「エイミー・マンに浸る」・・・新作を聴く [〜私の歌姫〜]
エイミー・マン(Aimee Mann)・・・米バージニア州生まれ、52歳(小生より1年先輩)のシンガーソングライター。
『私の歌姫リスト』の中で、エミルー・ハリスと並んで現役では最上位に位置する。無論、美しきブロンドもその理由のひとつではあるが、彼女の近年の音楽作りに共感、いや私の感性が共鳴しているからに他ならない。
声質、楽曲へのアプローチ法、詩情性...エイミー・ワールドを形作るパーツは、どれひとつ取っても彼女のたおやかかつ強靭な精神性を感じる。
彼女を知った最初のアルバムは
先日述べたMy Favorite Musicianであるジョー・ヘンリーがプロデュース。
彼女が目指したサウンドは「モット・ザ・フープルmeetオルタナ・カントリー」と云う。エイミーの詩情溢れる楽曲が、ジョーの手により70年代ロックの香り立込めるロック・ポエムに変貌する。ライブ形式で録音されたこの作品は、粗い手触り感と静謐な緊張感が絶妙なバランスの演奏により、21世紀のロックの名盤の1枚でもあると私は思う。
「GOODBYE CAROLINE」
そんな彼女もデビュー当初からは茨の道。
1980年代初期、ティル・チューズデイ(Til Tuseday)のヴォーカル兼ベーシストで活躍。
このバンド、テクノ風の完全なるニューウェイブ系
デビュー直後は結構売れて、来日コンサートもしたらしいのだが、徐々に人気は下降線へ
デビュー曲にして最大のヒット曲「Voices Carry」
今聴くと結構、新鮮だったりするのだが、美男子ぶりを発揮するエイミーお嬢様は、決して歌が巧いとはいえるレベルにあらず、無理に背伸びして演じている感じがする。
1989年に解散。 以降ソロ活動に専念し、音楽専門家の間では評価が高かったが、所属レコード会社の倒産や買収などのトラブルに次々と巻き込まれ、彼女が再度、表舞台に登場するのは21世紀に突入してからだ。
この作品の収録曲が、ポール・トーマス・アンダーソン監督の眼に留まり、映画「マグノリア」と、彼女の楽曲を収録したサントラ盤のヒットと共に、エイミー・マンの名が一躍世界中に知られる事となる。
Magnolia: Music from the Motion Picture
- アーティスト: Jon Brion
- 出版社/メーカー: Reprise / Wea
- 発売日: 1999/12/13
- メディア: CD
映画「マグノリア」の挿入曲『Save Me』
10年の月日が彼女をここまで進化させた。
最小限の楽器とその本来の音を調和させ、最大限いや無限の音世界を作ろうとする意欲。
ヴォーカルは、初期の頃の耳に纏わり付く「痛さ」は影を潜め、心情表現を第一にした柔らかさと逞しさを湛える。
2002年に発表された
は、大ヒットを記録。2005年の上記フォーゴトン・アームは、1枚のアルバムに男女の出会いと別れをロード・ムービー風に描き、「エイミー・マン」の名を不動のものとする。
これも、彼女の深化が窺える名盤ですが、敢えてエレキギターを使用しない楽器構成の為、ロック度は前作より落ち、私の評価は2番手以降。
そして4年ぶりの新作
彼女の作品の特徴のひとつは「詩」の素晴らしさ。
普段は輸入盤しか買わない私も、彼女のアルバムだけは、すべて対訳付きの日本盤を購入します。
オープニングの1曲目からヤラレマした
「Charmer」
アルバム全体から発せられる70年代の薫り。 チープなシンセサイザーの音が意図的に使われ、エレキギターの少々淀んだ響きが気持ちを掻きむしる。まさに70年代ポップ・ロック黄金時代を彷彿させる。しかし、単なるノスタルジーに押し流される事無く、「彼女の詩」は明確に自己を主張し、当時のポップサウンドにありがちな軽さを装いながらも、絶対的な「音の芯」が存在しているのである。
黒縁メガネで一見インテリ度アップであるが、多分30代の頃に彫れたタトゥーが彼女の本気度を偲ばせる。
やはり、今でも彼女はロック・レディなのである
何とも云えない頼りなさと力強さが同居した不可思議な心地良さ。
傑作である
◎おまけ
ソロ活動直後の不遇期での演奏。
映像は良くないが、当時の自分の音楽を模索しつつ前進する姿を感じる事ができる。
オンナとして一番華のある30歳前半。この頃が、私の理想のブロンド姐さんでもあります
グラム・ロックや女マーク・ボランや
荒削りでカッコいい姐さんです
エイミーマン、好きですよ。
マグノリアのサントラからずっと聴いてます。
結構ベッピンさんなのに、ジャケに顔出ししないのは
アルバムのコンセプトをジャケにしてるんですって。
by ぷーちゃん (2012-10-05 18:45)
そういう経歴の方だったんですね!
ベース弾いてる姿、カッコいいですねぇ♪
by haku (2012-10-06 08:57)
エイミーマン、イイですね!!
つまみ食い程度ぢか聴いたコトないので、
じっくり聴いてみたいと思います♪
by DEBDYLAN (2012-10-06 14:33)
>ぷーちゃん様
ぷー様もお好きですかぁ!嬉しいです^^
たしかに、ソロデビューアルバム以外は、ジャケ写に本人は見当たりませんな。
美貌を隠してコンセプト優先かぁ、私のようなジャケ買い人は苦労するかも(・・;)
by つむじかぜ (2012-10-07 01:40)
>haku様
ちょっとオンナ・スティングにも見えますなぁ^^
by つむじかぜ (2012-10-07 01:41)
> DEBDYLAN様
詩も良いので、じっくり聴いてやって下さ〜い^^
by つむじかぜ (2012-10-07 01:43)