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『アデル、ブルーは熱い色』 [上映中飲食禁止じゃ!]

 
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監督・脚本:アブデラティフ・ケシシュ
 
キャスト
レア・セドゥ アデル・エグザルコプロス
 
教師を夢見る高校生アデル(アデル・エグザルコプロス)は、運命的に出会った青い髪の画家エマ (レア・セドゥ)の知性や独特の雰囲気に魅了され、二人は情熱的に愛し合うようになる。数年後、念願の教師になったアデルは自らをモデルに絵を描くエマと 一緒に住み、幸せに満ちあふれた毎日を過ごしていた。しかしエマの作品披露パーティーをきっかけに、二人の気持ちは徐々に擦れ違っていき……。(シネマトゥデイより)
 
非常に純度の高い恋愛映画の傑作である[exclamation×2]
 
ただ、過去の名作達と決定的に違うのは、麗しき二人の女性同士の愛の物語という事なのだ。
過激なベッド・シーンに話題が集中しがちなようだが、勿論、浅はかなレズビアン映画とは次元が違う。
徹底的な写実主義と危うい色彩映像により、 思春期の繊細な女性心理を切々と詠い、大人のオンナに生まれ変わる刹那を見事に描き切った。
 
「何色がお好きですか?」と聞かれれば、
私は「」と答える...身も心も吸い込まれそうな清々しく不気味なディープ・ブルーが。
 
女子高生アデルは、街ですれ違った髪にブルーのメッシュを入れた一人の女性に心を奪われる。
ボーイフレンドと愛し合っていても、燃えきれない自分の意識の中に、この女性のイメージが刻み込まれている事に気づくのに、大した時間は掛からなかった。
思春期の率直さで、彼女はその想いに忠実に従う...もう一度、あの人に会いたいと...
 
偶然の再会で、想い人がバイセクシャルの美大生と知り、更にこの女性の知性と感性に魅せられていくアデル。
そして、それが「」である事を確信するのだった。
 
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アデルは、既に恋人がいる美大生エマに「猛アタック」をかける。
年上の女性に恋をしてしまった「普通の女子高生」が、自分の想いに正直に突き進む姿を、アデルが等身大で演じ、それをカメラはあくまでも自然に切り取っていく。
そして、献身的に尽くす彼女に愛おしさを感じていくエマ・・・ついに結ばれる二人。
 
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正統派女優二人の歓びに溢れるベッドシーンは、衝撃を超越して感動的である。
 
初めての経験におののきながらも、愛する女(ひと)にむしゃぶりつくアデル。
女子高生の率直な想いを受け入れ、慈しむように優しく相手を包む込むエマ。
絶頂を迎える美しく若きふたつの裸体達には、紛れもない『愛の形』が表現されている。
 
男女のベッドシーンでも、この域までに「愛」を写し込むのは困難と思わせる『至高の濡れ場』である。
いや、女性同士だからこそ描けた精細な表現かもしれぬが、それを可能にした二人の女優の迫真の演技には、惜しみない拍手が送られるべきだ。異例のパルムドール女優賞受賞も納得である。
 
アデルが女子高生仲間に「レズビアン」と詰られるシーン。娘の恋人と紹介され、戸惑いながらも受け入れてしまう両親の姿。物語は、日常の延長線上で小さな抑揚を付けながらも淡々と進んで行く。そして、随所に何気なく取り込まれる「青色」の洒落た演出。チュニジア出身・アブデラティフ監督の美醜共に描き切る徹底した写実主義と小さな遊び心は、ハリウッドの娯楽映画とは対極を成す。
 
お互い社会人となった二人は同棲を始める。保育士となったアデル、芸術家の卵として歩み始めたエマ。
だが、幸せな生活は長くは続かない。裕福かつ教養ある家庭に育った知的なエマが、アカデミックな世界に飛び立って行くと、貧しく粗略な家庭環境だったアデルは孤独感に徐々に苛んでいく。
以前の熱い想いは、身体の相性だけでは繋ぎ止められず、二人の関係にひびが入り始める。
これが、普通の男女の関係であれば、ありがちな陳腐な恋愛崩壊劇なのだが、女性特有の繊細な感情表現を演じる二人の力により、哀しくも愛おしいエンディングに向けて緊張感は維持されていくのである。
 
 
同性愛者やマイノリティを支援する短絡的な作品では全くない。
思春期の女の子が、脇目も振らず突き進んだ恋愛とその終わりを通して、おとなのオンナに生まれ変わる姿を、頭のてっぺんからつま先で描く冷徹なカメラアイが写し込む事により、感情の機微を克明に表現した崇高な恋愛映画である。ただ、彼女が「女性を愛した」という一点だけが「普通ではない」だけなのだ。
そして、女性同士の狂おしいほどの深い恋愛を男性の視点で描いた、文字通り容赦ない描写が異彩を放つ、異色のラブロマンスなのである。
気がつけば、上映時間3時間[exclamation&question] 全く弛緩の無い恐るべき吸引力であった[がく~(落胆した顔)]
 
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主人公アデルと同性のアデル・エグザルホプロス20歳。いつも唇を半開きさせた少々怠惰な雰囲気の女子高生役を、熟れる前の青い果実の如き演技で大胆に魅せた。
 
そして、何と云ってもエマ役のレア・セドゥ[黒ハート]
『ミッドナイト・イン・パリ』『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」で、チョイ役ではあったが、抜群の存在感を表した。今作では、青毛・青目のボーイッシュな女子大生役だったが、素顔はとんでもないブロンド美人であります。
 
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出演3作品すべてが、全く異なる役柄である。髪型一つで、イメージも大きく変わる女優だ。
生粋のパリッ娘28歳。今まで脚光を浴びなかったが、この娘は本物の役者だ[exclamation×2]
 
 
 

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コメント 6

Labyrinth

(^m^)興味津々♪
レア・セドゥと聞けばなおさらですねw
by Labyrinth (2014-04-19 01:43) 

末尾ルコ(アルベール)

この映画について語り出すと止まりませんが…昨年のカンヌの感動は忘れられません。

                        RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2014-04-19 08:05) 

つむじかぜ

> Labyrinth 様
女性の視点からの感想もお聞きしたいなぁ〜( ̄ー+ ̄)
とにかく凄い作品です!
by つむじかぜ (2014-04-21 01:22) 

つむじかぜ

> 末尾ルコ(アルベール)様
ルコさん入れこみの理由が理解できました^^
by つむじかぜ (2014-04-21 01:23) 

non_0101

こんにちは。
この作品は観たいのです~
見逃さないように頑張ります☆
by non_0101 (2014-04-29 09:34) 

つむじかぜ

> non_0101 様
このi作品を見逃してはいけませんぞぉ〜^^
by つむじかぜ (2014-05-02 01:44) 

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