「アムール、仏蘭西!④」なぜかアルプス? [ざれごと写真日記]
◎5日目
アヌシー二日目は、今回の旅行スケジュールでは、一番ノンビリと過ごす予定日だった。
アヌシー湖で長女と湖水浴を愉しむべく、水着まで持参していた妻は、朝からやる気満々。
一方の小生は、湖畔でビキニのブロンド・ギャルを楽しもうと、違った意味でやる気満々。
しかし、いざ湖畔に出ると気持ち良い涼風が体を吹き抜ける...「水、冷た〜い」
結局、水遊びは水温の上がる午後からにしようというので、近場の観光スポットで午前中は時間を潰す事にした。
既に、妻の手にはホテルのフロントから取って来た近隣の観光地のパンフレットが5枚ほど・・・準備がよろしい
その中の1枚を指差し「ここがいいなぁ〜」と主張する奥様。
それは、セスナ機に乗ってアルプス山脈を周遊するツアーだった (ほんまに乗り物好きの女房...)
家族3人が雪山に激突する図が頭を駆け巡った父は、この申し出を断固、阻止しようとする
「よく見ると、飛行場に行くまでに相当時間がかかるな。1日がかりになって、湖で泳ぐ時間が無くなるぞぉ〜。俺は、こっちのコースがいいな。駅からも近そうだし」
私は、野生動物自然公園のパンフレットを指差し、家長の主張を訴える。
「Gare(駅)から6キロって地図に書いてあるから、こっちがいいんじゃないのぉ」
と、珍しく長女も父側につき、女房も渋々同意。
勝利に酔う父は、駅前のタクシー事務所に乗り込み、サンドイッチを頬張っていた運ちゃんにパンフレットを突きつけ
「アイ ウォント トウ ゴー 此処」と訴える
「OK、OK」二つ返事の運ちゃん〜フランスの田舎町でも、気合いで意思疎通は成る
タクシーは、アヌシー郊外に出て高速道路に入る。。。。30分経過、駅から6キロならとっくに着いてるはずだ。
3人とも、不安ウィルス増殖中
娘が「あと何分位かかりますか?」と、フランス語で聞く。
「う〜ん、40分かなぁ〜」と、運ちゃん。
何か、小生は重大な過ちを犯したようだった
パンフレットを長女に読み返してもらう。
「駅から6キロって、アヌシー駅からじゃなくて最寄りの駅からだったみたい。この場所は、ほとんどスイス国境よ」
タクシーは快調にハイウェイを飛ばす。アルプスの山々が徐々に目前に迫って来る。
このまま強行するか、引き返すなら今のうちか?家長の決断が問われる...
「素敵な景色だわも〜う一日がかりで、このまま行っちゃえ」私を責めるどころか妻が突然、歓喜の声を上げる
妻の強い賛同が得られれば百人力。
父は、長女を通して運ちゃんと交渉。目的地に着いても、そのまま車を待機してくれるよう頼み、往復料金のメドを聞く。「OK、OK。ワタシ、このシゴトで1日終わりねぇ〜お金は370ユーロ位かね」と運ちゃん。無謀な日本人観光客に大喜びのようだ。
父の「セスナ恐い」から端を発した事件は、全く意外な展開を見せ、遂に着いてしまいました。
『 メルレー自然動物公園』
シャモニ郊外の山腹にある自然公園。目前にアルプスの山々を臨み、野生動物が放し飼いされている。
問題の最寄りの無人駅を通り細い山道を突っ走り、公園入口の駐車場で運ちゃんと別れる。
往路のタクシー代金はまだ払わず、二時間待機の約束だ。(万一、先に払って帰られたら万事休すだからだ)
そして絶景が待っていた
女房が絶叫「凄〜い」
憧れのモンブランだぁ
アルプスをバックに昼食
此処まで来るとスイス料理っぽい
園内は、林間学校なのか子供達の団体や地元の家族連れで賑わっている。みんなハイキング用の重装備だ。
短パン・Tシャツ・サンダルと、水遊びの格好のままの謎の東洋人家族が一組、異彩を放っていた...
食事中にマーモットが侵入
時間に制約があるので、駆け足で園内の一部だけを廻るが、至る所で野生動物との出会いがある。
興奮醒めやらぬ女房は、草原のど真ん中に座り込み、スケッチを始める。
これこそ怪我の功名。
妻が言うには、スイス側やシャモニからアルプス観光ツアーに参加したら高額な上に、人混みでごった返しているそうで、こんな静かな環境でしかも動物と触れ合いながら、アルプスの絶景を眺められるのは、奇跡なんだそうだ。
凄まじい雪渓
「アルプスの少女ハイジ」気分の家族3人は、後ろ髪を引かれながら、上客と出会いホクホクの運ちゃんが待つ駐車場に戻る。
また一気にアヌシー市街のホテルを目指す。メーターも予定金額に向かって快調に上がる。
「ちなみに運ちゃん、クレジットカードは使えるよな」と、聴けば...
「ノン、ノン。キャッシュ、オンリーね」という答え。
・・・3人の手持ち現金を合わせても、どうも足りない計算
市街に戻っても銀行窓口は閉まっているので、両替ができない。
結局、長女の僅かなユーロ口座からATMで有り金すべてをおろし、タクシー料金を支払うおまけ付きの顛末。
娘に頭が上がらない両親・・・(元々は俺が稼いだ金のはずなのだが...)
パリ行きのTGV発車まで1時間。
荷物を取りに戻ったホテルの中庭で一服していると...水着に着替えた奥様登場
「絶対に泳ぐもんね」
岩肌から、結局冷たい湖に飛ぶ込む母娘に呆然の父
(もちろんビキニは長女ではありません。尻は女房ではありません。)
発車10分前にアヌシー駅に滑り込み、パリ駅に着いたのは午後11時。
今日も壮絶な一日だった フランス滞在あとラストワンです。
もぉー素晴らしいの一言ですねぇ(^_^)
怪我の功名? 瓢箪から駒?f^_^; なんだかよくわかりませぬが
ともかく、つむじかぜ さんの運の強さを感じます♪
アルプスの涼風がっ (^m^) 毎度ありがとうございます♪
by Labyrinth (2013-08-31 02:05)
アルプスの絶景楽しませていただきました!!
今回ばかりはビキニよりコッチ!? ^^w
by DEBDYLAN (2013-08-31 21:08)
ホント、素晴らしい景観ですねぇ!!
タクシー飛ばして行った甲斐が十分過ぎる程ありましたね♪
by haku (2013-09-01 09:03)
>Labyrinth様
旅行にハプニングはつきものですが、こんな僥倖には感謝ですね^^
by つむじかぜ (2013-09-02 00:09)
>DEBDYLAN様
でもやっぱり、欧州のビキニ姿のお嬢様の何とスタイルのよろしい事か!
我が妻と娘の水着姿を見て、確信に変わりました(-。−;)
by つむじかぜ (2013-09-02 00:11)
>haku様
こんな無謀なタクシー旅行は、二度と有り得ないと思います。
あやうく無賃乗車でした(^▽^;)
by つむじかぜ (2013-09-02 00:13)
ビキニ~長女様では無いのか~!御尻~おくさまではないのか~(笑)
by macinu (2013-09-02 10:06)
>macinu様
西洋人とのスタイルの差を目の当たりにしました( ̄ー ̄;
by つむじかぜ (2013-09-02 23:58)