「屋久島探訪」with Nex-5 ① [ざれごと写真日記]
今年のお盆休みは東京に帰らなかった...
かと云って、愚妻が大阪の単身宅に甲斐甲斐しく訪れてきた訳でもない。
実は女房が仕事の関係で、アメリカ・コロラド州の片田舎に1ヶ月間のホームステイに行っているのである
勝手気侭に暮らしている子供達の偵察を兼ねて帰る算段も考えたが、ここは私も「勝手気侭」に行かせてもらうという事に
...てぇ事で、若い頃からずっと訪れたかった『屋久島』に単身、乗り込むことにいたしましたぁ〜
もちろん最大の目的は「縄文杉」との邂逅である
某「H・◎・S」のお盆の時期にしては格安のツアーを締め切りギリギリに申し込み。
定番の「勝手に行けば現地にガイドが居ますんでヨロシク・ツアー」二泊三日の強行軍です
もちろんお供は、トレッキング主体の為、極力軽装備にしたいのでNex-5のみ。一眼レフはお留守番。
第1日目
早朝、伊丹ではなく神戸空港から出発。鹿児島空港からバスで鹿児島港へ。高速船で午後3時頃に屋久島上陸
指定の民宿にチェックインし、夕方に買物がてら町を散歩。港から海岸線沿いにノンビリ歩いていると...
おっ〜何と言う幸運
私の屋久島への来訪を祝うような二重の虹が...
明日の「縄文杉トレッキング」は、良い事があるに違いない〜と、勝手に思い込んだ中年オヤジは宿に戻り、若いおかみさんの手作り料理を頬張り、カラスの行水を済ませると、翌日に備えて早めに床に就くのであった
んがっ〜眠れん
オリンピック観戦後遺症の為か、はたまた遠足前の幼児の心境の為か、目が冴えるばかり
噂では体力・体調共に万全でないと厳しいと云われる縄文杉ツアー。ほんまに大丈夫だろうか....
第2日目
起床午前4時。たぶん2時間位は眠れたかもしれない
いや、熟睡したと自分に言い聞かせる小生は、準備を整え、民宿前の県道で送迎バスを待つ。
マイクロバスが、各民宿に分散するツアー客を拾いながら、荒川登山口に到着したのが午前6時。
30人強の登山客を6、7人づつグループ分けし、各々にベテランのガイドが付くというシステムになっていた。
安全確保の為の賢明な登山方法である。大人数だと統制がとれない上、リーダーの一人一人の体調チェックが困難になる。
小生のグループは、ガイド役が私より少々年配風のいかにもベテランという感じの男性。
そして残りのメンバー6人が...「げっ〜全員、女性」 20代風の女性ペアが3組なのである。
往きの高速船で感じてはいたが、この屋久島観光は、やたらと女性2人組が目立っていた。全体の7割。残りが家族連れと若いアベック、そして学生サークルと見受ける団体客。中年オヤジ独りなどは、確かに皆無
若い男どもは、一体何処に遊びに行ってんだぁ〜
ガイドさん「男性は二人だけなので、私が先頭行きますので、◯◯さん最後尾をお願いします。」
私「ラジャー」
「若き山ガール達」を守るように、『オッサンのハーレム・トレッキング』が午前6時30分にスタートされたのでした。
(昨日の美しい虹は、この楽しい桃色遊戯を予知していたのに違いない)
などと、甘い妄想に浮かれていたのが、3時間後にはもろくも崩れ去る事になるのだが...
延々と続くトロッコ道を歩き続けます。島独特の気候で雨が降ったり止んだり。ほとんど平坦な道なので、足への負担は少ない。ただ、ノンビリ写真を撮っていると、すぐに連隊に遅れてしまうので、スナップ程度の構図中心になってしまう。
そして、前を歩く東京から来たOLと楽しくおしゃべりできたのも、最初の2時間。
履き慣れないトレッキング・シューズが足首に食い込み痛い上に、早くもふくろはぎが痙攣し始める。
メタボオヤジの本領発揮 だんだん無口になっていきます。
風景が徐々に、シダ・コケ中心の明るい緑から、古木が立ち並ぶ深い緑に変わって行く。
3時間歩き、平坦なトロッコ道が終わる。短い休憩である。
すでに私の足は限界に近いほどパンパンである。
ガイドさん「えっ〜これから本格的な山道に入りま〜す」私「・・・・・・・・・・・・・」
彼がみんなを和ませる為、私をネタにします。(なんだかんだで女性陣も疲れている)
ガイドさん「さぁ〜皆さん。◯◯さんは果たして何歳でしょうか? 実は◎◎才なんですよぉ〜」
山ガールズ「え〜っホントに〜若く見えますねぇ〜だからお元気なんですね」
私「いやいやぁ、見た目だけでぇ〜 もうガタガタです」と、云いながら後に引けない状況になり申した。
...本当に本格的な山道です。こんなツライ思いは高校時代のサッカー部の合宿以来。大学時代に北アルプス縦走もしたが、ここまでシンドクなかった。というより、爛れた生活を続けて30年。そのツケを、こういう非常時に自覚するのである。
ガイドさんがアドバイス。「ツライ時は、ゆっくり深呼吸して下さい」
何千年と大地と生を共にする屋久杉達の吐く酸素を、喫煙で汚れ切った肺一杯に吸い込む。
足の痛みは和らがないが、不思議ともう少し上に登ろうという気持ちが生まれてくる。
登り続けて更に3時間。深呼吸を繰り返しがら、前を歩く山ガールズのヒップを朦朧と眺めながら・・・
忽然と「彼」は現れた。
『縄文杉』樹齢推定7200年(2000年の説も)
ただ呆然と見つめるのみ
人間が文明を身につける遥か以前から、彼は此処に「居る」のである。
気が遠くなるような永い年月を風雪に耐え、東洋の離島の奥地で身を潜めるように生きながらえ、しかしその立ち姿は威風堂々の何者でもない。
「圧倒的な生命力」を感じずにはいられない。
彼が吐き出しているのであろう命漲る息吹を胸一杯に吸い込んだ。
その息吹が私の肺から、体中を駆け巡る真っ赤な血液に変わるように...
.......永年の目的を達し、しかしこれでゲーム終了ではない。現実は、来た道を帰らなければならないのだ。
縄文杉との邂逅の興奮のおかげで、一時は忘れていた足の痛みも1時間だけ。その後は、現実の激痛に我に返る事となる。
シャッターを押す気力も急激に稀薄となり。常に首にぶら下げていたNex-5も、ついに背中のリュックの中へ。
歩く事に集中せねば、怪我をしそうな予感がしたからである。
下りの山道が終わり、平坦なトロッコ道に戻ってからがさらに大変。足の苦痛プラス睡魔が襲ってくる。
歩きながら何秒か寝落ちして、枕木を踏み外して転けそうになっている自分に何度も気付く。
森が「グルングルン」してきて、既に限界値は突破しているのに、本能だけで歩いている感じ。
ガス欠の自動車が動いているというか活動限界のエヴァンゲリオンが暴走している感じか。
午後6時30分、荒川登山口に帰着。
憔悴しきっている山ガールズとお互いの健闘を讃え合い、バスに乗り込んだ瞬間に爆睡
そのまま終点まで寝過ごし、結局歩いて民宿まで帰るおまけ付きのエンディング
しかし、胸を張って某元オリンピック選手のように言える。
「自分を褒めてあげたい」
山ガールズに感謝の一日
民宿での夕食後、布団も敷かずにそのまま倒れ込むように寝ている中年男の姿がありました。
果たして翌日の「白谷雲水峡トレッキング」など可能なのであろうか?
おぉ!!
虹が素晴らし過ぎます!!
ステキな風景をありがとうございます^^。
勝手気侭にブロンド娘と遊んでたんじゃないんですねw
by DEBDYLAN (2012-08-20 23:18)
今日も写真がきれいだぁ....
by 怪しい探麺隊 (2012-08-20 23:43)
すごー位、二重の虹に迎えられ
ぎゃると一緒にトレッキング。やるぅ〜。
でも屋久島、おらも行って見たい。
でも良く頑張りました。パチパチ。(笑)
by ぷーちゃん (2012-08-21 08:08)
凄い!感動です!
by (。・_・。)2k (2012-08-21 10:14)
“桃色遊戯” (≧m≦)ぷっ 受ける~ぅ♪♪
もぉー ウハウハじゃないですかー (^_^;
・・・と、冗談はこれくらいにして と。
いやー 大変お疲れ様でした。
また一つ良い旅をなさいましたね~♪ 素晴らしいです♪
おかげさまで、居ながらにして御山の空気を感じさせて頂きました。
瑞々しい画像も 有り難く拝見 (-人-;) 次回も楽しみですっ
by Labyrinth (2012-08-21 17:57)
>DEBDYLAN様
山ガールにブロンドが居たら完璧でした^^
>怪しい探麺隊様
ありがとうございます。Nexのおかげです。
>ぷーちゃん様
足腰元気なうちにチャレンジすべきですよぉ^^;
>(。・_・。)2k 様
私の一生の思い出になりそうです!
>Labyrinth様
やはり、登山に不純な気持ちを持ち込んではいけませんね(^▽^;)
by つむじかぜ (2012-08-23 00:46)
素晴らしい自然の景観ですね~!
若き山ガール達と縄文杉トレッキング♪ 羨ましいですが...
その山道は、自分には無理です ^^;
by haku (2012-08-23 06:38)
>haku様
無理と仰らずにチャレンジを!
永年の爛れたアルコール漬けの体がリフレッシュされましたよ^^;
by つむじかぜ (2012-08-24 01:05)
美しい虹ですね!二重の虹を見られたとはラッキーですね~
屋久杉も素晴らしいです。苦労した甲斐がありましたね(^^ゞ
無事に宿まで帰れて良かったです☆
by non_0101 (2012-08-24 08:44)
>non_0101様
足腰が元気かつ若い女性に興味があるうちに、チャレンジできて良かった^^;
by つむじかぜ (2012-09-04 01:45)