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「シン・ゴジラ」 [上映中飲食禁止じゃ!]

早々に噂の作品を鑑賞です^^
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私世代は「怪獣モノ」に滅法弱い。
「ゴジラ」「ウルトラマン」シリーズに慣れ親しんだ我々にとって、「怪獣」は少年期の哀愁そのものなのだ。そして青年期に衝撃を受けた「エヴァンゲリオン」の庵野秀明が、その『ゴジラ』を作ったと聞けば、これは観ないわけが無い。
 
東京湾アクアトンネルが崩落する事故が発生。首相官邸での緊急会議で内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)が、海中に潜む謎の生物が事故を起こした可能性を指摘する。その後、海上に巨大不明生物が出現。さらには鎌倉に上陸し、街を破壊しながら突進していく。政府の緊急対策本部は自衛隊に対し防衛出動命令を下し、“ゴジラ”と名付けられた巨大不明生物に立ち向かうが……。 (シネマ・トゥデイより)
 
「新・ゴジラ」「進・ゴジラ」「神・ゴジラ」「真・ゴジラ」 ・・・色んな解釈が生まれるが、謎掛けは庵野氏の十八番だ。エヴァ同様、観客自身が勝手にひとりよがりに決めつければ良い。明解な答えなどは用意されていないのだから。
 
大人の映画である。
初代「ゴジラ(1954年)」や「ウルトラセブン」に通じる、芸術性と社会風刺を織り込み強烈なメッセージを送ってくる作品だ。
 
首都東京の未曾有の危機でも、会議を繰り返し、縦割り社会や形式から逸脱できない官邸と官僚。日本の政治が、未確認生物上陸に右往左往する序盤などは、決して小学生では理解できない退屈間違いなしの展開だ。私が子供の頃に楽しんだ娯楽映画「ゴジラ・シリーズ」とは根本的な違う制作意図を感じる。
そんな平和ボケした日本の中枢にも、組織に染まらず形式にも拘らない救国に燃える若き政治家・官僚・研究者達が力を発揮し始める。中心に立つのは、内閣総理大臣補佐官・赤城(竹野内豊)と内閣官房副長官(長谷川博巳)だ。両名共、出世に燃えるエリートだが、共通するのは、母国の将来を憂える熱き心。
 
とにかく「東宝に世話になった連中は、ちょい役でもいいから出演しろ!」指令があったかのような豪華キャストである。(俳優探しクイズとしても一見の価値あり[わーい(嬉しい顔)])たかが怪獣映画と言うことなかれ。初代「ゴジラ」には、宝田明、志村喬など名優が出演しているのだ。数多の名優と自衛隊全面強力により、作品のリアリティーは邦画レベルでは極限状態だ[ぴかぴか(新しい)] 
 
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一方の新生ゴジラは、進化するゴジラだ。70年代の人気ゴジラ君は、侵略者キングギドラを撃退する人類の味方であり、強靭と愛らしさを内包したヒーローだった。 しかし、当初、巨大水棲生物として登場したシンゴジラが、二足歩行を始め徐々に巨大化し、ついには光線と炎を発する無軌道な破壊怪獣へと進化する姿は、まさに初代「ゴジラ」に先祖返りした感である。
 
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自国の戦力では、ゴジラを止められない日本に対し「日米安全保障条約」により、アメリカ軍が合流。だが、米軍最新鋭の火力は、ゴジラの怒りを増幅し、更に強力な進化を遂げた彼は、首都東京に壊滅的な打撃を与え、首相を含めた日本のリーダー達を一瞬に消し去るのだった。 
 
それでも、直ぐに次の内閣が組閣され、国中が大混乱に陥らないのが、日本のシステムの誇るところだ。何かと批判の的になるが、我が国の官僚組織の優秀さは世界トップレベルなのだ。だが、徐々に国際的圧力が増し、核兵器使用でゴジラを壊滅させる決議が国連で成される。それは、死の灰が東京を覆い、Tokyoが世界地図から消失する事を意味する。大国のエゴが見え隠れする中、タイムリミットまであと僅か。残された日本の政治家・研究者達は、果たして、核使用前に「シンゴジラ」を止められるであろうか・・・ 
 
さて、アメリカ側の交渉相手が米大統領特使カヨコ・アン・パターンソン。今や旬の女優である石原さとみが日系三世のエリート官僚を演じる。彼女の存在が、このガチな作品に良くも悪くも彩りを加えている。
 
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いいオンナになったなぁ
本当にイーオン通って良かったね
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息をつかせぬ展開はお見事!音楽は初代ゴジラのリメイク、オリジナル共に非常に臨場感溢れるものだ[るんるん]「エヴァ」の挿入曲まで使用し、「ファン・サービス」を忘れない念の入れよう。昭和の香りを漂わせる円谷直伝の「特撮」と最新のVFXの合体は、ハリウッドのそれとは一線を画すジャパン・オリジナルに胸を張りたい。
 
登場人物の設定が、すべて日本の「エリート」ばかりで、一般市民には全く光を当てていない。そしてほとんど色気の無い作品だ。唯一の潤いは、石原さとみ嬢の唇[キスマーク]のみで、「エヴァンゲリオン」のヒロイン風なキャラは皆無、シンジとレイの仄かな恋愛劇のようなウエットな演出も存在しない。要するに「家族」も「恋人」も廃し、「日本国」を描いた極めて「政治的・右翼的な作品」である。この硬派な作りは、好き嫌いが分かれるところではあろう。 映画的な深みは無いが、このストレートなメッセージは、宮崎駿氏から次代のトップクリエイターと指名された庵野秀明が、エヴァの焼き直しのみに安穏せず、新たな領域への挑戦宣言と小生は受け取りたい。その意味も含めて、今作は非常に感慨深いものであった。
 
ゴジラの正体が、核廃棄物を海中で摂取した微生物の進化形であり、しかも人類の遺伝子情報の8倍を持つ事が明らかになっていく。ビキニ環礁でのアメリカの水爆実験時(1954年)に被曝した第五福竜丸事件が、初代「ゴジラ」のモチーフにつながったと言われているが、今作でもオリジナルの精神を下敷きにしながら、更に未曾有の「福島原発事故」の傷跡から未だ抜けきれないニッポンに、「神の火」を宿した神ゴジラは「咆哮」を続けるのだ[どんっ(衝撃)] そして、それを止められるのは、自国の民達、日本人の叡智と勇気なのだ。
 
折しも、鑑賞後に「安倍第二次改造内閣」と総理・新東京都知事の面会のニュースがメディアに流れた。
日本の将来を在るべき姿に導く日本のリーダー達に、どれだけの「憂国の士」がいるのだろうか? などと、娯楽映画の後にそんな思いに耽るのであった。せめて我々は、純粋な「公僕」を見極めて選挙に行かねばならんな[ひらめき]
 
 
 

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Labyrinth

(^_^)ノ 熱いですね! 久々の邦画ですが、見に行こうかな ^q^
昔のもハリウッドのも観てないのですけれど・・・(爆)

by Labyrinth (2016-08-07 22:28) 

つむじかぜ

> Labyrinth 様
オッサンには、大変熱〜い作品です^^;
by つむじかぜ (2016-08-10 01:45) 

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