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『ATLAS』〜PSY・Sとイマサの邂逅〜 [超個人的溺愛の逸品]

名古屋からの引越時、あまりにも増えて帰って来たCDの山に対し、妻から処分命令が下り、100枚ほどがBOOKオフ送りとなりました。そのCD達を分別している時に、最近聴いていなかった思い出のアルバムが発掘されたりして、手を止めて久々に聴き直して物思いに耽ったりして、また妻に責められたり...[あせあせ(飛び散る汗)]
 
これも、そんな溺愛の1枚...
 

ATLAS

ATLAS

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 1998/05/21
  • メディア: CD

PSY・Sの最高傑作(...と、小生は主張する!)『ATLAS』(1989年)である。
 
発売当初は、こんなジャケットだったが、オリジナル盤も上記再発盤も廃盤だ。
残念ながら、現行発売中の彼らの音源は、ベスト盤と大枚はたかないと買えないBOXセットくらいなモノなのだ。
 
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1曲目の静謐な調べと透き通る女性ヴォーカルに、いきなり引き込まれる[ぴかぴか(新しい)]
 
「Wondering Up and Down〜水のマージナル」
 
 
松浦雅也チャカ(安則まみ)のユニットであるPSY・S(サイズ)は、80年代中盤から約10年間、Jポップ界で異色の存在として活躍した。マルチプレイヤーである松浦氏が生み出す多彩な楽曲に、特異なハイトーンのチャカの歌声が絡み、不可思議かつアーチスティックな音空間は唯一無二だ。また、緻密なスタジオ録音での曲を、煌びやかなステージ上で完璧に再現するパフォーマンスに、ふたりのライブへの強い拘りと高い演奏技術を感じざるを得ない。
 
同時期に人気を博したピチカート・ファイブ(小西康陽と野宮真貴のユニット)とは音楽性の違いはあれど、同じ匂いを感じてしまう小生には、この二つのユニットがバブル期のJポップ界においての数少ないお気に入りなのだ。
 
「ATLAS」に出会った契機は、バービー・ボーイズのギタリスト「いまみちともたか」だ。 前述の通り、松浦雅也はスタジオアルバムの楽曲は原則すべて一人で演奏するのだが、このアルバムには唯一、ギタリストとして、私が神と崇める「イマサ」が参加しているのだ。実は、同じ1989年のバービー・ボーイズの5thアルバム『√5』では、バービー初のキーボードを導入しているが、プレイヤーは松浦雅也なのである。オリジナル演奏に拘る松浦とイマサが、この時期に深い音楽的絆で結ばれていたのが窺える。
 

√5

√5

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
  • 発売日: 1995/07/21
  • メディア: CD
バービーの6枚のオリジナルアルバムの中では、異色作であり大傑作である[パンチ]
 
「せまってday by day」
 
 松浦氏の隠し味的なシンセサイザーが効いてるね[ひらめき]
 
...話しを「ATLAS」に戻そう。
PSY・Sの9枚のアルバムの中でも、この作品は他とは異なる薫りがする。イマサがギター参加しただけで、アルバム全体の「ロック度」が桁違いに高いのである。かと言って、イマサがバービー並にガンガンに弾いている訳でもなく、裏方に徹したプレイぶりなのだが、随所に彼独特の「音」が仕込まれ、無機質なチャカの声質と見事に溶け込んでいくのである。
 
「ファジィな痛み」(スタジオ盤)
 
 出だしのハーモニクスからカッティングまで〜イマサだ[どんっ(衝撃)]
 
多彩な楽曲群...レゲエ・ヒップホップからプログレ、現在のポストモダンを彷彿させる曲調まで幅広いジャンルの音楽を取り込みながらも、アルバム全体に摩訶不可思議な統一感が滲み出ている。それは全編を通じて、チャカの高い歌唱力・・・ヴィブラートを効かせないハイトーンに、クールを装った激しい熱情を感じる・・・に拠る処大である。松浦氏は、キーボード演奏は言うに及ばず、ベース・ドラムスのリズムセクションにも非凡な才を見せる。
そして、イマサが、独特のギター・テクですべての曲を「カッコいいロック」に変える魔法をかける。
 
イマサの個性的なギタープレイはバービーの中でこそ活きるのであって、他バンドの1バックミュージシャンで収まり切れないと感じていたのだが、このPSY・Sとのマッチングは奇跡的なレベルに近い。バービー・フリークである小生の入れ込み過ぎを割り引いても、「ATLAS」は、80年代JAPANロックアルバムの最高峰のひとつだと信じる。
 
本アルバム収録曲ではないが、TV「シティ・ハンター2」の主題歌として珍しくヒット
LIVEにイマサがゲスト参加して弾きまくってます[パンチ]
 杏子も嫉妬するほどの息の良さを見せる[exclamation×2]
「Angel Night〜天使のいる場所〜」
 
 
ええなぁ1990年前後〜バブル絶頂期〜粗製濫造も多かったが、本物は歴史に残るのだ[パンチ]
 
 
◎おまけ
PSY・Sのヴォーカリスト・・・CHAKAこと安則まみは、1996年ユニット解散後、JAZZシンガーとしてソロ活動を開始。彼女が発表したアルバムは、JAZZ界でも絶賛を浴びる。天才歌姫は、何を歌っても「自分の詩」にしてしまうのだ[exclamation×2] PSY・S時代の不思議ちゃんキャラの雰囲気をそのままに、今や関西の変なオバちゃんスーパー・シンガー健在だ。
 
鳥肌モノの中島みゆき「時代」のカバー
 
 こんな解釈の歌い方もあるんだぁ〜[がく~(落胆した顔)]

CHAKA JAZZ

CHAKA JAZZ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジ・レコード
  • 発売日: 2002/10/23
  • メディア: CD



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コメント 3

Labyrinth

(=^^=)愛ですにゃ~♪ 
それだけですっ   ㏄= ㏄=┌( ・_・)┘
by Labyrinth (2015-05-14 11:53) 

つむじかぜ

> Labyrinth 様
そうです、愛です!胸いっぱいの愛ですにゃ(・・;)
by つむじかぜ (2015-05-18 02:00) 

ぷりん

記事拝見しました。
ATRASは小生が高校生の時、初めてPSY•Sを知った時に買ったアルバムでした。自分が今まで聴いてきたジャンルとは全く違う世界を教えてもらい、本当に衝撃的でした。

私個人的には、「遠い空」「See-SawでSEE」「引力の虹」が大好きです。
by ぷりん (2017-01-13 14:14) 

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