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「25年目の弦楽四重奏」 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督/脚本:ヤーロン・ジルバーマン
撮影:フレデリック・エルマン 
美術:ジョン・キャサーダ
音楽:アンジェロ・バタラメンティ
 
キャスト:
     フィリップ・シーモア・ホフマン
   マーク・イヴァニール
   キャサリン・キーナー
   クリストファー・ウォーケン
   イモージェン・プーツ[揺れるハート]
     リラズ・チャリ
 
ダニエル(マーク・イヴァニール)、ロバート(フィリップ・シーモア・ホフマン)、ジュリエット(キャサリン・キーナー)、ピーター(クリストファー・ウォーケン)から成る弦楽四重奏団は、結成25周年を迎えようとしていた。そんな折、チェリストのピーターがパーキンソン病を宣告され、引退を申し出たことで残されたメンバーは動揺する。それを機にライバル意識や家庭の不和など、それまでセーブされてきた感情や葛藤が噴出し……(シネマトゥデイより)
 
 
べートーヴェン弦楽四重奏曲作品131(第14番)・・・伝統的な楽曲の多くは4楽章から構成され、パートの切れ目で若干の間が空けられる。しかし、7楽章から成るこの131を、ベートーヴェンは「途切れることなく演奏すべし(アタッカと呼ぶ)」と書き遺した。しかし、それを忠実に実行するならば、演奏後半には、各楽器のピッチ(音程)が微妙にズレ、ハーモニーを維持するのが困難となる演奏者泣かせの難曲となるのである...
 
熟練の四重奏団『フーガ』の演奏者達が、結成25年に迎える試練。彼らの確固たる連帯と信頼関係が、徐々に軋み始め、もがきながら調和を模索する姿を、作品131の歪んでいく音色に重ね合わせて描いた人間ドラマの秀作である。
 
4名の俳優の磨き抜かれた演技は、まさに至極のカルテットが奏でるハーモニーそのものだ。
 
『ディア・ハンター(1978)』〜あのロシアン・ルーレットの壮絶な演技から35年。病魔に蝕まれながらも楽団の存続に命を尽くすメンバー最年長のチェリスト役クリストファー・ウォーケン(ピーター)が、深い想いを秘めた枯れた演技で後輩俳優達を支える。楽曲の低音部を担うチェロにそのままなぞられる。
 
オスカー俳優フィリップ・シーモア・ホフマン(ロバート)〜第2バイオリン。永年に亘り引き立て役に終始した彼が、初めて訪れた己の宿願に我を忘れて突き進み、そして現実を叩き付けられ右往左往する醜態を人間味たっぷりに演じる。音楽理論より感性を優先する彼の奏法に通じる。
 
ロバートの妻でもあるビオラ奏者にキャサリン・キーナー(ジュリエット)。楽団のバランスを客観的に一番知り尽くす彼女は、亭主と元恋人と恩師の間で揺れ動く。母親であり妻であり音楽家という難しい役どころを、2つのバイオリンとチェロの狭間で揺れるビオラの如く様々な音色で奏でた。
 
天賦の才の上に自己研鑽に余念が無い第1バイオリンはマーク・イヴァニール(ダニエル)。生来、音楽に人生に捧げてきたエリートの落とし穴。音楽理論の通りには立ち行かない初めての恋に、完璧主義の天才音楽家は少年のように或る時は胸を弾ませ、或る時は落胆する。綻ぶソリストの旋律は、滑稽さをも滲ませながら、迷奏するのだ。
 
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この四者四様のいぶし銀のハーモニーに彩りを添え、更に混乱をきたす原因となるのが、私好みの美女二人なのだ[わーい(嬉しい顔)]
 
妖艶なるフラメンコダンサー役
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Liraz Charhi〜テルアビブ在住のSingerのようです〜
F・シーモアもイチコロの黒髪の誘惑
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ベッドシーンでの彼女のヒップは素晴らしいのだが、これだけでR15+とは、この名作の主題を映倫は何も判っちゃいない[ちっ(怒った顔)]・・・と、ひとり憤るつむじ風です[exclamation&question]
 
そして...そして...ブロンドキタァ〜
ロバート夫妻の娘役
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イモージェン・プーツ(Imogen Poots)・・・ロンドン在住のモデル兼女優の24歳。
ダニー・ボイル監督のゾンビ映画の名作「28日後...(2002年)」の続編「28週後...(2007年)」に若かりし頃に出演しており、『ピイピっ』と食指が動いていたのだが、素敵な女性になっておりましたぁ[ぴかぴか(新しい)]
 
 そこはかとない色気が良い[キスマーク]
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大き過ぎないバストがgood[ひらめき] 
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目力が良い[かわいい]
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 屈託の無い笑顔が良い[わーい(嬉しい顔)]
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演技力もモデル上がりには見えないしっかりしたものだ。
両親の親友でもあるダニエルとの歳の差を超えた禁断の恋。
両親からの愛情に飢えていた美少女が、堅物の中年バイオリニストに反発しながらも徐々に心を寄せ、後先考えずに恋愛に突き進む健気な姿が、とにかく美しかった[黒ハート]
 
てぇことは、こんな小生にもうら若いお嬢様に言い寄られる幸運があるやも...と思わせる演技でございました[あせあせ(飛び散る汗)]
 
・・・だいぶ本筋から外れたが、このタイプの文芸作品、特にクラシック音楽を主題とした作品は欧州映画によく見られる。厳粛な音楽と共に絵画的要素も手伝った、非常に深みのある映像などは、ヨーロッパ伝統のものだ。逆にそれは、芸術的要素が強過ぎて、個人的には「映画の面白み」に欠ける作品も少なくない。
 
本作はニューヨークを舞台にしたアメリカ映画なのである。
ベートーベンの厳格な音楽への本質に迫りながら、現代の音楽家の人間としての苦悩を、ある意味解りやすく描いている。しかしそれは決して陳腐なものではなく、古典主義な欧州の絵画的雰囲気と、アメリカナイズされた通俗的要素が極めて良好なバランスで成り立った希有な作品となっている。
そして、アメリカを代表する名優達の火花散る演技が、それを更に高い領域に押し上げている。
 
ラストシーン〜ピーターの抜けた「フーガ」の演奏会で、3人は自然と楽譜を閉じる。いままで頑に楽譜に忠実に演奏してきた彼らが、初めて『暗譜』で感情の赴くままにベートーベンを奏でようとした処で、幕が閉じる...
 
いやぁ、たまりません・・・大好きな映画が、また増えた[exclamation×2] 
 
 
 
Complete String Quartets Grosse Fuge

Complete String Quartets Grosse Fuge

  • アーティスト: Ludwig van Beethoven
  • 出版社/メーカー: EMI Classics
  • 発売日: 1999/10/15
  • メディア: CD
アルバンベルグ四重奏団によるベートーベン弦楽四重奏曲全集(7枚組)
所有はしていたが、なかなか聴き込むというレベルまでは到らなかったCDだ。
この映画で取り上げられた作品131も当然、収められている。
何故、ベートーベンは調弦が狂うのを知っていながら「アタッカ」で、この曲を演奏せよ、と言い残したか?
完全に聴覚を失った最晩年での作品で、「細かい乱れには目もくれず、ただ感性の赴くままに突き進め!人生のように」と云っているのか? クラシック音楽素人の小生には、いささかハードルが高い問題だ。
ちょっと、じっくりと聴いてみようか[るんるん]
 
 
お決まりのおまけ映像をちょっとだけ
 
 [揺れるハート]嗚呼、イモージェン[揺れるハート]
 
    (映像プロデュースはソフィア・コッポラ、音楽はRoxy Music
 

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コメント 4

(。・_・。)2k

別嬪さんですね~
どうやるとこんなに美しく生まれられるんだろ、、、

by (。・_・。)2k (2013-07-17 01:50) 

つむじかぜ

> (。・_・。)2k 様
ほんまに遺伝子の謎です(・・;)
我が国でも何時かは出現してほしいDNA^^

by つむじかぜ (2013-07-21 01:46) 

non_0101

こんにちは。
この作品、良さそうですね~ 早く見に行かなくてはと思ってます☆
by non_0101 (2013-07-21 13:05) 

つむじかぜ

>non_0101 様
あまり話題に上らない作品ですが、芸達者の描く味わい深い世界です。
オススメですよ^^
by つむじかぜ (2013-07-25 02:18) 

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