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『5デイズ』 [上映中飲食禁止じゃ!]

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監督:レニー・ハーリン
脚本:ミッコ・アラン
原案:デビット・パトル
撮影:チェコ・ヴァレス
音楽:トレヴァー・ラビン
 
キャスト:ルパート・フレンド リチャード・コイル
エマニュエル・シュリーキー ヘザー・グラハム
アンディ・ガルシア ヴァル・クルマー 
ジョナサン・シェック ラデ・シェルベッジア
ディーン・ケイン アンチュ・トラウェ 
 
ジャーナリストのアンダースは、カメラマンのセバスチャンらと共に、紛争地帯グルジア共和国に旅立つ。2008年8月8日未明、ロシアの軍事介入によって戦争が始まったが、世界の関心は北京オリンピックに集中しており、戦争を伝えるネットワークは一局もなく……。(ぴあ映画生活より)

3デイズ」「4デイズ」「5デイズ」という題名の映画が同時期に公開されていた。勿論、シリーズ物ではなく、各々別個の作品なのだが、偶然にしては紛らわしい。3本とも興味はそそられるのだが、時間の制約はあるし、他の映画も観たいし...まず、自分の一番好きなテーマの今作を、ミニシアターで上映終了間際に観賞してきました。
 
 
これを観ておいて正解だった。 
元々、戦争ジャーナリストに関する作品がお気に入りで、特にローランド・ジョフィ「キリング・フィールド」やオリバー・ストーン「サルバドル-遥かなる日々-」には、高まる鼓動と流れる涙を止める事が出来なかった。
フォト・ジャーナリストに憧れていた少年時代への追憶と夢叶わなかった現実への悔恨により、必要以上にこの手の映画に胸焦がれてしまうのは、何歳になっても変わらないようである。
 
2008年北京オリンピック時に勃発したロシアのグルジア侵攻を題材にしたフィクションであり、骨太のテーマを下敷きに強烈な戦闘アクションあり、淡いラブ・ロマンスあり、男の友情、ジャーナリズムの心髄をギュウギュウに押し込みながらも、嫌みの無い描写により見事に調和の取れた佳作として仕上がっている。
 
オープニング早々、アンダース(ルパート・フレンド)は、ジャーナリスト仲間であり恋人でもあるミリアム(ヘザー・グラハム)をバクダットの戦闘で死なせてしまう。この事件が彼のトラウマになるのだが、この冒頭のシーンからして緊迫感抜群だ。「ダイハード2」など多くのアクション映画を手がけたレニー・ハーリン監督の面目躍如という処か。
そして暗い過去を背負いつつもなお、再度戦場に降り立つアンダース〜ジャーナリストの本能である。
グルジアの片田舎での結婚式中に村人達が、ロシア軍の空爆を受ける処に居合わせた彼は、そこでうら若き新婦の姉・タティア(エマニュエル・シュリーキー)と知り合う 。「ゴッドファーザー」等のギャング映画でよく使われる幸せ絶頂から一転惨劇に向かう場面なのだが、一貫して描写が絵画的に美しく感じられた。悲惨なシーンでも目を覆いたくなる事はなく、逆に言えばリアリティの欠如に他ならないのだが、その辺がこの作品の最大の特徴かつ魅力なのである。
昨今の戦争映画にありがちの「戦場の完璧な再現」の手法は取らず、アクション映画の延長線上として映像化している。ゆえに血しぶきドピュー生首スポーンはありません。そして主人公は決して武器は使用しないが、常に間一髪で死を免れる強運の持ち主。おまけに彼の親友(カメラマンとグルジア兵士)と二人目の恋人も不死身。
これはまさしく、題材が実話であるだけで「ダイハード」流アクション娯楽作品のスタイルなのだ。
 
さらりと観れば、「ハッピーエンドでめでたし、めでたし!
 
しかし、じっくり吟味すると恐ろしく重い映画なのである。
今作の最大のテーマ「伝える者がいなければ真実は闇の中」がくっきりと浮かび上がる。 
 
現実、当時の北京五輪開幕時には「ロシア、グルジア侵攻」は、ほとんどニュースにならなかった。
果敢なジャーナリスト達の取材により、徐々に明らかにされていった事実なのである。
報道の在り方、マスメディアの問題点を強烈に風刺しながらも、映像的には極上のアクション・ラブロマンス映画に仕上げた製作陣に拍手を送りたい。この微妙なバランス感溢れる作品は希有である。
 
我が国の原発問題に関するワイドショー的な後追い横並び報道には、ほとほと辟易の感を拭いきれない。 
もっと我々国民が知らされなければならない「隠された真実」が存在するはずである。
日本のジャーナリストの奮起を願う。 
 
 
 
おまけ
 
今作は地味ながら芸達者な美人女優が目白押し。
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エマニュエル・シュリーキー(左)
アンチュ・トラウェ(中)
 
 
アンナ・ウォルトン(右)
魅力溢れる女優達だが....
 
やっぱり私は、ヘザー・グラハム。オープニング早々に亡くなってしまう役だったのが残念[もうやだ~(悲しい顔)]
 
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[わーい(嬉しい顔)][わーい(嬉しい顔)][わーい(嬉しい顔)][わーい(嬉しい顔)][わーい(嬉しい顔)] 
 
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DEBDYLAN

入れ替え制でなければ、
1度目は映画そのものを楽しむw
2度目は美女を堪能するww
そんな風に楽しみたいっす^^。

by DEBDYLAN (2011-10-25 21:16) 

つむじかぜ

>DEBDYLAN様
同感、同感です^^
3度目には、音楽にじっくりハマったり、あら探しや新しい発見とか・・・
いい映画は何度でも楽しめますね☆

by つむじかぜ (2011-10-26 00:57) 

ぷーちゃん

ヘザー・グラハム、いいっすね。
オースティンパワーズも楽しかったな。
by ぷーちゃん (2011-10-26 22:07) 

つむじかぜ

>ぷーちゃん様
コメディ、シリアス、幅広い演技力のキューティー・ブロンドですね^^
by つむじかぜ (2011-10-27 01:04) 

non_0101

こんばんは。
この作品、すごく気になっていたのですけど、上映館が苦手なので
つい見逃してしまいました~
いつか機会があったらチェックしたいです☆
by non_0101 (2011-10-27 23:52) 

つむじかぜ

>non_0101様
ミニシアター館は、独特のムードの処もありますからね。
いい映画が、もっと誰でも気軽に観られる環境に、日本もなってほしいものです☆
by つむじかぜ (2011-10-28 01:26) 

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