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『17歳』 [上映中飲食禁止じゃ!]

 
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監督・脚本:フランソワ・オゾン
 
キャスト:マリーヌ・ヴァクト 
ジュラルディン・ペレス フレデリック・プエロ シャーロット・ランプリング
 
パリの名門高校に通うイザベル(マリーヌ・ヴァクト)は、バカンス先で出会ったドイツ人青年との初体験を終え、数日後に17歳の誕生日を迎える。パリに 戻ったイザベルは、SNSを通じてさまざまな男性との密会を重ねるようになっていた。そんなある日、ホテルのベッドの上で初老の男ジョルジュ(ヨハン・レ イゼン)が発作を起こしそのまま帰らぬ人となってしまう。イザベルはその場から逃げ……。(シネマトゥデイより)
 
『17歳』...と云うと南沙織のデビュー曲(1971年)を連想してしまう年代[あせあせ(飛び散る汗)]
40年以上の時の流れに、世相の変化、特に性の氾濫の若年化に驚きを隠せないのだが...
 
前作『危険なプロット』で、諧謔性と残酷味の混濁した独特の感性を見せたフランソワ監督。今作では、性と精神の狭間に揺れる思春期の女性の無軌道な行動を剥き出しに描き、現代の世相と不変の女の性(さが)を我々に叩き付けてきた。
 
ヒロイン・イザベル役のマリーヌ・ヴァクト。実年齢は23歳だが、欧米の若年女性の成熟度は言うに及ばずなので、女子高生役も違和感は無い。(実際の17歳が、激しい濡れ場を演じる方が問題にもなると思われ...)
不思議な魅力を持つ女優である。青い果実が、化粧をすれば天下無敵の滅多に笑顔を見せない氷の美女に変身。
惜しげも無く見せる露な肢体と淫らな艶技は、絶品モノである[黒ハート]
 
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同年代の異性に興味を持てず、おカネの為ではなく、見知らぬ年上男性達との売春行為に「生きる証」を感じるイザベル。日本流でいう処の「援助交際」ではあるのだが、彼女は女子高生を売り物にはしない。大人の女性に扮し、高級コールガールとして、ひとときの偽りの逢瀬に刺激と快楽を貪るのであった。男に買われているのではなく、彼女が男を狩っているのだ。
 
イザベルが唯一、常連客の中で仄かな愛情を覚えた老人が、行為中に亡くなり、彼女の裏の顔が家族に知れる事となる。狼狽え激怒する母、呆れて無関心の義父、興味津々の弟。この家族の様々な反応から、殺伐とした世相が窺われる。母は自らの浮気をイザベルに嗜められ言葉を失い、娘のケアを他人である精神科医に託さざるを得なくなる。
そして、カウンセリングでのみ自分の心情を吐露する娘。淡々と進む展開が、逆に背筋を冷たくさせる。
 
ようやく巡り会えた同級生の恋人との時間。家族ぐるみの付き合いは、一家に明るさを取り戻したかに見えたが、更生したはずの彼女の氷のハートを溶かすには到らなかった。イザベルは、机の中から客のデータが入ったSIMをそっと取り出し、携帯電話に差し込むのだった...
 
青春の火遊びと呼ぶには哀しすぎる長女の行動を通して、表面上幸せに満ちた上流家庭の瓦解を冷徹に映し出す。イザベルのベッドシーンは、熱い興奮と程遠い客観的な視線が、小生の股間も凍らせるのだ[あせあせ(飛び散る汗)]
「個人授業」「愛人/ラマン」のようなフランス映画のエロエロ官能美を求めていたら、痛いしっぺ返しに会う、奇才フランソワ・オゾンの問題作である。
 
トドメはラストシーン。亡くなった常連客の妻とイザベルの邂逅。
この妻役が、往年のセクシー女優シャーロット・ランプリング(68歳)[exclamation&question]
 
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愛の嵐(1973)でのこの姿が頭をよぎる
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彼女がイザベルに放った言葉に、深き「オンナの性」を垣間見るのである。
女性の持つ飽くなき情欲は、世相の変化などものともせず普遍的であり、すべての女性が隠し持っている事を。
男性の一過性の性欲などとは比較にならぬ奥深さである事を。
 
「やっぱりオンナは不思議で怖い」と思いつつ...
今宵も、名古屋の繁華街・錦での倶楽部活動に励むつむじ風でした。
一応、自分の娘より年下の女性には、「目で愛でても、決して触れず」を旨としておりますが[あせあせ(飛び散る汗)]
 
 

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DEBDYLAN

キスされてる3枚目の写真。
美しい・・・
で、こんな美女を笑わせたい^^;

by DEBDYLAN (2014-02-20 22:57) 

つむじかぜ

> DEBDYLAN 様
氷の美女を笑わせるには...吉本新喜劇しかないかも( ̄Д ̄;;
by つむじかぜ (2014-02-23 01:15) 

non_0101

こんにちは。
イザベルの不思議な魅力に圧倒される作品でした~
> フランス映画のエロエロ官能美を求めていたら、痛いしっぺ返しに会う
主人公に群がる男たちが哀しく見えました。
彼らを超然とした笑顔で見つめる彼女の視線が印象的でした。
そして、ラストのシャーロット・ランプリングの笑顔も迫力でした~☆
by non_0101 (2014-03-02 21:29) 

つむじかぜ

> non_0101 様
やっぱり、女性の方が強いなぁ〜と思った作品でもありました( ̄ー+ ̄)
by つむじかぜ (2014-03-04 21:21) 

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