ハイレゾで聴く「キース・ジャレット」の衝撃 [素人の扉〜Jazz&Classic〜]
ソロ・ピアノは苦手な部類だ。
クラシック・ジャズに関わらず名盤と呼ばれる作品でも、アルバム1枚を最後まで集中して聴くのは、私にとっては至難の技である。ピアノの旋律は大好きだが、音譜解読不可、絶対音感ゼロの小生は、この楽器の奥深さを理解するほど、高度な音楽経験は持ち合わせてなかった。5、6分の小作品のみならまだしも、1時間近くの作品を通して、その良し悪しを語るなぞ所詮、無理な注文ではあるのだが・・・
しかし、高校生時代に出会ったこのアルバムだけは別格なのである。
キース.ジャレットのソロ・ライブ。
理屈抜き何故か心が洗われ、自然と涙が溢れ出た
後日談によれば、最悪の体調の中、予定の器材も届かず、質素なピアノにて強行されたコンサートだったと言われている。その劣悪な環境下で、キースは自己の魂の表現を即興で鍵盤に綴っていくのである。そこから放たれる音の雫は、天空の煌めく雨だれとなってライン川に注ぎ、時に穏やかに、時に濁流の如く荒れ狂い、大海に飲み込まれて行くのである。
こんな美しいメロディーを、アドリブでどうしていきなり弾けるのか?信じ難かった。
そして、ピアノが鍵盤楽器と呼ばれると同時に、弦楽器であり打楽器でもある事を、初めて実体験した。
なによりも、「響き」が唯一無比。
当時の最高級カセット「フェリクローム・テープ」で録音し、就寝時に毎晩のようにラジカセ・ヘッドフォンで聴いていたものだった。今でも、曲の進行・一音一音、アルバム1枚分すべてが脳裏に焼きついている。
前置きが長くなったが、先日、とある音楽雑誌で「ハイレゾ音源でケルン・コンサートを聴いて涙した」というコラムを見つけた。
音響理論にも疎い小生であるが「ハイレゾ」というのが、CDには収まらない帯域の音源がNET配信された今の流行物というのは何となく知っていた。あの「ケルン・コンサート」をマスターテープ並みの美しい音で聴けるという妄想に捕われた私は、たいした予備知識も無く飛びついたのだった。
まず、HDtracks(https://www.hdtracks.com)という配信サイトへアクセス。当然、英語表記なのだが、なんとか会員登録。お目当てのアルバムを探すと、すぐに見つかった。
『Keith Jarrett koln concert 96kHz/24bit』 $17.98
買物カートに入れ、精算ボタンを押すと、PayPalに飛ばされるが、ここは焦らずにPayPalも会員登録完了させる。すると音源ダウンロード画面にチェンジ。「プッシュ」〜「落ちた〜」
こうして手に入ったハイレゾ音源なのだが、PCのヘッドフォンで聴いている限りでは、その本領は発揮されない。
しかし、私のPCはデスクトップ型MACなので、リビングに鎮座するオーディオ機器まで持っていけない。それ以前に、私の超アナログなアンプにはUSB入力なんぞ無いし、本格的には「DAC」なる別機器を購入せねばならないらしい。
極力、出費は避けたい小生は『困った』
この音源をCDに焼いても、CDレベルの音質に劣化するだけらしい。
そこで思いついた。私のCD兼DVDプレイヤーはユニバーサル・プレイヤーなので、今では絶滅寸前のDVDオーディオも再生できるのであった
詳しくは解らんがCDは44.1Khz/16bitが限界で、DVDなら192Khz/24bitまでいけるらしい。(理屈は???)
そこでMACの最強音声編集フリーソフト『Audacity』で、ダウンロードしたflacなるファイルをwavに変換し、更にMACの最強DVD作成フリーソフト『Burn』でDVD-Rに焼いてみる事に・・・
「出来た〜」(IT素人でも何とかなるもんだ)
そして、この出来立てのDVDオーディオを、恐る恐るホーム・オーディオで聴いてみる...
CDの音と桁違い。空気感と臨場感が圧倒的。
30年ぶりの感動が再び
「ハイレゾ」恐るべし
これから、ここでのお買い物がやたらと増えそうな予感と共に
CD時代終焉の始まりを漠然と感じた小生であった。
(ほんの少し有名なオープニングを昔のCMで)
ケルンコンサート、
これは確かに痺れます。
by ぷーちゃん (2011-09-08 12:58)
ご訪問&コメント有り難うございました^^
by yu-papa (2011-09-09 18:16)
>ぷーちゃん様
唯一無二の天上の音楽であります!!!
by つむじかぜ (2011-09-09 23:48)