ジョー・ヘンリーの愛した歌姫達 [〜私の歌姫〜]
すでに3週間も経っている。
だが、クラブ・クアトロでのジョー・ヘンリー&リサ・ハニガンLIVEの興奮の炎が未だに体の中で鎮まっていない。なかなか他のジャンルの音楽を聴く気にならないほどで、それはそれで困ったもので...
ジョーは、シンガーソングライターとしての自身の音楽活動と共に、世界を股に掛けた敏腕プロデューサーの顔を併せ持つ。その対象は、ビッグネームから無名の新人にまで及び、今や米国ではルーツ・ミュージックの担い手としての評価が著しい。
そんなこんなで、ジョー・ヘンリー繋がりの女性ヴォーカリストを聴き直してみる。
◎ナタリー・ダンカン(Natalie Duncan)のデビュー・アルバムをジョー・ヘンリーがプロデュース。
この魔性の声 一度聴いたら忘れられない。
ジャマイカ人の母、ギリシャ系イギリス人を父に持つ英国生まれの23歳。
単なるソウルフルなシンガーに留まらないのは、全曲彼女の手による多彩なオリジナル曲を聴けば解るはずだ。
すべての楽器をこなす天才だが、特にピアノのピュアな旋律と歌声が溶け合った時は、鳥肌モノである
そして突如、英国に舞い降りたこの漆黒の歌姫のデビュー作のプロデューサーがジョー・ヘンリーなのだ
冒頭のソロで圧倒的なパフォーマンスを魅せるナタリーを、ジョーは溢れ出る楽器のアンサンブルの泉に沈める。
一流のスタジオ・ミュージシャンが造り出すナチュラルな調べは、命漲るナタリーの歌声を際立たせながら、或る時は反発し合い、そしてまた融け合う。独特な彼女のヴォーカルのみがフューチャーされた薄っぺらい作品に陥らぬようにと、ジョーの細心の配慮と計算を感じる。特にピアノとギターの”入れ方”が、なんともジョーらしい仕上がりだ。
アルバム4曲目『Sky Is Falling』
世界は広い。また異色の天才歌姫の登場である
お次は大ベテランの登場
◎ボニー・レイット(Bonnie Raitt)云わずとしれたブルース・ロックの女帝
泣く子も黙るスライド・ギターの唸りにロック姐御の熱きハートを感じる
1971年デビューの超ベテランであり、90年以降はグラミー賞常連のアメリカを代表するミュージシャンだ。
彼女の若かりし頃は、同じく若かりし小生はブリティッシュ・ハード・ロックにハマっており、ガチR&B色の強い彼女の音楽に触れる機会が意外と少なく、実はアルバムは1枚しか持っていなかったのだ。
そのボニー姐御が還暦を過ぎて、今春7年ぶりのオリジナルアルバムを発表。全12曲中8曲をセルフ・プロデュース、4曲がなんと、ジョー・ヘンリーのプロデュース。思わず、密林ポチッなのだ
4曲目『You Can't Fall Me Now』produced by Joe Henry
イントロのギターだけでも痺れる上に、姐御の哀愁漂うヴォーカルにホロリ
間奏のハーモニックスでイチコロ
「素晴しい」の一言に尽きる作品
R&B一直線の泥臭さは影を潜め、しかし軽いポップスにも陥らず、極上のバランスのロック・アルバム
ジョー製作の4曲は言うに及ばずなのだが、ボニーのセルフ・プロデュース曲も引けは取らない。
二人の音作りに共通点しているのは、各楽器が持つ本来の響きを見事に捉えて空間上に配置している点である。
ジョー・ヘンリーマニアの小生なので、彼の担当した楽曲は、ドラムやアコギの録音方法から、何となく選別できる。しかし、ボニー製作の曲も、楽器の息遣いが聞こえてくるようなピュアなサウンド作りで、一発で引き込まれる。
とにかく、ボニー姐さんの「バラード」の上手さは特筆。
少々埃っぽいカントリー系ブルース・ロッカーと決めつけていたのを訂正せねばならない。
いまさらながら、還暦過ぎのオバサマに夢中になってしまった元ロック小僧は私です
そして、やはり、やっぱりリサ・ハニガン(Lisa Hannigan)
デビュー作『Sea Sew (2008)』に続く2枚目の作品。
このアイルランドの無名の歌姫を、ジョー・ヘンリーがどのような経緯でプロデュースしたのかは定かでない。
断言出来るには、ジョーは自分の追い求める音楽とシンクロしたアーチストとしか手を握らないという事だ。
海外では既に売れっ子プロデューサーではあるが、単なる営利目的での安請け合いは、ビッグネーム・有名レーベルであろうと有り得ないのだ。
ジョーの心の琴線に触れたリサの歌声〜こんなにか細いのに、胸の奥深くまで滲み入る声質はある意味、異端でもある。
「Home」
(スタジオ盤ではストリングスを多用し、また違う魅力を楽しめる)
抑揚の少ない単調な歌なのに、いつまでも続いて欲しい、終わらないでくれと、思うのは私だけだろうか?
目の前で生リサ嬢が歌ってくれたし、スリムな肢体を堪能した小生としては、思い入れが強くなるのは致し方ない。
ステージ上の彼女は、凛とした清楚さを振り撒き、音楽への静かなる熱情に充ち満ちていた。
そして、彼女の個性は、美貌や独特の声質だけでなく、多彩な楽曲を生み出すソングライティングにも表れる
アルバム4曲目「What'll I Do」
エンヤ、U2、ヴァン・モリソン等のアイルランド出身の著名人と単純比較はできない。
だが、北極海の厳しい寒風と裏腹の垣間見る太陽の温もりを内包したケルト音楽の血は、リサの中にも脈々と流れているようである。
これからずっと追い続けたい歌姫だ もう一度、生リサに会いたいよぉ
私の偏愛するジョー・ヘンリーが見初めた歌姫達=私がハマる歌姫達
の方程式が完全に証明されました
リサちゃん 楽しそうに歌う方ですね
見ていて気持ちいいです(^^)
by (。・_・。)2k (2012-11-01 01:21)
ギターの音色は良いものですね♪
歌姫たち 個性豊かで、これもGood♪です。(^^;
by Labyrinth (2012-11-01 01:34)
おおおおぅ、いいじゃんか。
早速密林ポチりますた。
Natalie DuncanのCD届くのが楽しみ♪
by ぷーちゃん (2012-11-01 20:00)
ここの3人♪
みんな個性的で、とっても素晴らしいですよね~☆
by haku (2012-11-01 22:22)
ボニー姐御の新譜はまだ聴いてないんだけど^^;
2nd、3rdあたりが僕的にはオススメです♪
by DEBDYLAN (2012-11-02 22:40)
> (。・_・。)2k様
生リサ嬢も、本当に気持ち良さそうに歌っていました!
>Labyrinth様
アコギをつま弾く響きは、秋にピッタリ^^
>ぷーちゃん様
ナタリー嬢がお気に召しましたかぁ^^ あの歌声に浸って下さい!
>haku様
三者三様の輝きです!
>DEBDYLAN様
初期は、「ギブ・イット・アップ」のみの所有ですが、いい感じですね!
新譜での還暦過ぎた彼女の魅力も、また素晴しいですよ^^
by つむじかぜ (2012-11-03 03:14)