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「アンコール!!」 [上映中飲食禁止じゃ!]

  
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監督・脚本:ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
撮影:カルロス・カタラン
音楽:ローラ・ロッシ
主題歌:セリーヌ・ディオン
 
キャスト
テレンス・スタンプ バネッサ・レッドグレーブ
ジェマ・アータートン クリストファー・エクルストン
 
無口で気難しい頑固者のアーサーは最愛の妻マリオンにだけは笑顔を見せる。マリオンはロックやポップスに挑戦する合唱団“年金ズ“に所属していて国際コンクールのオーディションに出場する予定だったが、ガンが再発。アーサーは妻の代わりに練習に行くことに...(ぴあ映画生活より)
 
最近、この傾向の映画に弱いです[もうやだ~(悲しい顔)]
堅物の夫と快活な妻・・・老夫婦の穏やかな愛情溢れる物語。
 
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社交的な妻・マリオンは持ち前の明るい性格で誰からも慕われる。
一方の夫・アーサーは、他人と交わる事を嫌う全く面白みに欠ける朴念仁
 
病弱なマリオンではあるが、今や老人合唱団のマドンナ的存在となり、精力的に老後生活を謳歌している。
そんな妻の合唱練習に無愛想に送迎を繰り返すアーサー。彼の生活の中心は「妻の介護」であり、残りの時間は無為な博打に費やす。
この対称的な老夫婦の描き方が実に秀逸。無邪気に老後生活を愉しむ妻を、苦虫を噛み潰したような表情で常にサポートする夫。
「こんなくだらないお遊びに無駄な体力を使わんで、のんびり長生きしてくれよ」
「こんな私にかかりっきりにならないで、あなたも自分の人生を楽しんでよ!」
実際の会話にはならないが、お互いを慈しむ愛情がテレンス・スタンプとバネッサ・レッドグレーブの名演により柔らかく浮かび上がってくる。
 
若い頃、勝手気侭に家族を省みずに暮らしていた夫が、老境に差し掛かった或る日に妻が倒れる。今まで、当たり前のように常に快活に家族を守っていた女房の、かつて見た事の無い弱々しい姿。その日を境に、亭主の生き甲斐は「妻の笑顔」に変わるのだ。
 
我が夫婦も辿るかもしれない道筋が、目前のスクリーンが展開され、何とも身につまされる想いに陥った。 
 
物語は、妻の癌の再発によるアーサーの微妙な心理の変化を描く展開となる。そして竟に、妻との永遠の離れ。
生き甲斐を喪失したアーサーは、人生の最終コーナーで「自分探し」の旅への一歩を果たして踏み出せるか?
 
この不器用で鼻つまみ者のジジイの背中をそっと押す合唱団の先生役にジェマ・アータートン。
 
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 清潔感溢れる色気がGood[ハートたち(複数ハート)]
 
 「007 慰めの報酬(2008)」でのボンドガールが記憶に新しい
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後半からラストシーンまでは、お決まりのお涙頂戴パターンなのだが、「判っちゃいても素晴しい」テレンスの演技。堅物ジジィが、人生に思い悩む青年のように揺れ動きながら人生の再出発に踏み出す様を、「男は何歳になっても幼稚な子供」の姿を、喜怒哀楽を胸の内に仕舞い込み、味わい深く魅せてくれた。
 
断絶していた息子との和解、知らなかった自分自身との出会い・・・それを獲得するのに必要だったものは、ほんの少しの勇気、それが亡き妻が残してくれた最期で最高のプレゼントだったのだ[ぴかぴか(新しい)] 
 
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家庭を省みなかった旦那衆には、というか小生には耳が痛い作品なのだが、根底に流れる夫婦愛が絶対的であり、洒脱な演出も心地良い佳作である。
 
女房よりかは先に逝きたいと願うワガママで意気地なし亭主の小生なのだが、ちょっと私も勇気をもらった作品でした。挿入音楽も素敵です[わーい(嬉しい顔)]
 
 
 
 

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