SSブログ

『さすらいの女神(ディーバ)たち』 [上映中飲食禁止じゃ!]

 
 
監督・脚本:マチュー・アマルリック
製作:レテシィア・ゴンザレス イエール・フォジール
脚本:フィリップ・ディ・フォルコ マルセロ・ノヴェ・トレ ラファエル・ヴァルブリュンヌ 
撮影:クリストフ・ポーカルヌ
 
キャスト:マチュー・アマルリック ミランダ・コルクラシュア スザンヌ・ラムジー リンダ・マラシーヌ
ジュリー・アン・ミュズ アンジェラ・ド・ロレンゾ アレキサンドル・クレイヴン ダミアン・オドゥール
 
トラブルを起こし業界から干されてしまったTVプロデューサーのジョアキム(マチュー・アマルリック)。子供も友人も恋人も全てを捨ててアメリカに渡った彼は、数年後、華麗なショーダンサーたちのグループ<ニュー・バーレスク>で成功し、意気揚々と凱旋。フランスで巡業ツアーを開始し、次々と観客を沸かせてゆく。
しかし、最終目的地であるパリでの公演が決まらない!? 昔のつてをたどり奔走するが、“過去”がそれを許さない。焦りがつのり自暴自棄になってゆく彼とダンサーたちの間に、次第に亀裂が生じてゆき……。果たして、彼らの人生を賭けた〈ツアー〉はどこへたどり着くのか?(ぴあ映画生活より)
 
新春に観た「バーレスク」http://tsumujikaze2.blog.so-net.ne.jp/2011-01-22)同様のブロンド美女軍団・魅惑の祭典の再現[exclamation×2]という大いなる期待と妄想は、オープニングからもろくも崩れ去った。
 
楽屋での踊り子達の着替えのシーンから始まるのだが...[あせあせ(飛び散る汗)] 
はちきれんばかりというより、完全にはちきれてしまった肢体がスクリーン一杯に映し出される[がく~(落胆した顔)]
私の下っ腹をはるかに凌駕する三段腹[ふらふら]
引力に委せるままのサッカーボール大の乳房[もうやだ~(悲しい顔)]
ブロンド嬢には間違いはないのだが・・・「こ、これはキワモノ系映画か[exclamation&amp;question]私のアテが完全にはずれた」と後悔。
 
しかし、数分後。
ショーの幕が落とされ、エアロスミス「ドリーム・オン」のピアノ弾き語りが始まるや否や、私はこの作品に一気に引き込まれていった[ぴかぴか(新しい)]
  
 
 
出演するダンサー嬢は、すべて現役の「ニューバーレスク」の舞台で活躍するプロのパファーマー達である。
劇中の彼女達は、ハチャメチャ・どうしようもない連中である。酒はトコトン呷るわ、行きずりの男は漁るわ、欲望の赴くまま、明日への明るい希望が有るのか無いのか、時の流れるまま巡業の旅をただ“今を楽しく”続けるのである。
そんな一見ふしだらこの上ない彼女らが、いざステージに登壇すれば、男の欲望の捌け口である単なるストリッパーという存在を遥かに超越した『アーチスト』に変貌するのである。
冒頭での彼女達への嫌悪感がいつしか愛着に変わり、最後には尊敬の念を持って彼女らの生き様を正視しているのであった。
 
フランスの田舎町を巡業する旅は、座長ジョアキムの暗い過去とダンサー達の表裏の顔を絡めながら、もったりとしたロードムービーとして描かれて行く。パリの最終公演が挫折し、焦燥を募らせるジョアキムと、一日一日を必死に楽しく生き抜く彼女達との比較を、濃淡のアクセントをつけたカメラが切り取っていく。
 
フランス映画独特の映像美とアメリカ仕込み「ニューバーレスク」の肉体美が合体した何とも云えない浮遊感と共に、ほのぼのと「今を生きる力」が漲って来る魅力溢れる秀作である。
 
映画後半、行く宛もなく辿り着いた廃墟となったホテルで結ばれるジョアキムとミミ。
女盛りの峠を過ぎた刺青女が、いつしか神々しい傷だらけの女神[キスマーク]に見えてきた。
 
おまけ
ジュリー・アトラス・ミュズ(本名ジュリー・アン・ミュズ)の見事なパフォーマンスに、私は溜め息が出るほど感動したのであり、彼女が唯一、今作キャストの中で私のタイプでもあった。(ギリギリ当確ラインだが)
このダンスを『エロ』とか『アート』とか決めつけてはいけないのである[ハートたち(複数ハート)]
 
 
 
 人気ブログランキングへ

nice!(9)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 9

コメント 6

Labyrinth

Wow~♪ 見入ってしまいました ポリポリ (・・*)ゞ
マチュー・アマルリックは気になる人ですので是非拝見したいものです。

by Labyrinth (2011-10-23 01:26) 

(。・_・。)2k

いつも詳細な内容に関心しきりです
観たくなりますもん(^^)

by (。・_・。)2k (2011-10-23 01:30) 

haku

ドリーム・オンの弾き語り、いいですねぇ!
自分もこの曲大好きなので... ^0^
by haku (2011-10-23 07:12) 

つむじかぜ

>マチュー氏は、007の敵役の印象が強かったですが、監督としても
この感性はなかなかなモンです☆

>(。・_・。)2k 様
気に入った映画には、どうしても気合いが入ってしまいます^^;

>haku様
エアロスミスのデビューアルバムは、まだまだ青臭い無骨なロックって感じだけど
かえってその荒削りなサウンドが、私は好きですね☆
その中の名曲中の名曲です!!!

by つむじかぜ (2011-10-23 22:09) 

ひときわ

海に海水浴に行くとね。外人さん軍団はかなり肉厚な人でもビキニを着てたりするのよ。
どうかするとおばあさんまでも。
驚いちゃうんだけれど、見慣れるとその姿もまた素敵だななんて眺めています。
あっぱれ(笑)
by ひときわ (2011-10-24 09:14) 

つむじかぜ

>ひときわ様
羞恥心の感性が違いますよね、日本人とは。
確かに、いつまでも可愛いおばぁちゃまは、外国の方に多くみられますね☆

by つむじかぜ (2011-10-24 22:31) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。