『ザ・ストロークス』の新作を聴く [〜ロックの神さん〜]
『New York City Cops (2002)』
ぶち切れるツィン・ギター。煙草を噴かしながら毒づくヴォーカル。
気持ちいい奴らだ
デビューアルバムのジャケ写も衝撃的だったが、中身の音がこれまた新鮮・抜群だった
The Strokes(ザ・ストロークス)・・・ 1999年、ニューヨーク結成のロックバンド。60年代ロックンロールの薫りを残しつつの斬新なサウンドが若者に大いに支持され、成功を収める。「ガレージ・バンドの旗手」と評され、その後のポスト・パンク・バンドに大きな影響を与える。
仮にこのバンドが、ツィン・ギターでは無くリズム・ギター1本で、なおかつ明るく軽めのヴォーカルであったなら、まさしくオールド・ロックンロールだ。
まさにこのバンドの最大の魅力は、ニック・ヴァレンシとアルバート・ハモンドJrによる個性的かつ対照的なギター・プレイに拠る処大なのである。
セミアコ型のギターを腰の位置に低く構え、図太くで粘っこい音を信条とするニック。一方、ストラトキャスターを胸の位置高く構え、シングルコイル特有の切れのあるカッティングが持ち味のアルバート。アドリブバトルをひけらかす事は決して無いこの2本のギターが、時に共鳴し合い、時に反発しながら作り上げるハーモニーに、どちらにも相容れず我が道を行くように淡々と歌い続けるヴォーカルのジュリアン・カサブランカス。
このシンプルかつ荒削りに聞こえながら、実は計算し尽くされたサウンド構成に小生はゾッコンなのである。
とにかく、ツィン・ギターをメインとした現存する数多のギターバンドの中で、ザ・ストロークスは別格のお気に入り度ナンバーワンなのである
2006年、3rdアルバムは、サウンドが更に重厚になり、ジュリアンのヴォーカルには“甘味”と“苦み”が加わって、何とも味わい深い出来なのである。リズムは明るく楽しく、音像は深く沁み渡る。
『You Only Live Once(2006)』
私好みのご機嫌なビート
ジュリアンの抑えたシャウトはU2のボノを彷彿させる。
そして5年ぶりに発表された4thアルバムは、過去作を踏襲しながらも、リズムは洗練され、ギターの絡みが緻密度を増した「大人のロック」 ザ・ストロークスの集大成と云って良い内容だった。
『Under Cover of Darkness(2011)』
アルバートの頭髪のブラックモア化が5年の歳月を感じさせるが...
「何とも気もちいい音です」
そして...飾り気もセンスも全く無いジャケット...
今春発表された5thアルバムを先日購入。
こ、これは・・・ぶっ飛んだ戸惑った・・・全く別のバンドかと、思わずジャケットを見返した程の変貌ぶり
「Chances(2012)」
ロックンロールの面影は遥か彼方へ。シンセサイザーと電子音化され単調なギターのリフが全体を覆い、ジュリアンのヴォーカルは虚空を漂うようにただ囁くのみ。
前作の一部の曲から進化の兆しは感じられてはいたのだが、今作でここまで別人格に変わり果てたようなサウンドを聴かせられると驚愕を通り過ぎて困惑であった。
しかし、何度かこのCDを聞き返す毎に、戸惑いが快感に変わって来る。
(これは、何やらデジャヴ体験...「男のルーツロック」を貫いていたU2が1993年に突如「アクトン・ベイビー」を発表。打込み多用のダンス・ビートに変貌したサウンドは世界中の物議を醸した。私自身も戸惑いを隠せなかったものだが、いつしかお気に入りのU2アルバムの一枚になっていった。)
そして、当時のU2に対する違和感が快感に変わる刹那を、このストロークスの新作にも感じてしまったのだ。
過去作とは一線を画す捉え処の無いリズムの渦に。極限まで簡素化したようなギターの音色に。感情を捨て去った中性的なヴォーカルに・・・熱きロックの血潮が見えるのである
過去の伝説のアーチスト達が繰り広げた大いなる音楽的挑戦の数々
ザ・ストロークス...これから一体、彼らは何処へ向かって行くのか
伝説への第一歩が始まったのかもしれない
名前は知ってたんですが・・・
恥ずかしながら音は初めて聴きました^^;
カッコいいっすね!!
ギター・オリエンテッドなサウンドが好きな僕にはたまんないっす♪
by DEBDYLAN (2013-05-14 23:20)
>DEBDYLAN 様
DEBさん好みでしたかぁ〜嬉しいです!
こういうギターの音は私も堪らんのです^^
by つむじかぜ (2013-05-15 01:02)