奥様再来襲〜亭主関白宣言〜後編 [ざれごと写真日記]
連休2日目。
有馬温泉(兵庫県)と草津温泉(群馬県)こちらは、昔の仕事場だったので入浴済み...そして今回、崇める妻を連れて行った岐阜県の下呂温泉。これで日本三名泉を制覇である
名古屋から特急で2時間かけて下呂駅まで。ここで地元の整備工場が片手間で営業しているような格安レンタカー店で予約済みの車を借りる。若い時分なら名古屋との往復運転など屁とも思わないのだが、楽したいお年頃になりましたので...
すると、車を借りる事を事前に話していなかった妻が文句タラタラ...
「アンタ、先に教えてよぉ〜。運転免許証を東京に置いてきたじゃないの〜。久しぶりに私も山道を運転したかったのに。まぁ、今回はノンビリさせて戴きますわ、贅沢なスケジュールですことで。オホホ」
先払いなので必殺カードで払おうとすると、開店休業状況のレンタカー店の留守番役の方(どう見ても整備工)が、「カード処理が判らないので、現金でお願いしますよぉ」・・・またもや小生の現金が減る...女房は払うそぶりも見せない。
翌日の天気が不安だったので、この日をアウトドア行程にしていた。
下呂駅から車で40分走り、御嶽山麓にある飛騨小坂で滝巡りに、いざチャレンジだ
滝巡りの入口に聳える『巌立岩』
御嶽山大噴火時の溶岩流が永い年月で侵食されて造り出された日本版「エアーズロック」だ
三ツ滝
一番の初心者コースを歩いていくと分かれ道が...
3.5kmVS8kmコース。
「ハハハ、当然長い方だな」強がる夫。
「ククク、頑張り遊ばせて」鼻で笑う妻。
どんびき平
スポーツクラブのランニングマシンでも、3キロの早歩きでグッタリのメタボ親爺には、少々きつかった。
平坦な道では快調に女房の先導役を務めるが、少しでも勾配がつくと瞬く間に抜去られる。
息をついて顔を上げると、女房自慢のデカ尻が、見る間に小さくなっていく。
なんとか、このコースの見所らしき場所に到着。渓流を見渡せる大石の上で並んでランチタイム。名古屋駅で買っておいた駅弁を開く。そしていつも通り、女房はスケッチタイム、旦那は写真タイム。
からたに滝
あかがねとよ
初心者周遊コースを無事に制覇
土産物屋で五平餅を頬張りながら一息ついていると、店内をめざとく物色していた妻が、猫なで声で囁く。
「これ、可愛いなぁ〜欲しいなぁ〜」
旦那様お買い上げ〜現金1,500円也
「これで、東京の家のバルコニーで雀を餌付けするんだぁ〜」
非常に思慮深く堅実路線の妻だが、突然子供染みた発想をする処が・・・私は嫌いではない
夕方近くなり、宿に向かうつもりだったが、「冠雪の御嶽山を見てみたい」と騒ぐ妻のリクエストに応え、見晴らしの良い場所をナビを頼りに探し出す。巌立岩から更に30分走り、別荘が密集する鈴蘭高原のゴルフ場そばに展望台を見つける。 と、またもや、奥様スケッチタイム。しかも、風が冷たいので、車の中から描く横着ぶり
予定より1時間遅れて旅館にチェックイン
地元の取引先の方に聞いておいたおススメ宿がすべて満室で、自力で探し出した旅館である。全室16部屋の小さな宿で、決してお安くない。昨秋、三重県湯の山温泉の格安旅館に泊まったが、夜中にカメムシとてんとう虫の猛攻撃に辟易した経験がある。すべて値段で解決はしないが、妻の記念日にリスクは避けたい。久々の旦那様の大盤振る舞い(どうせ家計からのカード払いだし...)なのである。
素晴しいひと時だった。
サービス・風呂・部屋・食事と4拍子揃った、思い出に残る旅館となった。
こじんまりとした旅館ならではの、細かい気遣いが隅々まで徹底されており、大変心地よい。
特筆は、夜の懐石料理だった。素材を活かしながらも、組み合わせや味付けに工夫と挑戦が感じられ、定番の温泉料理とは一線を画す出来栄え
女房も大感激 地ビールを飲むピッチがすすむ、すすむ
旨過ぎて全部を撮りきれませんでした
温泉は4度入浴〜堪能しました
内風呂の出入口脇の休憩所に最新鋭のマッサージチェアが置かれており、妻が初挑戦
これが、相当の優れモノで、約30分間「ひぃーひぃー」喚きながら恍惚の表情を浮かべておりました
どうも、鋼鉄の女王様は、亭主との愛ある触れ合いよりも、精密なツボ押しマシンの方がお気に入りのようで...
連休3日目。
残念ながら天気予報が当たり、早朝から冷たい雨が降りしきる。
快晴であったなら、悪路の峠越えで白川郷近くまで車をぶっ飛ばし、今年最後の桜となる「荘川桜」を愛でる予定だったが、即、方針変更。チェックアウトギリギリまで、館内でまったりと過ごした後、唯一とも云って良い下呂市内の観光名所に向かう。
下呂温泉合掌村
世界遺産である白川郷から移築された10棟の合掌家屋を中心に構成された古風なアミューズメントスポットだ。
時間潰しのつもりで観た影絵劇が、結構感動的だった。
日本初の影絵劇団「かかし座」の舞台を常時見られるのが、この合掌村にある「しらさぎ座」・・・国内唯一の影絵専門劇場なのである。 世界に誇れる日本の伝統芸を、洗練された芸術に磨き上げた若きパフォーマー達に拍手喝采だ。
雨に濡れた緑もまた美しい
そして、こんな降雨の中でも賢明にスケッチをする我が女房は、やはり変わり者かもしれない
一通りの見学が終了し、雨が一際強く降り始めたので、予定より早めに名古屋に帰る事とする。
しかし、妻がどうしても一カ所だけ立ち寄りたい処があると云うのである。
何処で手に入れたのか、ご当地の名産でもある「高山家具」を扱うお店のパンフレットが、彼女の手に握られていた。ナビを頼りにその家具屋さんに付き合う羽目となる。また厭な予感がしていたのであるが...
家具のマルケン(http://www.wa-maruken.com/)・・・高山家具だけでなく、お土産から高級品、新品から骨董品まで幅広く家具全般を扱うお店だった。母親と息子で切り盛りしているようで、店内中に所狭しと家具が並んでいる。アンティーク物に目が無い女房の眼の色が変わる
「ねぇ〜、これ素敵じゃなぁ〜い」また猫なで声である。
旅行代金だけでも相当な額になっているはずなので、さすがの太っ腹の旦那も聞こえないフリをする。
「実は、お義父さんから誕生日祝いに、旅行の足しにしなさいって、お金を少し戴いているのよねぇ」
少々ボケ始めた私の実父は、こんな嫁でも可愛いらしいのである。いや、私の単身赴任中に、鬼嫁は実家にいる家族達をマインドコントロール下に置いたのかもしれない...
奥様お買い上げぇ〜
干支の置物を買うわけがありません。
超ご機嫌の妻と下呂駅で名古屋行き列車を待つ。
「おっ、東京にお土産買うのを忘れるなよぉ」
「もちろん、そうよね。あっ〜、さっきの出費で2,000円しか残ってないわ。アンタ、1万円貸しといて」
身も心も財布もズタボロになった亭主は、翌日の連休最終日に妻に見送られながら、仕事に向かうのであった。
「行ってらっしゃーい。楽しかったわねぇ〜。私は昼過ぎの新幹線で帰りますので」
この日の仕事は、取引先のご子息の結婚披露宴のダブルヘッダー、更に別の取引先のご不幸が重なり通夜まで顔を出せねばならなかった。 ほとんどやけ食い状態である。「ご祝儀はどうせ会社のカネじゃ」と、フレンチのフルコースを2セット見事平らげ、線香臭い身体で自宅に戻る。と、ちょうど女房からメールが届いた。
「お掃除は全部できなかったけど、台所と水廻りと机の上は綺麗にしておきました。布巾、食器拭きが干涸びていたけど、ちゃんと洗剤で毎日洗うように。これから夏に向けて雑菌が繁殖しますよ」
この日の結婚披露宴で、或る来賓の方が非常にユニークなスピーチをされていた。
彼は「全国亭主関白協会」なる団体に入会されており、新郎に亭主関白の何たるかを説いていたのである。
「関白とは本来、天皇(妻)に次ぐナンバー2の地位」。
実は、全国亭主関白協会は、妻との紛争を平和的に解決するための
技術や心構えを会員が日々学習し、段位を競い合うサークルなのだ。
ただ、世間体もあるので「オヤジの復権」を装った会是や段位を
掲げている。
実は、全国亭主関白協会は、妻との紛争を平和的に解決するための
技術や心構えを会員が日々学習し、段位を競い合うサークルなのだ。
ただ、世間体もあるので「オヤジの復権」を装った会是や段位を
掲げている。
と、大変、身につまされるお祝いの言葉だったのである。
迷わず、即入会いたしました。
世間には小生の境遇のような悩める愛妻家が溢れている事に胸をなでおろしました。
小生の段位は3級からのスタート。精進を積み、亭主関白マスターを目指す事を誓います
早く達人になりたいものである。
新緑の画像も素敵ですが、ハニーさまの絵も明るくて良い感じですね♪
いろいろと、ごちそうさまです。(^m^)
あとは笑うしかない!? どうぞ お励み下さいませ♪
by Labyrinth (2014-05-11 21:43)
「全国亭主関白協会」!素晴らしいですね~!
ぜひぜひ、極意をきわめて素敵な関係を築いてくださいませ☆
by non_0101 (2014-05-11 22:44)
> Labyrinth 様
妻が神だからこそ、亭主にこんなに試練を与えて下さる...と思い込むようにしています。笑ってやって下さい...(-。−;)
by つむじかぜ (2014-05-12 03:03)
> non_0101 様
日々、精進していくつもりです〜ご声援を!
by つむじかぜ (2014-05-12 03:04)