『42〜世界を変えた男たち〜』 [上映中飲食禁止じゃ!]
監督・脚本:ブライアン・ヘルゲランド
撮影:ドン・バージェス
音楽:マーク・アイシャム
キャスト
ハリソン・フォード チャドウィック・ボーズマン
ニコール・ベハーリ クリストファー・メローニ アンドレ・ホランド ルーカス・ブラック
ハミッシュ・リンクレイター アラン・デュディック ライアン・メリアマン
1947年。ブルックリン・ドジャースのゼネラルマネージャーを務めるブランチ・リッキー(ハリソン・フォード)は、黒人青年ジャッキー・ロビンソン(チャドウィック・ボーズマン)と契約、彼をメジャーリーグ史上初の黒人メジャーリーガーとして迎
える。だが、白人以外には門戸を開かなかったメジャーリーグにとって彼の存在は異端なものでしかなく、チームの選手たちはもちろん、マスコミや民衆からも
糾弾される。そんな状況ながらも、背番号42を誇るようにプレーするジャッキーの姿は次第に人々の気持ちを変えていく。(シネマトゥデイより)
スポーツ偉人伝の映画化であり、いかにもハリウッドらしい爽やかに満ち溢れた作品である。
ジャッキー・ロビンソン・・・戦後間もなく、黒人初のメジャーリーガーとして活躍した実在の選手である。
人種差別が色濃く残る当時のアメリカは、野球界もご多分に漏れず、メジャーリーグでの有色人種の選手は誰ひとり存在しなかった。その真っ只中、忽然とドジャースの2番打者としてデビューした俊足の黒人選手である。
無名の俳優・チャドウイック・ボーズマン
が彼を熱演する
「法律を破るより慣習に逆らう方を、世間は許さない」・・・当時の世相そのままに、ジャッキーはグラウンドの内外から批判に晒され、夫婦の生命の危険さえ及ぶほどの白人社会からの激しい抵抗を受ける。
この黒人メジャーリーグ入りを画策したのが、ドジャースのGMであるブランチ・リッキー。彼は、パッシングに耐えきれず自暴自棄に陥りそうになるジャッキーを、陰ひなたとなって支えるのである。
実は、このブログを書くまで彼がハリソン・フォードとは気づいておりませんでした
(過去のアクション・スターのイメージとはかけ離れた重厚な演技は特筆モノだ)
ベースボールを国民的スポーツにしてビッグ・ビジネスにしたいと訴えるブランチの本音は、スポーツ界での人種差別の撤廃なのだ。若かりし頃の苦い経験が語られる場面から彼の強い想いが伝わる。
この二人の人種を超えた師弟関係というか信頼関係が熱く描かれており、胸を打つ。ブランチの期待に応え、ジャッキーは「キレたら終わり」のギリギリの状況で、常にグランド上でのフェアプレーに徹する。
彼の真摯な姿は、徐々に反発していたチームメイトの心をも動かし始め、ついに黒人排斥運動根強いアメリカ南部でのアウエー試合で、ひとつの大きな果実が実って行く。
ジーンとくる名場面
民主主義を標榜し、自己批判にも逡巡しないアメリカらしい、小細工無しの作品である。まさに直球ど真ん中
真ん中過ぎて、かえって呆然と見送ってしまうバッターの気分に似た感覚が、なきにしもあらずで、映画好きとしては、もうひと捻り欲しいという欲求ももたげて来るほどの出来だ。
しかし、これは実話なのだ。
その後に続く黒人名選手ウィリー・メイズ、ハンク・アーロン、そして日本人選手の野茂英雄からイチローまで。
上原浩治の今ワールドシリーズでの活躍は、60年以上も昔に、強靭な精神と肉体を持った黒人選手と類い稀な先見力をもった白人ビジネスマンの二人の邂逅が無ければ、有り得なかったのだ。
ジャッキー・ロビンソンの付けた背番号42は、メジャーリーグ全球団の永久欠番となっている...これもアメリカらしい〜今なお残る人種偏見に打ち勝つため自ら定めた象徴として〜
フェアプレーの映画に拍手喝采
2013-11-28 01:30
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コメント(6)
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見たい映画ですね。
by JUNKO (2013-11-28 08:27)
良かったですね、この映画。
by 怪しい探麺隊 (2013-11-29 01:45)
コレは観たいんですよ。
アメリカ文化好き、一応アメリカ現代史(公民権運動)を学んでた僕としては^^;
by DEBDYLAN (2013-11-29 23:20)
> JUNKO 様
女性でも楽しめる映画だと思いますよ^^
by つむじかぜ (2013-11-30 03:37)
> 怪しい探麺隊 様
なかなか滲みる作品でしたね!
by つむじかぜ (2013-11-30 03:40)
> DEBDYLAN 様
アメリカ現代史ですかぁ〜(⌒▽⌒;)
歴史苦手でした...年号覚えきれなくて...(・・;)
by つむじかぜ (2013-11-30 03:43)