ロキシー・ミュージック『アヴァロン』 [〜ロックの神さん〜]
滅多に見ない民放TVで、現在一番気になるCM
特にpart.4がお気に入り
素顔よりコスプレ姿の「平野綾」いいですねぇ、エセ・ブロンドも
ゲーマーでもコスプレイヤーでも無いが、「アヴァロンの騎士」という題名には何故かそそられるものがある。
「アヴァロン」とはイギリスの伝説の島であり、古代ブリテン人の英雄・アーサー王が眠る場所と伝えられる。
中世の騎士道とロマンスを描いた「アーサー王と円卓の騎士達」の物語は、時代の変遷と共に歴史戦記からファンタジー、RPGにまで世界中の若者から支持される題材となったのである。「桃太郎の鬼が島伝説」とは、少々趣きもスケールも異なる「アヴァロン」には、常に神秘的なイメージがつきまとう。
そして音楽ファンの小生は、短絡的にここに結びつける...
ROXY MUSIC『AVALON』
(何気にコンガを叩くおネェ様が素敵)
ロキシー・ミュージックの究極のラストアルバムであり
20世紀ロック史上、燦然と輝く名盤
1972年に英国でデビューしたROXY MUSIC。
結成当時は、グラムロック人気に便乗したキワモノの音楽素人集団と揶揄されていたらしい。
メジャーデビュー時の主要メンバーは・・・
ブライアン・フェリー(vokal/keyboard)
フィル・マンザネラ(guitar)
アンディ・マッケイ(sax/obe)
ブライアン・イーノ(synthesizer/keyboard)
後に「アンビエント・ミュージック(環境音楽)」の神様と崇められたブライアン・イーノ(73年脱退)を除き、上記の3人が永きに亘りロキシー音楽の中核トリオとなり、後期の活動は彼らをレギュラーメンバーとして、アルバム・コンサートごとに客演者を呼び込むスタイルが定着していった。
Virginia Plain(1972)
デビュー当時は、ファッションはグラムロック風だが、音楽自体は前衛ファンク・ダンス・ミュージックって感じでしょうか 今、聴いても結構、斬新です
当時の小生は、バリバリのハードロックかメロメロのプログレが好みの為、熱狂的な彼らのファンではなかったのだが、リーダー格のブライアン・フェリーのイヤらし度抜群の歌声と勘違いもここまで来れば絶賛の伊達男風味には惹かれていた
Love Is The Drug(1975)
(何気に左のダンサーが素敵)
有名なこのジャケットに誘惑されて...
この4thアルバムくらいは所有していたのだが、確かにこの辺りから急速に音楽が緻密さかつ深みが増してくる。
とは言っても、それ以降も彼らをずっと追いかけていた訳ではないのだが...(笑)
すっかりロキシーを忘れ去っていた大学生時。
深夜、自宅で「ムフフ、今夜はどんなHな企画かなぁ〜」と、あの「11PM」にTV画面かぶりつき状態のスケベ青年が独り。しかし、その時は「うさぎちゃんの秘湯の旅」ではなく「今野雄二」の真面目な音楽紹介コーナーだった。氏曰く「このアルバムは凄い。この音作りは、現在では有り得ないレベルだ」などと、ロキシー・ミュージックのニューアルバムを取り上げ絶賛していたのだった。
「そこまで言うなら、聴いてやろうじゃないか」と、購入したROXY MUSIC 8th album「Avalon」につむじ風青年は、1曲目から脳天をぶち抜かれたのでした
ブライアンのヴォーカルが儚さを湛えながら、縦横無尽に駆け巡るフィルのギターとシンセサイザーが溶け合い、男の哀愁を際立たせる。ベース・ドラムは淡々とリズムを刻みながら、コーラスごとに微妙な抑揚を付ける。
試行錯誤の末、多重録音を繰り返したであろう分厚い音像なのだが、電子処理の匂いを全く感じさせないピュアな響き。これほど洗練された緻密な構成なのに、優しさと美しさに溢れた「人の温もり」を発している音楽。
デジタルに背を向けた、まさに男ブライアン・フェリーが遂に辿り着いた渾身のダンディズムの極致なのだ
More Than This(1982)
アナログ的手法で究極の音空間を創造した20世紀の前衛かつ保守ロックの最高傑作だと、私は訴えたい
「More Than This」=「もう、これ以上」
ロキシー・ミュージックは、このアルバムを最後に解散。「これ以上の」音楽は作れないとばかりに...
2001年に再結成されるも、過去作のライブ演奏を繰り返すのみで、彼らはその後1枚もAlbumは発表していない。
『伝説の島・アヴァロン』は、「夢の終焉、最期の到着地」という意味もあるそうだ。
最後にブライアン・フェリーのソロ活動期での来日映像を
Tokyo Joe(1997)
(う〜ん、やっぱりAsian Beautyもいいもんだぁ)
流石、女に囲まれて絵になる伊達男
『蜂、アゲイン!』杏子、10年ぶりシングル発表 [〜ロックの神さん〜]
うだる暑さをぶっ飛ばす
杏子のシャウトイマサのカッティング
1992年解散、いまだ国内最高峰のロックバンドと崇める「BARBEE BOYS」の紅一点ヴォーカリストと変態ギタリストの共演。偶然見つけて、即、DL購入なのです。
当然の如く駆けつけた2009、2010年の期間限定再結成ライブに涙・涙の小生でしたが、こんな風に新音源が発表されるとは・・・感極まります
やっぱり、蜂フリークなら元メンバーの現況もしっかり追わねばならないと実感。
小生と同年代のメンバーの内、この両名とベースのエンリケは、バリバリの現役のロッカーだ
声量と高域が薄れてしまったコンタと比べ、杏子のヴォーカルは更に磨きがかかり、五十路女の妖艶さ3倍満
私が神と崇める「いまみちともたか」...一聴しただけで彼と判る独特のパラノイア的カッティングとリフはいまだ健在
往年のバービーを彷彿させる
ちょいとひねったストレートなロックンロール
『あなたにアディクション』
やっぱり杏子のシャウトにはイマサのギターが似合う
◎オマケ
「グループ魂」の『片付けられない7Days』
(音源だけですが...)
ゲストヴォーカル:杏子
ヴォーカル:阿部サダオ
ギター:宮藤官九郎
驚異のコミック・パンク・バンド
見事な「バービーボーイズ・トリビュートソング」
『シガー・ロス』の新譜が凄い! [〜ロックの神さん〜]
Sigur Ross(シガー・ロス) のNew Album「Kveikur(クウェイカー)」をゲット
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ホステス
- 発売日: 2013/06/12
- メディア: CD
スリーピースに立ち返っての7枚目のオリジナルアルバム。
一体なんだ、この原因不明の不安感は...
冒頭曲からやたらと心臓の鼓動が早くなるこの感じ〜「絶望と歓喜」が織り混ざったサウンドに戸惑うばかり
かつてない音圧の重厚感に押し潰されそうになる。
そして、世紀末の荒れ狂う大地の如く強烈なビートとは全く対極のヨンシーの透明なヴォーカルは、滅び行く地球を天上から眺める天使が口ずさむ鎮魂歌のようだ。
シガー・ロスを初めて知ったのは、私の溺愛映画「バニラ・スカイ(2001年)」での挿入曲だ。
エモーショナルな旋律と未知の言語で切々と綴られる詩に、母胎に戻ったような不思議な哀愁を憶え、虜となった。
涙、涙のラストシーン
彼らがアイスランドを代表するポストロックバンドであり、楽曲の随所に現れる地表を揺るがす様な厳かな轟音が、リーダー・ヨンシーのバイオリン(ボウ)奏法によるギター音と知ったのはその直後。
そして、当時の彼らのアルバムを買い漁り臨んだ2006年の来日コンサートで、過去のロックライブでは経験した事の無い異次元の音空間に陶酔したのであった。
特にこの題名が読めない3rdアルバムは私の大のお気に入りであり、彼らの名をを世界的知名度に引き上げた傑作でもある。ミニマル・ミュージックに通じる単調な反復リズムの中で、たおやかな旋律が徐々に熱を帯びていく様は劇的であった。
その後、民族音楽的なリズムを取り入れたり英語での歌詞を導入して、ポップ化したかと思えば、意味深な映像と音とのマッチングに挑戦したり、常に実験と試行錯誤を繰り返しながら前進し続けた彼らのひとつの到達点が、この新作である様な気がする。
このバンドの骨格がヨンシーのヴォーカルとギターで或る事に異論はないのだが、現在に至る進化の象徴はオーリー・ディラソンのドラミングである。中期までのBGMで多用される様なメロウな楽曲で、静寂の中で零れ落ちる水滴のような心に響くドラミングを披露していた彼だが、4枚目の「Takk...」辺りから「叩き」始め、今作では大地を揺るがす鬼神の如くの変貌ぶりなのである。
そして、過去作のインストルメンタル偏重は消え失せ、神の領域まで昇華されたような幽玄さを帯びたヨンシーの歌声が全面に押し出されている。軽く一聴しただけならヴォーカル・アルバムだ。しかし、アイスランド語や彼の操る造語を全く解せない我々には、コーラスそのものが楽器の一部と錯覚してしまう緻密さとパワーを持っているのだ。
既に「プログレッシブ・ロック」は死語になったが、シガー・ロスの音楽は単なる「オルタナティブ・ロック」の範疇を軽く凌駕してしまった
映像からも垣間見える「破壊と創造」「生と死」「混沌から調和」〜 宇宙創造から人類の起源まで彷彿させるような壮大な音楽を叩き付けられ、ただただ私は歓喜の声をあげ、茫然自失するだけなのである。
彼らの魅せる次なる世界が待ち遠しいと共に空恐ろしい。
アルバム冒頭曲「Brennisteinn」
『ザ・ストロークス』の新作を聴く [〜ロックの神さん〜]
『New York City Cops (2002)』
ぶち切れるツィン・ギター。煙草を噴かしながら毒づくヴォーカル。
気持ちいい奴らだ
デビューアルバムのジャケ写も衝撃的だったが、中身の音がこれまた新鮮・抜群だった
The Strokes(ザ・ストロークス)・・・ 1999年、ニューヨーク結成のロックバンド。60年代ロックンロールの薫りを残しつつの斬新なサウンドが若者に大いに支持され、成功を収める。「ガレージ・バンドの旗手」と評され、その後のポスト・パンク・バンドに大きな影響を与える。
仮にこのバンドが、ツィン・ギターでは無くリズム・ギター1本で、なおかつ明るく軽めのヴォーカルであったなら、まさしくオールド・ロックンロールだ。
まさにこのバンドの最大の魅力は、ニック・ヴァレンシとアルバート・ハモンドJrによる個性的かつ対照的なギター・プレイに拠る処大なのである。
セミアコ型のギターを腰の位置に低く構え、図太くで粘っこい音を信条とするニック。一方、ストラトキャスターを胸の位置高く構え、シングルコイル特有の切れのあるカッティングが持ち味のアルバート。アドリブバトルをひけらかす事は決して無いこの2本のギターが、時に共鳴し合い、時に反発しながら作り上げるハーモニーに、どちらにも相容れず我が道を行くように淡々と歌い続けるヴォーカルのジュリアン・カサブランカス。
このシンプルかつ荒削りに聞こえながら、実は計算し尽くされたサウンド構成に小生はゾッコンなのである。
とにかく、ツィン・ギターをメインとした現存する数多のギターバンドの中で、ザ・ストロークスは別格のお気に入り度ナンバーワンなのである
2006年、3rdアルバムは、サウンドが更に重厚になり、ジュリアンのヴォーカルには“甘味”と“苦み”が加わって、何とも味わい深い出来なのである。リズムは明るく楽しく、音像は深く沁み渡る。
『You Only Live Once(2006)』
私好みのご機嫌なビート
ジュリアンの抑えたシャウトはU2のボノを彷彿させる。
そして5年ぶりに発表された4thアルバムは、過去作を踏襲しながらも、リズムは洗練され、ギターの絡みが緻密度を増した「大人のロック」 ザ・ストロークスの集大成と云って良い内容だった。
『Under Cover of Darkness(2011)』
アルバートの頭髪のブラックモア化が5年の歳月を感じさせるが...
「何とも気もちいい音です」
そして...飾り気もセンスも全く無いジャケット...
今春発表された5thアルバムを先日購入。
こ、これは・・・ぶっ飛んだ戸惑った・・・全く別のバンドかと、思わずジャケットを見返した程の変貌ぶり
「Chances(2012)」
ロックンロールの面影は遥か彼方へ。シンセサイザーと電子音化され単調なギターのリフが全体を覆い、ジュリアンのヴォーカルは虚空を漂うようにただ囁くのみ。
前作の一部の曲から進化の兆しは感じられてはいたのだが、今作でここまで別人格に変わり果てたようなサウンドを聴かせられると驚愕を通り過ぎて困惑であった。
しかし、何度かこのCDを聞き返す毎に、戸惑いが快感に変わって来る。
(これは、何やらデジャヴ体験...「男のルーツロック」を貫いていたU2が1993年に突如「アクトン・ベイビー」を発表。打込み多用のダンス・ビートに変貌したサウンドは世界中の物議を醸した。私自身も戸惑いを隠せなかったものだが、いつしかお気に入りのU2アルバムの一枚になっていった。)
そして、当時のU2に対する違和感が快感に変わる刹那を、このストロークスの新作にも感じてしまったのだ。
過去作とは一線を画す捉え処の無いリズムの渦に。極限まで簡素化したようなギターの音色に。感情を捨て去った中性的なヴォーカルに・・・熱きロックの血潮が見えるのである
過去の伝説のアーチスト達が繰り広げた大いなる音楽的挑戦の数々
ザ・ストロークス...これから一体、彼らは何処へ向かって行くのか
伝説への第一歩が始まったのかもしれない
Marc Ribot IN NAGOYA [〜ロックの神さん〜]
ついに『Marc Ribot』との対面である。
マーク・リボー率いるセラミック・ドッグの来日コンサートをNAGOYA CLUB QUATTROで観られる転勤早々のなんという僥倖
会社から至近のテナントビルのスポーツジムに先日入会したのだが、そのジムの下のフロアにクラブ・クアトロが在った。そして偶然見つけたポスター〜『Marc Ribot's Ceramic Dog Japan Tour 2013』〜の文字が
一昨年に来日、FUJI ROCK FESTIVALなどで「偽キューバ人バンド」のリーダーとして怪演を披露したのだが、仕事の都合がつかず断念。
しかし今回は一日でも日程が前後したら困難であったが、5/2の夜は仕事の予定も無し。
この絶好の機会は逃せません
Marc Ribot(マーク・リボー)・・・何度か当ブログで取り上げているが、小生が現存する世界最狂ギタリストとして敬愛して止まないミュージシャンです。
1954年ニュージャージー州生まれ。1984年にラウンジ・リザーズの2代目ギタリストとしてメジャー・デビュー。
同時にセッション・プレイヤーとして世界中の一流アーチストから声がかかり、多くのロック,ポップスの名盤と呼ばれる作品の影の立役者となっている。トム・ウエイツ「レイン・ドック」ロバート・プラント「レイジング・サンド」などは有名であるが、私の溺愛するジョー・ヘンリーのバックも多く務めており、要するに小生のお気に入り音楽の裏方さんでもあるのだ。
彼の音楽スタイルは変幻自在〜カントリー、ブルース、フリージャズ。ゆるロックからバリバリハード、サルサなどラテン音楽もお手のもの。ジャンルは多岐に亘れどギター・プレイは一貫して「リボー色」が滲み出る。
不協和音を入れたコード・ストローク、味わい深いダウン・チョーキング、予測不可能のアドリブ・ソロ、超キモチいいカッティング。普通の楽曲が、彼が参加する事により異質の空気感を醸し出す。
ジョージ・ハリソン作のビートルズの名曲がこんな感じになる
さて、今回はどんな「変体プレイ」を魅せてくれるか....胸が膨らむ
CLUB QUATTRO オールスタンディング ギター目の前の2列目に陣取る 19:10演奏スタート
マークが静かにギターを奏でたと思いきや、いきなり『ガツン』と来たぁ〜 『すげぇ〜』
Ceramic Dogというトリオ編成の来日メンバー・・・メチャ、ハード路線でしたぁ〜
但しHM系でも正統ブリティッシュ系でもない。リズム・音圧が第2期キングクリムゾンを10倍ド迫力化した上に、フリージャズを基にしたインタープレイが延々と続く。天高くシンバルを掲げたドラムの兄ちゃんが縦横無尽にリズムを刻む。スリムなベーシストは、シンセを弾いたりギターに持ち替えたり、ドラムも叩いて楽曲に変化をもたらす。そしてマークの狂人的プレイの連続。
このめくるめく音像がまともに体中に染み込んで来る
嗚呼〜なんという至福の時
New Albumに納められているこの曲が当日もオープニングでした。
マークのヴォーカルはリーダーアルバム以外では絶対に聴けない
それにしてもなんちゅうソロ弾くねん
雰囲気を味わって頂きたいのでアンコール曲をヴォイス・メモで少々
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
今週始めから風邪気味の洟垂れ小僧状態でこのライブに臨んだのだが、一発で鼻水止まったわぁ
ライブ終了後CD即売会
既に持っているCDだが、サイン欲しさにもう一枚買ってしまいました
マーク 素敵な音楽をありがとう
握手、握手
(AKBの追っかけと変わらない精神状況になっておりました)
◎おまけ
マークの活動・交友範囲は広く、日本人アーチストとのセッションも少なくない。
矢野顕子
まさに海外コラボの白眉
FAYRAY
作曲もマーク いぶし銀のバックギター
ヘタウマSingerも光輝く
デヴィッド・ボウイの新作を聴く [〜ロックの神さん〜]
引越間際なので極力、私物は増やしたくないのだが、巷の評判の良さに思わず、密林ポチッなのです
デヴィッド・ボウイ10年ぶりの新作
- アーティスト:david bowie
- 出版社/メーカー: Sony
- 発売日: 2013/03/12
- メディア: CD
ロック・アルバムの新作では久方ぶりに胸躍る大傑作である
デヴィッド・ボウイの発表したアルバムは今作で27枚目。私が所有する作品は僅か3枚なので、熱心な彼のリスナーとは云えない。エキセントリックなファッションと時代と共に変わる音楽性に、私自身が着いていけなかったというべきか。それでも、ブライアン・イーノを迎えての『ベルリン3部作』の中の「Heroes」と「Low」(1977)だけは、私の愛聴盤なのである。
10年間の沈黙を破っての新作、いや復帰作と呼んでよい「THE NEXT DAY」は、秘密裏に2年間に亘って製作され、突如、彼の誕生日3月13日にリリースされた。
新作のジャケットは、最高傑作と云われる前述の「Heros」のジャケットの中央部を白く塗りつぶし、ボウイの顔を隠した違和感を感じずにはいられない代物。
しかし、その内容たるや、絶頂期の36年前の自分に挑戦する御年66歳のデヴィット・ボウイという一人の天才アーチストの生き様を曝け出した、魂の音楽絵巻である。
全17曲、ボウイ自身の書き下ろし。(私の購入アルバムはボーナストラック3曲付きなので)
そのすべての楽曲が、非常に練り込まれた純度の高いロックである
往年の彼のサウンドには、常にポップ&クールで、やもすると軽い印象がつきまとうのだが、今作はクールを装いながら、音は分厚く、とにかく”熱い”サウンドだ。永年の活動で培われた多様な音楽表現を旺盛に取り込んだボウイ・サウンドを、一流のバック・ミュージシャン達が「ざらっとした手作り感」を残しながら紡いでいく。
的確なリズム・セクション、図太いサックスの唸り、70年代を彷彿させるE・ギターの響き、センス溢れるストリングスの活用、ファンキーなコーラス・・・そして何よりも、ボウイの哀愁溢れるヴォーカルの美しさ。
アルバム全体のバランスを考慮した曲の構成・配列も見事で、アッと云う間に1枚を聴き終えてしまう。その後には、えも言われぬ幸福感に、私は浸ってしまうのだった。
デヴィッド・ボウイを知らない世代、彼に興味を持てなかった人でも、ロック・ファンであれば必ず聴いてもらいたい作品だ。なにしろ66歳の、普通なら好々爺の年代ですよそれが、このパワーとセンス
孤高のロックンローラーはいまだ健在、更に進化中
ティルダ・スウィントン(これまた私の好きな女優さん)との共演のMV
アルバム3曲目「The Stars」
いやぁ〜こんな風に格好良く歳取りたいなぁ〜
Rise & Fall of Ziggy Stardust: 40th Anniversary
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Virgin Records Us
- 発売日: 2012/06/04
- メディア: CD
41年前のデヴィッド・ボウイ
『Starman(1972)』
私の愛聴盤「Low」から好きな曲
『Sound and Vision』(ほとんど歌ってないけど)
「TWO GALLANTS」&「DOG IS DEAD」 [〜ロックの神さん〜]
今年初めて「梅田タワレコ」をぶらり。
ネットショッピングが主流の今でも、書店とCDショップと文房具屋は、目的も無く歩くのが好きだ。
いつもワクワクしてしまう たまに、『凄い美女』との出会いがあるから。
今回は「ジャケ買い」ではなく、ショップ推奨のCDを手当たり次第に視聴して巡り会った2枚。
手当たり次第と云っても、私の視聴法はCD1枚につき一曲目の10秒間位しか聴かないので時間はかからない。
意中の人との出会いはそれで十分〜好みの音かはファースト・インプレッションを優先したい。
知らない小説の一行目だけで惹き込まれるのと同じ感覚・・・たまに見込み違いもあるのだけれど。
1枚目はこれ
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Ato Records
- 発売日: 2012/09/04
- メディア: CD
ギターの音がイイ。声がイイ。面構えがイイ。
激しいビートの裏に滲む男の哀愁
Two Gallants(トゥー・ギャランツ)・・・2002年結成のサンフランシスコ出身のデュオ。
Adam Stephens(guitar&vocal)とTyson Vogel(drums)の二人の苦みばしった男が叩き出す珠玉のナンバー。
ギターとドラムスの二人組ロックバンドと云えば真っ先に「ザ・ホワイト・ストライプス」が思い浮かぶ。
ジャック・ホワイトの超人的なギタープレイとLed Zepplinを彷彿させる重いビートに感服する一方で、メグ姉貴の単調なドラミングは如何ともし難く、ジャックの才能のみが際立ったバンドであった。
しかし、このアダムとタイソンの緊張感溢れる演奏は、まさに互角の勝負。男気溢れる分厚い音圧に胸躍る
絞り出す「魂の叫び」を思わせるアダムのヴォーカルが、脳天を揺さぶる
既に3枚のアルバムを発表。今作品は5年ぶりの沈黙を破っての4枚目のアルバムである。
デビュー時は「フォーク・パンク」の新星と呼ばれた通り、彼らの音楽ルーツはカントリー・フォークと思われる。
今アルバムでも、エレキギター主体の激しい曲の合間にアコギを爪弾く優しいナンバーが顔を覗かせる。
特段に私が惹かれるのは、図太いロックナンバーのビートの中に「さらり」と魅せる哀愁漂うハーモニーや消え入りそうなアルペジオの美しさを忍ばせて、曲調に何とも云えない「侘しさ」が感じられる処なのである。
これは、単なる作曲上のテクニック以前に、ふたりの逞しき男が背負う哀しみを表現しているように思えてしようがないのである。
アルバム収録3曲目の生演奏(喉が潰れているのはご愛嬌)
愛おしい漢(おとこ)のROCKだ
もう一枚は、前者とは全く対極の音作り
All Our Faveourite Stories (Limited Edition Deluxe
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Warner Bros UK
- 発売日: 2012/10/22
- メディア: CD
こちらは優男達のユルユルROCKなのだが、実にイイ
アルバムタイトルかと思ったら、ふざけたバンド名だった
『Dog Is Dead』 ・・・イギリス・ノッティンガム出身の5人組。2008年結成だが、今作がデビューアルバムである。イングランドのインテリ坊や達が寄り集まって、練りに練って作ったサウンドに聞こえる。しかし、決して奇をてらったモノではなく、楽器群の被せ方・耳に残るメロディに若者独自のセンスの良さを感じる。
生演奏を聴いての通り、みんな楽器巧いし、ハーモニーも洒落ている。穏やかなポップロックだが、しっかりビートが乗っている。そして何より、リードヴォーカルの声が素敵だ。少々鼻にかかったヴィブラートが、すぅ〜と気持ちに入って来る。
そして楽曲群の多彩さが特筆なのだ 全10曲、エキストラボーナス盤はインディ時代のプラス6曲入りだが、捨て歌無しのすべて個性溢れる楽曲ばかり。ビデオを見る限りメンバーは20歳そこそこの私の息子の年代に近い。この若者達の漲るパワーと溢れ出る才能には驚くばかりだ。
〜ブリティッシュ・ロックの新しい波〜
サラリと聞くと軟弱ポップスだが、じっくり聴けば、これは深い、深い
共鳴する美ノイズ〜『ソニック・ユース』 [〜ロックの神さん〜]
年始から、久しぶりに聴き直してひとり悦に入っております
Sunday(1998)
こんなタイトなビート感とギターの絡み
◎ソニック・ユース(Sonic Youth)・・・80年代前半からニューヨークで活動するオルタナ系ロックの草分け的存在のバンドである。
リーダー格のサーストン・ムーア(G・Vo)の変則チューニングから生み出される異様な弦の響き、リー・ラナルドが(G)つま弾く歪んだ音の輝き。紅一点のキム・ゴードンは、腰を前後に揺らせながら淡々とBASSを弾く。スティーヴ・シェリーの正確なドラミングが、一層、曲に緊張感をもたらす。
「人間が不快と感じるサウンド」の境界線上を彼らは、危うい足取りで行き来する。
インディーズ時代の「Sonic Youth」の演奏は、まさにノイズパンクそのものであり、不協和音とギターのハウリングのオンパレードは、聴く人によっては「騒音」以外のなにものでもない。
Silver Rocket(1988)
(この頃のキム・ゴードンの凛々しい美しさときたら・・・)
若さの迸り、悩み、怒りをストレートに「爆音」という形で表現している。予測不可能、制御不能の演奏である。
しかし、エレキギターを弾いていた身からすると、あの「ノイズ」をコントロールして「音楽」にしてしまうセンスは、やはり只者ではないと思うのだ。コード、リフひとつとっても、常人では造り出せないあやふやな響きを、この二人のギタリストは、縦横無尽に繰り出していく。
この「あやふやな確実性」という相矛盾する音空間が、ソニック・ユースの最大の魅力である。
実験的色合いの強い楽曲も多く大衆受けする音楽ではないが、地道な活動により徐々に人気を得、1990年にメジャー・デビュー。ニルヴァーナの大人気によるグランジ・ロック・ブームにあやかって、ロックンロール化が進んだ彼らも、グランジの寵児達の一翼を担う事となる。
人気を得たのも束の間。彼らは大衆化を嫌うように、ヘヴィー感を拭い去り、インディ時代の混沌ノイズに回帰。しかしそれは、制御不能な騒音ではなく、計算しつくされた「まったりとした大人のノイズ・パンク」へと進化していく。
私はこのアルバムのバランス感が一番好きだ
2000年にジム・オルークが加入し、5人メンバーとなる。キムがベースとギターを持ち替える事により、バンドは、ダブルベースになったり、トリプルギターになったり、とにかく音の絡みがグゥワン・クゥワンです
ニューヨーク3部作と呼ばれる以下の作品は、賛否両論の評価であるが、私のお好みスイート・スポット直撃なのだ
インディ時代の名曲を2005年の演奏で
顔はともかく、キムの生足は無性にイヤらしくて興奮してしまう...
因にサーストン・ムーアの奥方でもあるのだが...
2006年、ジム・オルーク脱退。
2009年、メジャーレーベルとのしがらみを断ち切ったように、インディ・レーベルからNewアルバム発表。
いまだ現役。ライブの緊張感は、スタジオ盤を凌駕する。 来日しないかなぁ〜
ブロンドを振り乱すキムの生足を見つめながら、カオスな轟音に身を沈めてみたいと願うのです
しかし、昨年秋にキムとサーストンが離婚。バンドは実質活動停止状態にあるのだ。
二人の結婚生活は27年間。私ら夫婦より少々先輩ではあるが、なんだかひと事ではない心持ちになるんだなぁ〜
お互いにすべてを許し合える関係に熟成した長い時を過ごした・・・と思い込んでいるのは・・・げっ夫だけ?
『Women in Metal !!!』 [〜ロックの神さん〜]
最近、映画「アルゴ」の劇中で流れたり、アリソン・クラウス+ロバート・プラント共演の見事なアレンジを聴いて、突如、オリジナルLed Zeppelinへの想いが沸き上がってきた。
そして...ダラダラとNet徘徊していたら見つけた
おおっ〜これは、ちょっと衝撃的だった
イントロのハーモニカの唸り、痺れるスライドギターの音色 何者じゃ〜
Zepの最高傑作と言われる4枚目B面の隠れた名曲「When The Levee Breaks」を完コピする謎のレディース・バンド。Led Zeppelinご本尊自身も滅多にライブ演奏しなかったこの曲を、スタジオ盤そのもののレベルで演奏する彼女達は一体...
『Zepparella』・・・アメリカ南西部で活躍するLed Zeppelinのレディース・コピーバンド。詳細な情報は不明なのだが、2005年頃からの活動らしい。2年前には来日もしていて、各地のライブハウスを廻っていたようである。
Zepのコピーバンドは世界中に星の数ほどあるだろうし、演奏技術だけなら本家を凌ぐバンドも多く存在するだろう。
しかし、Zepplinをまねるには、あの独特の「重く太いサウンド」をモノにしつつ、とにかく「カッコ良く」なければならないのである。
このレディース・バンドはその2点を完全にクリアしている。
女の子とは思えないドラムスのスティック捌きは、ボーナム同様に「図太い音」の中核になっている。
全盛期のロバート・プラントの高音シャウトは、なかなか普通の男性では出せる声ではないが、この女性ヴォーカルは、音域・声質共にオリジナルのレベルに近い。
そしてなんと云ってもギタリスト
Gretchen Menn〜かっこいいっす、イイ女です。超絶テクではなくても、雰囲気は完璧に女ジミー・ペイジ
還暦過ぎのZepメンバーの演奏は今でも心震える訳ではあるが、やはり肥えたジミーはできれば見たくないのである。絶対に今のロバートはヘソを出してはいけないのだ
そんな観点から『Zepparella』は、若かりしLed Zeppelinのパワーと格好良さを踏襲しつつ、更に女の色気をプラスした希有なコピー・バンドだ。
映像・音質共に良くないですが、ライブの雰囲気を
「移民の歌」(間奏のギターのアレンジも良し)
このバンド、キィーボード抜きで「カシミール」や「トランプルド・アンダー・フット」なんかも演奏する3ピース・サウンドへの拘りを感じさせる「男気」も持ち合わせている。女々しくスカートなんぞ穿かない心意気も良し
今度、来日したら絶対に行くぜ
突如、レディースバンドに目覚めたオッサンは、更にNet上を徘徊していると...
また、素敵な音を見っけ
ゴシックメタルはあまり聴かない方だ。というより、社会人になりヘヴィメタから卒業した後に現れたジャンルなので、今聴いても少々戸惑ってしまうのだが、これはグッと来た
◎SAD ALICE SAID・・・こちらも情報不足。ウクライナの7人組の新人バンドのようだ。HPはロシア語。
私が惹かれるのは、女性ヴォーカルの声質である。この全く嫌みの無い柔らかい声が、美しいピアノの旋律と溶け合いながら徐々に熱を帯び、激しいギターの音圧と渾然一体となっていく様が「美しい」
ピアノとビオラのアコースティックな音色とエレキのハードビートを、仰々しいほどにドラマチックに重ね合わせていく楽曲は、ここまで徹底すれば「あざとさ」を通り越して圧巻である。
こちらが最新曲のようである
このバンドの楽曲を収めたCDは未発売。すべてMP3ダウンロードのみの販売だ。
いち早くDL〜USBメモリーにcopyして、Myステレオで大音響で聴くとこれがまた気持ちいいのだ
更にオッサンの探索は続く...そして愛しの「ブロンド歌姫」見っけ
◎DOMENICA(ドメニカ)・・・モデル系美女・Bekki Friesen嬢率いるカナダ出身の4人組。2004年結成、メジャーデビューは2009年アメリカでリリースされた「Luxury」。その後オリジナルメンバーはカナダに帰国するも、2012年メンバー・フルチェンジにて2ndアルバム「Better In Us All」を発表。
華麗な容姿からは想像出来ない逞しき「ROCK」スピリッツ ほぼすべての楽曲を手がけ、ギターの腕前もなかなか。そして、このパワー漲りながらも美しき歌声
まさに、ベッキーによるベッキーの為のワンマンバンドなのだ
んん〜堪りません
露出しても健康的な薫りが漂うのも魅力(身長180㎝)
絶品のNew Albumのさわりを...
ソングライティングにも非凡な能力を見せる これは、ほんまに気持ちいいアルバム
また、目の離せないブロンド歌姫との邂逅である
そして、最後にいつものアノ娘の映像に行き着く こちらは卑猥です
嗚呼、テイラー・モンセン
18禁じゃぁ〜来日したら、絶対、絶対、行くもんねぇ
ジョー・ヘンリー&リサ・ハニガンIN Club Quattro Umeda [〜ロックの神さん〜]
素晴らし過ぎて、もう泣きそうだった
待ちに待った夜が来た
クラブ・クアトロ梅田。
開場19時・開演20時は、サラリーマンにありがたい。
仕事もそこそこに切り上げ、梅田地下街でピッコロ・カレーを流し込み、開演30分前に到着。
流行のロック・グループのライブなら大混雑なのだろうが、入口の様子から本日は余裕のようだ。そして、スタンディングを覚悟していた小生に朗報は、フロアにはパイプ椅子が敷き詰めてある しかも、最前列にも空席がまだあるではないか 腰痛持ちの元ロック小僧は、こんな時だけはすばしこく、脱ぎ捨てた上着を最前列一番左の椅子に掛け、場所取り成功
20時5分。4人の演奏者がステージ上に現れる。
ジョー・ヘンリー(ヴォーカル、A・ギター)
リサ・ハニガン(ヴォーカル、A・ギター、マンドリン、ウクレレ、ハーモニウム)
ジョン・スミス(ヴォーカル、A・ギター)
ロス・ターナー(ドラムス、コーラス)
ジョー、リサのアルバム共にこのメンバーによる演奏は存在しない。本ツアーの為だけに集ったアコースティック主体の珠玉のプレイヤー達だ。ピアノ、E・ギターや管楽器を巧みに取り入れたスタジオ録音とは、一線を画すであろう演奏とジョーのアレンジに期待が膨らむ。
ジーンズにブラック・ジャケット姿のジョーがアコギをかき鳴らし、1曲目のスタートだ。
『タイニー・ヴォイシズ』から「SOLD」
「嗚呼〜ジョーの生声だぁ何年待ち焦がれたことか...」
原曲よりはるかに少ない楽器が、ジョーのヴォーカルを際立たせ、しかし迫力はかえってオリジナルを凌駕する
ジョー・ヘンリーのメインのギターストロークの裏でもう一人のギタリストであるジョン・スミスが、ベース代わりのリズムとリフを弾く。リサが独特の声でコーラスをとり、マンドリンで別のメロディをつま弾く。そして、ドラムスのロス・ターナーが凄い。音数は多くないが、ドラミングの強弱・緩急が見事で、曲全体の陰影を表現する。
2曲目『シヴィリアンズ』からの「Civil War」の頃には、早くも彼らの生み出す音楽が身体中に沁み渡り、小生はハイな酩酊状態に陥る。
3曲目は主役交代。リサ・ハニガンがNew Album『パッセンジャー』(ジョー・ヘンリーがプロデュース)からタイトル曲「Passenger」を、か細いのに生命力溢れるハスキー・ヴォイスで披露する。
実物の彼女は、映像や写真より遥かに可愛い黒のドレスを纏ったスリムなボディで、一見たどたどしくリズムをとる仕草が、何とも微笑ましい。正直言って...タイプです
4曲目は、なんと今までサイドギターで裏方に回っていたジョー・スミスが歌う。実は彼は、超絶ギター・テクニックと美声を併せ持つブリティッシュ・フォーク界期待の新星と云われる逸材だったのである。この無名のアーチストのベールが、日本で初めて剥がされたわけだ。
5曲目以降は曲名の順番が混乱しているので割愛させていただきま〜す(酩酊中でしたので)
このツアーメンバーでの中心は確かにジョー・ヘンリーではあるのだが、上記のようにアイルランドの歌姫といなせな英国のギター野郎の個性も遺憾なく発揮され、しかも3人の音楽性がものの見事に溶け合った極上のステージへと化していくのである 世界に散らばる無名のアーチストを発掘し、繋ぎ合わせ、無上の音楽を創造する〜ジョー・ヘンリーの審美眼とプロデュース力に改めて感服
ジョー・スミスのオリジナル以外の演奏は、ほぼ全部を保有アルバムから知っている曲であった。
今ステージでの選曲は、私の大好きなアルバム『Scar』以降のアコースティック感が強くなった作品が大半ではあったが、スタジオ録音から得られない生楽器の美しい響きと三人三様のヴォーカルとコーラスに酔いしれた。
途中リサが「ギターマイクの調子が悪い」と言って、ステージの最前まで歩み出て(私の目前で)、生で弾き語る場面などは卒倒モノであった。
そして何と云ってもジョー・ヘンリー。
10年以上CDで聴き込んでいた、哀愁を帯びたこのヴォーカルを直接体感できただけでも幸せであったが、想像を遥かに超えたレベルの演奏に、「音楽の神様」を身近に感じる想いであった。
「Oddeta」
当日の雰囲気はこんな感じ
『レヴァリー』から「STICKS & STRONG」
観客は30代以上の男性が主体の久しぶりのアダルトなライブ。
乙女達の嬌声も酔っぱらいの怒声も無い。席を立って踊り出す者は無いが、静かに座って聴くみんなの体はリズムに合わせて揺れ、ひと演奏が終わる度に、大きな拍手が沸き上がる。
「みんな、本当に音楽好きなんだなぁ〜」みたいな連帯感と静かな熱狂を感じた、夢のようなステージであった。
アンコール曲は、ジャクソン・ブラウンの「These Days」(邦題・青春の日々)そして...
鳴り止まぬ拍手の中の再アンコールは、ザ・バンドの名曲「The Night They Drove Old Dixie Down」だった。
4人のメンバーはマイクから離れてステージ最前で肩を組み合い、スミスのギター1本の伴奏で3人が順番に生ヴォーカルをとり、コーラス部分では、観客との大合唱になるのであった。 感無量
演奏終了後、ついに観客も総立ちのスタンディング・オベーション 何人かがジョーに握手を求めステージに駆け寄る。出遅れた小生は、終始私と向かい合わせで演奏していたジョン・スミス君と固い握手を交わすのであった
「ブラボー」「ミ★(*^▽゜)v Thanks!!★彡ー」