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『悪人』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督:李相日
キャスト;妻夫木聡 深津絵里 樹木希林
原作;吉田修一
美術:種田陽平
音楽:久石譲




まばらな人影の映画館で、ようやく『悪人』を観た[目]

映画本来の評価より、深津絵里・モントリオール映画祭最優秀女優賞受賞の話題が先行し過ぎたのか、興行的にはなのかもしれない。

細部まで練り上げられた素晴しい作品だと思う。原作は未読であるが、「善き者、悪しき者」の最期の選別の判断は、すべて観客に委ねるという、いかにも文学的終末があてつけがましくなく、自然に表現されている。

俳優陣の熱演、細やかな演出、情景と融和した音楽の挿入、自然なセット。まさしく典型的な「日本映画」であり、今春話題となった中島監督「告白」とは、ある意味対極の作品かもしれない。

前作「フラガール」を含め在日3世の李監督が、地に足の着いた伝統的日本映画を作り、日本人・中島哲也が解き放たれたアーティスティクな作品を作り続けるというこの皮肉。そしてふたつともが、紛れもない「いまのニッポン」なのである。

やはり今作で特筆なのは、俳優陣の演技。主役二人を含め、樹木希林・柄本明・満島ひかり3人の脇役は、完全に役に入り込んでいる。スクリーン一杯に役者魂が満ち溢れている。監督の細かな演技指導と共に、俳優達のポテンシャルの高さを感じる。

ラストの柄本が床屋に帰るシーンが好きだなぁ〜

で、注目の深津絵里[exclamation]

彼女を初めて知ったのは、25年程前の新聞奨学生のイメージキャラクターとしてだ。
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JR東海のシンデレラ・エクスプレスCMの直後位かな。

当時、仕事の関係者からテレカを何枚か戴いた訳なのだが・・・

彼女がこんなBIG STARになろうとは夢にも思わず。

ずっと持っていればよかったのに・・・

彼女を観て、いつも連想するのが「ガラスの仮面」北島マヤである。
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はるか昔に、妹の「花とゆめ」をかっさらって読んだもんだが、いまだに連載中の未完の大作漫画(第一話が1976年ですよ!
この主人公の北島マヤが、普段は目立たない地味な女の子なのだが、一旦役作りに入ると、周りの想像を絶する演技をする「女優」に変貌してしまうのだ。
会社の隣の席にいるソバカスが目立つ地味なOL深津さん。しかし、その彼女は、カメラを向けられると人が変わったような輝く「大女優」に変身してしまう。
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8年前の連ドラですが、妻と嵌りました。彼女の素晴しさを認識した作品だ。
「恋ノチカラ」(1982年)
今思い返すと、連ドラの名作だったのかもしれない。常に次回に期待を持たせる「恋の展開」。コメディ要素を十分に取り込みながらもファッショナブルな映像。映画では作り得ないTVドラマの美点を十分備えた作品。当時の売り出し中の俳優陣のフレッシュな演技。ベタだけど小田和正の歌もいい。
深津絵里・堤真一・谷原章介を観ると、名優の道に進むべき者はコメディもしっかり演じる事が条件ですね。旬の矢田亜希子はこの時がピークというより、芝居より男を選んだんだなぁ。
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