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満月の夕〜ソウル・フラワー・ユニオン〜 [超個人的溺愛の逸品]

阪神淡路大震災から16年。

12年前、関西転勤を命ぜられた私達家族が選んだ会社の借上げ住宅は、兵庫県芦屋だった。

高級住宅地のイメージが強い芦屋ではあるが、実は、山側から海に向かって順番に阪急線・JR・阪神線が東西に横切っており、この沿線別に住民層が海抜に比例していると云われていた。しかし、東京下町で育った私は、「チャリンコで買い物できない処は人間が住むべきでない」というのが持論で、阪急沿線の六麓荘近辺には見向きもせず、結局「浜芦屋」と呼ばれる阪神線より更に海側の浜芦屋〜芦屋の下町に住んだ。

目の前の国道43号線の上を高速道路が走っていた。聞けば震災時に落ちた高速道路が、まさしくその場所だったのである。すでに震災から4年、復興のスピードはめざましく、神戸駅周辺なども完全に整備され、あの大惨事の面影を感じさせなかった。しかし、浜芦屋の自宅近辺では、壁にひびが入った無人の家が散見され、当時の傷痕を偲ばせていた。子供の通う小学校の授業参観に行くと、校門脇に犠牲になった生徒達の慰霊碑が建てられていた。神戸の取引先の方々との雑談の中でも、被害が皆無であった山側に住む人を除いて、ほとんどの人は当時の思い出を語ろうとしなかった。私も微妙にその雰囲気を感じ、よそ者の興味本位と思われたくなく、震災の話題を避けた。

そんな時、カーラジオから流れる1曲に鳥肌が立った。


ソウル・フラワー・ユニオン「満月の夕(ゆうべ)」

三線とアコーディオンが奏でる沖縄民謡のリズムに乗せて、力強いヴォーカルが切々と歌う。
無性に物悲しい気分にさせながら同時に力が湧き出てくる不思議な曲だった。

後から、この曲が阪神大震災時の避難所の光景を歌ったものだと知った。

彼らのアルバムを購入してみた。

GHOST HITS 93~96

GHOST HITS 93~96

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: キューンレコード
  • 発売日: 1996/06/01
  • メディア: CD
圧巻だった[exclamation×2]
こんな凄いバンドが日本にいたなんて[どんっ(衝撃)]

プロテスト・ブルース・ロックが基盤なのだが、このサウンドを何と呼べば良いのやら?
中川敬(ヴォーカル、ギター、三線他)が造り出すサウンドは天衣無縫、支離滅裂、原産地不明。
まさにキワモノ・ロックの範疇に入ってもおかしくないのだが、メッセージ性の強い歌詞と中川の強烈なヴォーカルが彼らの本気を伝える。
「まさにロック」しているのである。数ある日本のミクスチャー・ロック・バンドの中でも希有な存在であり、嘘偽りのない精神性を堅持したほんまもんロッカー達である。


ソウル・フラワー・ユニオンから電子楽器を取り除いた「ソウル・フラワー・モノノケ・サミット」と呼ばれるチンドン屋別働隊もあります。


このバンドのライブを観ると、「本当に音楽って楽しい」と心底、思える。

歌のちからを老若男女を問わず伝える唯一のニッポンのロックバンド〜ソウル・フラワー・ユニオン〜
疲れた時、落ち込んだ時、中川敬のヴォーカルと伊丹英子の合いの手が私にパワーをくれる。

ゴースト・ヒッツ 00~06
GHOST HITS 95~99
アジール・チンドン











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コメント 2

ぷーちゃん

芦屋にお住まいだったんですね。
by ぷーちゃん (2011-01-18 23:33) 

つむじかぜ

>ぷーちゃん様
最寄りの駅は「阪神打出」でした^^
by つむじかぜ (2011-01-19 01:13) 

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