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デヴィッド・ボウイの新作を聴く [〜ロックの神さん〜]

引越間際なので極力、私物は増やしたくないのだが、巷の評判の良さに思わず、密林ポチッなのです[ひらめき]
 
 
デヴィッド・ボウイ10年ぶりの新作 
 
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The Next Day

  • アーティスト:david bowie
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2013/03/12
  • メディア: CD
 
ロック・アルバムの新作では久方ぶりに胸躍る大傑作である[exclamation×2] 
 
デヴィッド・ボウイの発表したアルバムは今作で27枚目。私が所有する作品は僅か3枚なので、熱心な彼のリスナーとは云えない。エキセントリックなファッションと時代と共に変わる音楽性に、私自身が着いていけなかったというべきか。それでも、ブライアン・イーノを迎えての『ベルリン3部作』の中の「Heroes」と「Low」(1977)だけは、私の愛聴盤なのである。
 
10年間の沈黙を破っての新作、いや復帰作と呼んでよい「THE NEXT DAY」は、秘密裏に2年間に亘って製作され、突如、彼の誕生日3月13日にリリースされた。
 
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新作のジャケットは、最高傑作と云われる前述の「Heros」のジャケットの中央部を白く塗りつぶし、ボウイの顔を隠した違和感を感じずにはいられない代物。
 
しかし、その内容たるや、絶頂期の36年前の自分に挑戦する御年66歳のデヴィット・ボウイという一人の天才アーチストの生き様を曝け出した、の音楽絵巻である。
 
 
 
全17曲、ボウイ自身の書き下ろし。(私の購入アルバムはボーナストラック3曲付きなので)
そのすべての楽曲が、非常に練り込まれた純度の高いロックである[パンチ]
往年の彼のサウンドには、常にポップ&クールで、やもすると軽い印象がつきまとうのだが、今作はクールを装いながら、音は分厚く、とにかく”熱い”サウンドだ。永年の活動で培われた多様な音楽表現を旺盛に取り込んだボウイ・サウンドを、一流のバック・ミュージシャン達が「ざらっとした手作り感」を残しながら紡いでいく。
的確なリズム・セクション、図太いサックスの唸り、70年代を彷彿させるE・ギターの響き、センス溢れるストリングスの活用、ファンキーなコーラス・・・そして何よりも、ボウイの哀愁溢れるヴォーカルの美しさ。
アルバム全体のバランスを考慮した曲の構成・配列も見事で、アッと云う間に1枚を聴き終えてしまう。その後には、えも言われぬ幸福感に、私は浸ってしまうのだった。
 
デヴィッド・ボウイを知らない世代、彼に興味を持てなかった人でも、ロック・ファンであれば必ず聴いてもらいたい作品だ。なにしろ66歳の、普通なら好々爺の年代ですよ[がく~(落胆した顔)]それが、このパワーとセンス[exclamation&question]
 
孤高のロックンローラーはいまだ健在、更に進化中[ぴかぴか(新しい)]
 
ティルダ・スウィントン(これまた私の好きな女優さん[黒ハート])との共演のMV
アルバム3曲目「The Stars」 
 
 
 いやぁ〜こんな風に格好良く歳取りたいなぁ〜
 
 
Rise & Fall of Ziggy Stardust: 40th Anniversary

Rise & Fall of Ziggy Stardust: 40th Anniversary

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin Records Us
  • 発売日: 2012/06/04
  • メディア: CD
Low

Low

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin Records Us
  • 発売日: 1999/08/26
  • メディア: CD
Heroes

Heroes

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Virgin Records Us
  • 発売日: 1999/08/26
  • メディア: CD
41年前のデヴィッド・ボウイ 
 『Starman(1972)』
 
 
 
私の愛聴盤「Low」から好きな曲
『Sound and Vision』(ほとんど歌ってないけど[あせあせ(飛び散る汗)]) 
 
 

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アメリカ女子プロレス事情第4弾 [キューティー・ブロンド病棟]

名古屋への引っ越しに向けてばたついている内に、すっかり更新が滞っておりました。
そして、よ〜く見ると今回が「300本目」の記事投稿ではありませんか[ひらめき]
やはり記念すべき節目の回は、小生の悪趣味路線を披露せねばと...という事で、久々のプロレス・ネタです[あせあせ(飛び散る汗)] 
 
 
 
暫く、アメリカ女子プロレスから遠ざかっておりました。
それは、何を隠そうあの暴走破壊マシン「Kharma」が産休の為、DIVA戦線離脱。
(流産し、1年後に復帰。男子プロレスに1戦参加するも、その後WWEから解雇される)
 
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愛しのブロンドマドンナ達も相次いで引退。
 
マリース
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ケリー・ケリー
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そして、一世を風靡したWWEのDIVA路線にも翳りが見え始める。
ブロンドDIVAの居ない女子プロレスなんて...何を愉しめと云うんじゃ[ちっ(怒った顔)]
...と嘆いていた矢先に、衝撃の映像が・・・ 
 
 
 
女子レスラーと思しき愛くるしい小柄な褐色の美女が、おぞましき巨漢の覆面レスラーに、突如の「接吻攻撃[exclamation&question]
そして、このお嬢さん、結構打たれ強い上に、めちゃめちゃ体が柔らかいのです[がく~(落胆した顔)]
 
 
 
外見の可憐さから想像もできないエロいKiss[キスマーク]、逆蛇固めでの苦悶の表情
[かわいい]むふっ〜堪りません[かわいい]
[揺れるハート]惚れた[揺れるハート] 
 
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AJ・Lee・・・相次ぐスター選手の引退により、いまやWWEの看板レスラーになりつつある身長157センチの小悪魔チャン。可愛い外見からは想像もつかないが、結構な苦労人のようで、大学の学費稼ぎの為、「学生レスラー」として、マイナーな地方のプロレス団体でデビュー。華奢な体格にもかかわらず、小気味良いファイトでチャンピオンに君臨。2009年にWWEと契約、DIVAの仲間入りを果たす。当初は、悪役組の下っ端という役回りだったが、後にDIVA正規軍のケリー・ケリーの妹的存在となっていく。
 
ケリー・ケリー人気絶頂期でのAJとのタッグ戦
ケリーの必殺「お尻スリスリ攻撃」は5:20から[ハートたち(複数ハート)]
 
  
この頃は、完全にケリー姐さんの引き立て役だったのだが、美貌DIVA達の相次ぐ引退により、WWEはAJを次期のスターに祭り上げる戦略をとる。しかし、それは、AJのリング上の華麗なファイトを全面に押し出した手法ではなく、彼女を屈強の男子レスラーを手玉にとる小悪魔に仕立てるものだった[がく~(落胆した顔)]
 
 
 
 
 
元々は、ダニエル・ブライアンという世界王者との仲睦まじい恋仲がスタートだったのだが、彼の対戦相手をことごとく誘惑しまくり、血で血を洗う男子レスリング界の抗争をエロエロなピンク色に染め上げてしまったのだ[パンチ] 
 
WWEの起死回生の一発[exclamation×2] 翳りの見え始めた女子プロレスは人気を回復、武骨な男子レスリングに恋愛ドラマを押し込んで新しいファン層獲得を成した。
そして、WWEがラストに用意した筋書きは、AJが真の愛に目覚め、ダニエルの元に戻ってのリング上での結婚式。
まさに、学園恋愛ドラマ並みのハッピーエンドと思いきや...
 
 
 
挙式中に突如WWE会長が登場。AJをRAW(WWEのTV部門)のゼネラル・マネージャーに任命してしまう。
彼女は「それなら、こんな男と付き合ってられないわぁ」と、簡単に婚約破棄、笑顔でリングを去っていく。荒れ狂うダニエル。
 
こんなハチャメチャなショーを、堂々と毎週テレビ中継するWWEに対し、小生はアホくささを通り越して、アメリカ・ショー・ビジネスの奥深さに感無量なのである。モデル級美女ばかり集めた華やかなDIVAの戦いの人気ぶりに満足せず、Kharmaを投入してDIVA達が無惨にのたうち回る残虐路線を演出。それが失敗に終わるや、男子プロレスを巻き込んでの破廉恥な愛憎劇に転化させる。まさに観るものを飽きさせないショーマンシップの王道
 
果たして、AJが真の幸福を掴むのはいつの日か[exclamation&question] 貧乏学生から一躍、シンデレラ・ガールに登り詰めた褐色の美少女の運命は如何に・・・またまた米女子プロレスから目が離せなくなった[ぴかぴか(新しい)]
 
 
 
 

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名古屋へ!!! [ざれごと写真日記]

この食べ物は一体何でしょう[exclamation&question]
 
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[かわいい]『みそかつ丼』[かわいい]
 
そう、ここは名古屋
 
実は4月1日付けで「名古屋支社転勤」を言い渡されました。
充実した大阪生活に僅か1年で別れを告げるのは残念だが、こんなオッサンにも請われる仕事場があるのは幸せな事であり、早くも気持ちは「中京モード」発動[パンチ]
 
本日は名古屋生活での拠点となる「家探し」なのです[exclamation×2]
「衣食住」ではなくて「居・食・職」の充実を旨とする小生にとって、単身での住環境は大事にしたい。
 
事前に通勤距離、間取りを優先条件にNET検索した希望物件を伝え、現地の不動産さんに向かう。
現れた担当者は、身長150センチに満たないトランジスタ・グラマーのお嬢さん〜愉しい一日になりそうです[揺れるハート] 
第一希望だった物件が、一日遅れで契約済みとなっており、少々落胆するも、彼女の運転で候補のマンションを次々と廻る。やはりNET検索と実際に訪れるのは大違いで、なかなか納得に足る物件に巡り会えない。
予定の6軒を廻り切り、夜の帳が下りて来る。妥協して決めなければいけない状況になって来た。
 
「4軒目の街の雰囲気が好きなんだけど、あの近所に他のオススメが無いかなぁ?」
プルプル胸を奮わせながら、心当たりを見つけたような彼女が電話で業者に確認を入れる。
「一部屋、即入居可がありましたよ、行ってみましょう!」
 
[ひらめき]決めましたぁ[ひらめき]
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間取りもさることながら、近所の雰囲気が我が東京下町の薫りなのです。
地面は平坦(重要[あせあせ(飛び散る汗)])、老舗の喫茶店、道路に野菜を並べるスーパー、所々に佇む渋いご飯屋の数々。
少々最寄りの駅まで歩こうが、北向きだろが、問題なし。目の前に寺院があるのもかえって、私には魅力だ。
 
閃きのグラマー嬢に感謝し、「即、入居申込」完了。
 
帰り道、繁華街の栄町で冒頭の夕食を摂る。
 
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母の親方が三河出身の為、幼少期から我家の味噌汁は「八丁味噌」が多く使われていた。
ゆえに、あの濃〜いしょっぱさが案外好きな小生にとって、得体の知れない外見の味噌カツにも涎ダラダラなのです。
 
新幹線の待ち時間。子供舌の私は喫茶店でケーキセットを頬張る。名古屋は甘味も極度に充実している。
 
名古屋新名物・「ぴよりん」
名古屋コーチンのひよこプリン
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今から楽しみな「名古屋の食」・・・高血圧には気をつけねばならない[ダッシュ(走り出すさま)]
 
大阪宅に戻り、東京の妻に連絡。
 
「ああ〜決めたんだぁ。良かったね。でも、あなたが大阪でも名古屋にいても、こっちの状況は変わらないけどね。たまには伺いますわ」
 
どうせ転勤なら東京に戻ってきて欲しかった妻からすれば、今回の異動は少々残念らしいのだが、此処まで来たら、私としてはせっかく手に入れた気侭な単身赴任生活を更に謳歌したいのだ。
 
憂鬱なのは引越だけだ。
昨年の今頃、「毎月、大阪に行きたい」と云っていた妻に合わせ、大阪宅には食器・布団は二人分、 女性用の下着、シャンプー、生理用品に至るまで単身にしてはモノが多すぎるのだ。しかも当然、引越の手伝いに来る気配は無い。
ちなみに、彼女はこの1年で3回しか来なかったけど・・・[ふらふら]
 
 
◎おまけ 
 
帰宅した自宅のポストに先日注文していた輸入サントラCD[るんるん]が密林から到着。
蘇る「世界にひとつのプレイブック」の感動[グッド(上向き矢印)]また、独り悦に入っておりました。
 
Silver Linings Playbook

Silver Linings Playbook

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Masterworks
  • 発売日: 2012/11/20
  • メディア: CD
 
 
7曲目「Monster Mash」~ CrabCorps(全く無名の新人バンド)
 
 
 
 こんなチープなGuitarのマッタリ感もいいなぁ[キスマーク]
 


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『横道世之介』 [上映中飲食禁止じゃ!]

 
先週のジェニファー・ローレンスに続いて、心トキメク女優に出会えた幸福[黒ハート] 
 
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監督:沖田修一
脚本:前田司郎
原作:吉田修一
撮影:近藤龍太
美術:安宅紀史
音楽:髙田漣
主題歌:ASIAN KUNG-FU GENERATION 
 
出演:高良健吾 吉高由里子
池松壮亮 伊藤歩 綾野剛 朝倉あき 黒川芽以 
柄本祐 佐津川愛美 堀内敬子 國村隼 きたろう 
井浦新 余貴美子
 
1987年。長崎の港町生まれの18歳、横道世之介(高良健吾)は大学進学のために上京。人の頼みを断れないお人好しな彼だったが、嫌みのない図々しさが人を呼び、倉持一平(池松壮亮)や加藤雄介(綾野剛)、そしてガールフレンドの与謝野祥子(吉高由里子)たちと共に大学生活を過ごしていた。やがて世之介に起こったある出来事から、その愛しい日々と優しい記憶の数々が呼び覚まされていく……。(goo映画より) 
 
 
吉高由里子に惚れ申したぁ[黒ハート]
 
 
吉高由里子・・・多数のTVCM出演から気になっていた女優さんなのだが、銀幕で彼女を観るのは初めてだった。
2年程前のハイボールのCMが印象深かったのだが、「関根麻里もずいぶん可愛くなったなぁ〜」と、当初は人違いする程度の興味だった。スタイルは小生の好みの基準値を下回る「ぽっちゃり系」だが、とにかく「この笑顔」だけには何故かしらそそられるモノがあった。 
 
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実は先日、偶然にTV番組「そうだ旅(どっか)に行こう。」を観た。突然休みをもらった吉高と共演者の高良健吾が、一日だけふたりで九州での休日を愉しむという企画だった。
プライベートの吉高がめちゃくちゃ可愛い[揺れるハート] もつ鍋を左手でつつきながら、ガンガン酒を飲み、繰り出される関西弁が実に良い〜[exclamation]高良を少々おちょくりながらも、男を立てる姿がまた良い[exclamation×2]そして何よりも「笑顔」が底なしに良い[ぴかぴか(新しい)]
てな具合で、急遽この作品の鑑賞となった訳です[あせあせ(飛び散る汗)]
 
舞台は1987年の東京。
オープニング〜新宿東口を闊歩する女性達の髪型『トサカ前髪』を見ただけで、一気に私も学生時代にタイムスリップ。
主人公・横道君はW大を落ちて心ならずもH大に入学。某M大OBの小生も同じ負い目の境遇の為、これまた一気に彼に感情移入。
ここから、横道世之介の学生生活が描かれていくのであるが、実は彼の当時の友人達の回想録という形でストーリーは進んでいくのである。この辺の演出が非常に巧みで、観客は変人・横道君の21世紀の姿を早く見たいと、思わずにはいられなくなるのである・・・
 
吉高由里子が序盤にはなかなか登場せず、少々ヤキモキしたのだが、「深窓の天然お嬢様」の設定で運転手付き高級車で現れた場面はまさに衝撃的。スクリーン一杯に華が溢れんばかりの存在感[パンチ]
 
今、日本で一番ワンピースの似合う女優は、間違いなく吉高由里子である[決定]と確信した
 
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 決して長くはない脚線と子供っぽい膝小僧を露にする潔さと女性らしさ
八頭身美人の外人さんには真似の出来ない芸当〜和の美である
最近はワンピースを着こなした女性に遭遇する機会がやたら減っている
日本女性は、スタイルを気にせずもっとワンピースを着て欲しいな 
 
初デートの場面の愛くるしさ
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海辺での楚々とした雰囲気
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病室でのはにかんだ笑顔
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彼女が「天然笑顔」だけが専売特許の俳優では無い事を証明した演技の数々に脱帽と共に、ベタ惚れ[黒ハート]
 
未読である原作からは、割愛されたエピソードも多いと想像されるが、ひとりの青年の青春期を語るには十分の内容、演出であったと思う。マンモス大学での育ちも境遇も違う友人との出会い、初めての大人の恋、故郷への想い、年上の女性への憧れ、そして自分が進むべき道の発見。何十年と会わなくても、友達達の記憶の中で息づいている君の姿。一風変わった天然系の青年・横道世之介の学生生活(当時の小生と比べると随分、健全ではあるのだが)の煌めく人生の一コマ。
そう、君が居たから僕の青春時代も光輝いている[ぴかぴか(新しい)] 
 
80年代を大学生として過ごした我々世代には、ノスタルジーに傾き過ぎるきらいはある作品だが、甘酸っぱい想いと共に、知らぬ間に「大人〜オヤジ」になってしまった自責と自尊の入り混じった気持ちが沸き上がる。
巧みな演出とついに現れた日本のマドンナにより、極上の青春ドラマは、人生の在り方を、切なく優しく我々に語りかけてくれた。  
今の子供たちにも、多くの友人と巡り会い青春を謳歌し、大人になっても限り或る人生を精一杯生きて欲しいと願うのである。
 
さぁ春だ[exclamation×2] 若き娘たちよ、ワンピースを着て町へ出よう[ぴかぴか(新しい)]
 
 
 

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『奪命金』&『王になった男』 [上映中飲食禁止じゃ!]

中国・韓国・・・隣国の佳作を2本続けて鑑賞[目]

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監督・製作:ジョニー・トー
 
出演:ラウ・チンワン リッチー・レン 
   デニス・ホー ミョーリー・ウー 
   ロー・ホイバン ソー・ハンシェン  
   パトリック・クン テレンス・イン
 
世界有数の金融都市・香港。香港警察のチョン警部補は、妻に新しいマンション購入をしつこく相談されていた。また、銀行員のテレサは、中年女性客にリスクの高い投資信託を売りつけていた。そんな中、ギリシャで債務危機が発生。瞬く間に金融資産が急落し……(ぴあ映画生活より)
 
 
香港ノワールの第一人者ジョニー・トー[exclamation×2]
 
エグザイル/絆」「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」では、漢(おとこ)の哀歌(エレジー)に痺れっぱなしだった。
 
その巨匠が、十八番のマフィア闘争ではなく、金融バブルに狂奔するホンコン・シティの人々を、独特の醒めた視線で熱く熱く描いていく[パンチ]
 
 
「奪命金」・・・まさに字の如し。カネが命を奪う物語だ。3人の主要人物が死線を彷徨うことになる。
 
 永瀬正敏と見紛うリッチー・レンが熱血刑事を
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永六輔の若い頃と思ったラウ・チンワンが義理堅いチンピラを
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 室井佑月に激似の香港の歌姫デニス・ホーは、ノルマに追われる銀行員を
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三者三様の生き様を醒めたカメラアイで鮮烈に刳り出す。
 
二十数年前に日本国バブルを目の当たりにした私としては、一昨年、今作の舞台を襲った香港バブルの狂奔ぶりには納得するばかり。お国は違えど、カネが人を狂わせるのは人類共通。
そういう私は、当時新婚早々のペケペケサラリーマンだったので、投資する資金などあるはずもなく、世の中の過熱ぶりを横目で見るしかなかった。所謂、バブルの恩恵も受けなかったが、バブル崩壊の傷を受けなかった小市民の部類だ。だが、思い起こせば、仕事ぶり以上にボーナスは多かった気がするし、確かに遊び方は「バブル」であった[ふらふら]
 
3人の主人公、刑事・ヤクザ・銀行員は、元々は金銭に執着しないタイプとして描かれている。
チョン刑事は妻が不動産バブルに嵌り、パンサーは金の亡者の親分に信義を尽くし、テレサ銀行員は金に目が眩んだ顧客と売上至上主義の会社の間で揺れ動く。
 
環境がまるで違う3人が、或る事件を契機に、点が線に結びつくがごとく繋がっていく様は、まさに見事な演出と云わざるを得ない。ギャング映画で培われた緊迫感溢れる描写が、今作でも息づいている感じだ。
生真面目な銀行員テレサが、大金を横領する心理に到る場面、パンサーが親友を助ける為の最後の大博打...金の為に命をすり減らす愚かな人間の姿を、シリアスに描けば描く程コミカルに見せていくジョニーの独特の語り口に、自然と惹き込まれていく。
ラストシーンの刑事夫婦のハッピーエンドは、その極致であり、急成長を遂げる中国経済への大いなる皮肉だ。
 
異色の金融サスペンス[exclamation×2] ジョニー・トーの新境地である。
 
 
 
 
続いては韓国歴史大作。
 
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監督:チュ・チャンミン
脚本:ファン・ジョユン
撮影:イ・テユン
音楽:モグ キム・ジュンソン
 
出演:イ・ビョンホン 
リュ・スンリョン ハン・ヒョジュ キム・イングォン
シム・ウンギョン チャン・グァン 
 
1616年.李氏朝鮮第15代王・光海君(イ・ビョンホン)は暴君として恐れられるその裏で、権力争いにより暗殺されるかもしれないと怯えていた。ある日、光海君が病に伏せ、妓生宿で腐敗した権力の風刺をしていた道化師のハソン(イ・ビョンホン/二役)が連れてこられる。重臣たちは光海君と瓜二つであるハソンを王の影武者として仕立て上げた。偽者ではないかと疑う家臣たち、急に人が変わったような王に戸惑う王妃。様々な思惑が潜む宮中で、ハソンは次第に傀儡ではなく自らの意志を持ち民について考える真の王として周囲を魅了していくが……(goo映画より) 
 
韓流スター主演の歴史ドラマ。
劇場内のまばらな観客席の大半は「大阪のオバちゃん」に占められていた。
 
イ・ビョンホン・・・名前は聞いた事があるが、どうも顔が思い浮かばなかったのだが。う〜ん、どう見ても私にはネプチューンの原田泰三にしか見えないので、人気の理由が理解できない。逆に言えば、日本の原田君はここまでオバちゃんのハートを鷲掴みはしていない。
まぁ、その辺が韓流の韓流たる由縁なのだろうが...
 
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一言で云ってメチャクチャ「愉しい」映画だ。長尺131分が、あっという間だった。
 
国王の影武者として登用された町の芸人が、腐敗した政治を目の当たりにし、真の国王たる政(まつりごと)を行っていく姿を、ドラマチックかつコミカルに描いた作品だ。チャップリンの名作を彷彿させる韓国版「独裁者」という感じか。
 
暴君と化した光海君と道化師ハソンの二役を演じたイ・ビョンホン。オバサマ達がゾッコンも納得の芸達者ぶりだ。
暗殺に怯える冷酷な国王の狂奔ぶりから、身代わりに仕立て上げられた人柄だけははいい道化師の困惑を対照的に魅せてくれた。特にソハンが、見知らぬ宮廷のしきたりに戸惑いながらも、徐々に国王に成り切っていく過程は、洒落た演出共々、観る者の心を引き込んでいく。憧れの韓流俳優が、女官達の見守る中で、排便をする姿を見せられた日にゃ、オバちゃんは嬉し恥ずかしで卒倒〜てな具合なのです。
冗談抜きで、イ・ビョンホンの魅力は、シリアスからお下品な演技までこなす美男子ぶりな所なのだろう。その観点からすれば、私にはなおさら、彼が「原田泰三そのもの」に見えてしまうのだが... 
 
主役の個性を引き出す脇役陣が、これがまた魅力的でストーリーを大いに盛り上げる。
影武者起用の立役者で、国王の側近政治家・ホ・ギュンを演じたリュ・スンリョン。国王の世話役でチョ宦官のチャン・グァン。二人だけの秘密〜「王様は偽物」〜を必死で守り抜こうとすればコミカルになっていく様を抑えた演技で表現。そして、いつしか二人は、「民の為の政治」を必死で訴える影武者ソハンの姿に、腐り切った宮廷政治の中での一筋の光明を見るのであった。
 
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王妃役ハン・ヒョジュ。清楚さと気の強さは、韓流女優の定番だが、美しいモノは美しいのじゃ[揺れるハート]
 
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偽国王ソハンの治世により、宮廷内が徐々に変わり始めた矢先、危篤中だった本物の光海君が目を覚ます。 
悩むホ・ギュンとチェ・・・本物を廃した方が世のためでは・・・更に既得権保持に燃える汚職高官達の陰謀が渦巻いていく...ソハンの運命は如何に[exclamation&question]
 
後味も爽やかな極上の韓流エンターテイメント[ぴかぴか(新しい)]
映画的な深みには欠けるが、自然体で鑑賞すれば、素直に愉しい映画だった。
朝鮮の深き歴史と階級社会の源泉を醸し出しながら、韓国一流俳優の好演と美しい映像がたっぷり味わえます[わーい(嬉しい顔)]
 
 
 

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