『ライフ・オブ・パイ』 [上映中飲食禁止じゃ!]
監督:アン・リー
原作:ヤン・マーテル
脚本:デヴィット・マギー
製作:ギル・ネッター デヴィッド・ウォマーク
撮影:クラウディオ・ミランダ
CG:ビル・ウェステンホファー
キャスト
スラージ・シャルマ イルファン・カーン ジータ・パテル レイフ・スポール
{リチャード・パーカー}
インドのボンディシェリで動物園を経営していたパテル一家は、カナダ・モントリオールに移り住むことになる。16歳の少年パイ(スラージ・シャルマ)と両親、そして多くの動物たちは貨物船に乗り込むが、太平洋上を航行中、嵐に見舞われて船は沈没してしまう。ただ一人パイは救命ボートに逃れて一命を取り留めるものの、そのボートにはリチャード・パーカーと名付けられたベンガルトラが身を潜めていた。わずかな非常食で飢えをしのぎ、家族を亡くした悲しみと孤独にも耐えるパイ。そんなパイと一頭のトラとの227日間にも及ぶ太平洋上の漂流生活が始まった…(goo映画より)
予告編での海の美しさに魅せられて、思い切って3Dでの鑑賞
そして、かつてない驚愕の映像体験をする事となった
数奇な運命を背負ったパイ少年の漂流生活を描いたストーリーであり、一見子供向けのお伽噺に近い冒険譚なのだが、実は人生哲学・宗教観まで織り込んだ業深き「告白」を圧倒的スケールで描き切った大作なのである。
インド人の英会話に若干戸惑いつつ、中年パイの回想として語られる227日間の漂流生活の姿は、まさに現代先端映像技術の白眉である。
貨物船の沈没、牙を剥き荒れ狂う海から虎と二人っきりの宇宙そのものを思わせる静けさを湛えた夜の海。
無数のクラゲが光輝く海底からのクジラの飛翔シーンなどは鳥肌モノである。
そしてトラ〜リチャード・パーカー〜の演技。よくぞここまで手なずけたと当初感心していたのだが、4匹の虎のモデルを使ってのCG合成と聞き、更に驚嘆
しかし私は、パイの漂流が続く程に驚愕の映像に胸躍らせながらも、リアリティの欠如に徐々に違和感を覚えていく。確かに幻想的なシーンが多いのだが、夢・幻そのものに感じてしまうのだ。この私の直感がラストシーンで「的を得たり」になるのであるが・・・
原作未読につき、小説の行間から溢れ出るメッセージが、アン・リー監督の感性というフィルターを通して、どのように変化したかは定かではない。しかし、終盤でのパイが語るもう一つの物語を耳にした時の衝撃
ミステリー以上にミステリアス。
観る者によって多くの解釈が生まれるエンディング。
非難ボートに乗り込んだ少年・トラ・シマウマ・オラウータン・ハイエナ。
まるでノアの方舟を連想される。そして生き残る為に彼らが起こした行動とは
驚嘆の映像だけでも観る価値大のうえに、無宗教の日本人には少々難解な倫理観・宗教観を内包した設定が、映画好きの神経をくすぐる。
パイが初めて魚を捕らえて殺したシーンが今でも忘れられない...
21世紀を代表する異色の傑作誕生である
◎おまけ
全く本映画と関連はないのだが、「虎」から連想されるのは「虎の穴」であり、『タイガーマスク』の年代なのです。子供心を大きく揺さぶった名作アニメだが、私は、エンディングのテーマ曲が今でも妙に耳に残っているのである。小学生時分に、生まれて初めて触れた「暗〜く哀しい歌」として深く胸に刻み込まれているのだ。
評判のいい作品ですよね。
タイガーマスクは仰せのとおりエンディング曲が焼き付いています。梶原一騎原作ものは、体罰厳禁のこのご時世では受け入れられないでしょうねぇ~・・(^O^)
by KEI (2013-01-31 02:31)
お早いご鑑賞で!(^^; 私も見たいと思っておりまする~
なので 内容はチラ見で失礼させて頂きますね (((((((((((((;・_ ・)ススーゥ
by Labyrinth (2013-01-31 18:07)
コレは珍しく女房も僕も観たい映画なんです^^。
by DEBDYLAN (2013-01-31 21:54)
>KEI様
「体罰」と「愛のムチ」の違いが理解できれば、今の時代でも通用するはず
なのですがねぇ。愛が足らない世の中ですから。
by つむじかぜ (2013-02-01 00:49)
>Labyrinth様
じっくり、ご鑑賞下さい。深いですよぉ〜 Labyさんの感想が楽しみ^^
by つむじかぜ (2013-02-01 00:52)
>DEBDYLAN様
是非、ご夫婦でお熱いご鑑賞を!
by つむじかぜ (2013-02-01 00:54)
こんにちは。
トラの存在感は迫力でしたね~
技術ってすごいなあと思いました。
原作も気になってます☆
by non_0101 (2013-02-03 10:19)
>non_0101様
あの虎がCGだなんて信じ難いですよね。
とにかく真実を知ると実は恐い映画でした!
by つむじかぜ (2013-02-04 03:45)