『グランド・ブタペスト・ホテル』 [上映中飲食禁止じゃ!]
映画の面白みがギュウギュウ詰め
監督・脚本・原案・製作
ウエス・アンダーソン
出演者
レイフ・ファインズ F・マーリー・エイブラハム マチュー・アマルリック エイドリアン・ブロディ
ウィレム・デフォー ティルダ・スウィントン ジェフ・ゴールドブラム ジュード・ロウ
ハーヴェイ・カイテル ビル・マーレイ レア・セドゥー シアーシャ・ローナン エドワード・ノートン
音楽
アレキサンドラ・デスプラ
撮影
ロバート・D・イェーマン
1932年、品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)は、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。しかし、常連客のマダムD(ティルダ・スウィントン)が殺されたことでばく大な遺産争いに巻き込まれてしまう。グスタヴは信頼するベルボーイのゼロ(トニー・レヴォロリ)と一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡り……。(シネマ・トゥデイより)
魅惑の作品。
小生のお気に入りの渋めの俳優陣の名が、こうも整然と並んだだけで壮観なのだが、古典映画への尽きぬ憧憬をベースにウエス・アンダーソンの瑞々しい感性が満ち溢れた佳作である。
若き作家(ジュード・ロウ)が、寂れたかつての名ホテルで出会った一人の老人(F・マーリー・エイブラハム)が、実はこのホテルのオーナーだった。元々は此処のベルボーイであったと云う彼から、このホテルの隆盛期での或る事件を聞かされた作家は、数奇な運命を背負ったグランド・ブタペスト・ホテルの真の姿に驚愕するのだった...
1930年代、欧州での指折りの名ホテルを支える伝説的コンシェルジュ〜グスタヴ・Hにレイフ・ファインズ。
彼のおもてなしは、宿泊する老貴婦人達との夜伽にまで及ぶ徹底ぶり。あくまでもダンディに老人達と戯れる彼の姿は、まさにパロディ仕掛けだ。そのグスタヴが、一人の身寄りの無い移民の子供ゼロを目にかけベルボーイに取り立てる。前半、二人の師弟関係とグスタヴの人間性が丁寧に描かれており、これが後半のクライマックスに繋がる。
物語は、永年の得意客マダム・Dが突然謎の死を遂げ、彼女の遺産の一部がグスタヴに譲られる事となり、風雲急を告げる。殺人犯にでっち上げられたグスタヴは、刑務所から脱獄し、ゼロ少年と共に逃避行を続けながら、真犯人探しに奔走するのであった。
ティルダ・スウィントンのマダムDにはビックリ
マダムDの遺児にエイドリアン・ブロディ
彼に雇われた執拗な殺し屋にウィレム・デフォー
若き日のゼロ少年(トニー・レヴォローリ)と恋人アガサ(シアーシャ・ローナン)
脇役陣の嫌みの無い濃い目の演技が、登場人物個々を際立たせ、作品に彩りと重厚感を与える。
私は、メイド役のレア・セドゥーに(出番は少ないが...)
手に汗握るサスペンスタッチながら、随所にパロディも忍ばせた絶妙なバランス。
更に、精巧なミニチュアを使用した古典的な特撮と浮世離れした装飾美術は、戦前のキートンやチャップリンの喜劇映画を現代に復活させたような哀愁を伴うものだ。
漸くマダムDの正式な遺言を手に入れ、身の潔白を証明したグスタヴ。物語は大団円を迎えたように見せたが、更に訪れた悲劇を語る老人となったゼロの涙は止まらない。大富豪となった彼は、師の深い想いを引き継ぐため、グランドブタペストホテルを買い取ったのだった。
現代のCG技術とは一線を画した華麗な映像美と、名優達の粋な演技。
「ドキドキ感」と「笑い」を一杯に詰め込みながら、最期は「しっとりと」涙を誘うという、映画本来の喜劇・悲劇の醍醐味に溢れた作品である。アナログの手触り感覚がたまらなく嬉しい
劇中に登場するメンドルのケーキの作り方と共に・・・
こんにちは。
出演者の豪華な作品でしたね~
レア・セドゥーも本当に出番が少ない!のに、めちゃくちゃ似合っているのがさすがでした。
もういちどじっくりと観てみたいです☆
by non_0101 (2014-06-28 19:46)
> non_0101 様
何度観ても、映画の面白みが発見できそうな気がしますね!
もうちょっと、レア・セドゥーを見たかったですが...^^;
by つむじかぜ (2014-06-30 02:11)
実はすでに観てしまったのですけれども (´m`)
また近々鑑賞して参りますので、レビューはまだ先に・・・ ポリポリ (・・*)ゞ
本当に期待以上の作品で、大満足でした♪ w
by Labyrinth (2014-06-30 02:47)
> Labyrinth 様
期待以上の良作でしたね!
Labyさんのレヴューが楽しみです^^
by つむじかぜ (2014-07-01 01:11)