『マデリン・ペルー』滲みるビタースイート・ヴォイス [〜私の歌姫〜]
大分以前に、ぷーちゃん様(http://music-life-poo.blog.so-net.ne.jp/2011-04-30)が紹介されていた
マデリン・ペルーのセカンド・アルバムです。
小生は、1996年発売の彼女のデビューアルバムを何故だか購入していたのでした。
当時『ビリー・ホリディの再来』というPOPに惹かれて、CDショップで衝動買いをしていたようなのだが、実際聴いてみると「再来というよりそっくり完全コピーじゃないか〜」と、あまりに伝説のビリー・ホリディに酷似し過ぎた歌声に衝撃を通り越して気抜けしてしまい、実はそれ以来CD棚の片隅に追いやられた不幸な1枚なのだ。
ぷーちゃん様の記事で久しぶりに彼女の歌声を聴き、「やっぱり、いいなぁ〜」などと、当時の早合点を反省してデビューアルバムを引っ張り出し聴き直していたのだった。
その彼女が今年の夏に新作を発表していたのでした。参加ミュージシャンを確認すると・・・
私の最愛の偏執狂ギタリスト・Marc ribotが弾いているではないか。
デビューアルバム「Dreamland」にも参加しており、渋いプレイを披露していたが、マデリン共々この15年の歳月での二人の進化に興味津々。
これは、もう試聴するまでもなく当然の如く、ポチッなのだ
私の心臓ぶち抜きの大傑作である。
声質が突然変わる訳はなく、ビリー・ホリデイ酷似は否定できないが、歌の表現力が格段に上がっており、所謂「自分の唄」にしている。ゆえに、ビリーの悲哀に満ちた歌唱法と一線を画し、不朽の大歌手の二番煎じの印象が完全に払拭された。マデリンが醸し出す柔らかく土臭い中にキラリと光るスタイリッシュな感じが堪らない。語尾の美しさに溜め息が洩れる。ほろ苦い〜ビタースイートなヴォイスが、秋雨が体に染み入るように溶け込んでくる。
マーク・リボーは、15年前の作品では多くの参加ミュージシャンの中の1ギタリストの域を出ていなかったが、今作は完全に全楽曲の演奏の柱となっており、随所に彼の少々捻った感性が顔を出す。マデリンと云えば、過去作とビリーの幻影により伝統的ジャズ・シンガーを踏襲しているイメージが強かったが、マークの造り出す無国籍音空間が、彼女を稀代のコンテンポラリー・シンガーとして解き放った。
マデリン自身によるアルバム紹介
アルバム中一番のお気に入り「The Things I've Seen Today」
(このギター・メロディに病み付き。
スタジオ盤でのマーク・リボーの深みのあるギター・プレイは更に必聴)
おまけ
元祖ビリー・ホリデイの歌の中で一番好きな曲です
「きみに読む物語」(この映画にもメロメロ)にも挿入されました。
『I'll Been Seeing You』
このあたりの系統は、あまりちゃんと聴いて来なかったんですが、
渋くていいですねぇ♪
徐々に開拓していきたいと思います (^ー^)v
by haku (2011-12-12 07:44)
マデリン・ペルー、いいですよね〜。
新作は入手してないんですよね。
またポチらねば?かな。
by ぷーちゃん (2011-12-15 20:51)
>haku様
バリバリのロックの合間に聴くと染み入りますよ^^
>ぷーちゃん様
マデリンの新境地を感じる出来です。おすすめ〜☆☆☆
by つむじかぜ (2011-12-17 02:21)