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『渾身』&『フラッシュバックメモリーズ 3D』 [上映中飲食禁止じゃ!]

小品だがキラリと[ぴかぴか(新しい)]光る邦画を2本続けて[カチンコ]
 
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監督・脚本:錦織良成
原作:川上健一
撮影:松島孝助
音楽:長岡成貴
美術:稲垣尚夫
 
出演:伊藤歩 青柳翔
   財前直見 甲本雅裕 笹野高史 宮崎美子
   井上華月 中村嘉葎夫 長谷川初範
 
 
島根県・隠岐諸島の島で生まれ育った多美子(伊藤歩)は英明(青柳翔)と結婚。英明にとっては2度目の結婚で、前妻との間の娘・琴世も含め3人で暮らしている。琴世はまだ多美子のことを母と呼んでくれていないが、多美子はこの暮らしに幸せを感じていた。いよいよ隠岐諸島に古くから20年に一度開催されてきた古典相撲大会の日を迎え、英明は最高位である正三役大関に選ばれる。一生に一度の大舞台に最高位として上がるのは、大変な誉れである。対戦相手の島一番の実力者を前に、地域の名誉や家族への思いを胸に土俵に上がる英明。そんな英明の姿を、多美子は喜びと不安が入り混じりながらもじっと見つめる…(goo映画から)
 
 
お涙頂戴満載で、あまりにもベタベタなので、本来なら途中で白けてしまうのだが、この作品には、そんなへそ曲がりの性根を正す不思議な魅力と力がある。
 
隠岐の島で催される20年に一度の還宮相撲大会。  
当地の方しか知り得ないであろう「相撲の原点」をいまだに守り抜く古典相撲を完全再現した処が、この映画の最大の魅力である。古代より神々への奉謝として伝えられる「神事」を、土俵作りから若者達の修行、長老衆による番付決定までを、多くの地元民を交えながらドキュメンタリー・タッチで刻々と描いていく。
 
主題は、島を捨てざるを得なくなった青年が故郷に戻り、長い時間をかけて島の人々との信頼と家族の絆を取り戻す過程を描いたものだが、この「古典相撲」という題材があってこその感動作なのである。 
 
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神の宿る隠岐の島の原風景をそのまま切り取り、大会に向けて島全体が熱くなる様を自然と見せていく。 
そして、古典相撲大会当日の熱戦を伝える見事なカメラワーク。
300番もの取組みの最後を飾る最高位・正三役大関同士の戦い〜地元4000名の観客を動員しての熱狂が、英明を取り巻く家族達の想いと共にクライマックスに達するのだ[パンチ] 
 
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「隠岐古典相撲」は2番続けて戦う。
最初に勝利した者は、2戦目は相手に勝ちを譲り、取組みは常に1勝1敗となる習わしなのである。
決して勝敗のみに拘らず、戦う者同士を讃え合う事を第一とする。ゆえに、若者達は一戦目に死力を尽くす。 
 
鍛え抜かれた肉体同士がぶつかり合う衝撃を、映像・音響がものの見事に捉えている〜NHKの大相撲の比ではない〜 
果たして、水入りとなった英明こと双竜の大一番のエンディングは如何に・・・[exclamation&question][exclamation&question][exclamation&question]
 
英明を演じる青柳翔は口数の少ない役柄でもあり、映画初主演としては及第点。とにかくいい体じゃ[グッド(上向き矢印)]
甲本雅裕、笹野高史は、いつものながらの彼ららしい演技で作品を盛り上げ、久しぶりに拝見した財前直見は、47歳には見えない若々しさ[かわいい]
しかし、この作品を支えたのは子役の井上華月ちゃんという見方もあるだろうが、やはり伊藤歩の凛とした美しさに、私は軍配を挙げる。
 
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決して絶世の美女ではないが、某CMで見せた清廉さと色気の双方を併せ持つのが魅力[黒ハート] 
 
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中越典子、木村佳乃、武井咲らの貧乳系猫科美女が国内産ではお好みで〜す[揺れるハート]
 
この映画を感動の家族愛のドラマとして涙する方は泣けば良い。
あざといお涙頂戴作品として興醒めする方はすれば良い。
 
私は、相撲の起源と共に生きる島の人々と神々しいまでの「力人(ちからびと)」の戦いを讃えた傑出した人間ドキュメンタリー映画として、感極まったのである[ぴかぴか(新しい)]
 
期せずして、大鵬親方逝去のニュースが...
完全に国民の興味から離れて久しい大相撲。国技としての体裁を保つが為の開放策が、いまや幕内のほとんどを外国人力士が占める体たらくの現状に陥れさせた。私は決して、時代遅れの単一民族主義ではないが、相撲が単なる格闘技ではなく、古代から継承されている「神事」で或る事を忘れてはならないと思うのだが。
日本人の拠り所である「心・技・体」を 
 
 
 
 
続いて、こちらは完全なドキュメンタリー映画、しかも3Dです[exclamation&question]
 
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監督:松江哲昭
 
出演:GOMA
     辻コースケ
    田鹿健太
     椎野恭平 
 
2009年11月26日に首都高速で追突事故に遭遇したGOMAは、記憶の一部が消えてしまったり、新しいことを覚えづらくなるという高次脳機能障害の症状が後遺し、後にMTBI(軽度外傷性脳損傷)と診断された。一時はディジュリドゥが楽器であることすらわからないほど記憶を失っていたGOMAが、リハビリ期間を経て徐々に復活をしていく・・・(goo映画より) 
 
全く新しいタイプの3D映画である。
 
GOMA・・・大阪出身のディジュリドゥ奏者。 
      ディジュリドゥとは、オーストラリア大陸の先住民・アボリジニの楽器である。
      シロアリに喰われて筒状になったユーカリの木を材料にしており、「世界最古の管楽器」とも呼ばれる。
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 こんな感じで吹きます[exclamation&question]
 
ディジュリドゥ奏者の第一人者として活躍していたGOMAを襲った悲劇。
多くの過去を無くし、新しい記憶を維持するのも困難な障害。
生きる希望も術を失った彼が、「ここから」出発する物語である。
 
事故後のGOMA本人と妻すみえの日記を交互に写しながら、GOMA&The Jungle Rhythm Sectionの演奏が延々と続く異色の構成に、まず度肝を抜かれる。
そして、最近では見慣れてきたはずの3D映像。今までのアニメやSFものだと、どうしても違和感がついて回ったが、このライブ映像の3D化は、リアルそのもの。緊張感溢れる演奏と渾然一体となったド迫力は、初体験だ[どんっ(衝撃)]
 
多くの記憶を失い、自分が何者かも判別できない状態でも、ディジュリドゥを前にして、彼は無意識の内に演奏ができたという。脳ではなく身体に染み付いた記憶。
 
はたと、自分が同じ境遇になった時、自分を取り戻せるほど打込んだモノがあるのか?と、自問自答[あせあせ(飛び散る汗)] 
 
やりきれない実話なのだが、決して悲しくない。逆に生きる勇気と生きる責任を感じざるを得ない。 
夫婦愛と戦う男の意志に共鳴しつつ、とにかく3Dライブ映像の圧倒的迫力に打ちのめされたのでした。
 
 
 
※ドラムスの椎野恭平(AJICOやCoccoのバック)も、やっぱり凄かった[exclamation×2]
 

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