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『サラの鍵』 [上映中飲食禁止じゃ!]


  
 
夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、45歳で待望の妊娠をはたす。が、報告した夫から返って来たのは、思いもよらぬ反対だった。そんな人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。夫の祖父母から譲り受けて住んでいるアパートは、かつて1942年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたというのだ。さらに、その一家の長女で10歳の少女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)が収容所から逃亡したことを知る。一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。すぐに戻れると信じて……。果たして、サラは弟を助けることができたのか?2人は今も生きているのか?事件を紐解き、サラの足跡を辿る中、次々と明かされてゆく秘密。そこに隠された事実がジュリアを揺さぶり、人生さえも変えていく。すべてが明かされた時、サラの痛切な悲しみを全身で受け止めた彼女が見出した一筋の光とは……?
(goo映画より) 
 
 
監督・脚本:ジル・バケ=ブレネール
脚本:セルジュ・ドンクール
撮影:パスカル・リダオ
音楽:マックス・リヒター 
原作:タチアナ・ド・ロネ
 
キャスト:クリスティン・スコット・トーマス メリュジーヌ・マヤンス ニエル・アレストリュプ 
フレデリック・ピエロ エイダン・クイン 
 
初春から感涙に咽ぶ作品に出会えた幸福
激しく哀しく、されど無性に愛する者を抱きしめたくなるような愛おしさに溢れる傑作である。
 
昨年観た予告編からは、第二次世界大戦から現代に繋がる壮大なミステリーのイメージであったが、そんな薄っぺらな内容ではなく、観る者の視点によっては大きく魂を揺さぶられる人間ドラマになっている。
 
主演はあの名作イングリッシュ・ペイシェント(1996年)の悲劇のヒロイン役を演じたクリスティン・スコット・トーマス。(15年前は色香漂うブロンド美人妻だったはずなのだが、今作では高齢出産を控える知的なジャーナリスト役〜しかも何故か黒茶髪なんですよぉ〜)と、個人的趣味は置いといて、彼女が引っ越したアパートに戦時中に住んでいたユダヤ人の少女の足取りを追う事からストーリーは展開する。
 
ナチスのドイツ国内及びポーランドのユダヤ人迫害は、世界中に知れ渡っているわけであるが、フランスのパリにおいても、その惨劇が繰り広げられていたのは、勉強不足の私には衝撃であった。しかも、フランス警察によるフランス人の手による同胞殺しを。
 
アウシュビッツに送られた両親と引き離された少女サラは、自宅の納戸に隠した弟の安否を悲痛なまでに危惧し、収容所を脱走する。ひたすら純真に弟を想い一心不乱に行動するサラ役のメリュジーヌ・マヤンスの演技が、いたいけな少女とは思えない迫真の表現力。そして、現代のジュリア(クリスティン)が、この1942年の悲劇を徐々に紐解き、いつしか赤の他人である二人が時代を超えて細い糸で繋がっている感覚にさせる絶妙の演出。
 
サラの人生は、両親とともにガス室に送られていた方が幸せだったのではないか、と感じさせる悲惨なものである。しかし、この作品が呼び起こす感動は、彼女への深い憐情からもたらされるのではない。
少女サラに関わり、彼女に救いの手を差し伸べる人達の神々しいまでの美しさ。この物語に「ナチス」という巨悪はあっても、個人としての悪人は登場しない。この脇役陣の人間味溢れる演技が、更にこの物語を重厚かつ忘れ難い印象を植込んでいく。そして、サラの行方を辿るジュリアが、中絶を勧める夫と戦時中の秘密を握る夫の家族と対峙しながらも、漸く答えに辿り着いた時、ジュリア自身の運命をも変えていく事となる。クリスティンが、人生の岐路で悩むアラ40女性を情感たっぷりに演じた。
 
血の繋ぐ奇跡、母と子、夫と妻、人と人との絆を見つめながら私が見つけた答えは
「絶対的な人間の良心」である。
ホロコーストの真実に迫りつつ、生きることの素晴しさと命を繋ぐことの尊さを描いた至上の詩[ぴかぴか(新しい)]
サラの残した「絶望の鍵」が、今を生きる人々へ大いなる希望の扉を開けた。 
ラストシーンの余韻で、今でも胸が熱くなる[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)] 
 
 
◎お決まりの余録[あせあせ(飛び散る汗)]
少女サラ(メリュジーヌ・マヤンス)

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 が、成長すると・・・
 
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Charlotte Poutrel ・・・
モデルあがりのまだまだ無名の女優さんのようだが美し〜い[キスマーク]
成人しアメリカに渡ったサラは、結婚し子供にも恵まれるが、自分が幸せになる毎に弟への自責の念に駆られ、心の闇に囚われていく様を、「無言」のまま演じた。
 
IT'S COOL BEAUTY[揺れるハート] 
             
 Charlotte Poutrel.jpg
 
 この勝気そうな細い眉と薄い上唇がGood[揺れるハート]
 
 
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コメント 6

(。・_・。)2k

こ こ こ こ こりゃ~ベッピンさんだわ~
驚きました
こんな綺麗な人っているんですね~
なんか 結婚してやってもいいな~ この娘なら

by (。・_・。)2k (2012-01-07 02:52) 

haku

しかし、世の中にはブロンドのベッピンさんがいっぱいいるものですねぇ♪
by haku (2012-01-07 19:07) 

DEBDYLAN

ホント、ベッピンですね!!
惚れてまうw

by DEBDYLAN (2012-01-08 14:53) 

つむじかぜ

>(。・_・。)2k様 haku様 DEBDYLAN様

今年も懲りずにキューティー・ブロンドを紹介させて戴きます〜☆☆☆
よろしくお願いいたしまする^^;


by つむじかぜ (2012-01-08 17:54) 

non_0101

こんばんは。
大きな衝撃を受けた作品でした。
一昨年の東京国際映画祭で観たので、公開間近になって予告編が流れるたびに
泣きそうになりました(T_T)
あの弟が居た扉を開けた時の哀しみと、その後のサラの無力感は忘れられません。
そして、その後の希望も。
by non_0101 (2012-01-08 20:43) 

つむじかぜ

>non_0101様

さすがnon様、一昨年にご覧になっているんですね!
こんな素晴しい作品が、国内でお蔵入りにならずになんとか1年後に
一般公開されたのは、映画を愛する人達の影の努力の賜物だと思います。
都内で上映館は2カ所だけですが...


by つむじかぜ (2012-01-10 01:34) 

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