「爽快?チロルの旅へ」③イタリア前編 [ざれごと写真日記]
インスブルックから、山道のヘアピンカーブを約2時間ぐるぐる何十回と蛇行しながら「オーバーグルグル」という洒落みたいな名の村に入る。そこからゴンドラを乗継ぎ、「ホーエムート山展望台」に登る...のだが、本日も雨
欧州全体を覆う低気圧が一向に動く気配が無い事を、既にツアー客全員は知っており、「一瞬でも晴れ間が見えれば儲けもの」みたいな前向きな失望感と妙な連帯感に山道を登るバスが包まれてくる。
やっぱり曇ってま〜す
風も強過ぎて、全員早々に展望台レストランに退避
と、店内の個室で結婚式が催されていた。この地方伝統のチロリアン衣装を纏った新郎新婦は、幸か不幸か、見ず知らずの東方からの異邦人達の温かい祝福を受ける事になる
昼食後下山、今ツアーのハイライトである世界遺産ドロミテ渓谷に向かう〜イタリア入国だぁ
4時間バスに揺られ、ドロミテの原風景と呼ばれる「サンタ・マッダレーナ村」に到着。
未ださほど観光地化されていない山村の宅地を抜け、小高い丘を徒歩で登る。漸く雨が上がり、つい今まで、ジャケット無しでは肌寒かったのが、額に汗が滲み始める。
なんと、雲も切れ目から太陽が顔を出しているではないかツアー客全員から歓声があがる。
今回初めての絶景に全員大はしゃぎ
人間の感情とは不思議なものだ。決して、雲ひとつ無い快晴ではないが、今までの悪天候に慣れ過ぎていた我々にとっては、待ち望んでいた景色となるのだ。
ここで添乗員さん「お待ちかねの風景です。此処で自由解散にします。30分後にバス乗場集合にしますので、ゆっくり景色を見ながらお戻り下さい!」
妻は、おもむろにスケッチブックをリュックから取り出す。
「おい、今から描き始めて間に合うか?バス乗場まで20分は歩くぞ」
「絶対、間に合わせます」
妻の筆遣いを見て、「あらまぁ〜お上手ねぇ〜」などとおだてていたツアー仲間達は、一人減り二人減り...そして、私達だけが丘の高台に取り残された。
集合時間まであと10分!
「終わったわ、アンタ、走るわよぉ〜」
丘を転げ落ちるようにダッシュする中年夫婦は、いつしか地元のジョッギングおじさんと並走する形に。
女房は、彼と談笑(もちろん英語で)しながら走るも、旦那様は息絶え絶え、膝はガクガク
集合時間1分前にバスに乗り込み余裕のセーフだったが、小生は、車が動き出すと同時に熟睡。目が覚めれば、この日の宿泊地・ボルツァーノのホテルに到着しているのであった。
翌日もドロミテ渓谷の高地コース観光である。
もちろん、天気は小雨混じりの曇り空だ。
午前中は、ゴンドラに乗り「ドロミテの展望台」と云われるアルペ・ディ・シウジに到着。
広大な丘陵地帯で3時間の自由散策タイム...放し飼いと言った方が正しい。
寒空の下、いきなり放牧されたツアー客の大半は成す術も無く、添乗員と共にお決まりの展望コースに着いていく。
お気軽夫婦の我々は、この時とばかりに群れから離れ、「これに乗れば奥の方に行けそうな気がする」といういい加減な旦那の思いつき通り、地元客でごった返す循環バスらしきものに乗り込むのだった。
本物の放し飼い
「たまにはアナタのカンも当たるのねぇ」と言われた通り、シウジの最北地区に辿り着く。
此処からロープウェイに乗れば、目前の山の頂上に登れるのだが、真っ白な雲の中に突っ込む気にもなれず、がら空きのホテルのガーデンで珈琲を啜る事に。女房はいつも通りのスケッチ開始、小生はカメラ小僧に。
ノンビリとした時間が流れる...やはり、我が夫婦にはこれなのだ。
遥か彼方にドロミテの名峰達が
寝そべる牝馬を優しく見守る牡馬...ん?誰かに似ているかも...
帰りのバスは途中の停留所で降り、あえて軽くウォーキング、制限時間たっぷり使いながら麓の集合場所に戻る。
一行は、相変わらずの曇天の中、ドロミテ街道の最高地点ボルドイ峠を通り、カレッツア湖畔経由でボルツァーノのホテルへ帰宿するのだった。
夕食は、旧市街に出てピザを戴く。
ボルツァーノは約10万人のイタリア共和国のコムーネ(自治体)なのだが、陽気なイタリアンとは異質な静かな佇まいが印象的な街だった。出来れば、ゆっくり散策したい処だが、そこは団体ツアーの哀しい定め。あっという間にバスで郊外のホテルへ移動となる。
シンプルなPIZZAは一人1枚〜これが絶品
私達夫婦にとって、何かと不満も募る団体ツアーなのだが、そんなストレスも解消させてくれるのが、ツアー仲間達との一体感だ。食事の度に、隣り合わせた方々と徐々に親しくなり、旅行後半にもなると、完全にお友達状態になっていく。メンバーの大半は、夫婦もしくは母娘のカップルだ。特に、30、40代の独身女性と母親の組み合わせが多いのには少々驚かされた。 更に、独り参加の勇敢な女性や中年男性同士のカップル、80代の老夫婦の方なども含めて千差万別なのだが、皆様全員が海外団体旅行のプロフェッショナルだ。確かに、「ドロミテ渓谷」を選択する時点で、メジャーな観光地を行き尽くした猛者達であるのは想像に難くなかったのだが。
団体ツアービギナーの我が夫婦は、彼らの過去の外遊武勇伝を聞き、圧倒されまくりなのだが、逆に「奥様みたいに外国語が話せて、フリー旅行できれば最高じゃないですか!」とおだてられ、妻はまんざらでもない様子。
食事後、ツアー初日から親しくなっていた独身OL女性が私の横に来てそっと囁く。
「ご主人、奥様への愛情オーラ出まくりですね」
「えっ、そうですかぁ〜女房は出てますかね?」
「残念ながら...」
「」
明日は、メインイベントのドロミテ・ハイキングだ。好天を夢見ながら、なかなか寝付けない旦那様でした...
(イタリア後編へと続く)
◎ロック夜話
PIZZAと言えば、国産ならこのCMが懐かしいのだが、関根麻里のバックで踊っているのが、小生垂涎のアイドル・ロック・グループ「BUONO!」だったとは、当時の私は知る由もなかった。
しかも、Buonoはイタリア語で「美味しい」の意味なのです
そして、彼女達の本気LIVE
『Bravo☆Bravo』
so この地球の ほんの一部しか
まだ知らないって 話す君がいる
ねぇ そのまなざし 真剣な気持ち
思わずハート どきどき 動き出したよ ブラボー!
まだ知らないって 話す君がいる
ねぇ そのまなざし 真剣な気持ち
思わずハート どきどき 動き出したよ ブラボー!
楽しい旅ですね。写真拝見しているだけでも心ウキウキします。
by JUNKO (2014-08-29 11:33)
(^m^)んまそうなピザですねぇ w
ハニーからの愛情オーラは・・・ ^^; 若い衆には見えないのかも~ w
次回を楽しみに♪
by Labyrinth (2014-08-30 01:50)
> JUNKO 様
異国情緒が、マンネリ夫婦にカツを入れてくれました( ̄ー+ ̄)
by つむじかぜ (2014-09-05 00:29)
> Labyrinth 様
実は、私にも見えないのが問題なのですが...(・・;)
by つむじかぜ (2014-09-05 00:30)