『のぼうの城』

  

監督：犬童一心　樋口真嗣

特撮監督：尾上克郎

原作・脚本：和田竜

撮影：清水素延　江原祥二

音楽：上野耕路 

 

キャスト：野村萬斎　榮倉奈々　成宮寛貴　山口智充

上地雄輔　山田孝之　平岳大　西村雅彦　平泉成

夏八木勳　鈴木保奈美　前田吟　尾野真千子　

佐藤浩市　市村正親　中尾明慶　芦田愛菜

 

戦国時代末期。豊臣秀吉は天下統一の最終決戦として北条家に大軍を投じるが、難攻不落の支城があった。それは周囲を湖で囲まれ、“浮き城“との異名を持つ忍城。その城代で“のぼう様“と呼ばれる成田長親は、前代未聞の策で豊臣軍に立ち向かおうとしていた。（ぴあ映画生活より） 

良くも悪くも日本歴史映画の大作

 

気分爽快の作品である。歴史戦記モノとしては異例のヒット中とか。

 

ほぼ日本全国統一を手中に収めた豊臣秀吉の最後の仕上げの戦〜小田原・北条家攻め。

その圧倒的不利な形勢の中での北条側のひとつの支城の奮闘を描いた。

石田三成が水攻めをした史実に基づいて書かれた脚本「忍ぶの城」（その後に小説となった珍しいパターン）を国内気鋭の二人の監督が映像化した。（W監督もまた珍しい）

 

「リアリティの無さ」が特筆なのである〜黒澤映画とは対極

主人公・成田長親を演じる野村萬斎の浮世離れした演技を筆頭に、とにかく主要キャラクターを必要以上に「濃く」「大袈裟に」描いている。

我が国が世界に誇る「特撮」を、これ見よがしに魅せた水攻めシーン〜「はい、作り物です」と堂々と

 

 

 

しかし、違和感を感じさせない映画の勢いがある。脚本・演出・演技の切れの良さ。

知らぬ間に観客は、戦国時代の舞台に引きずり込まれ、非日常を体験する事になるのだ。

 

 

こんな背の高い男勝りの姫などいるかぁ〜とか（榮倉奈々ちゃん、凛とした可愛さ）

 

 有り得ないほど強いじゃないの山口君とか

 

後の関ヶ原まで石田三成（上地雄輔）との友情を守り抜いた若かりし大谷吉継（山田孝之）にちょっとジ〜ン

 

 美味しいところ独り占め状態・佐藤浩市様

 

白眉はやっぱり萬斎の船上での田楽踊り

 

これでもかと、現実には有り得ない人物描写は「少年マンガ的」であり、そこが若い人々に受け入れられた最大の理由かもしれない。

 

日本の伝統芸能〜演劇の礎と言えば「歌舞伎」「能楽（猿楽）」が挙げられる。

派手派手しいまでの誇張表現と最新映像技術を駆使し、更に中心にほんまもんの能楽師を据えるという、まさに今のニッポンを代表する掟破りの「新カブキ映画」の登場ではないか

 

もし黒澤明監督がこの映画を観たら、それこそ良くも悪くも「ぶっ飛んだ」であろう新しいタイプの歴史邦画の誕生だと感じた。この非現実世界を見た多くの観客は、ラストの歴史考証の説明で、実話であったと気付かされるのである。あっという間の145分であった。

 

 

 
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コメント 8

こんにちは。
面白い作品でしたね～　本当に長さを感じない作品でした。
“美味しいところ独り占め状態”は全くですよね。
何と言っても彼が一番カッコ良く見えました☆
by non_0101 (2012-12-19 08:52) 

観たくなりましたよ。
とても面白そうです。
by さとし (2012-12-19 23:04) 

だいぶ前に本を読みまして、映像化されたらどんなだろう!? と、楽しみにしてましたけれど・・・(^^;
目の当たりにしたら想像以上の迫力で!? 吃驚しましたね～
思ってた以上に楽しめました♪ w
by Labyrinth (2012-12-22 02:54) 

すいません！つい上映中にキャラメルポップほおばちゃって～！Merry Christmas ～！
by macinu (2012-12-24 12:48) 

＞non_0101様
その後の佐藤浩市の坊主姿は、ちょっと想像しにくいですけど...^^;
by つむじかぜ (2012-12-25 23:52) 

＞さとし様
かつての戦記モノ映画のスケールと大違い、オススメです！
by つむじかぜ (2012-12-25 23:54) 

＞Labyrinth様
派手派手しいほどの大袈裟な映像は、おもろかったですね^^
by つむじかぜ (2012-12-25 23:56) 

＞macinu様
Merry Christmas！！！
キャラメルポップは、噛まずに音を立てずに飲み込んで下さ〜い(￣ー+￣)

by つむじかぜ (2012-12-25 23:59)