Emmylou Harrris〜濡れたハスキー・ヴォイス [〜私の歌姫〜]
Daniel Lanois プロデュースに惹かれ、singerの予備知識無しの状態で購入したCD。
1曲目からぶっ飛んだ!痺れた! 私の90年代最強のアルバムのひとつとなった。
Where Will I Be(1995年) [バック・ミュージシャンも凄い!]
ダニエルの七色に弾けるピンポン球のような浮揚感溢れるギターをバックに、哀愁漂う女性ヴォーカルが時に切なく、時に力強く語りかける。掠れるハイトーンは、夜空から零れ落ちる星屑のようだ。度が過ぎれば「猥雑な声」に成りかねない瀬戸際のハスキー・ヴォイスに、私は虜になった。
Emmylou Harris エミルー・ハリス 1947年生。すでにアメリカでは、グラミー賞常連の女性カントリー歌手。このアルバムで、ロック色を取り入れた新境地に突入したと云う。天才Danielとの邂逅が奇蹟の作品を生んだ。(因に、彼女はこの時点で48歳!)
知らなかった・・・私にとってカントリー歌手と云えばジョン・デンバーだけだったから。
1975年に黒髪の美少女でデビューした彼女は、数々の名曲カバーを独自の解釈と類い稀な美声で、カントリー界に新風を送り込む。
80年代、銀髪に染めた大人の女は、リンダ・ロンシュタット、ドリー・パートンとtrioを組み、更にファン層を拡大。(このアルバムも絶品!Trio)
その後、妖艶な銀狐と化した彼女は、「男は芸の肥」とばかり、次々と男(共演者)を喰っては捨て、華麗な男性遍歴(一流ミュージシャンとの共演)を繰り返す事により、独自の音楽世界を構築していくのである。とにかく、彼女の過去の共演者の豪華な事!(古くはグラム・パーソンズ、アルヴィン・リーからボブ・ディラン、リトルフィート、ニール.ヤング、ザ・バンド、ウィリー・ネルソン、エルビス・コステロ〜きりがない)あの容姿と歌声では、言い寄らない男の方が確かにおかしい。ダニエル・ラノワとの「Wrecking Ball」の後、ダニエルの弟分のマルコム・バーンをプロデューサーに迎えてのRed Dirt Girlが大ヒット。米音楽界の大御所としての地位を確立する。最近では、マーク・ノップラー(ダイアーストレイツ〜money for nothing懐かしぃ〜)と組みAll the Roadrunningを発売。還暦を過ぎても、彼女の魔性の歌声は健在である。最新作All I Intended to Beも素晴しい出来です。
では、彼女の年代別セレクション
『Tulsa Queen』(1977年)南沙織ではない! ギブソンSJが似合う女。
『To Know Him Is To Love Him』(1987年)キャンディーズではない!
やはりこの時代が一番好きだ。こんな女となら一緒に地獄に堕ちてもいい〜
『Wrecking Ball』(1995年)ニール・ヤングのカバー ダニエルのfirebirdも詠う。
『For No One』(2007年)ビートルズのカバー
日本では全く人気がない彼女。(Wiki日本版は未登録)
カントリーという古い枠組みから、その精神性は奥に秘めつつ、独自の感性で幅広い音楽ジャンルに解き放した高い芸術性と、この類い稀なる歌声を、もっと多くの人に聴いてもらいたいものだ。
番外『Maker』(ダニエルのカバー)Emmlyou+Spyboy (1998年) もの凄い演奏!!!
"The Maker"、カックいいね♪
by ぷーちゃん (2011-05-21 08:27)
>ぷーちゃん様
Spyboy〜素晴しい演奏っす!!
by つむじかぜ (2011-05-22 01:58)
私も彼女は大好きで、大変興味深く読ませて、聞かせていただきました。有難うございました。
by mar-t (2013-02-09 13:22)