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冬の京都〜NEX-5と駆け足で〜 [ざれごと写真日記]

久しぶりの京都

業界の会合が京都で行われる事になり、2年ぶりに京都を訪れた。
10年前、関西転勤中に度々営業で訪れた思い出の場所である。
夜の会合(要するに宴会)のみの仕事なので、翌日はフリー(要するに休日扱い)。
とりあえず、NEX-5+パンケーキレンズを鞄に放り込んで出立した。

夕刻、京都到着。宴会開始まで1時間ほど余裕があったので、町中をそぞろ歩く。

祇園白川巽橋〜観光スポットですね〜
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祇園「辰巳大明神」〜ここも時代劇に合いますね
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祇園らしい光景
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この赤い提灯に男は胸躍る訳です。
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仲源寺〜別名「目疾(めやみ)地蔵
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先斗町は若者向きのフード・ストリートに変貌していました
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時間ギリギリ、本日の会食場所「本家 鳥初」
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以前なら、高級割烹で芸妓・舞子遊びが当然の“夜の会合”であったが、リーマン以降は質素(清廉潔白)になってきた我が業界。本日も酌婦抜きの水炊きです。
京都の鶏料理は、昔から雰囲気・味ともに非情にコスト・パフォーマンスが高いと思います。今日の「鳥初」さんも歴史ある名店で、独自のだしの効いたスープが地鶏の食感を引き立て、まさに幸せの鍋でした[わーい(嬉しい顔)]

仲間内での2次会も、女性抜きの座敷BARへ。これも以前なら、高級クラブかお茶屋に繰り出していたが、誰も贅沢は申しません〜。

日本各地の盛り場の中でも、京都・祇園は別格です。ススキノも中州も楽しい街だが、歴史と伝統を残した和の「遊び」の世界は、京都の花街しか存在しない。特に客と芸妓・舞子との関わり方は独特である。まず、「客」として向こうに認めて貰わなければ永いおつきあいはできない。「一見お断り」は、高飛車にみえるが、実は常連さんを最も大事にしたいという京都人の心意気なのである。
昼の営業先も夜の芸妓衆ともに、東京モンが親しくさせてもらうには、他の街以上に努力と時間が必要だった。

思い起こせば、会社のカネでよく遊ばせてもらったなぁ。この先、そんな芸当ができる時代がくるのであろうか?
ここまで景気が冷え込むと、花柳界にも大分影響が出ているようだ。所謂、京都の遊びとは伝統芸能と同義語に近い訳で、景気の良し悪しは、その趨勢にも影響する。

もう少し景気良くして、華やかな夜の世界を盛り立て、日本の文化を守るのは男の使命じゃ[パンチ]

そう思いつつ、男同士で仕上げのラーメンを啜っている自分がいた。

当時、馴染みになった芸妓の姐さんの言葉を思い出した。

『素人はんが、祇園でもてはろう思わはったら、あきまへんぇ〜』


翌日の午前中は、昨年亡くなった当時の取引先の恩人の仏前にお参り。故人を懐かしみつつ、未亡人・息子さんと昔話に花を咲かせる。

午後から念願のフリータイム
ちょうど「京の冬の旅 非公開文化財特別公開」期間らしく、観光協会の思うつぼと解っていながら、寺社巡りをする事にした。午後からの活動の上、京都の寺の拝観時間は16:00終了がほとんど。多少土地勘はある処なので、移動範囲を考慮しながら、絵画の特別公開をしている寺を選んで駆け足で廻ってみた。

金戒光明寺
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伊藤若冲の墨絵での「鶏図屏風」や信長の「天下布武」の朱印状が目を惹いた。
また、特別公開の大方丈での久保田金僊(きんせん)筆の虎の間の屏風絵は、当時としては珍しい克明な虎の描き方で、襖を閉めると5匹が2匹に見えるという遊び心も興味深い。
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今年のNHK大河ドラマの主役「お江」の供養塔と三重塔を観て、知恩院に飛ぶ。
ここは浄土宗の総本山の大寺で、昔は仕事上の法要で度々お参りした場所であるが、三門内部が特別公開中という。

知恩院 三門
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「げっ、登るだけで800円かよ。えぐい商売しなさるなぁ〜」
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見事な昇龍の天井画と厳かな釈迦如来と十六羅漢像。外から一望できる京都市内の景色も素晴しい、が800円は高過ぎる。(普通の美術館でああれば1時間ゆっくり観賞できる金額だ)寺社内の庭園はさらに別料金。先人達の残した芸術を餌に、人の足元を見るようなやり方を、仏様はお許しになるのだろうか?

いささか憤りながら、昨晩通った祇園の町中にある建仁寺に歩いて向かう。ここも大きい寺院で、本坊の他に多くの塔頭を抱える。通常の公開は、本坊中心で、俵屋宗達「風神雷神図」や最近では小泉淳作「双龍図」が有名である。今回の目的は、普段非公開の塔頭のいくつかが特別拝観できる。そのうちのひとつにお参りした。

建仁寺 両足院
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お目当ては2つの絵画。
長谷川等伯「竹林七賢図」
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伊藤若冲「雪梅雄鶏図」
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特に伊藤若冲が凄い[exclamation]美術館でのガラス越しの観賞は何度もあるが、床の間に自然に掲げられた彼の絵を目の当たりにすると感動もひとしおである。緻密な描写、見事な構図、誰もまねの出来ない“色使い”。まさに超人の域の技術と感性。庭園も趣きがあるし、秘仏・毘沙門天像も本邦初公開(でも7センチで良く見えないが)。これで600円なら納得できる。

最後に向かう寺院は、昔から私の大のお気に入り。三十三間堂の斜向いにあるその寺にふらりと立ち寄ったのは10年前。観光客でごった返す三十三間堂とは趣を変えて、ひっそりと佇む本堂の脇を季節遅れのしだれ桜が美しくほころんでいた。その姿に心奪われた。中に入れば拝観客は私ひとり。ラジカセを抱えた女性が私の観賞速度に合わせて後から付いてきて、寺宝説明のカセットテープを聴かせてくれた。由緒ある寺院で寺宝も素晴しいのにこの閑散ぶり。よほど商売下手な住職なのだろうと思った。関西転勤後も、京都に商用ができた時には、時間を作ってここだけは訪れていた。

養源院
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秀吉の側室・淀殿が創建し、妹であり徳川秀忠の正室となった「江」(崇源院)が再興した寺院。
いくら「お江ブーム」とはいえ、まだ放映1回だし、この寺まで観光客は押し掛けまいと考えていたが、大間違い。観光バスが横付けし、暗く小さな堂内は、団体客でむせ返っていた。

少々興醒めの感もあったが、「今年くらいは稼いでね」みたいな応援団的な気持ちが強くなり、団体客に紛れ込んで観賞する。  

伏見城から移築して作られた本堂は、左甚五郎作の歩くと「キュキュ」と鳴く鶯張廊下と、伏見城落城時に切腹した武士達の血糊が残る血天井から成る。この寺の寺宝として私が大きく惹き付けられているのは、俵屋宗達の描いた杉戸絵である。
デフォルメされた象・獅子のなんとユニークなこと[exclamation×2]
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本堂入口横に臨時の券売所をベニヤ板で作った以外は昔と変わっていなかった。
人ごみの中で、10年前と同じラジカセを使って、寺宝を説明する女性の様子を見て、なぜか微笑ましい気分になった。
江の墓(特別公開)
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予定通り16:00。昼飯抜きで歩き回ったので空腹感MAX。
京都駅前の馴染みのラーメン屋に行く。

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新福菜館」と「第一旭」と2軒が並ぶ。
本日は、腹が減り過ぎの為、チャーハン・メニューもある新福菜館に決定。

湯気で曇ってるがな
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このドス黒い焼飯がクセになる
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とにもかくにも、駆け足の「冬の京都」だった。

やはり、年に何度かはゆっくり訪れたい私の第3の故郷である。

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Good-bye My Kyoto



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