『世界にひとつのプレイブック』

 

 監督・脚本：デヴィット・O・ラッセル

原作：マシュー・クイック

製作：ドナ・ジグリオッテイ　ブルース・コーエン 

撮影：マサノブ・タカヤナギ

美術：ジュディ・ベッカー

音楽：ダニー・エルフマン

 

キャスト

ブラッドリー・クッパー　ジェニファー・ローレンス

ロバート・デ・ニーロ　ジャッキー・ウイーヴァー

　クリス・タッカー　アヌパム・カー 　シェー・ウィガム　ブレア・ビー　ジュリア・スタイルズ

 

精神病院を退院した元教師のパットは、前妻の理想の男性になるために奮闘する日々を送っていた。ある日、パットはティファニーというミステリアスな女性と出会い、反目しながらも距離を縮めてくが、彼女が目指すダンスコンテストに出場することになり……（ぴあ映画生活より） 

アカデミー賞ノミネートとジェニファーに惹かれての軽い気持ちでの鑑賞だったが、これは個人的に完全に嵌った作品となった  

まず、音楽が実にいい　 スティービー・ワンダー、ボブ・ディラン、レッド・ツッペリン、ホワイト・ストライプス、etc.の懐かしのナンバーから最新のアラバマ・シェイクス（http://tsumujikaze2.blog.so-net.ne.jp/2012-06-14でも紹介）まで。ダニー・エルフマンの洒落たオリジナルスコアに加え、私好みのロック・ポップスが目白押しなのだ。しかも、これら珠玉のナンバーと各シーンとのマッチングが抜群のセンスの良さ

 

これだけでもワクワクドキドキ幸福感80％な上に...ジェニファー・ローレンスの見事な演技に100％昇天

 

初主演作「ウィンターズ・ボーン」で多くの映画賞を総嘗めし、大女優の片鱗を覗かせた当時２０歳のジェニファーだったが、今作はそれがフロックでなかった証明以上に、彼女の新たな一面と無限の可能性を確信させるに到った。

 

個人的嗜好からは、ブロンドであるはずの彼女が敢えて黒髪に染めているのが少々寂しい訳ではあるが・・・

 

 

 

 

この作品でのティファニー役の性格を考慮すれば、当然の変身であり、エメラルドの瞳がかえって黒髪に映えて、一層彼女の意思の力を感じさせる。

決して絶世の美女ではない彼女の最大の魅力は、あくまでも自然な演技の中に見事な感情表現を織り込む巧さと強さにある。多分に彼女自身の意志力に拠るものと、勝手に決めつけてしまうのだが、今回も女性の持つ脆さと強さと可愛さを遺憾なく魅せてくれた

 

「自然」という面では、老夫婦を演じた二人の大俳優は言わずもがな。映画全体のバランスをさりげなく保つ、いぶし銀の演技の数々には脱帽だ。

 

 

ストーリーは、P・T・アンダーソン「パンチドランク・ラブ」を彷彿させる一風変わった男女のラブ・ロマンス。

しかし、アンダーソン作品ほど捻っておらず、遥かにシンプルかつメッセージも直線的だ。映画的な深みに欠けると見る向きもあるだろうが、それを補って有り余る「構成・演技・撮影・音楽」のバランスの良さ。（因みにカメラマンは日本人ですよ） 

 

自分の廻りにも「こころの病」の人が増えた。（自分自身も軽い鬱病に罹った経験もあるのだが）

一昔前までは「ちょっとイカレタ奴」で笑えた環境が今では「病気」のレッテルを張り差別の対象となる時代だ。

当の本人も病人を自覚し過ぎて、社会に溶け込むのを躊躇してしまう例も少なくない。

「もっとユルユル社会でエエんとちゃうか」

花粉症や腰痛持ちと同義で「心の病持ち」と自然に暮らせる環境であっても・・・

 

「ちょっとイカレタ野郎」って面白いし、いい奴が多い・・・

全く触れていなかったが、主役のブラッドリー・クッパーは、そんな「揺れるイイ男」を見事に表現していた。

 

 

 

 

 

『家族・友人・恋人』・・・愛が溢れる所には、ちっぽけな障害などものの数ではない事を、この物語は訴えている。

 

「嗚呼、なんて素晴しいちょっとイカレた日常」 

 

温かな気持ちが身体中を駆け巡って、エンドロール後も暫く席を立てなかった 

 

超個人的嗜好につき絶品

滅多に買わないパンフレットも購入、サントラ盤は密林ポチッ 

 

  

 おおっ〜本日はアカデミー賞授賞式

 「レ・ミゼラブル」には作品賞では、敵わないだろうが、

女優賞はジェニファーに獲られせた〜い

 

 

 

◎おまけ　

アラバマ・シェイクスの挿入曲「Always Alright」

 

 

 

 
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タグ：Silver Linings Playbook Jennifer Lawrence アカデミー賞

コメント 11

＾ｑ＾　つむじかぜ さんの熱い入れ込みようが素敵です♪
本当に音楽も凝っていて良かったですね♪
私も好きな作品リストに入れました。
by Labyrinth (2013-02-25 23:28) 

＞Labyrinth様
久しぶりにド嵌りのラブストーリーでした！

ジェニファーがオスカーを獲りました＼(^_^)／バンザ〜イ♪
by つむじかぜ (2013-02-26 01:19) 

音楽が僕好みかも♪
観たくなっちゃいました^^。

by DEBDYLAN (2013-02-26 23:50) 

・・・・・・（←いまだジェニファー、オスカー受賞の余韻にひたっております）

まごうことなき「21世紀最高のミューズ」…。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　RUKO
by 末尾ルコ（アルベール） (2013-03-03 08:50) 

こんにちは。
ジェニファーは見事に受賞しましたね(^^)
あの自然体のパワーが魅力的です～
これからも楽しみな女優さんですね☆
by non_0101 (2013-03-03 15:53) 

＞DEBDYLAN様
DEBさんもお気に召される作品だと思いますよ^^

by つむじかぜ (2013-03-05 01:06) 

＞末尾ルコ（アルベール）様
獲りましたねぇ〜メリル・ストリーブ級の大女優に間違いなし！
これからも、「いい作品」に巡り会って欲しいものです。
by つむじかぜ (2013-03-05 01:12) 

＞non_0101様
最多受賞４回のキャサリン・ヘップバーンの記録を塗り替えるのは
彼女かもしれません！
by つむじかぜ (2013-03-05 01:14) 

先ほど妻とレイトショーで「世界にひとつのプレイブック」を、観てきました。
つむじかぜ様のお奨めだけに大当たりの映画でした。ジェニファー・ローレンスの魅力と演技に魅了されました。
by yuzman1953 (2013-03-14 01:02) 

＞yuzman1953様
私は、もう一回観てしまいました。
久しぶりに気持ちの良い恋愛映画ですね^^
by つむじかぜ (2013-03-15 01:38) 

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