『燃えよ! じじぃドラゴン 龍虎激闘』 [上映中飲食禁止じゃ!]
年末に大作を立て続けに鑑賞し、新春に観たい映画がなかなか見当たらない。
しかし、見つけました 香港映画の傑作を
監督:テレク・クオック
クレメント・チャン
アクション監督:ヤン・タク
制作総指揮:アンディ・ラウ
音楽:テディ・ロビン
出演:ブルース・チャン チャン・クァンタイ
ロー・マン チャーリー・チャン
ウォン・ヤウナム ジア・シャオチェン
ジン・アウヨン テディ・ロビン
不動産会社に勤める平凡な社員チョンは、立ち退きの承諾書をもらいに辺鄙な村の喫茶店を訪れる。そこは以前、現在の経営者ソンとセンの師匠ローが指導するクンフー学校だった。ローは、店の上階で30年もの間眠り続けていたが、ふとしたきっかけで目覚め……(ぴあ映画生活より)
いやはや新春から気分爽快
ナイスな邦題
70年代クンフー映画全盛期へのオマージュたっぷりの作品。当時の銀幕で活躍したクンフー俳優達が、この21世紀に還暦を越して見事に蘇る
私の少年期の憧れの映画スターと云えば、チャップリンとブルース・リー。特に後者は、「強い男」に惹かれる思春期の少年達の心を鷲掴み。70年代の格闘技ブームの中でもカリスマ的存在であり、クンフーに嵌った少年達は、学校にヌンチャクを持ち寄り、休み時間に各々の技を披露する熱中ぶりあった。
今でも、ブルース・リーの映画を観れば胸がトキメク。
ストーリーも演出もハチャメチャ、俳優陣の演技も素人芸の域を越せない当時の粗製濫造B級香港映画の典型なのだが、圧倒的な格闘シーンとリーの魅力により、至高のアクション映画の輝きを失わないままだ。
そんな映画ファンが泣いて喜ぶ21世紀のクンフー香港映画の傑作である
とはいいながら、70年代の名作を焼き写したような「カッコいい」映画ではない。
この鍛え上げられた肉体(ブルース・リー)が...
こんなブヨブヨの汚いジジィ(ブルース・チャン)になります
随所に笑いが散りばめられているが、決してパロディではない。
そして70年代香港映画と決定的に違うのは、作品の純度が非常に高い事だ。
小気味好いテンポを生み出す巧みな演出、新旧俳優陣の熱演、広角レンズを効果的に使ったカメラワーク。音楽の使い処も憎い。そして何よりも、ジジィ達が繰り広げるクンフーの異色の神業の数々が、観る者を童心に帰らせてくれる。香港映画お得意のワイヤーアクション皆無の正味の肉弾戦に胸沸き上がる。
紅一点のジア・シャオチェン(JJ Jia)の清楚な色気もgood
30年の眠りから醒めた師匠役テディ・ロビン(音楽も担当!)の怪演も楽しい
そしてブルース・チャンのクンフー演技に釘付けとなる
若きクンフー達人に戦いを挑む最期の場面は、年輪を重ねた者しか知り得ぬ「勝負」の在り方を訴える。
老いとは、決して哀しい事では無く、誇るべきもの、尊いもの。
体力は衰え、外見もみすぼらしくなっても、「魂」は磨かれ続け、若者には身に付かない輝きを増していく。
床に這いつくばったブルース・チャンの何と神々しいこと
「カッコいい」じじぃ達に拍手喝采
新春から素敵な映画と出会えた
おいらも魂、磨かんと…(; ̄ー ̄川
by ぷーちゃん (2013-01-14 09:12)
>ぷーちゃん様
いぶし銀の輝きでいきましょう( ̄ー+ ̄)
by つむじかぜ (2013-01-16 01:34)