。
99段の階段に沿って7つの結婚披露用の座敷があるのだが、この各部屋の装飾が凄い[exclamation×2]
「千と千尋の神隠し」の湯屋のモデルになったもので、昭和初期の芸術家の技術の粋を集めた往時の豪華絢爛さが窺われる。
 
今回は何故か映画「源氏物語」とのジョイント企画になっている。各部屋に平安期の服飾や調度品が、光源氏や葵の上の物語になぞられて飾られていた。
私自身は、源氏物語の意匠には全く興味が無く、ただただ各座敷の装飾の素晴しさに眼を奪われるばかり。
 
まだまだ都内にも、知らない名所があるものだと、妻の思いつきに感謝[ぴかぴか(新しい)]
 
 
DSC04181.jpg
 ここから先は撮影禁止
 
特に圧巻だった湯婆婆の部屋のモデルとなった『漁樵の間』はこんな感じ
f0087464_19445973.jpg
 檜の床柱に彫り込まれた漁師達
流石に叔父さんの神社も敵わない天井彫刻の素晴しさ 
 
昭和初期の「バブル」に思いも巡らせる非日常的な芸術品の数々。
観覧者の少ない時期に再度訪れてみたい場所であった。
 
そして、ようやくお帰りタイム。
館内をそぞろ歩きながら、駐車場に向かい、雅叙園を後にします。
 
DSC04154.jpg 
 
DSC04211.jpg
 
 DSC04156.jpg
 
例年通りの正月の過ごし方ながらも、この1年間の家族や身内の変化を大きく感じ取れるのもこの時期かもしれない。
そして思いがけないモノとの邂逅。正月だからこその感慨も深い。
 
[ぴかぴか(新しい)]今年も、仕事も遊びも精力的にこなし、自分に関わった人たちと幸福な時間を共に過ごせればと思います[ぴかぴか(新しい)]
 
 
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