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『真夜中の5分前』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督:行定勳
原作:本多孝好
 
出演
三浦春馬 リウ・シーシー ジョセフ・チャン
 
上海で時計修理工として働くリョウ(三浦春馬)は、プールで見掛けた清楚(せいそ)な雰囲気漂うルオラン(リウ・シーシー)と出会う。リョウは知り合ったばかりの彼女に、ティエルン(チャン・シャオチュアン)と婚約中の一卵性双生児の妹ルーメイ(リウ・シーシー)への結婚プレゼントを選んでほしいと頼まれ
る。そのことをきっかけに二人は親しくなっていくが……。(シネマトゥデイより)

 
「国内の観客に適合したものを追う日本の映画界より、アジア市場の方が企画の受け皿が大きい。僕らにすれば自由に作れる」と語った行定監督。本多孝好の小説の舞台を上海に置き換え、スタッフ・キャストに多くの中国人を起用し、中国映画として発表した意欲作であり、無国籍の空気感が何とも味わい深いラブサスペンスの佳作だ。
 
冒頭から「音」に、ハッとさせられる。
機械式時計が時を刻む音、彼女がプールで泳ぐ水音...静寂の中から飛び出す音の欠片が心に滲み入る。
『桃(タオ)さんのしあわせ(2011年)』 サウンド・デザイナーのドウ・ドゥチー氏の造り出す独特の音響効果が、作品全体に愁いを与える。
 
当然、全編中国語であるが、三浦春馬が設定通りの日常会話がやっとの日本人青年リョウを熱演だ。時折、複雑な会話に戸惑い、日本語で独り言を呟くシーンが非常にリアル。何故、上海で時計修理工をしている理由は明らかにされないが、そんな彼が、同じプールに通うミステリアスな美女ルオランに逆ナンパされて物語が始まる。
 
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次第に惹かれ愛し合って行く二人だが、実はルオランには瓜二つの双子の妹のルーメイがいた。ルーメイは売出し中の新人女優。容姿は同じでも、奔放で常に日の当たる世界に立つ妹をいたわりながらも、かつての恋人を奪った彼女に強い嫉妬心と劣等感も抱える姉の葛藤が描かれていく。
 
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劉詩詩(リウ・シーシー)...正統派のアジアン・ビューティですな[わーい(嬉しい顔)]
 
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この彼女が一人二役で双子の美女を演じるのだから、スクリーンから目が離せません[揺れるハート]
更に、同じ顔でも性格が違う役柄を微妙に演じ分けており、これが後半の展開で観客をも戸惑わせるのだ。
 
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独身最後の旅行にと、結婚間近の妹ルーメイとルオランはモーリシャスに出掛けるが、そこで悲劇が待ち受ける。
海難事故に遇い、姉のルオランが海の藻屑と消えてしまうのだった...
 
生き残った妹ルーメイは、その後、幸せな結婚生活を送り、女優業も順風満帆な勢いだったが、夫ティエルンには沸々と疑惑がもたげ始める。「妻はルオランではないのかと?」夫は、傷心のリョウに「確かめて欲しい」と懇願するのであった。
 
一年ぶりにルーメイと再会したリョウの胸に去来したものは...そして彼の出した答えは...何よりも真実は...
 
題名でもある「5分」が種明かしのキィワード。だが、答えは観る者に委ねられる。
ラストシーンの「不確かな爽やかさ」がやけに心地よい異質のラブ・ラスペンスであった。
この雰囲気は確かに国内製作では不可能かもしれない。好き嫌いが別れる作品だが、小生には堪らない空気感だった[exclamation×2]
 
そして、緊張状態が未だ改善されない日中関係の元で、この作品を作り上げた行定監督に改めて敬意を表したい[パンチ]
 
 
 
 
 

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