『黄金を抱いて翔べ』 [上映中飲食禁止じゃ!]
監督:井筒和幸
脚本:井筒和幸 吉田康弘
原作:高村薫
撮影:木村信也
音楽:平沢敦志
主題歌:安室奈美恵
出演:妻夫木聡 浅野忠信 桐谷健太 溝端淳平 チャンミン 西田敏行 青木崇高 中村ゆり 田口トモロヲ
似て非なる者〜北村薫ファンではあるが、何故か高村薫の作品は一冊も読んでいない小生なのだが...
裏社会の住人相手の調達屋として生きる幸田(妻夫木聡)は、大学の同級生だった北川(浅野忠信)からある計画を持ち掛けられる。それは大阪市の銀行が誇る、コンピュータを駆使した完璧な防犯システムが施された金庫から240億円相当の金塊を強奪するというものだった。システムエンジニアの野田(桐谷健太)、北川の弟・春樹(溝端淳平)、爆破のプロでスパイでもあるモモ(チャンミン)、元エレベーター技師のジイちゃん(西田敏行)というメンバーで金庫に挑む幸田たちだったが、彼らの意外な過去や裏切りが浮上し… (Yahoo!映画より)
こ、これは・・・井筒監督、渾身の一撃だあ
名作『パッチギ!』の感動から早7年。久しぶりに井筒氏の「気合い」を観せてもらった心持ちである。
サスペンス系映画に関しては、作り込まれた洋画の緊迫感に、なかなか追いつけない感のある邦画陣であるが、今作はその私の常識を覆した純国産の傑作サスペンスとなった。
もちろん高村薫の初期の傑作と云われる原作の秀逸さに拠る処大なのだろうが、主人公のみならず多くの登場人物の描写を深く掘り下げつつ、オープニングから一片の緩慢さも感じさせずに一気にラストまで、129分間に押し込んだ力技に、ただただ拍手を送る。
長尺の原作のエッセンスを凝縮させた脚本は、まさにベテランの味か。
そして展開のスピード感のコントロールが憎い。じっくり描く場面はじっくり、緊迫のシーンはフル・スロットル。ブレーキとアクセルの踏み方が絶妙の演出。
「絵」もいいです。デジタルではないフィルムの粒状感から、「映画本来の薫り」が漂う。現在、私が暮らす大阪の街がヌメッとそのまま描かれている。
井筒監督の選びし6人の銀行強盗が、みな魅力的だ。
『悪人』では悪人に見えなかった妻夫木聡が、今作では見事なはまり役の変わりよう
浅野忠信だと気がついたのはエンドロールでした
それだけ過去作に無い役作り
この人の演技は神の領域かも
東方神起のチャンミン君は、監督お得意のギャンブル起用だったのかもしれないが、見事期待に応えていたし、桐谷健太、溝端淳平も及第点。
殴られ役に徹した青木崇高は、数少ない笑いのシーンを提供してくれた。
そして、紅一点の『中村ゆり』(私は昔からこの娘には目を付けていたのだが)
この危うい色気と一瞬のHなシーンにヘロヘロ
息も付かせぬテンポで、銀行強盗のメンバー集めから周到な計画、そして大胆な実行までストーリーは進む。
同時に、登場人物達の過去・現在を匂わせながら彼らの「背負っているモノ」を濃密に描いて行く。
数多の困難を切り抜け、果たして、彼らは金塊を抱く事ができるのだろうか
忠実な原作ファンも含めて評価が分かれる作品になるだろうが、私は表面上はサスペンスの形式を纏いながら、実は胸焦がれる人間ドラマの傑作ではないかと思う。
高村薫も井筒和幸もコテコテの関西人〜決して洋画では味わえないこの「濃さ」は尋常ではない
新・和製ハードボイルドの誕生。全員、いい男
◎予告編、正直下手糞です作品の本質を見せておりませんので、あしからず。こっちの方がいいかも
俳優さんたち
年とともに良い顔になっていくもんですね(^^)
by (。・_・。)2k (2012-11-09 03:41)
面白そうですね(^_^)
by Labyrinth (2012-11-09 04:57)
>(。・_・。)2k様 Labyrinth様
この手の邦画って大概ハズレなのですが、これは大スクリーンで観る価値の
ある作品だと思います。
by つむじかぜ (2012-11-10 00:54)
こんにちは。
痛そうなシーンが多いと聞いて考え中なのですけど、見応えがありそうですね~
頑張ってチャレンジしてみたいです☆
by non_0101 (2012-11-11 11:05)
>non_0101様
暴力的な痛い場面が多々ありますが、実は心が痛いシーンが重くのしかかる名作です!
by つむじかぜ (2012-11-13 00:04)