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Sahara Smith〜テキサス・ブロンド歌姫との邂逅 [キューティー・ブロンド病棟]

「The Real Thing」

My Favorite guitaristであるMarc Ribotの参加アルバムを探していたら、また見つけてしまった...

Myth of the Heart

Myth of the Heart

  • アーティスト:Sahara Smith
  • 出版社/メーカー: Megaforce
  • 発売日: 2010/08/31
  • メディア: CD

Sahara Smith(サハラ・スミス)〜テキサス州オースティン生まれの23歳のシンガーソングライター。
デビューアルバムである。
まず、赤みがかったストロベリーブロンドが、私の目を釘付けにする[目][目][目]
そしてこのスリムなスタイル[exclamation] PVでの、そそるボディコン姿に一発KOされてしまった[揺れるハート]

しかも、容姿はともかく“声”が聴く者の心を離さない[耳]
絶唱も無ければ、ハイトーンを響かせる訳でもない。
あくまでも自然な声質は、アメリカ南部の土の香りを残しながらも、爽やかにウエット&ドライ。
まるでウィルキンソンの辛口ジンジャエールみたいに、辛みの中にしっかり甘さを残し、飲み心地爽快[exclamation×2]
超個人的感覚では、SとTの発音がとてつもなく耳心地が良いのである。

楽曲群も南部特有のコテコテ・カントリーとは一線を画し、洗練されたカントリー・ブルース。
シンプルな楽器構成から生み出されるリズムは、あくまでも影を引きずり、随所に現れるいぶし銀ギターの輝きが、曲全体に緊張感を醸し出す。(マーク・リボーは12曲中6曲参加)(日本盤はボーナストラック+2曲のようです)
そして、彼女が歌うと、南部の無骨な子守唄が、都会の男達を魅了する成熟したララバイに変貌する。

彼女の声に一目惚れのT・ボーン・バレット御大が全面支援の当アルバムは、ボーン軍団の一流セッション・ミュージシャン(Marc Ribot含む)のサポートにより、Sahara Smithの才能を200%開花させた作品となった。
アルバム全体の完成度も申し分無く、この日本の暑さでジトッとした体を、サラリとした汗に変えてしまうアメリカ南部特有のタイトさで、まさに気分爽快となる絶妙のアンサンブル。(とにかくMarcのギターの渋いこと[exclamation×2]
テキサスの土埃が、N.Yの一流ミュージシャンの手により、都会を駆け巡る涼風となった。

オリジナルメンバーのみによる素顔の彼女達の演奏も、さりげなく深みを感じさせる出来映えだ。

「Are You Lonely」

                    
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こんな女性にあの素敵な声で耳元に囁かれたら.....暫くは彼女に病み付きになりそうである[揺れるハート]

おまけ

実はMarc Ribot現在来日中[exclamation×2]
しかし、本日の富士ロックも8/4のクラブ・クアトロも仕事の為に行けないのだぁ〜[もうやだ~(悲しい顔)]

JAZZ、ROCK、LATIN、COUNTRYなんでもござれの変幻自在の彼は、今回は「偽キューバ軍団」を引き連れての真夏の極東でのキューバン・ミュージック全開のご様子[ひらめき]

[るんるん]こんな感じの変態プレイのはずなのだが...[るんるん]

  生で聴きたいよぉ〜

Marc Ribot Y Los Cubanos Postizos

Marc Ribot Y Los Cubanos Postizos

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Atlantic / Wea
  • 発売日: 1998/06/05
  • メディア: CD

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『マイティ・ソー』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督:ケネス・ブラナー
脚本:アシュリー・エドワード・ミラー ザック・ステンツ ドン・ペイン
原案:J・マイケル・ストラジンスキー マーク・プロトセヴィッチ
製作:ケヴィン・フェイグ 
製作総指揮:アラン・ファイン スタン・リー デヴィット・メイゼル パトリシア・ウイッチャー 
ルイス・デスポジート 
撮影:ハリス・ザンバーラウコス
音楽:パトリック・ドイル デイブ・ジョーダン
 
キャスト:クリス・ヘムズワース ナタリー・ポートマン アンソニー・ホプキンス トム・ヒドルストン 
ステラン・スカルスガルド ジェイミー・アレクサンダー 浅野忠信 ジョシュア・ダラス カット・デニングス
レネ・ルッツ コルム・フィオール レイ・スティーヴンソン イドリス・エルバ 

神の世界アスガルドの王オーディン(アンソニー・ホプキンス)の息子ソー(クリス・ヘムズワース)は、選ばれた者しか持つことのできない伝説の武器“ムジョルニア”を手に、最強の戦士としてその力を誇っていた。しかし強すぎるあまりその傲慢さから、氷の巨人の世界へ身勝手に攻め込み、アスガルドを戦乱の危機に陥れる。その行為に怒ったオーディンはソーの力とムジョルニアを奪い、地球へと追放する。地球の荒野で目覚めたソーは、天文学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)たちの乗った車に追突される。ジェーンたちはソーを病院へ連れていくが、ソーはそこでも暴れ出す。ソーは慣れない人間生活を送るが、ジェーンとの出会いによって人間の痛みや弱さを学び、彼女に心を奪われていく。一方そのころ神の世界では、邪神ロキ(トム・ヒドルストン)がアスガルド征服を狙い、陰謀を企てていた。ソーの護衛であったホーガン(浅野忠信)、ヴォルスタッグ(レイ・スティーヴンソン)、ファンドラル(ジョシュア・ダラス)の三銃士は、国家の危機をソーに伝えるため地球へやってくる。しかしロキは、破壊者デストロイヤーというマシンをソーに向けて放っていた。さらに危機は、ジェーンにまで迫っていた。ソーは力を取り戻し、地球と神の世界を救うことができるのだろうか?
(goo映画より)

実は恥ずかしながら3D初体験
眼鏡が苦手なんです[ちっ(怒った顔)]
老眼進行中ではあるが、視力は1.5〜どうして余分な料金まで支払って、眼鏡[眼鏡]をかけにゃいかんのじゃ!〜
みたいなくだらぬ拘りの為、今まで2D・3D併映の場合は、必ず「平面映像」版を選んでいた。
当作品は、上映館も限られており、選択の余地無し。渋々高い料金の3D版観賞となった。

最初はやはり違和感が先行。特に活字まで浮き出る感覚が、どうも性に合わない。我慢しきれず眼鏡をはずして観ようとすれば、映像は何重にもぼやけて乱視状態に陥る。諦めて再び眼鏡を付ける。
それが不思議なもので、30分も経過すると自然と慣れてきて、眼鏡をしている事を忘れているのである。
・・・やはり食わず嫌いは良くない、と納得してしまう素直なオッサンであった・・・

神の世界の映像が圧倒的に美しい[exclamation×2]
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いかにもコテコテCGの作り物と思わせる架空の王国の仰々しさが、かえってシェイクスピアの戯曲かはたまた大掛かりな歌舞伎を見せられているように、この物語のド派手なスケール感を際立たせ、それが全く嫌みにならない。神々のコスチュームなどに、シェイクスピア俳優と呼ばれたケネス・ブラナー監督らしい拘りが表れている。原作のアメコミの実写化という点では、大いに成功していると思われる。

そして、アンソニー・ホプキンスナタリー・ポートマンというオスカー俳優を配して、更に作品の大掛かり度が上昇する。アンソニー大老は、久々に変質者系ではなく、骨太かつ思慮深い父親役を好演。ナタリーも、「ブラック・スワン」とは一転して、マッチョな異星人に一目惚れする軽〜いオンナを、さりげなく演じた。
その2大俳優に挟まれて、主人公ソー役のクリス・ヘムズワース。初主演ながら、少々あか抜けない演技が逆に「無骨な神の子」のイメージにベストマッチという感じ。浅野忠信氏は、あまり個性が立ってないが、今回の役どころでは致し方ないのか、不思議なアジア系騎士を無難にこなした感じ。

アメコミ特有の小気味良い展開で、「あっ」と驚くような演出は皆無に等しいが、この蒸し暑さの中での一服の清涼剤としては、上々の出来映えとして受け取った。エンドロール後の特別映像で、「えっ、これもシリーズ化かよ〜[exclamation&question]」と、少々呆れる感じだが、粗製濫造だけは避けて、続編の更なるパワーアップを望む処である。

3Dへの偏見を払拭させてくれた意味でも感謝。
そして、やはり映画とは映像のみで成り立つ芸術ではないとも、改めて感じ入った次第である。



おまけ

今作では地味目なナタリー・ポートマンより、この娘かな[ハートたち(複数ハート)]
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カット・デニングス〜女天文学者(ナタリー)の助手・ダーシー役。少々とぼけた女子大生の演技は、脇役陣の中では意外に目立っております。眼鏡姿が、なかなかよろしい。(ブロンドではないが...)
が、髪を染めると更に私好みになりまする[決定]

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[ぴかぴか(新しい)]私はメガネ・フェチではなくブロンド愛好家[ぴかぴか(新しい)]

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仙台出張にて... [ざれごと写真日記]

過日、仙台への出張があった。

会合の予定時刻より早めに仙台駅に向かい、レンタカーを借りて、取引先の方と南三陸町に行った。
物見遊山の気分など全くない。
ただ、“あの光景”を日本人として自分の瞼に直接、焼き付けなければならないと、ずっと感じていたからである。

いつものNEX-5は持たなかった。(慣れないスマホでの画像です。)

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ただただ、自分が頑張らねばと、想いを強くした。

仙台市内に戻ると、丁度、夕方のラッシュ時と重なった。
街は活気に溢れ、行き交う人々に、下を向いて歩いている者は見かけなかった。

被災地の遅れる復旧が問題になっているが、東北の人々の心は、確実に復興に向かっている。
被災に遭わなかった我々こそ、もっと強くならなければならない。

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『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督:デヴィット・イェーツ
製作総指揮:ライオネル・ウィグラム
製作:デイヴィド・ヘイマン デイヴィッド・バロン J.K.ローリング 
脚本:スティーブン・クローブス
原作:J.K.ローリング
撮影:エドゥアルド・セラ
音楽:アレキサンドル・デスプラ

キャスト:ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン
ヘレナ・ボナム=カーター ロビー・コルトレーン ウォーウィック・デイビス レイフ・ファインズ 
マイケル・ガンボン キアラン・ハインズ ジェイソン・アイザックス アラン・リックマン マギー・スミス 
トム・フェルトン マシュー・ルイス ヘレン・マクローリー イバンナ・リンチ ボニー・ライト

ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)たちとヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)の間で繰り広げられる最後の戦い。この壮大なクライマックスで魔法界における善と悪の戦いは、本格的な交戦へとエスカレートする。この戦いは今までで最も危険なものであり、もはや誰一人としてその身が安全な者はなかった。しかも、ヴォルデモート卿との最終決戦で最後の犠牲を払うことになるのはハリー。そしてすべての謎が明らかになり、物語はフィナーレを迎える。

遂に完結である。

「ハリーポッターと賢者の石」が2001年の年末に公開されてから、足かけ約10年の歳月を経て、この大作もフィナーレを迎える事となった。

第一作を、転勤中の神戸の映画館で家族4人で観賞していた。ハリーとハーマイオニーの活躍に胸躍らせていた当時小学生だった息子と娘も、今や大学生。
 以降ポッタリアンと化していた長女は、エマ・ワトソンのように育って欲しいと願う父親の想いをよそに、茶髪のぽっちゃり女子大生へと変身し、今作は封切り当日に友人と観賞してきたらしい。
 一方、近眼だけハーリーに酷似した長男は、早くも酒と女に溺れる若き日の実父と同じ生活を歩み始め、「ハリー・ポッター・シリーズ」は既に眼中にないようである。
そういう訳で、今作もPART1同様、中年夫婦のみでの観賞と相成った[目][目](なでしこジャパンの熱戦の為、極度の寝不足状態であったが...)

PART1では、思春期を迎えたハリー、ロン、ハーマイオニー3人の心情を克明に描いた。孤独な逃避行を続ける彼らは、嫉妬と友情と愛欲の狭間で苦しみもがきつつ、最後に巨悪への戦いに改めて誓いを立てる。ロン・ハーマイオニーのカップルの恋の成就という美談を添えながら。

最終作であるPART2は、シリーズ通しての謎解きと平行しながら、ハリーの内面での心の戦いと成長に焦点を当てる。何故、ハリーはヴォルデモートの声が聞こえるのか?ヘビ語を話せるのか?等々、1作目から綿々と続いた疑問が明かされ、8番目の分霊箱の在処を知った時、ハリーは大いなる決断を迫られる。
そして、ハリーとジニー、ロンとハーマイオニーそして何とネビルとルーナの恋の行方にも興味は惹かれたが、最終作にして最大の秘密の恋は、ネイプ先生の哀しき純愛。この悲恋を下敷きにして、今までのポッターの活躍と巨悪・ヴォルデモートとの戦いが存在したことを、最期の種明かしとして用意している。
非業の死を遂げたハーリーの最大の理解者であったダンブルドア校長が、義の為に私情を棄てる冷徹な男であり、怜悧狡猾に立ち回り、常にハリーの敵役と目されていたスネイプが、実はハリーを陰で支える純愛に生きる男であった事を...
5作目から監督を務めるデヴィット・イェーツの「Darkな映像美」は、最終作でも冴え渡り、ホグワーツでの善と悪の死闘を見事に描いた。当シリーズを、完全に大人が愉しむブラック・ファンタジーとして確立させた。
しかし、ハリーに焦点をあて過ぎたばかりに、脇役陣に対しては少々控えめな演出。憎きベラトリックスの最期はあっけなかったし、リーマスやロンの兄貴も知らぬ間に死んでしまっていた。ロンとハーマイオニーの活躍も地味で、気を吐いていたのは、ネビルとマクゴナガル先生位か?

単体の作品としては物足りなさが残る出来で、ポッタリアンの長女に云わせれば「原作に忠実ではあるが、はしょり過ぎ」なんだそうである。しかしながら、10年の歳月をかけて、成長する3人の主人公を「このように子供は大きくなる」という優しく厳しい視線で一貫して描き続けた事に、大河ドラマとして拍手を送りたい。
人間が行きていく為に不可欠な「親・友・恋人・師」との関わりを、「魔法」という仮想世界を通して訴えたファンタジーの金字塔的作品である事に間違いない。
シリーズをすべて観た私達夫婦は、まさしく「魔法」を掛けられたように登場人物達に感情移入し、自身の少年少女期を振り返りながら、我が子の成長を夢見ていた自分達をも重ね合わせ、心を熱くさせるのであった。

「ハリー・ポッター」シリーズに感謝[ぴかぴか(新しい)]

子供の成長と合わせて・・・


おまけ
[exclamation×2]なでしこジャパン[exclamation×2]
凄いゲームだった。
典型的な試合には負けていたが勝負に勝ったという戦いだった。
勝ちへの執念は、アメリカも負けていなかった。勝利の神様が、日本に微笑みかけてくれたんだろう。
この「奇跡」を糧に、我が国ニッポン自体も自信を取り戻し、実力と実績を積み重ねていきたいものである。

おまけのおまけ
今大会の超個人的実力&容姿NO.1選手は.....フランス代表MF14番・Lousia Necib
(準決勝アメリカ戦でのプレイでゾッコン[揺れるハート]
(ボールキープ力の安定度、パスセンスが抜群だった[exclamation]

(こんな男子顔負けのロングシュートを本大会でも観たかったが...)
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『FOCUS』〜Jan Akkermanの煌めき [〜ロックの神さん〜]

中学時代、結構プログレに嵌っていた小生ではあるが、やはり歌詞(ヴォーカル)の無い演奏には興味が持てなかった。ヴォーカルが存在しないロックなんて....ク◎ープを入れない珈琲みたいなもんで(ふ、古い・・・)

そんな思い込みを一発で粉砕[パンチ]したLPを、また例の悪友が持ち込んで来たのだった。

ムーヴィング・ウェイヴス(K2HD/紙ジャケット仕様)

ムーヴィング・ウェイヴス(K2HD/紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: フォーカス
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: CD

とにかく1曲目でぶっ飛んだ[exclamation×2]
悪魔の呪文(Hocus Pocus)

当時は、当然ながらこんな[右斜め上]映像は知る由もなかったが、スピーカーから流れる超人的なギターソロ狂人的なヨーデルの調べに卒倒したのだった[むかっ(怒り)]

Focus(フォーカス)・・・70年代に活躍したオランダを代表するプログレッシブ・バンド。
リーダーはThijs Van Leer(タイス・ヴァン・レール)〜奇声を発する奇相のキーボード奏者。フルートも吹きます。バンドの音楽的中核となるザンバラ髪の生首男と呼んであげて下さい[わーい(嬉しい顔)]
そしてこのバンドの花形ギタリストが、ヤッターマンではなくヤン・アッカーマン(Jan Akkerman)[むかっ(怒り)]
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彼のギタープレイは、当時の自分にとって衝撃的だった。

今までに聴き親しんだロック・ギタリストとは、全く異質。

不協和音を滲ませたコードと聴いた事無いスケールから生み出される速弾きソロ。

グワシャ[パンチ]」というコード一発と「キュロリ[あせあせ(飛び散る汗)]」というグリスの音色が、なんとも快感[exclamation×2]

アルバム収録曲のうちほとんどがインストルメンタルだが、一気に聴き惚れてしまった。
バリバリのハードロック調は冒頭の1曲のみであるが、クラシックを彷彿させるアコギ主体の哀愁を帯びた曲から何でもありの長尺組曲まで〜ギター小僧は、アッカーマンのつま弾くギターの音色に酔いしれるのであった。

当然、他のアルバムも聴きたくなる。
だが当時は、2枚目のこのオリジナルアルバム以外は、ライブ盤しか国内で発売されていなかった。(記憶では)

探しましたよ〜3枚目のアルバム。ようやくお茶の水のDisk Unionで輸入盤を見つけ即購入。(しかもB級品〜ジャケットの右上に穴が開けてあります〜今で云う傷ものアウトレットですな〜盤が少々しなってました)
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なんと2枚組でした[exclamation×2]
今では[バッド(下向き矢印)]
フォーカスIII(K2HD/紙ジャケット仕様)

フォーカスIII(K2HD/紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: フォーカス
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: CD

近年CD再発されていますが、ジャケットが全然違います。(リマスター盤にて抜群に音質が向上[グッド(上向き矢印)]

個人的にはフォーカス最高傑作[るんるん][るんるん][るんるん]

クラシック、ジャズ、ロック、ファンクを織り交ぜた無国籍サウンドが、ヨーロッパの薫りをしっかり滲ませた上、卓越した演奏技術を持った猛者達のインタープレイが火を吹く。無秩序に思える楽曲群が解け合い、静から動への変幻自在の「フォーカス・サウンド」として確立された。
そして最大の魅力はやはりアッカーマンのギタープレイである。

なにはともあれ名曲『Sylvia』
聞き惚れるレスポールの音色〜美しきメロディー

ベーシストの交代により、リズムがより強力・複雑に進化し、各演奏者のインプロビゼーションも多くなる。
1、4曲目の目まぐるしく変わる展開と変拍子は、耳に心地良いとともに、バンドの完成度を表す。
そして、前作以上にアッカーマン氏が弾きまくる。キャッチーなメロディーの「Sylvia」から大作「アノニマスⅡ」の鬼気迫るソロ[るんるん]個人的には、Jazzyなムードから一転美しいメロディーを奏でる「フォーカスⅢ」と「アンサーズ?クエッションズ!〜」の彼独特のスケールからの美しくないアドリブが、お気に入りである。

(抜粋)

(3分間のアドリブ部分)

所謂、英国プログレッシブ・ロックとは一線を画す。
Genesisを筆頭にking crimson、Yes、EL&P、Pink Floydは今でも私の大好きなバンドではあるのだが、このFocusだけは、他のバンドとは全く別次元で敢然と輝くプログレ一等星として存在する。

私が後年、高校・大学と進むにつれフュージョン、JAZZへと傾倒していく契機となった「ロック」が何を隠そうこの「Focus」であり、「Jan Akkerman」なのである。

次作
ハンバーガー・コンチェルト(K2HD/紙ジャケット仕様)

ハンバーガー・コンチェルト(K2HD/紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: フォーカス
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: CD

フォーカス黄金時代の集大成。
この頃からタイスとアッカーマンの音楽的確執が囁かれた訳であるが、両者の緊迫した関係が作品自体にも偲ばれる。平たく云えばコマーシャリズムのタイスとアートなアッカーマンの激突が、絶妙なバランスで成立した傑作と云える。
20分の組曲である表題作などの途方も無い大風呂敷ぶりは、衝撃的だ[どんっ(衝撃)] アッカーマンの「リーダーのイメージ通りには弾かないもんねぇ〜[ちっ(怒った顔)]」みたいが感じがプレイの随所に表れている気がするのは私だけか?

1975年マザー・フォーカス(K2HD/紙ジャケット仕様)を最後にヤン・アッカーマン脱退。
(このアルバムはタイスの力が勝ったか、POP感が増しており、アッカーマンも当時はやりのトーキングモジュレータで遊んでいるだけにしか私には聞こえないのだが...)

ソロ活動に専念した彼は、まさに自己のアート探求の旅に出たように精力的に作品を発表し続ける。
最近はアコーステック・ギターの演奏が多いが、ライブではフォーカス時代の名曲をバリバリのレスポール・サウンドで、今でも聴衆を楽しませている。

「悪魔の呪文」アコギ・バージョン
御歳64歳・圧巻である[exclamation×2]

Jan Akkerman〜私の最愛のギタリスト・Steve Hackett(元ジェネシス)と同系統のプログレ出身ながら、演奏はまさに対極。
されど、自己顕示欲の強い超個性的なプレイは、今でも私の心を躍らせる[ぴかぴか(新しい)]


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梅雨時の読書 [〜老眼はつらい〜]

関東も漸く梅雨明け。
う〜ん。
蒸し暑さのせいか、さらに読書のスピードが急降下のような......[ふらふら]
一気に読める小説が必要だ。

家霊 (280円文庫)

家霊 (280円文庫)

  • 作者: 岡本かの子
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2011/04/15
  • メディア: 文庫
    檸檬 (280円文庫)

    檸檬 (280円文庫)

    • 作者: 梶井基次郎
    • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
    • 発売日: 2011/04/15
    • メディア: 文庫





とりあえず、集中力持続の為、短編集を続けて....280円シリーズです[exclamation]

恥ずかしながら、「岡本かの子」なる女流作家があの「岡本太郎」の実母という事さえ知らなかった[あせあせ(飛び散る汗)]
「檸檬」は、遥か昔の中学時代に読んだ記憶が朧げにあったが、内容は明確に覚えていない体たらく。

2点ともすでに『古典』の域にさしかかった作品だが、新漢字・新かな遣いに改められ、難解な語句には注釈も付けられた「現代版若者仕様」に衣替えしている。
本来なら私のようなオッサンは、原文で読めねばならぬ年代だが、無理は禁物。解らん漢字を飛ばしては意味がなし、されど学生気分で辞書片手という労力は“惜しむ”のである。なにしろ通勤読者家なので。

両作品とも、久しぶりに美しい日本語と触れ合ったという感慨に浸れる。280円、万歳[exclamation×2]
あっという間に完読です。ありがとう、ふりがな[わーい(嬉しい顔)]

「岡本かの子」は、表題作より、どことなく醒めた乙女心の余韻を残した幕引きの「鮨」「娘」が好きだ。
「梶井基次郎」は、やはり「檸檬」か?レモンを爆弾に見立てて、丸善の本棚に仕掛ける行は、今読んでも新鮮だ。

美しい日本語回帰という事で、お次は...

潮騒 (新潮文庫)

潮騒 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 文庫

三島作品は、中高生時代にほとんど読破したが、この氏にしては異色作と云われるこの作品だけは、未読であった。
まさに青春純愛小説で、かつて読んだ作品とは一線を画すが、三島独特の言葉の美しさは不変である。
映画も観たくなった。もちろん山口百恵主演作。

潮騒 [DVD]

潮騒 [DVD]

  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • メディア: DVD

そして、この梅雨時の個人的ヒットはこれだ。

ファントム・ピークス (角川文庫)

ファントム・ピークス (角川文庫)

  • 作者: 北林 一光
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/12/25
  • メディア: 文庫

宮部みゆき絶賛」に惹かれて(とはいいつつ宮部作品はほとんど知らない[ふらふら])購入。
パニック・サスペンスの形体であるが、文章に品格が感じられ、重厚感ある仕上がりとなっている。
山中での連続女性殺人事件の犯人像は、前半で早くも察しがつくのだが、それでも一気に読ませてしまう筆力が凄い[パンチ]
上記の大正・昭和の名著とは、全く違うジャンルで比較もできないのであるが、「言葉の美しさ」という共通項によって同類に括られる作品であると私は思うのだが。

北林一光・・・私と同年生まれ。脱サラから44歳にして、この長編作を書くも、翌年癌により急逝。市販された作品は、彼の死後に発売された同著のみである。自分と同級生である彼の生き様に一瞬考えさせられる。

サスペンス小説としては、ありふれた題材であり、読者を驚愕させるどんでん返しが用意されている訳でもない。
されど、安曇の自然と主人公の想いを切々と綴りつつ、迫り来る恐怖を1枚づつ積み上げていくような緊迫感を醸し出す筆致は、絶品である。
久々に感動する新作に出会った。
映像[映画]だとこんな陳腐な感じになると思うのだが....
[ぴかぴか(新しい)]やはり、文学の力は偉大なり[ぴかぴか(新しい)]

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浅草『ほおずき市』with NEX-5 [ざれごと写真日記]

日曜出勤から腹を空かせて帰れば.....家には誰もいない......

暫く待っていると妻と娘が汗だく[あせあせ(飛び散る汗)]で帰って来た。
妻「娘と出掛けていて遅くなったから、外で食べて来ちゃった。あれ、アンタ家で食べるつもりだったの?」
私「........昨日、お中元で戴いた高級そうな肉を、今晩食べるって言ってただろ!」
妻「あら、ごめんなさい。だからメール送ったんじゃない、見てないの」
私「........」

という次第で、ふてくされた亭主は、妻のママチャリを盗み出し家出..ではなく外食に独り出掛けるのであった。
駅前の吉野家では、侘しさが募るので「浅草で寿司でも食ってきてやらぁ〜、今日は、ほおずき市だし!」
と、言問橋をエッチラ渡りきり、浅草寺に向かった。

なにはともあれ、お参りをしてからと・・・
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本日が「ほおずき市」最終日。20時過ぎにしては結構な賑わいである。
でも、なにかいつもの雰囲気と違う・・・
活気が無いというか風流感が薄いというか?

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謎が解けた[exclamation×2] なんと照明がLED電燈ではないか[がく~(落胆した顔)]
そう、夜店と云えば裸電球が相場で、あの仄かな乳黄色が、何とも言い難い雰囲気を醸し出していたのだが、まさか縁日の世界にまで「節電ブーム」が押し寄せていたとは[どんっ(衝撃)]

本来なら、裸電球が鈴連なりとなり、人の温もりを感じさせる柔らかい光線が境内一杯を包み込むはずが、青白い光点が蛍のように所々で佇んでいる。
とにかく暗い。これから黒魔術の儀式でも始まるんかいみたいな、なにか怪しいムードが漂っているのだ。

そんな中でも、売り子の皆さんは声を張り上げて頑張っていました。
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女性陣の粋な格好がいいねぇ〜
暗過ぎて、さすがのNEX-5もシャッター速度が遅くなりブレまくりです(ASA1600でも無理)
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7月10日の今日にお参りすれば、4万6000日分のご利益があると云われている。
旦那の夕餉も忘れる妻の分までお参りする殊勝な亭主は、厄除になる「ほおずき5個セット」まで購入し、家路に着くのであった。

あっ、私の晩飯ですか?
写真撮影に時間がかかり、寿司屋は閉店しておりました[もうやだ~(悲しい顔)]
結局[バッド(下向き矢印)] 
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「浅草製麺所」

醤油つけ麺大盛り+味玉(仄かな贅沢)
=880円也





それにしても「節電ブーム」は驚異的なパワーで日本列島を席巻している。
しかし、冷静に考えれば今夏の至急の課題は「突発停電回避の為の、電力使用量MAX値の抑制」である。
LEDみたいにバカ高い電球を急いで買ってどうするの?というのが私の見解。

それよりも、お盆休み辺りの気違いじみた暑さの時にいかに電力消費を落とすか?が問題である。
それこそ「夏の高校野球」を秋に開催するとか、8月中はTVは午前中だけの放送にするとか、百貨店だけガンガンに冷房効かせてお客集めて買物させるとか、頭ひねれば簡単に処方箋は書けるはずだが・・・政治が・・・

日本人の生真面目な「ブーム」に煽られやすい傾向は致し方ない。
しかし、もっと自分の考えを持って行動して欲しい。
原子力発電所を造った企業が、LED電球も売っている国なのだから

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『127時間』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督:ダニー・ボイル
製作:ダニー・ボイル サイモン・ビューフォイ
脚本:ダニー・ボイル クリスチャン・コルソン
撮影:アンソニー・トッド=マントル エンリケ・シャディアック
音楽:A・R・ラフマーン

キャスト:ジェームズ・フランコ ケイト・マーラ アンバー・タンブリン リジー・キャプラン 
クレマンス・ポエジー ケイト・バートン トリート・ウィルアムズ

タフなヒーロー気取りで人と深く関わらずに生きてきたアーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)。開放的な陽気さとクールな一面を合わせ持つ魅力的な青年だ。ある金曜の夜、彼はいつものように1人でロッククライミングを楽しむため、慣れ親しんだユタ州、ブルー・ジョン・キャニオンに向けて出発する。それは、彼にとってどうということのない週末の過ごし方だったが、突然、過酷な運命が襲い掛かる。落石に右腕を挟まれ、狭い谷底から一歩も動けなくなってしまったのだ。助けを求める叫び声は無人の荒野に虚しく響き渡る。知識と経験を総動員して岩を撤去しようとするが、ガッチリと挟まった岩はピクリとも動かない。死を目前にして初めて自分の人生と向き合うアーロン。自分勝手に生き、両親にも、友達にも、恋人にも決して心を開かなかった。衰弱してゆく身体を引き裂くように襲い掛かる後悔、それと同時に湧き上がる“生きたい”という生への執着と情熱。そして生命の限界を越えた127時間後、遂に彼は決断する……。(goo映画より)

痛々しいというより、直感的に「痛ぇ〜[むかっ(怒り)]って内容の映画なのだが、気分的には爽快さが勝る、見事な演出が光る作品である。

ダニー・ボイルと云えば前作「スラムドッグ$ミリオネオ」でのオスカー受賞によりビッグネームの一人となったが、それ以前から「普通じゃない」のアホくささやオドロオドロしい「28日後...」の独特の感性が、個人的には大好きな監督である。
今作は、ひとりの若者の不幸な偶発的事故を取り上げ、この孤独な災難をほぼ「一人芝居」で94分間をかけて描くという彼らしい離れ業に挑戦した作品だ。

作中、二人の女性ハイカーに出会った以外は、アーロンひとりの孤独な戦いが延々と描かれる。
朦朧とした意識の中で現れる家族や元恋人は、すべて記憶の中と幻想に他ならない。
その「一人芝居」を演じたアーロン役のジェーム・フランコ。身勝手な能天気男が、徐々に追いつめられた絶望の淵で、最後に驚異的な「生」への執念を見せる「動物的本能」は、圧巻である。
「スパイダーマン」の親友役では、常に主人公の引き立て役だった彼の才能が、花開いた感がある。

ジェームスの圧倒的な演技を核としながら、彼の回想を随所に織り込み、短時間の内に観客の脳裏に彼の生い立ちと性格を焼き付かせた演出がまた、心憎いばかりである。
そしてなによりも、ダニー・ボイルと云えば、映像[映画]音楽[るんるん]の素晴しさである。
今作でも、ブルー・ジョン・キャニオンの神々しく非情な自然な姿を見事に収めたカメラと、A・R・ラフマーンのBGMの取り合わせは(「The Funeralのアルペジオシガー・ロスの挿入曲も秀逸[exclamation])、アーロンの心情の変化と絡まりながら、観る者の胸に強く突き刺さる。時折見せる縦三分割の映像もまた、洒落ている。

ストーリー自体は、自業自得の冒険野郎の執念と奇跡の帰還劇を、叙情的に美化したシンプルなものなのだが、それをここまで感動的な映像に仕立てるダニー・ボイルは、やはりただ者ではない。

想像を絶する激痛の後、岩石に挟まれたままの切り離された???をデジカメで記念撮影するアーロン。
こういう絶体絶命時のお茶目心が、彼を救った最大の要因なのかもしれない[わーい(嬉しい顔)]

珠玉の挿入曲を3曲続けて[右斜め下]
Dido & A.R.Rahman「If I Rise」

『The Funeral』Band Of Horses(Main SongをLIVEで[るんるん]
(シアトル出身、インディー系の無骨なロックバンド。バンド名も無骨です[たらーっ(汗)]

Sigur Ros「Festival」(エンドクレジツトで流れます)
(無性にシガロスのドラムが好きなんです[ひらめき]
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『BIUTIFUL ビューティフル』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督/脚本/原案/製作:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本:アルマンド・ボー ニコラス・ヒアコボーネ
製作:ジョン・キリク フェルナンド・ボバイラ
撮影:ロドリゴ・プリエト
音楽:グスターボ・サンタオラヤ

キャスト:ハビエル・バルデム マリセル・アルバレス
ハナ・ボウチャイブ ギレルモ・エストレラ
エドゥアルド・フェルナンデス ディアリトゥ・ダフ
チャン・ツァイシェン ルオ・チン

スペイン・バルセロナ。その華やかな大都市の片隅で、厳しい現実と日々対峙して生きているウスバル(ハビエル・バルデム)は、離婚した情緒不安定で薬物中毒の妻を支えながら、2人の幼い子供たちと暮らしている。決して裕福とはいえず、生活のためにあらゆる仕事を請け負っていたウスバルは、ときには麻薬取引、中国人移民への不法労働の手配など非合法な闇の仕事も厭わない。しかし、争いごとの絶えない日々のなか、ウスバルはしばしば罪の意識を覚えていた。ある日、ウスバルは末期がんであることがわかり、余命2ヶ月を宣告される。ウスバルは家族に打ち明けることもできず、死の恐怖と闘いながらも、残された時間を家族の愛を取り戻すために生きることを決意する。



とてつもなく優しい「父」であり「漢(おとこ)」の物語。

そして、とてつもなく重い映画ですが、主人公と同年代の自分にとって、心の琴線に触れる、深く深く染み渡る名作となった。

残された2ヶ月の命をどのように使い切るか?
非合法な仕事を定職とし、家庭は崩壊中。社会の最下層の中で喘ぐ主人公・ウスバルにとって、余命を全うする事とは、「自分なりの正義」を貫き通す事に他ならない。

決して世間から見られる悪事からは手を洗おうとはしない。その抜けきれない状況下で、ほんの少しだけ「正しき事」を積み重ねていく。中国人労働者達の劣悪な宿泊施設に安い暖房機を入れる。黒人露天商のクスリの売買を認め、警察官に見逃すよう頼み込む。そして、別れた妻と今一度同居し、壊れた家族を再生しようと試みる。
だが、彼なりの善行がすべて裏目に出る社会の絶望的なまでの哀しさ・厳しさ。

せめて、二人の子供達だけでも「生きる術」を残して逝きたいと願う父親の壮絶かつ静かな最期に、涙を止める事ができない。

明るいラテンの街・バルセロナの知られざる裏社会を克明に描き出すカメラ・アイは、我々のすぐ隣にある「死」をも残酷かつ自然にフィルムに焼き付けていく。人間の肉体と魂の存在意義にまで踏み込むこの静謐な視線が、観る者の「死生観」をも大きく揺さぶるのである。

ハビエル・バルデムの壮絶な演技。素人俳優陣の素朴かつ自然な演技。ラベルの協奏曲、グスターボ・サンタオラヤのギター。人間の剥き出しの本性をあからさまに描き出しながら、随所にバルセロナの街の裏表の情景を組み込む憎い映像は、死者の声を聞ける霊能力者でもあるウスバル(本作の重要なテーマではないが)の心情そのままに、時としてホラー映画ばりの描写をも加えつつ、聖なる核心に近づいて行く。

21グラム」「バベル」に引き続き、“魂”を描き続けるアレハンドロ監督の旅は、更に深淵なる境地に辿り着いた。一人の男のみの生き様に焦点を当て、過去作より不器用なほど愚直に、遥かに優しさに満ち溢れて。

「ビューティフル」の綴りを娘に問われ、『BIUTIFUL』と教える父親・ウスバル。
世界の常識では間違った答えでも、父が信じる「ビューティフル」は紛れもなく『BIUTIFUL』であり、父娘にとっての正しい答えなのである。決して誰もそれを咎める事は出来ないのである。

ウスベルとアナとの抱擁で聞こえる娘の“心臓の音”...
親の形見の指輪を娘に渡す絡み合う指先...
一度も会った事のない亡父との雪原での邂逅...

数々の美し過ぎる描写が、人生の儚さと素晴しさを際立たせた心奮える傑作である。


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「緑のカーテン」育成中(・・;) [ざれごと写真日記]

蒸し暑い〜[晴れ][晴れ][晴れ][晴れ][晴れ]
関東地方の6月は記録的な暑さだった。
梅雨時の高湿度と併せ、都内一円サウナ状態である。

スーパー・クールビズでの顧客廻りも困難な営業マンにとって地獄の季節到来である。
営業の外回りから、グッショリした体で会社に戻れば、超節電モードのオフィスは風も吹かない設定28度[exclamation&question]
室内灯も半分消灯し、汗臭い仲間が大挙すれば、体感温度30度超の暗い蒸し風呂と化している。
更に、残業時間も厳格となり、午後8時には自動的に空調・照明設備は休止する。
やっとの思いで帰社し、営業報告書を書いている最中に、照明と冷房が切れる恐怖。いつ事務処理せぇってんだ[ちっ(怒った顔)]
総務部のお偉いさん、あんたら内勤さんはサマータイムで8時〜16時できっちり帰れるけど、下々の営業マンの身になってみろ〜[パンチ]

という事で、我家も節電モードに入り、極力クーラーは使用せず、ヨドバシカメラで購入した1,980円の扇風機2台がフル稼働している。
一番の問題は、夫婦の寝室が絶好の?西向きで、とにかく暑くて寝苦しいのだ。
寝室の窓側のベランダに「簾(スダレ)」を立て掛けようとしたが、安全上困難なので、夫婦で思案の結果、蔓系の植物を育てて「緑のカーテン」を造る事となった[ひらめき]

選んだ植物は、食用にもなる趣味と実益を兼ねた「ゴーヤ」である。
門前仲町のホームセンターで1株150円×6株+ビニールのネットを購入。
プランター2個に3株づつ植え、ビニールネットを寝室の窓に沿うよう斜めに張った。

2週間経過し、蔓がようやくネットに絡まり始めた。(ちと生育が遅いような・・・)

夫婦の安眠の為、早く成長してくれ〜[ぴかぴか(新しい)]

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(スカイツリーをバックにゴーヤ生育の図)

そして戦う営業マンは、明日もネクタイを締めて出勤するのであ〜る[exclamation×2]

では、この暑さを吹き飛ばす我が姫『SHAKIRA』[NEW]PVを[わーい(嬉しい顔)]
Rabiosa(Spanish ver.)

[揺れるハート]久しぶりの黒髪シャキーラブロンドShakiraの対比が素晴しい[揺れるハート]

ポールダンスのみをじっくり賞味したい方はこちら[左斜め下]
Rabiosa(English ver.)

 何時見ても「胸はないけど、いい尻」しています[ハートたち(複数ハート)] 嗚呼、癒される夏の清涼剤[わーい(嬉しい顔)]

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