『UNDERWATER LOVE ーおんなの河童ー』 [上映中飲食禁止じゃ!]
傑作怪作感動作笑撃作
監督・脚本:いまおかしんじ
脚本:守屋文雄
撮影:クリストファー・ドイル
音楽:ステレオ・トータル
キャスト:正木佐和 梅澤嘉朗 成田愛 吉岡睦雄 守屋文雄 佐藤宏
缶詰工場で働く明日香(正木佐和)は、恋人の滝はじめ(吉岡睦雄)との結婚を間近に控え、幸福な日々を送っていた。そんなある日、高校時代に水死したはずの同級生、青木哲也(梅澤嘉朗)が河童となって明日香の目の前に現れる。なぜか同じ工場で働くようになった青木は、何かと明日香につきまとい、同僚の麗子(成田愛)からも好意を持たれるようになる。そんな奇妙な日々の中、青木のもとに死神(守屋文雄)が姿を現し、明日香の命が間もなく終わると告げる。その運命を変えたいと願う青木は、明日香の手を取り、河童の里へと向かうのだが(goo映画より)
ピンク・ミュージカルと銘打った本作を、前代未聞の「前衛ファンタジー・ポルノ」とでも呼ぶべきか?
一般的には、まっ二つに評価が分かれる作風なのだが、 低予算のB級映画の範疇に入るであろうこの作品に、これほど胸がときめくとは、自分自身予想だにしていなかったのである。
いまおかしんじ・・・知る人ぞ知るピンク映画の巨匠らしい。出張先のホテルでAVを観る事はあっても、劇場でピンク映画を観賞する機会は最近は皆無である。その為、彼の存在は当然の如く知らなかった。確かに昔からピンク映画から出発した名監督は数多い。神代辰巳、森田芳光、相米慎二、金子修介、周防正行、中原俊、黒沢清・・・低予算の演出に制約の無いポルノ映画の中で自己の表現を自由に発揮した作品を作り続け、後にメジャー作品で成功した監督達だ。いまおか氏が今後メジャー作品を制作するかは別にして、今作での類い稀なる表現力に、前述の先輩監督らに勝るとも劣らない希有な才能を見て取れる。
当然R-15である。
遥か昔の中学生時代。ポルノ映画なるものが観たくて、観たくて、友人となるだけ大人っぽい服装をして浅草の映画館に行った。受付を通る時の胸の鼓動は、今も忘れられない。くゆる紫煙(当時の下町映画館は喫煙可だった)の向こうのスクリーンを見つめ、女性の白い裸体と喘ぎ声に戸惑いつつ、大人の仲間入りができたような気分に浸った。
そんな70年代日活ロマンポルノを彷彿させるアンニュイな映像が、この作品のベースとなる。
クリストファー・ドイル(ウォン・カーウァイ監督作で有名)が、事前の打ち合わせ無しで、ほぼ一週間で撮り切ったという「いい加減やっつけ仕事」は、逆に感性の赴くままの一発撮りの緊張感を生み出し、銀塩フィルムぽいハイキーな色調と相まって、作品の摩訶不思議さを大いに助長させる。一流カメラマンは、光の扱い方ひとつで素材に別の意味と力を与える。
インディーズバンドのヘタウマソングと思しき耳にこそばゆく響くサウンドは、実はドイツのデュオグループ
「STEREO TOTAL」計算しつくされたようなチープな演奏に、女性ヴォーカリストが「日本語棒読み」で歌う。これがまた摩訶不思議な雰囲気を醸し出す。何故か耳に残るこの音が一発で気に入ってしまった
そして特筆なのが、主演・正木佐和の「ファンタスティックな演技」
NHKドラマやCMで活躍するベテランの域に入った37歳の中堅女優である。
絶世の八頭身美人ではないが、清潔感溢れる清楚な顔立ち〜特に笑った時の垂れ目がキュート〜そして元祖日本人体型の微乳&美しいヒップ。
その彼女が初主演として、茨城の鄙びた街工場で働く婚約中のアラ40女性を等身大かつ息をのむ演技で魅了してくれた。
東京でのOL生活に疲れ果て故郷に戻り、小さな幸せに夢膨らませている矢先、死んだ高校の同級生に再会し、揺れる女心をまさに体当たりの熱演で表現した。
濡れ場でもシリアスなシーンでも全く嫌みのない自然な芝居、そして何よりも底抜けに明るい笑顔に、観る者すべてを癒す圧倒的パワーを秘めている。
こんな素晴しい女優が、今まで日の目を見ないなんて、日本の演劇界は一体...
超個人的・今年度日本アカデミー主演女優賞は正木佐和で決定である
個性的な共演陣も巧くて強烈想いを秘めた河童役の梅澤嘉朗。河童の童貞を奪う爆乳・成田愛。婚約者役の絶倫男・吉岡睦雄。訳解らん笑ってしまう死神役・守屋文雄(脚本家でもある)やはり注目は、着衣と脱衣で全く異なる魅力ある演技を披露した成田愛。ダイナミックなボディは往年の「片桐夕子」か!(ではさしずめ、正木は「宮下順子」か!)・・・ふ、古い
こんな映像・音楽・演技の有機的結合なぞ糞喰らえの演出で、いまおか氏はストーリー進行お構い無しに唐突に
「河童ダンス」を随所に織り込み、観客の失笑を呼び込みつつ度肝を抜くのである
明日香と青木の心情を俯瞰した風景で描いたかと思えば、十八番のギトギトの濡れ場(河童の男根には、さすがに映倫もモザイクはかけられなかった)で女性客の顔を俯かせ、男性客をいきり立たせる。さりげない中での拘りのファッションと小物群の数々、そして粋な遊び心。(冒頭の自動車ナンバーは4545シコシコですよ)
ピンク映画特有の意味不明の猥雑なストーリー展開に困惑される快感を味わいながら、最後には青春時代の甘酸っぱい哀愁と「生きる事」の素晴しさを爽やかに実感させられる、憎らしいまでに完成度の高い作品に仕上がっている。
これほどのシュールかつシリーかつファンタジーな邦画は史上初だ。
とにかく製作陣の熱い息吹が直接伝わって来る、まさに「これが楽しい映画」の原点かも。
限られた予算の中で、日独の優れたマイナー・アーチストの才能が凝縮された奇跡的なB級映画の頂点である。
上映館が限られているのもB級(マイナー)映画の宿命であり、そんな映画をわざわざ東中野まで観に行く私もマイナー指向のB級オジサンである でも、できれば多くの映画拘り派には観て欲しい作品だ。
◎STEREO TOTAL・・・仏女性・フランソワーズ・カクテュス(ヴォーカル・ドラム)と独男性・プレッツェル・ゲーリング(ギター・シンセ・サンプラー)の二人組。異色の感性だ。
このサウンドと映像にハマりました
おまけ
私の記憶上の河童と云えばこれ。まだ小学生低学年だったのだが、笑えるんだけど、恐かったなぁ〜
40年以上前の番組なのに、主題歌を今でも私は歌えるのでした〜名曲じゃ〜
Secret Track
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Hな方限定
残念┏( >_<)┛ガクッ 削除された後でしたっ(笑)
by Labyrinth (2011-10-27 01:59)
>Labyrinth様
(゜o゜)ゲッ!! 早っ! 負けじと差し替えましたが、時間の問題かと....
by つむじかぜ (2011-10-27 02:13)
見ました~ ありがとうございます♪ (^_^)y
by Labyrinth (2011-10-28 01:11)
見ちゃいましたw
by DEBDYLAN (2011-10-28 22:24)
面白いですねぇ♪
しかし、「河童の三平」 むちゃくちゃ懐かしいです!
主題歌、良~く覚えてます!! ^^v
by haku (2011-10-29 19:34)
やはり私は「Hな方」でした。
by さとし (2011-10-30 08:05)
>DEBDYLAN様
お恥ずかしい限りですぅ(・・;)
>haku様
小林亜星氏の名作ですね、歌詞もシュールです!!!
>さとし様
お仲間が増えて嬉しいです(◎-◎;)!!
by つむじかぜ (2011-10-30 20:07)