The Libertines〜落ちこぼれどもの輝き [〜ロックの神さん〜]
以前、英国のギター・ロック・バンドの最近のお気に入りとして『The Kooks』を採り上げた。
案の定、ピートは以前からクスリ漬けの状況にあり、セカンドアルバム制作中辺りから日常生活は破綻をきたしていた。
バンドの中心であるルークとヒューは、イギリス政府公認の音楽学校の優等生としてプロ転向後も、ロック王道を真っすぐ歩いているのであるが、彼らと同世代の対極的な英国バンドがあった。(いや、ある)
そう幻の『The Libertines』である。
「Up The Bracket」
このバンドもギター&ヴォーカルを担うカール・バラー(野暮なブライアン・フェリー)とピート・ドハーティー(眉の太くなった火野正平)中心の4人組。
二人は優等生軍団とは対照的に大学を中退し、極貧のどん底から音楽活動を開始する。まともな音楽理論も演奏技術も人から教えられる事もなく、見よう見まねで自分らの感性を音に紡いでいった。
歌、お世辞にも上手いと言えません。ギター、高等技術不要です。
されど、2本のギターの微妙にずれつつ絡み合うバッキングと、今にも崩れ落ちそうなシングル・ノートの響き。
かつてのパンクロックのような単純明快なストレートなビートとは一線を画した、激しく儚い危険な香りを持った音の渦が聴く者の心を包み込む。
勢いのみで突っ走るのではなく、酩酊しながらの綱渡りを観るような「おい、危ない、落ちるぞ!」的緊張感を、私はこのバンドに感じてしまう。
二人の素顔も少々ヤバい感が漂っている。熱狂の生ライブは見せかけのパフォーマンスではないことが見て取れる。
「Time For Heroes」
ピートの奇行が目立ち始め、カールはピートの代役のギタリストを立ててのコンサートを頻繁に行わざる得ない状況になる。
「Boys In The Band」独り気を吐くカール
切れの良い演奏だが、何かが足りない・・・というより器用にまとまり過ぎなのか
リバティーンズの魔力とは、カールとピートのマイナス同士のオーラが掛け合わさって、無限大のパワーになる数式である。ピート抜きではマイナスはマイナスのままなのだ。
復帰を目指しリハビリに励むピートだが常に結果は挫折。
二人の間の亀裂は決定的なものとなり、2004年末に無期限の活動停止を宣言、たった2枚のアルバムを残し、事実上の解散となる。
楽曲群の豊富さに、彼らのメロディーメーカーとしての非凡さも改めて感じる
シンプルに聴こえる曲のなんと奥深いことか
2本のギターの響きのなんと神々しいことか
珠玉のオリジナルアルバムは、永遠にロンドンっ子の胸に焼き付くのであった。
しかし、2010年、ついに再結成ライブ。
ちょっぴり大人になった奴らの『穢れ無き掃き溜めの叫び』は健在であった
「Don't Look Back Into Yhe Sun」
(このライブは生で観たかったなぁ〜)
現在も各々のソロ活動がメインのようであるが、まだまだ若い彼らにオッサンは今後も注目なのである
ほとんど知りませんでしたが...
この魂の直接的な叫び!!!
胸に響きますねぇ!
さすがに、再結成はちょっと大人ですねww
by haku (2011-02-25 21:33)
>haku様
こんな風にみんなオヤジになっていくんですなぁ〜
でも子供の頃の熱いHeartは持ち続けたいですね^^
by つむじかぜ (2011-02-26 00:23)