Chocolate Genius〜バレンタインデーに捧ぐ [〜ロックの神さん〜]
バレンタインデーである
この何年か、チョコという類いのモノを厳かに戴いた憶えがない。
当然、妻からはなんの音沙汰も無く、娘の行き先が解らぬ手作りチョコの単なる失敗作の処理係となっている。
接待費使い放題の古き良き時代なら、一晩に何件かハシゴすればチョコの山を抱えていたのも、今は昔。
中学生時代の甘い思い出を胸に秘めつつ、今では義理チョコの対象にもならない御歳を自覚するこの頃。
という事で「Chocolate Genius」から「LOVE」という曲を・・・(こじつけですが^^;)
Chocolate Genius〜チョコレート・ジーニアス
国内では全くと云って良い程人気がありません。
マーク・アンソニー・トンプソンという黒人ミュージシャン(Vo&G)を中心としたユニッ
トです。
マークは個人名義で2枚のアルバムを発表していますが、最近はこのユニットの活動が基本
のようです。
ささくれ立った心のひだを優しく落としてくれるような、深い深い歌声。
冒頭の「LOVE」は、非常にメロウーな曲調ですが、彼の手がける楽曲は大変幅広い。
音楽界の交流も裾野が広く、トム・ウェイツ、プリンス、ジェフ・バックリー、レニー・
クラビッツなど推挙にいとまが無い。
ブラック・ロックという一言では表せない独自の世界感を持った音空間が胸を焦がします。
私の大好きなギタリスト〜Marc Ribotも彼のアルバムに参加しています
「Half a Man」
(またまた、弾きまくっております)
デビューアルバム以外は所有していますが、どれもみな品薄のようで・・・
おぉ〜東京は久しぶりの大雪じゃ メリー・ホワイト・バレンタインデー
こんな風に音楽を奏でられたら幸せです
我が愛しの『Blue Oyster Cult』〜バック・ダーマー〜 [〜ロックの神さん〜]
1970年代、アメリカン・ハードロックで人気を二分していたのは「KISSキッス」と「Aerosmithエアロスミス」であった。
当時の洋楽かぶれのクラスメート達も大概は、このふたつのバンドに好みが分かれていた。
その2大勢力に対し、私は独り敢然と立ち向かったのであった
Blue Oyster Cult ブルー・オイスター・カルト
FMで流れた彼らのライブ演奏に病み付きになってしまったのである。3枚のスタジオアルバム発表後のライブ盤から。
E・ギター覚えたての私は、この曲のギターソロに心を奪われてしまったのである。今聴き直せば、さほど難しいテクも必要ないプレイなのだが、当時はヴィブラート、リヴァーヴたっぷりの天空に澄み渡るようなこの音に恍惚となった。
はっきり云って謎の集団である。ヘヴィメタルの源流などと後に評価もされたが、元々はブルースを基調とした不器用なブギウギ・バンドなのである。
ツィンギター+ベース+キーボード+ドラムスの5人編成隊であるが、ライブでは4theギター+ベースという変体を組んで爆音をかき鳴らす。
キッスのようなビジュアルには全く意に介さず、かと云ってエアロスミスほどの多彩なビート感も個性的なヴォーカルも持ち合わせていない。
彼らのコンセプトは「オカルト」なのである。
不可解なシンボルマークも含め、彼らのメッセージは摩訶不思議なモノへの探求であり、私に言わせれば「変態ブギウギ・ロック・カルト教団」である。支離滅裂なテーマをお世辞にも上手いとは言えないヴォーカルに乗せて、大爆音で疾走する。
その中でキラリと光るのがリード・ギターのドナルド・“バック・ダーマ”・ローザー。
重くのしかかる重低音の中、ひとり気を吐く切裂くようなリードギター
この無名の名ギタリストあってのオカルト・バンドである。
Cities On Flame
私の一押しの2枚組ライブ・アルバム(LP)
(今じゃCDで690円ですと〜)
を、クラスメート達に「騙されたと思って聴いてみな!」と、無理矢理に貸したが、すべて即、返却。応えは「うん、やっぱり騙された」
私の音楽感性に最も近いロック師匠でもある親友君も「これは・・・いかんな」
孤立無援な状態は続いた・・・
アメリカでは一部の熱狂的なFanに支えらていた彼らだが、日本での知名度は一向に上がって来ない。
しかし、このライブ盤の次に発表したAgents of Fortuneが米でゴールドディスク獲得メジャーバンドへ前進。
ついにその波が日本にも「ちょっと」届いた。
初のシングルヒット曲(最後に弦ブッチギってます)
おぉ〜多少溜飲が下がったぜ
そして続く次アルバムではなんと・・・
たぶん本人達はいたって真剣なのだろうが、笑わせてくれます
中期以降リリカルかつポップな面が強調され、楽曲もアンサンブルも緻密になっていきますが、そこはBOC。バタ臭さが抜けきれません。いかに格好よく振る舞っても決めきれない。(デビュー当時、アメリカ版ブラック・サバスとして売り出そうとしたが、もろくも失敗に終わったらしい。)やっぱり地のブギウギが一番似合ってるぜ。
2001年のスタジオアルバムを最期にバンドは一旦空中分解するも、現在も(オリジナルメンバーではないが)ライブ活動を続けています。
私だけの愛すべき不器用なブギウギ・バンド=BLUE OYSTER CULTは不滅です
やはり初期の頃のハチャメチャなライブは今でも大好き。
初期の名曲『赤と黒』(演奏は1分過ぎから)
見よ!トリプルギターの威力やっぱバック・ダーマ素晴しい
アメリカ版ダウンタウン・ブギウギ・バンドだぁ
Heart〜ウィルソン姉妹のロック魂〜 [〜ロックの神さん〜]
このジャケットに少年の頃の私はときめいた
当時はバリバリの硬派系ブリッティッシュ・ハードロック信奉者であり、「オンナを餌にした軟派なアメリカン・ロックなぞ聴けるか!」と粋がっていたのだが、ジャケ写真の美女二人(特に右のスリムな金髪系)がどうしても気になり、周りの友人に内緒で購入、こっそり聴いていた。(どうも、この頃からブロンド病の予兆があったようだ)
これが結構、硬派な音。有名な1曲目の「バラクーダ」のリフとハーモニックスは当時の私の頭の中から呪文のように着いて離れなかった。
Heart〜ハート アン・ウィルソン(姉・ヴォーカル)ナンシー・ウィルソン(妹・ギター)を中心としたシアトル出身のロックバンドである。
1976年 「Crazy On You」
ナンシーのアコギも粋だが、なんといってもアンのパワフルなヴォーカルステージと不調和な星柄ワンピースも素敵だぜ。70年代の香りがなんとも嬉しいね
巷のレディースバンドの域を超えた、ブリティッシュロックを基盤に、アメリカンテイストを仄かに載せた正真正銘のHARD ROCK BANDである。
80年代MTV時代に入ると、曲調はよりポピュラーになり、姉妹の容姿を極度にビジュアル化し、興行的に大成功。
全米でも有数のロックバンドとなる。
1985年初の全米第一位
だが、この頃から私は急速にこのバンドに興味を失うのであった。
実はHeartに限らず、80年代のコマーシャリズム優先・ビジュアル重視の洋楽に愛想を尽かした訳で、85,6年から21世紀に至る約15年間は私にとって「失われた洋楽15年」なのである。
時は流れて21世紀。映画三昧の日々。
自分にとっての名作に出会う。
キャメロン・クロウ監督の2作品は、作品自体の内容も当然ながら、挿入音楽の素晴しさに悶絶したのである。
70年代ロックの名曲から人知れぬ最新曲までが、瑞々しい映像と共に溶け込んで来る
私はついに深淵たる洋楽の世界に連れ戻されたのである
ほとんどが私好みの楽曲ばかり。この感性の一致はただ事ではない。音楽監修はどんな人間かと調べると・・・
MUSIC BY「Nancy Wilson」
ん〜どこかで聞いた名前だ・・・
1986年、当時ローリングストーンズ誌の音楽記者だったキャメロン・クロウと、あのナンシー・ウィルソンが結婚していたのだった。
軽い衝撃を味わいながらも、「ナンシーさん、こんな処でお会いできるなんて感動です〜」
見事な選曲の上に、ナンシー自身作曲・演奏のナンバーも散りばめられている。
「アコギのこのシンプルなメロディーを聴くと映画のシーンが思い起され、いつでも胸が締め付けられる」
(Elevator Beat〜Nancy Wilson)
調べるとなんとHeartはいまだ現役活躍中であった
思わず購入したDVD
ここで更なる衝撃と感動が待ち受けていた
アン姉さん・・どうしちゃったの、その体.......昔より声量を増やす為に体重をわざと.......な訳ないよな。
でも、すばらしい声です、鳥肌総立ちです、姉さん、感動です
ウィルソン姉妹が極度のZeppelinフリークであり、Heartがメジャーデビューする前はZeppelinの完全コピーバンドとして名を馳せた時期もあった。いまでもライブでは必ずZeppナンバーを織り込むのは有名。
ロバート・プラントがシャウト唱法を封印した今、往時のZeppサウンドの迫力を再現できるバンドは、もしかするとこのHeartだけかもしれない
紆余曲折を繰り返し、コマーシャリズムの世界から王道ロックに立ち返った姉妹。
類い稀なるメロディーメーカーとしての才を発揮し続けるナンシー。
余人を持って変え難いパワフルかつウォームなヴォーカルに更に磨きをかけるアン。
魂のロッカー姉妹・・・まさにHEARTそのままのバンドは今も疾走している
おまけ
最新映像から名曲「バラクーダ」
体重も増幅し続けるアンとボディコンFargieの狂宴
ほとんど「千と千尋」の世界だ・・・姉さん、健康には留意しよう
Bill Nelson〜BE-BOP DELUXE〜異彩を放つギター伊達男 [〜ロックの神さん〜]
NHKラジオ第一「若いこだま」
友人の影響で洋楽ロックに目覚めながら、我家にはステレオが無い時代。私の唯一の音楽情報ソースは、モノラルのラジカセから流れるDJ渋谷陽一によるこの番組だった。
いまや音楽評論の大御所となった彼も、当時は音楽雑誌「ロッキング・オン」を立ち上げたばかりの一人のロック・フリークの若者で、たしかまだ大学に籍を残していた時代だった。
彼は、自他共に認めるZepplin狂で、同番組の最終回では「天国への階段」を放送中に2回流すという離れ業をやってのけた強者であり、私世代のロック小僧の兄貴的存在でもあった訳だ。
毎週の土曜の夜が待ち遠しくて、AMラジオをエアチェック(死語ですね)するという涙ぐましい作業をワクワクしながらやっていたのが昨日のようである。
或る日の彼の番組の最後に流した曲が、やたらと耳に残った。(記憶が曖昧なので、もしかすると「若いこだま」DJ卒業後に移ったFM「ヤング・ジョッキー」かもしれないが・・・)
いつも好んで聴くハード・ロックでもプログレでもない。不思議な曲調の変化、パーカッションとキイボードの優しい絡み、しかしリード・ギターだけはしっかりROCKしているのだ
『この曲、いいぜぇ』
しかし、当時の私のエアチェック・テクニックは、DJ部分は除いて曲のみを美しく録音する事を是としていた。
おまけに渋谷氏は大学生のくせに英語が棒読み、聞き取りにくいのである。
「なんとかデラックスって云ったような?違うような???」完全に聞き漏らした。
私のカセットテープには、詠み人知らずの歌のように、演奏者・曲名不明の名曲として何年間にも亘って収め続けられたままとなった。
大学生時代、我家にもステレオ・コンポは設置され、自分もアルバイト収入で、月に2.3枚のLPは購入できる有難い生活を送っていた。いつものようにお茶の水のDisk Unionで輸入盤を漁っていると、ふと目に付いたアーティストの
名前....「BE-BOP DELUXE」突然、昔の微かな記憶とあの名曲がシンクロした。
『これかもしれない』
このバンドの棚に並べられた5.6枚のLPの中で、一番気に入った(ちょっとイヤらしい)ジャケットのアルバム1枚だけ購入した。
(もしはずれたら金、もったいねぇけど)と、思いつつ。
速攻で帰宅し、針を落とした。
A面............................出てこない。
B面.......きたぁ〜
一発ツモだ。スケベ正解。
何年か越しで、ついに心に引っかかっていた自分の名曲を
ステレオで聴けた歓び!
冷静になってアルバム全体を聴き直すと、これがまた良い感じなのである。というか、変な曲ばかりなんだが心に引っかかる摩訶不思議な作品。
(Sleep That Burns)ポップなtuneと思いきや、突然プログレ風・フラメンコ調に変幻自在の支離滅裂な構成。1曲に詰め込み過ぎなのは音楽理論素人でも判る。だが、その無秩序さが破綻ギリギリの処で押し止まって、なんとも言い難い雰囲気を醸し出す。そして、やっぱりギターが上手くて、やたらと主張しているのだ
ビル・ネルソン Bill Nelson(guitar&vocal)が率いるワンマン・バンド「ビ・バップ・デラックス」の3rdアルバムで或る事が判明。
3人編成でのデビュー・アルバム
ビルの弾きまくりが圧巻のグラム・ロック?
と、すぐさまふたりのメンバーの首を切り
2ndアルバム発表。
楽曲群が突然豊かになり
充実の作品。
飽き足らず、keyboadを加えて
上記の3rdアルバム。
楽曲の柔軟性が格段に広がる。
彼らの最高傑作と呼ばれる
4thアルバム。
所謂、プログレ感が強化される。
当然、すべての曲はビルの手によるもの。このワンマン度と拘りはなかなかである。
こういうタイプで思い起こされるミュージシャンが他にもいる。
リズム隊が下手糞だろうが、お構い無しに弾きまくるジミ・ヘンドリックスと、同じバンドに長居できないジェフ・ベックである。
2者と比べれば、ビルの格下感が否めないように見えるが、私はギタリストのカリスマ度としては劣っても、メロディー・メーカーとして完全に上を行っていると思う。
どんなイカレタ顔した男かと思いきや、これが結構イケメン君なのです。
2ndアルバムから「Maid In Heaven」 原曲はトリオ編成ですが、このライブはkeyboad加入後のようだ。
彼にしては珍しくストレートなナンバー。ジミヘンみたいなファンキー・ベーシストも素敵。
ミュートカッティングの「カキクケコ」が気持ち良くて病み付きになる。
もう一丁。カメラ目線が笑える「Ships In The Night」
アイドルバンドの扱いみたいだが、音楽内容自体は「クロスオーバー」(これも死語ですね)の先駆けだ。
5theアルバム。(ラストアルバム)
この辺からビルは更なる「リズム」の深みに嵌っていったのか?
何でもありだが、アルバム全体のバランスが最高、個人的には大好きな作品。
しかし彼は、「もっとやりたい音楽あるから....」みたいに簡単に解散。
頭の中から次々と溢れ出る音楽を形にすべく
「red noise」結成。
そして歴史的名盤と云われる
今、聴いても新鮮だ。この後、ギターのみならずマルチ・プレイヤーとして精力的にソロ活動を行う。
JAPANのメンバーやY.M.Oとの交流は有名である。(ちなみにビルの奥様は高橋幸宏の前妻なのである。)
しかし、この時期位から、私はビル・ネルソンから離れることになる。
この時期の音楽の趣向がJAZZ寄りになっており、打込み系より自然なドラムを好んだし、シンセサイザー主体の音作りはどうも苦手だった。昔のビルの天衣無縫なギタープレイに、どうしても思い入れが強過ぎた。所謂アナログ指向派だったのである。
月日は流れ・・・・クリスマス曲を2曲続けて。
61歳。まだまだ進化しつづける変幻自在のギター伊達男は健在であった
Frost-O-Matic
A free Christmas single for you to download and enjoy.
Released December 2010.
最近は贅沢になったもので、ステレオ機器の違いで、音が変わるだの、原音忠実だのと講釈を云える身分になった。
だけど、本当に自分の心に残る音楽とは、モノラルのラジカセから流れるAMラジオのメロディーでも十分だったんだなと、思う今日この頃である。
『VDGG』リードギター居ないんですけど・・・ [〜ロックの神さん〜]
以前、「第2期ジェネシス」のネタを書いた時に、当時聴いていたプログレのLPやら再発CDが棚から結構出て来た。
ジェネシス狂と化していた中学時代、当時の親友が例によってすり寄ってきた。
「ふっふっふっ。ジェネシスに勝るとも劣らないバンドを見つけたぜ!」
彼に借りたLPがこれ 2曲目「House With No Door」
Van Der Graaf Generater〜ヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター〜略してVDGG
1970年発表の3rdアルバム「天地創造」
いまだかつて聴いた事のない「重苦しい」サウンドと「胸が締め付けられる」ヴォーカル。
ピーター・ハミル(Vo,A.G,PIANO)
ヒュー・バートン(Organ,Bass)
デヴィッド・ジャクソン(Sax,Flute)
ガイ・エヴァンス(Drums)
*ニック・ポッター(Bass)録音途中で脱退
ピーターの内相的世界を、或る時は静謐、或る時は破壊的なサウンドで表現する。同じピーターでも、ガブリエルの耽美世界を緻密な様式美で飾ったジェネシスとは対極。
リード・ギターが居ないロック・バンドは基本的には好きになれない私なのだが(EL&Pとか)、このバンドだけは別格でノックダウンされた。ギターの代わりのSaxとOrganの主張がとにかく凄い
と、思いきや3曲目には、ゲストでロバート・フリップ(King Crimson)参戦。(長い曲だが、5:00過ぎからはクリムゾンサウンドを思い起こさせる〜痺れます)
こうして、私のプログレ番付には東横綱のGENESISに対し、西の横綱にはVDGGが君臨するのであった。
親友の音楽情報の広さに脱帽と共に感謝(たぶん彼の姉貴の影響だと思うが)。それ以上に、こんな当時の中学生としてはマニアックなサウンドに酔いしれる同じ感性を持つ友人に巡り会えたことが、最高の幸せだったのかもしれない。
二人は高校に入るやお互いフリージャズの世界に突入するのであるが、今思えばその端緒は、VDGGの即興音楽性、特にデヴィッド・ジャクソンのSaxにあったのかもしれない。
ひとりで2本のSaxを同時に吹くというダブル・ホーンは、滅茶苦茶ですわ〜なのだが快感
(ピーター・ハミルはちょっと休憩、3人による「Theme One」
もう一丁 4人による「Godbluff」(途中まで) デヴィットの風貌、良いなぁ
バンドはピーター、ヒュー、デヴィッド、ガイの4人構成で1976年まで活動。77年にヒューとデヴィッドが脱退。代わりにヴァイオリニストと初期メンバーのニック・ポッターが加入し、バンド名も「generater」を取り『Van Der Graaf』に変名する。
私は、ヒュー、デヴィッド脱退直前のアルバム
7thアルバム「ワールド・レコード」
が、大のお気に入り。(一般的には4rdアルバムが最高傑作と呼ばれるが)
解散寸前のキング・クリムゾン「レッド」に似た重苦しさと緊張感。
彼らが織り成す独特のリズムは更に深淵にと迫り、ピーターの詩的世界と渾然一体となって、最期の蠟燭の煌めきの如く、最高の「美」の境地に達した。まさにカタルシス
プログレ全般に云えるが、1曲がとにかく長〜い。インストルメンタル部分が多いほど、この手の音楽に興味の無い方には退屈度倍増である。私も当初はそれに近い感覚もあったが、ラジカセで子守唄代わりに毎晩聴いていたら、この退廃的な重厚感に病み付き状態
A Place To Survive〜この頃はピーターがE.Guitarを弾いています。(本人の弁によると、初期の頃はヘタクソ過ぎて人前で弾くのを自重していたとの事。)
Saxの代わりにViolinをフューチャーした体制で新境地を開くも、1枚のスタジオアルバムを残し78年に解散。
ピーター・ハミルはソロ活動に専念。その間、旧VDGGメンバーとも不定期に交流を繰り返し作品を発表していた。
2004年、遂に70年メンバーにより再結成。9th「Present」発表。
2008年。デヴィッド脱退。3人による10th「Trisector」発表。
ピーター・ハミルの憂いを帯びたヴォーカルは、年輪を刻みつつも今も健在である。
新作より「Interference Patterns」
コンサートでは、当然、初期のナンバーの演奏が人気を博す。が、新作にも意欲的に取り組んでいる。
白髪、スキンヘッドになろうが、還暦トリオは常に“プログレッシブ”〜前進するバンドである
The Kooks/Hugh&Luke [〜ロックの神さん〜]
「なにをいまさらメジャーなタレント・バンドを」と、云われようが、紛れもなくクークスは一線級のGUITAR BANDである。
妻とは音楽的趣向が、全く噛み合わない。
私がROCK・JAZZ・CLASSICに関わらず、大音量で体全体で音楽を楽しむのに対して、彼女は家事をしながらBGM的小音量で、コーラス系の曲を鼻歌まじりに聴くのを好む。
私がZEPPELINなら彼女はウィーン少年合唱団かせいぜいEnyaである。大別すれば、ビート派かメロディー派という事なのだろうが、お互いの好みは知り尽くしているし、尊重しあっている。私の行きたいオールスタンディングのLIVEにも付いてくるし、私もクラシックコンサートに付き合う(爆睡パターンも多いが)。
とにかく、クラシックピアノで鍛えた絶対音感を持つ彼女に、「移民の歌」のリフを音階でなぞられたりするので、戦意喪失するのである。
いつものように買い込んだCDをリビングで独り大音量で聴いていると、突然妻がやってきて云った。
「これ、凄くいい〜」
The Kooksのデビューアルバム。
結婚??年目にして、初めて私の好きな「音」に賛同したのであった
このバンドの何処に彼女の琴線に触れるモノがあったか不明であるが、「気持ちいいっ〜」のだそうだ。
古き良きブリティッシュ・ロックの薫りを残しつつ、POP&PUNKな見事なビートのバランス。ヴォーカルも味があるし、1曲の時間が短いのがまた潔くてよろしい。
とにかくguitarが素晴しい
このコードストローク一発で私はやられた
ルーク・プリチャード(ヴォーカル&ギター)とヒュー・ハリス(リードギター)の織り成す2本のギターの見事なアンサンブル。シンプルに聴こえるが、結構ハイレベル。(いろいろサイトを探ってコードを解明したが、なかなかこの通り弾けましぇん)
もう一丁。初期のライブ〜荒削りで上品な?パンクというか、ハムバッカーとシングルコイルのギターの音色の絡みが美しく且つ気持ち良いいやらしく歪ませないのがFeeling Good
セカンド・アルバムは更にポップ&メロウな仕上がり。1作目より練り上げられた見事な配曲。ヒューのguitarの音色も格段に幅広く、表現力UP。
あっと云う間に1枚聴き終えてしまうアルバムだが、この楽曲群の豊かさはハンパではない。
プレイヤーとしての能力・技術の高さは云うに及ばず、メロディー・メーカーとしてのポテンシャルにも驚愕の若者達だ。
詩の内容が、つたないラブソングが多いのが玉に疵か。これに気高い精神性・詩情性まで伴ったら、ルーク&ヒューはポール&ジョンの再来は大袈裟にしても、神に愛された音楽家の領域に踏み込める男達になるやもしれない。
KIDS(MGMTのカバー)
3rdアルバムが素直に待ち遠しい
今度来日したら、夫婦で初めて二人とも燃えるライブに行く事だろう。
Steve Hackett〜ジェネシス黄金期の弦惑師 [〜ロックの神さん〜]
私が幼少の頃、我家の音響装置は(記憶が曖昧ではあるが)こんな感じの卓上型電蓄機だった。
子供雑誌の付録のソノシートか、おふくろが買って来た音楽雑誌(クラシック)のこれまた付録のドーナツ盤を聴く位の、ほとんど音楽的造詣のない家庭環境だった。私自身も、親父から譲り受けたモノラルのラジカセで、当時はやりのカーペンターズ辺りをFM放送で聞きながら勉強に励む模範的少年であった。
そんな私を洋楽ロックに目覚ませたのが、中学時代の親友である。学校帰りに立ち寄る裕福な彼の家の居間には、なんと「コンポーネントステレオ」が鎮座していたのである。プレーヤー・アンプ・スピーカーがバラバラに存在している姿を初めて目の当たりにした衝撃!しかも彼の姉御が洋楽かぶれだったらしく、所有レコードの豊富さに圧倒された。なにしろドーナツ盤しか私は見た事がなかったのだから・・・
「俺、今、これが気に入ってるんだ。」と彼がかけたレコードが「LED ZEPPELIN4」と「GENESIS NURSERY CRYME」だった。今まで接した事のないジャンルの音楽が、最新のステレオ再生装置から怒濤のように吹き出てくる。13歳の少年に「天国への階段」と「THE MUSICAL BOX」は、あまりに衝撃的だった。その日を境に、私のロック小僧人生がスタートしたのであった。
彼の家に3日と開けずに通う生活が1年ほど続いた中3のある日。我家に突然、「コンポ・ステレオ」が現れた。音楽に全く興味のない親父が、誰かに唆されたか、ボーナスをはたいて購入したのだ。今でも新鮮に覚えている。テクニクスのプレーヤー、ヤマハのアンプ、トリオのスピーカー、アカイのカセットデッキ。ステレオが欲しいなどとねだった訳でもなく、親父のきまぐれからだったのだろうが、本当に嬉しかった、まぶしかった。
しばらく演歌を聴いていた父はすぐに飽きたらしく、このステレオは、すぐに息子の独占物と化した。
前置きが、なが〜くなったが、初めて私が買って、このステレオで聴いたLPがこれだ。(当然安い輸入盤)
すでにツェッペリン、ジェネシスの熱狂的Fanの私と友人。しかし、彼の家のレコードは、ほとんど姉貴の所有物であり、コレクションが完璧であった訳ではない。高価なLPを中学生がポンポン買える時代ではない。要するに彼の家に無いアルバムを購入し、交換しあうという涙ぐましい少年達の友情である。
当時の中学生で、ZepplinはともかくGenesisに嵌っている者は皆無。日本音楽界ですら、英国での圧倒的な人気にも関わらず知名度は低かった。友人と二人で、誰も知らない秘密を共有しているような優越感を味わっていた。「僕らはこんな凄いバンドを知っているんだぞ」みたいな・・・そういう意味では、友人の姉貴(女子高生)の趣向には頭が下がる
メンバーが3人になり、ポピュラー路線に大転換してからの80年代の活躍は知られる処だが、ピーター・ガブリエル、スティーブ・ハケットを擁した第2期ジェネシスは、プログレ界での孤高の存在であり、現在でも熱狂的ファンは多い。とりわけ私は、メインのガブリエルよりもギターのハケットが大のお気に入りである。
静と動。曲全体の調和を図る見事なバッキング。美しいメロディーライン。かと思えば凶暴なソロ。
とにかく、彼のギターの「音」が好きだった。適度に歪んだレスポール系の図太い音、うっとりする程延びるサスティーン、哀愁を帯びたヴァイオリン奏法、タッピング奏法の元祖!
大曲「Supper's Ready」の間奏
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
「月影の騎士〜Firth of Fifth」の有名なソロ
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
ライブの名盤。「The Knife」お気に入りの鬼気迫るギタープレイ
スタジオ録音と寸分狂わぬステージ演奏とピーカブのパフォーマンスで、当時の英国でライブバンドNO.1の座を不動にものとしていた。しかし、この曲だけはオリジナルとはかけ離れた演奏をしていたようである。(切れるピーカブと冷静な4人の対比もなかなか乙)
リリース後、ガブリエルが脱退。詩情性が稀薄になるも、根本的なジェネシス・サウンドは大きく揺らぐ事は無かった。それは、フィル・コリンズがヴォーカルをとり4人で出したTrick of the Tail (W/Dvdを聴けばわかる。
その間に、ハケットが出した初のソロ・アルバムがある。
中ジャケットも素敵
当時、LPで購入し、このサウンドに驚喜した。
サポートミュージシャンが、ピーカブを除いたジェネシスメンバーであるとはいえ、まさにジェネシス・サウンド
ジェネシスのメンバーの中で、一番ジェネシスらしさを持っていたのは「スティーブ・ハケット」だったと再認識したのである。
「Ace Of Wonnds」
その後ジェネシスは、フィル・コリンズ中心のバンドに変遷し、 ウインド&ワザリング(静寂の嵐)(紙ジャケット仕様) リリース後、彼も脱退。
当時、私は「ジェネシス初来日」チケットを握りしめ、友人と中野サンプラザホールに赴いた。(発売後、ハケット脱退のニュース)当然、ステージにはガブリエルもハケットも不在。複雑な想いでコリンズのハイトーンを聴き続けた記憶が蘇る。・・・まさか、この3人で後に全米No.1バンドになるとは夢にも思わず・・・
袂を分けたハケットは、マイペースでソロ活動を続けながら、1986年元YESのスティーブ.ハウとGTRを結成。
Genesis&YESの元ギタリストによる脅威のツィン・リード・ギターバンドだった。しかしながら、彼らが抜けた後に、両バンドが大ブレイクした焦りか、ハウ在籍のエイジア色の強いPOPな音作りに変貌してしまった。
当然の事ながらGTRは長持ちせず、ハケットはソロ活動に回帰。最近はクラシックへの傾斜を強くしながらも、ライブではジェネシスナンバーを織り交ぜつつ、いまも激しくかつ深みのあるプレイを続けている。
初めてGenesisに触れた思い出の曲「The Musical Box」 やはりこの頃の彼らは凄い
痩せてるガブリエル、長髪のコリンズ。そしてハケットの個性溢れる演奏〜金字塔じゃ〜
そして直近のハケット様
Genesis時代の『Trick Of the Tail』から「Los Endos」〜間奏にDancing With the Moonlit knightのソロ入り〜いまだ変態プレイ健在
土屋昌巳〜早過ぎた和製ロバート・フリップ??? [〜ロックの神さん〜]
ポッキーのCMで、いまだに「Y.M.O.」の根強い人気を改めて感じる今日この頃だが、80年代前半のテクノ・ポップ系の牽引車の一人として忘れられないギタリストがいる〜一風堂のリーダー・土屋昌巳である。
「一風堂」でググルと上位はラーメンチェーン店名が独占し、すでに音楽グループとしての知名度は低い。(ちなみにグループ解散後に、このラーメン屋は創業らしい)
SHAZNAが97年に大ヒットさせた「すみれSeptember Love」は、一風堂の1982年のヒットナンバーのカバーである。(一風堂にとっても最初で最期のヒット曲)この曲で「ベストテン」等の音楽番組に出演し、当時としては奇抜なファッションを身に纏った厚化粧の土屋の爬虫類顔は、ブラウン管を賑わすことが頻繁になった。このメディアへの露出パターンが、彼の音楽的評価以前に「キワモノ系」という印象を一般視聴者に強く与えた事は否定できない。(一部の熱狂的ファンは別として)
「Night Mirage」(1983年)
一風堂:土屋昌巳(vocal,guitar,etc.)
見岳章(keyboard,synthesizer)
GUEST:スティーブ・ジャンセン(drums)
パーシー・ジョーンズ(bass)
リチャード・バルビエリ(synthesizer solo)
一風堂最期のオリジナルアルバム。
1979年グループ結成当時は4名だったメンバーもこの頃は、土屋・見岳の2名のみ。しかしながら、サポートメンバーが凄過ぎる!
JAPANのS・ジャンセン、R・バルビエリとBRAND-XのP・ジョーンズとは・・・
一風堂の音源で市販されているのはベストアルバムのみ。
各オリジナルアルバムは、COMPLETE BOXとしてCD化されたが、生産数限定の為、今では入手困難である。
LPの中はこんな感じ。
歌詞カードの裏にはメンバー2人のPhptoと、何故か土屋昌巳写真集の注文票が・・・一体、誰が買うんじゃい?
しかし、中身の音楽はとてつもない。まさに美しすぎる・凄すぎる
彼らが造り出す摩訶不思議な音宇宙に酔いしれ、このLPは当時の私の最愛聴盤となった。
ベスト盤に収められていないオープニング曲「Plants' Music」(プランツ・ミュージック)
土屋の呟きが聴こえる、ほぼインストメンタルなNumberだが、初めて聴いた時は、70年代のB・イーノ+R・フリップの共同作品を彷彿させた。
他にも「ロンリー・シー・ライオン」「ドリーム・オブ・ジプシーズ」など名曲ぞろい。
一風堂のオリエンタル・テクノポップをベースに前衛ブリティッシュのくせ者達が色を添える。
Y.M.O.の電気音楽にはない、血の通った詩情性テクノであり、MUSICIAN達の高度な演奏技術がそれを完璧に表現している。
土屋昌巳が一風堂時代に到達したテクノ・ポップ・ロックの最高峰の作品だと思う。
さらにもう一枚。「NIGHT MIRAGE」発表の約1年前。
土屋のソロ・アルバム「RICE MUSIC」
土屋昌巳(vocal,guitar,synthesizer,etc.)
スティーブ・ジャンセン(drums)
パーシー・ジョーンズ(bass)
ミック・カーン(bass)
坂本龍一、ビル・ネルソン
この頃から、ヨーロッパのミュージシャン(特にJYAPANメンバー)との交流が始まっていたようだ。
ミック・カーン(JAPAN)とビル・ネルソン(BE BOP DELUXE)も参加ですよ〜
変態ダブルBASSの違いも聴き処ではあるが、楽曲群が強烈にオリエンタル色を全面に押し出していると共に、ギタリストとしての土屋の個性も全開である。
「せっせっせ」(SE!SE!SE!)
まさに和製ロバート・フリップかエイドリアン・ブリューか
坂本教授との共作「KAFKA」
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
土屋昌巳という、当時では類い稀なる感性と卓越したギター・テクニックを兼ね備えた音楽家の偉大なる足跡。
下手に「すみれSeptember Love」がヒットせず、土屋がもう少し哺乳類的容姿であったなら、一風堂の名は後世にまで残り、「土屋昌巳」は「坂本龍一」と並ぶ音楽家として評価されたのではあるまいか。
※すべてアナログLPからのうpですので、我が稚拙器材では最良の音質は望めません。あしからず。
土屋全作品の再復刻CDの発売を期待してやまない・・・
〜Marc Ribot〜(其の弐)ひとりよがりの天才ギタリスト [〜ロックの神さん〜]
注文していたMarc Ribotの新譜がようやく届いた。
題名から「今回はおとなしめの演奏かいな?」と推測していたが、ここまでとは・・・
ギター一本勝負です。しかも8割はアコギによるソロ演奏。
この聴衆に媚びない、ひとりよがりな態度。彼のオリジナル・アルバムは常にこんな感じである。
期待を大きくしたら負けなのである。だから好きである。
しかし、今作も素晴しい演奏ではあるが、常に聴いていたいアルバムでは確かにないな。
やはり私は、リーダーアルバムより、サイドマンとして一歩引いた処で目一杯目立とうとする彼の態度(演奏)が一番心地良い!
私のお気に入り
吉本興業が誇る異色のシンガーソングライター・FAYRAY。
小生の歌姫基準からするとヘタウマ系に属するが、けだるい声で激しく歌うスタイルは、男心をくすぐります。
このアルバムに何故かMarc Ribot先生が参加。。楽曲がNew York録音と国内録音に分かれており、前者でのギター全般を彼が担っている。このNew York収録の地元スタジオ・ミュージシャン達の演奏が素晴しく、特にMarc作曲の2曲は白眉。私好みのRibot節が大炸裂!
Nostalgia(抜粋)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
Shame(抜粋)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
妙なテクは一切ひけらかさず、人の気持ちの腫れ物を「ザラッ」と落としてくれるようなサウンド!
こんなかっこいいリフを弾いてみたいもんだ。
で、もう一丁
あのRobert Plantが、彼の音楽ルーツであるカントリー・ロックに先祖帰りした作品。お相手はブルーグラスの女王Alison Krauss。
Zeppelin時代の往年シャウト唱法は封印してというか、「もうあんな高音は出ねぇよ」と割り切った風のマッタリ・ヴォーカルが、彼の新境地を切り開いた。癒され指数90%の作品。
このアルバムにもMarcが参加しております。さすがにプロデューサーでもある大御所ギタリストT・Bone Burnett様が居られますので勝手な行動は許されず、地味ぃ〜なプレイに徹しています。それでも4曲目の「Polly Come Home」などで彼らしいプレイが垣間見れます。
それでもLIVEともなると、一時周りが見えなくなり、このメンバーでも突然ぶっ切れた演奏をします。
名曲「Black Dog」 渋いアレンジだ
バンジョーからE・ギターに持ち替え、ピック代わりにキィーホルダーとか携帯電話を使っています。
やっぱり変なギター弾きです。このおっさんは・・・
疾走する正統HM/HIPHOP〜SOURCE〜木村創 [〜ロックの神さん〜]
私の音楽原点であるLed Zeppelinが解散した1980年以降、所謂HR/HM系は全く聴かなくなった。80年代を席巻したLAメタルを筆頭にした奔放なまでの明るいサウンド。鬱屈した湿り気を持つブリティッシュ・ロック育ちの自分には、到底それを受け入れる余地はなかった。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら(イントロのみ)
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら(間奏部分)
「ギターは速く弾きゃぁ、いいってもんじゃねぇんだ!オープンコード一発で、聴く者の心を鷲掴みにするんでぇ!!」
時は流れ、日本のロック界にも新潮流が・・・hip hopの枠を超えたロックバンド「Dragon Ash」が登場し、「ニッポンにも凄い奴らが出て来たわい。」などと思いつつMOB SQUAD(2003年)を試聴。DAを中心にした新レーベル傘下の3バンドのオムニバスアルバムだったのだが・・・
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
俺の好きな音だぁ!!!
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
気持ちいいギターじゃぁ!!!
SOURCE 黒兄(MC)
ONO-G(MC)
Kentaro(BASS)
渋谷憲(DRUMS)
木村創(GUITAR)
hip hopがベースなのだが、サウンドが3ピースの懐かしの“ハード・ロック”なのだ。とにかく木村のギターの音が良い〜適度に歪んだ重低音、アタックのメリハリ。超絶技などひけらかさずに、ビートに乗って音の洪水を操る。また、ラッパーという類いには、それまであまり縁がなかった親爺であったが、この2人のヴォーカルは心地良い。そして歌詞が若者らしくポジティブなのが、音の傾向ともベストマッチ。
『Potential』
早速、彼らのオリジナル・アルバムを購入。
やはり、このSOUNDの中核は木村創のギターだ。
永らく味わっていなかった腑に突き刺さる音を、胸の高鳴りを、こんな若いhip hop系の名も無きバンドから戴こうとは思いもよらなかった。 70年代ロック親爺は大感激!
『道しるべ』
これから先が楽しみなBANDが現れたと、喜び勇んでいたところ、翌年ニューアルバムを発表。
Daily Report ・・・「げっ、音が変わっている〜」・・・なんと、木村はこのアルバム制作中に脱退していたのである・・・洗練度とpop感が飛躍的に増し、完成度の高い作品なのだが・・・
その後、SOURCEはさらに音楽的進化を遂げ、評価も高まり、一部に熱狂的なFanを作っていったが、2007年解散。
私の惚れ込んだsoundに回帰することなく消えていった。
木村く〜ん、何処にいったんだぁ〜い。
ギタリスト木村創の置土産 『STEPPIN`RALLY』
木村君の行き先をご存知の方はご一報を・・・